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> スクールカウンセラーの制度化について
132国会 文教委員会会議録 1995年03月17日(抜粋)
○山下栄一君 これは先日の予算委員会でも大臣から御答弁いただいたわけでございますけれども、相談員として教育経験者、これは当然考えられる。これが今まで非常に中心でなかったのではないかなと思うわけです。それプラス臨床心理士、心理学の専門家といいますか、それから精神科医の方、これはよく出てくるんですけれども、市町村レベルでそういう方々を配置できるのかなと。都道府県でも私は教員OBがまだまだ中心であると思うわけでございます。
私の地元におきましても、やっとこの二、三年においてお医者さんとか、あと精神科医、小児科医、それから心理学の専門家の方がやっと配置されたばかりであると、非常勤で。だから、都道府県をずっと広げますと、非常に充実しているところもあれば、まだまだそういうところまで至っていないと、都道府県レベルにおいてもそういう状況にあると思うのでございます。市町村になりますと、臨床心理士を探したり精神科医を持ってくるというようなこと自身が非常に困難であるのではないかなというように思っております。
そこで、御提案ですけれども、都道府県に精神保健センター、これは厚生省の管轄かもわかりませんけれども、そういうようなものがございます。特に思春期の相談、心のケアということで、これは文部省の方も入られての懇話会の中でのいろいろな御提言があるわけでございますけれども、その中で、そこにおける相談員というのは精神科医、その次に精神科ソーシャルワーカーというのが出てくるわけですね。具体的にはそのソーシャルワーカーの方が実は中心となって心のケアの仕事をされておるということがございまして、この精神科ソーシャルワーカーというのは相談員として、特に教育センター、市町村における教育相談所におけるメンバーとしても取り入れていくべきではないかなというようなことを思っておるんですけれども、この辺いかがでしょうか。
○政府委員(井上孝美君) 児童生徒の相談体制の整備につきましては、先生がおっしゃるようにいろいろな観点から、その地域の実情に即し、また学校の実情等を踏まえまして、相談機関と学校との連携協力関係というものも十分念頭に置きながら、そこに適切な人材が確保できるように各市町村等で十分配慮をしていただくように私どもとしても指導していきたいと思っているわけでございます。
特に、平成七年度から、私どもとしては新たに学校におけるカウンセリング等の機能の充実を図るために、高度に専門的な知識、経験を有するスクールカウンセラーの活用、効果等に関する実践的な調査研究も行うこととしているところでございますので、そういうスクールカウンセラーの今後の充実策等についてはそれらの調査研究の成果を見て適切に対応したいと思っておりますので、そういうほかの省庁の所管する相談体制等とも十分連携をとりながら相談体制の整備を図っていきたい、このように考えております。
○山下栄一君 十二月十三日の総理の御指摘も、やっぱり教育相談所が本当に機能しておるのかと。実際、教師が、また親が相談したくなるようなメンバーになっておるのかみたいなことの御指摘があったと思うんですけれども、特に教育経験者というのは、もちろんたくさんいらっしゃるわけですけれども、中には、特に学校の方では、先生方が、教育センターの方が元校長先生とかというとなかなか相談する気が起こってこないというふうなことも現状としてはあるという、そんなこともあるわけでございます。
そういう意味では、教育現場以外の、またそれ以外の面での心理関係のプロも考えていかなきゃならないと思うんです。ただ、市町村となりますと、先ほど申しましたように全国三千三百の中で、臨床心理士とか精神科と言ってみても、どうしてもそういう人が見当たらなくて結局は教員OBが中心になってしまうというようなことが考えられますので、もう少し分野を広げて、やはり具体的な形で市町村にも指導していかないとなかなかそういう相談員の確保ということ、また充実ということが図られないのではないのかということがございましたもので、この点、今申し上げたような観点から、精神科ソーシャルワーカーも含めまして御検討いただきたいと思います。
それから、今局長おっしゃったスクールカウンセラーなんですけれども、これは来年度、新規事業と言っていいのでしょうか、調査研究委託ですか、こういうことが、特にいじめ問題が非常に大きく、いわゆる西尾市の問題がございまして、十二月の段階でしたか、一挙に三倍にふえるような、政府全体としてもこのスクールカウンセラーの文部省の措置が非常に高く評価されたと思うわけでございます。タイムリーな研究委託事業になったと思うわけでございますが、スクールカウンセラーなんてそんな制度はもともとないわけですよね。これは、臨床心理士ということが主要なメンバーと考えられているようでございますが、このスクールカウンセラーの制度化につきまして、今後の方向としてどのようなお考えなのかということをお聞きしたいと思います。
○政府委員(井上孝美君) 先生がおっしゃるように、スクールカウンセラーの活用、効果等に関する実践的な調査研究は来年度予算で三億七百万円の予算措置が初めて講じられたところでございますので、来年度そのスクールカウンセラーの調査研究事業を行うことによりまして、さらに児童生徒の心の悩みにこたえる適切な相談体制というものを整備していきたいというように考えているところでございます。
スクールカウンセラーの選考に当たりましては、財団法人の日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士あるいは児童生徒の臨床心理に関しまして高度に専門的な知識、経験を有する者などを起用したいというように考えているわけでございまして、先生おっしゃるように各市町村になりますとなかなかそういう人が得られないという場合には、生徒指導等のベテランの退職校長、教員等につきましてもそういうスクールカウンセラーとして起用し、その人たちの実際の相談のあり方等を見ながら今後におけるスクールカウンセラーの充実について対応していきたい、このように考えているところでございます。
いずれにいたしましても、スクールカウンセラーの職務である児童生徒へのカウンセリング、あるいは教職員及び保護者に対する助言、援助とか、あるいは児童生徒のカウンセリング等に関する情報収集、提供、そういうものを総合的に、カウンセリングに必要な条件等を見ながら適切に今後対応していきたい、このように考えております。
○山下栄一君 学校の中にそういう教員免許を持っておられないお医者さんとか精神科医の方、また臨床心理士の方が入ってこられるということも非常に大きな開かれた学校という意味でも評価できる部分があるんではないかなと思うわけでございます。私は、この方向を、学校の実情、登校拒否の増加とか、またさまざまな心のケアを必要とするような今の社会の事情から考えますと、スクールカウンセラーの制度というのはこれから広げていくべき課題ではないかなと思っております。
二年間研究委託された状況を見られるわけでございますが、特に臨床心理士なんですけれども、これは非常に高度な知識を有するということで、大学院が基本的な受験資格といいますか、資格要件になっているわけですね、これを卒業されているということが。ただ、今全国に五千名ほどいらっしゃるそうでございますが、この震災におきましてもそういう臨床心理士が活躍されておるというようなことも考えますと、学校だけじゃなくて社会全体がそういうカウンセラーを必要とするような時代になってきておるということを考えましたときに、カウンセラーの専門家の養成ということが社会の課題にもなってくると思うわけでございます。そういう意味で、大学における心理学の、大学院におけると申しますか、定員の拡大ということも考えていかなくちゃならぬのじゃないかなと、このように思っておりますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(吉田茂君) カウンセリング機能の充実を図るための臨床心理士、非常に高度の専門的知識を有する人材養成が非常に増大してくるということは御指摘のように予想されております。
大学院における心理学及び心理学隣接諸科学に関する専攻について調べてみますと、昭和六十年度、入学定員で修士千百五十人、博士二百六十人、合わせて千四百十人となっておりますが、平成六年度の入学定員は、修士が千七百十二人、博士三百三十六人、合わせて二千四十八人、千四百十人が二千四十八人と四五%程度ふえております。特に、中心的な臨床心理学を専門とする専攻がその後できまして、京都大学など三大学で設置されておりまして、その入学定員は、修士五十人、博士十人、合わせて六十人、これは二千四十八人の内数でございます。以上のような状況でございます。
○山下栄一君 大学院における心理学の講座の拡充、これも大きなこれからの課題ではないかなと思いますので、前向きの御検討をお願いしたいと思います。
スクールカウンセラーという制度を公的な制度として整えていく、そういうお考えはどうでしょうか。
○政府委員(井上孝美君) スクールカウンセラーにつきましては、特にいじめ問題等児童生徒の心の悩みにこたえる適切な相談体制の整備ということになるわけでございますので、今回の調査研究の成果等を踏まえて検討していきたいと思っているわけでございます。そして、スクールカウンセラーにつきまして、例えば臨床心理士、精神科医等の専門家を活用して調査研究を行うわけでございますが、そのスクールカウンセラーの資格等につきましてはこの調査研究の成果を踏まえて今後の研究課題として考えていきたいと思っております。
○山下栄一君 どうぞ研究委託のこの事業を踏まえて取り組みをお願いしたいと思います。