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環境副大臣日誌

活動レポート
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環境開発(ヨハネスブルグ)サミットに参加して

前環境副大臣 山下 栄一


「環境の世紀」へ大きな一歩/南ア・環境開発サミットを終えて (公明新聞インタビュー記事2002.09.08)


 地球環境の保全と開発の両立を目指し、南アフリカ・ヨハネスブルクで開かれていた「環境開発サミット」(持続可能な開発に関する世界首脳会議)が4日夜(日本時間5日未明)、10日間の日程を終えて閉幕しました。サミットに参加した山下栄一環境副大臣(公明党)に、サミットの意義や、サミットで採択された「世界実施計画」のポイント、今後の環境政策の進め方、公明党の取り組み方――などについて聞きました。

 『NGO(非政府組織)の役割の大きさ実感。環境保全、貧困撲滅へ世界が連携』
 ――環境開発サミットの意義、また、同会議に参加した感想は?

 山下栄一副大臣 まさに21世紀の人類の方向を決定づける大事な会議であったと思います。効率性・利便性の追求だけが、歴史の進歩ではありません。アフリカ地域が保持してきた生態系や民族固有の多様な文化にも重要な価値があります。その意味で、サミットがアフリカで開催された意義は大きいと感じました。
 サミットの日本政府代表団には、NGO(非政府組織)が初めて正式メンバーとして加わりました。また、各国、国際機関、NGOなどが、「世界実施計画」や「政治宣言」を実施するために行う具体的プロジェクトが「約束文書」という形で会議の正式文書になりました。
 日本政府は「約束文書」で、(1)アフリカにおけるネリカ米(かんがいや肥料が無くても育つ米)の普及(2)2002年から5年間で5000人の環境分野の人材育成――などのプロジェクトを表明しました。こうした動きは、今回のサミットの大きな特色でNGOなどが担う役割が、とても大きくなっていることを実感しました。

 ――21世紀の人類の具体的な行動計画となる「世界実施計画」と、各国首脳の決意を示す「政治宣言」のポイントは何ですか?

 山下 サミットの最大テーマは、1992年の地球サミット(国連環境開発会議)で採択された行動計画「アジェンダ21」を検証し、次の新たな10年に向けて、どう地球環境を持続可能なものにしていくかでした。
 その目標に向けて、「世界実施計画」は新たな国際社会の規範となるものです。同計画ではまず、2015年までに1日1ドル以下の収入で暮らす人や、安全な飲料水と最低限の衛生設備も無い人を半減するなど、公衆衛生改善の目標が明記されました。また、世界連帯基金を設立することも合意されました。同基金は任意拠出を前提に官民が協力して貧困を撲滅していくためのものです。
 また、太陽光などの再生可能エネルギーについては、世界全体で普及率を上げることが明記されました。地球温暖化をもたらす石油などの化石燃料だけに頼らず、再生可能なエネルギーを増やすことが確認された意義は大きいといえます。
 このほか、化学物質の生産・使用が人の健康や環境にもたらす悪影響を2020年までに最小化することも確認されました。開発途上国もこの点を認めたことは大きな前進です。
 一方、政治宣言では、「人類発祥の地であるアフリカ大陸から、持続可能な開発という共通の希望を実現することを保証する」ことが表明されるとともに、貧困撲滅へ向け、各国が責任を負う決意が示されました。「世界実施計画」や「政治宣言」などが採択されたサミットの成功は意義深く、「環境の世紀」へ大きな一歩を踏み出した会議だったと思います。

 『画期的な「教育の10年」』
 『京都議定書が温暖化対策の柱に』
 ――日本の提案で「世界実施計画」に盛り込まれたものは何ですか?

 山下 2005年からスタートする「持続可能な開発のための教育の10年」の採択を検討するよう国連総会に勧告することが盛り込まれました。持続可能な社会は教育があってこそ成り立ちます。
 この「教育の10年」の項目は、NGOが提案したものです。それを日本政府が採用し、さらに世界が認めたという点で画期的な出来事です。今年中に国連総会の場で取り上げられて採択される見通しです。
 また、地球温暖化対策として、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの削減を目指す京都議定書の批准を呼び掛ける文言が明記され、同議定書が21世紀の温暖化対策の柱と位置付けられました。同議定書から離脱している米国は当初、難色を示しましたが、ロシアやカナダが批准意思を表明したこともあり、最終的に同議定書を守ることを世界が再確認しました。
 科学技術関係では、わが国の提案により、気候変動に関して組織的観測を推進することが盛り込まれました。現在、地域によっては観測データが存在しない「空白地帯」があり、日本が世界に技術協力しながら、実態を調査しようという壮大な試みです。
 アフリカへの支援では、わが国が90年代前半から開催してきたTICAD(アフリカ開発会議)の重要性が認められ、「世界実施計画」に盛り込まれました。

 『今後の課題は各国の実行。日本は政策の中心に環境の視点を』
 ――今後の課題は何でしょうか?

 山下 サミットで合意した項目を各国が着実に実行するよう、フォロー(追跡)していく場が必要になってきます。国連や国際会議の場を通して、実施状況を検証していくことが必要だと思います。
 また、NGOの参加が本格化することになりますから、支援の現場で活動し、国際的ネットワークや人脈を持つNGOとの連携協力が、ますます重要になっていくと思います。
 わが国では、「生物多様性の保全」が「気候変動」と比べて取り組みが進んでいない分野であるように思います。生物多様性の保全は国際的に大事な課題であり、生態系保全によって人間も守られるという国民の意識変革が求められます。

 ――日本そして公明党の環境政策に今後どう取り組んでいきますか?

 山下 持続可能な社会を築くために、日本は経済や福祉などすべての政策の中心に、環境の視点を位置付けなければなりません。
 また、「教育の10年」の国連採択へ向け、各国、国際機関への働き掛けを強化するとともに、そのモデルとなるよう国内での環境教育を推進するために、体制整備を検討していく必要があります。
 今後の環境政策を立案するに当たっては、これまで以上に世界に目を向けなければなりません。ヨーロッパや中国での大洪水など環境問題には国境はありません。国際的視野を大きく広げて、広く世界の識者やNGOと意見を交換しながら、実効性のある政策を発信していきたいと思います。環境分野における国際貢献こそ、途上国をはじめ世界が期待する日本の進むべき道ではないでしょうか。
 一方、国民の環境問題に対する意識は急速に高まっており、「環境の党」を掲げる公明党への期待は大きいと思います。その声にこたえられるよう、環境立国・日本を目指し、全力で取り組んでいきます。

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