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> 教育の地方分権、義務教育の見直しについて
156国会 総務委員会会議録 2003年03月20日(抜粋)
○山下栄一君 最初に質問させていただきます。
地方分権の推進という観点から、この三位一体の議論をどう進めていくかということ、大きなテーマになっております。国から地方への税源移譲、それから国庫負担金、補助金、それから交付税、この三位一体の件でございますけれども、地方の独自財源、地方税を強化して、ひも付きとも言うべき交付税とかそれから負担金、補助金を下げるということがメーンであろうというふうに思うわけでございますけれども。
具体的に教育の地方分権という観点から、この義務教育国庫負担金の問題、これも激しく地方分権推進会議でも議論され、財政諮問会議でも議論され、また総務省と文部科学省との調整、簡単ではないこと聞いておるわけでございますけれども、まず国と地方の役割分担、私は、この義務教育制度も抜本的に見直す時期が来ているのかなということを感じているわけですけれども、国の関与をできるだけ抑制して地方の裁量権をできるだけ拡大するという、これが基本方針だと思うわけですけれども、だからといって、国の関与全くなしでいいのかということは、私はそうではないというふうに思っております。
教育のナショナルミニマム、最低基準はしっかり確保するという、特に義務教育はそういうことが大事だろうと思うわけですけれども、まず、コストの面、費用の面ですけれども、この三大臣合意事項という平成十四年十二月十八日、総務、財務、文科、三大臣合意の二項目にございますけれども、「改革と展望」の期間中、すなわち平成十八年度末までに国庫負担金全額の一般財源化について所要の検討を行うと。検討の結果どうなるかはこれからの議論次第だと思うんですけれども、片山大臣にお聞きしたいのは、この一般財源という中身ですけれども、大臣は、地方税を中心にやるのか交付税中心にやるのか、このことをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) これは、三位一体の改革は、私は、税源移譲を、国からの地方への税源移譲をしてもらうために国庫補助負担金の整理合理化をやり、地方交付税を見直したいと、こういうことでございますから、今の山下委員のお尋ねに答えるとすれば、これはもう地方税です。地方税で手当てすると、こういうことをやります。
○山下栄一君 私もそうあるべきだと思うわけです。それが地方分権の精神だと思うんですけれども、その負担の話なんですけれども、学校教育、特に初等教育、前期中等教育ですね、小学校、中学校について、経費をどこが負担するのかと。今のところ国から県にということだと思うんですけれども、公立の小中学校というのは基本的に市町村が設置主体であると。そういう、できるだけ現場に近いところで教育も、住民、市民、保護者の意見を反映させるということから考えましたら、設置者負担、経費の設置者負担原則、すなわち市町村ということが理想の姿ではないかというふうに思うわけです。
学校教育法第五条でもそういうことが精神で書かれているというふうに思うわけですけれども、確かにこれは基礎的自治体である市町村をどう作っていくか、合併も今もう進んでいるわけですけれども、それを強化する必要があるとは思うんですけれども、その上で今のところ国から県ということになっていると思うんですけれども、義務教育の見直しについて私は県のみならず市町村もという考え方が理想の姿ではないかと。市町村の体制、受皿をしっかり強化した上でということが前提ですけれども、これが本来の考え方ではないかと思うんですけれども、この点を総務大臣にお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 言われるように、義務教育の小中学校の設置、管理は市町村ですよね。市町村が責任を持っていると。ところが、人件費については都道府県にしているんですけれども、これは義務教育の先生方の給与というのは物すごく、量がですよ、六兆何千億からになるわけですね、総額で。市町村は三千二百幾らありまして、まあ小さいのまでありますからね、そういう給与費の財政負担に堪えることはできると思いますけれども、ばらばらになるおそれが一つありますのと、それから財政力がばらばらですから、それが一つと。
もう一つは、やっぱり義務教育の先生方でも配置は広域的にやった方がいいんですね。市町村中心で、市町村の中でぐるぐるやるよりも、都道府県単位でいろんな人員配置をやった方がよろしゅうございますので、そういう意味で給与については都道府県に組んでもらって、そういう任命権等人事配置のいろんなことは都道府県でやってもらうと、こういうことにしたわけですが、私は、市町村が、将来力を持つ市町村ができれば、その辺は今のままでずっとやるということについては検討の余地が私はあると思います。
○山下栄一君 だから、地方税の強化ですけれども、地方税はもう県の、都道府県の税と市町村の税があるわけですから、できるだけ地方自治体の、特に設置者である市町村の独自財源といいますか、これを強化する形でこの教育の、特に義務教育の多様な考え方を反映させるために、住民の意見を反映させるために、設置者でできるだけ裁量できるような仕組みというのはあるべき姿ではないかなというふうに思うわけですけれども。
今、大臣おっしゃった教員の配置の話ですが、今日は文科省も来ていただいておりますので、この教員の配置につきましても、今は特に義務標準法の方で非常に縛りがきつくなっておるわけです。私は、先ほど申しましたナショナルミニマムを確保する、最低の教育水準を確保するという意味でルールを国で法律という形で作ることは大事だと思うんですけれども、今の義務標準法は余りにも拘束が強過ぎるというふうに思っております。せめて高校の標準法ぐらいの弾力化は考えた方がいいのではないかというふうに思うわけですけれども、これは義務標準法の見直しにつながる話ですけれども、加配措置まで含めて、教員の加配については障害者の観点、また様々な少人数学級の確保のというようなことを非常に細かくルールを決めて下に下ろすということが行われておりますので、この加配措置についてもメニューの大綱化をやるべきだというふうにも思います。
この点の文科省のお考えをお聞きしたいと思うわけですが、あわせてこの学級編制の基準も、県で基準を作り、実質市町村で決めることにはなっているんですけれども、これも県の縛りがきついというふうになっているわけです。教員の任命権も県が握っていると。これはお金の面が強い。市町村、一切負担しませんので、そういうことになっているということも含めまして、教員の任命権も県から市町村というようなことも考えられるというふうに思うわけですけれども、いろいろ言いましたが、この教員の配置という観点から、義務標準法も弾力化すべきということについての文科省のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
今回義務教育費の国庫負担制度を見直すことになったわけでございますけれども、この際、国の責任を適切に果たしながら国と地方の役割分担、費用分担の在り方の見直しを図るという観点に立って、負担対象経費を見直しをさせていただいたわけでございます。
この負担対象経費の見直しと併せまして制度改正を行うということで、三大臣合意にもございますように、私どもといたしましては、この義務教育に関する地方の自由度を拡大をしていこうということで、この三大臣合意にもございますように、学級編制を一層弾力化をしていこう、あるいは今御指摘いただきました教職員加配に係るメニューを大くくり化することによって、地方がこの弾力的に加配された教職員の配置について適切に行っていくことができるように、こういう教職員配置の弾力化を進めたいと思っているわけであります。
またさらに、平成十六年度からいよいよ国立大学も法人化をするということで、それに伴いまして、私どもこの国立学校準拠制の公立学校の教員給与の在り方についても見直しを進めながら、各県が教員の給与額等を自主的に決定できるようになどの、こういった制度改革も進めていきたいと思っておるわけでございます。
この今回の義務教育費の国庫負担制度の見直しと併せて、地方の自由度を高めるような取組については、進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○山下栄一君 だから、合意事項に書いてあることはそういうことなんですけれども、私、先ほど中心的にお聞きしたのは、義務標準法そのものをもう少し弾力化すべきではないかということについて、再度お考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(樋口修資君) 私ども、義務標準法は、今第七次教職員の定数改善計画の三年度目にいよいよ突入するわけでございます。私どもは、少人数指導あるいは習熟度別の学級指導を通じて確かな学力を子供たちに身に付けていただくような、今そういう教育改革を進めているわけでございます。
その裏打ちとして、私ども、この標準法と国庫負担制度というものが相まって、私どもは教育の改善を進めているわけでございまして、そういった法律の枠の中で、できる限りのことは私どもも弾力化を図っていきたいと思っているところでございますが、現段階で標準法の見直しということについては、ちょっと私どもとしてはそういう段階にはないと思っているわけでございます。
○山下栄一君 この三大臣合意の一項目めに、義務教育に関する地方の自由度を大幅に拡大するということが、そういう方向性は確認されておりますので、この義務標準法の弾力化も、私は議論、検討すべきだというふうに思いますので、これは、その点についてだけ申し上げておきたいと思います。
あと、今日は文教科学委員会じゃございませんので、学習指導要領についてももう少し大綱化するということ、また、教育委員会の、形式化しているこの教育委員会制度も更に活力を取り戻すというか再生するというか、そういうことも大きなこの義務教育の地方分権化というテーマにとっては、大事なテーマだというふうに思うんですけれども。
総務大臣にちょっと所見をお伺いしたいんですけれども、この義務教育制度の在り方をどうするかという抜本的な議論抜きに、お金の話だけじゃ、これは内容の伴わないそういう議論になってしまうというふうに思うわけです。
この義務教育の制度、在り方そのものの検討するところなんですけれども、今のところは文科省の専門的な審議会でやる、中央教育審議会で多分議論するということになっていると思うんですけれども、私、それだけでいいのかなというふうに思います。そうなってくると、文部科学省的なやはり考え方の結論にならざるを得ないというふうに思うわけですね。
そういう意味で、何も義務教育についての問題というのは、国民全体の関心ですし、国の根幹にかかわる正に憲法の要請からきている話ですから、内閣としても、別に教育内容にかかわることであったとしても制度の根幹にかかわることなので、文科省にゆだねるということでなくてもいいのではないかと。例えば、財政諮問会議でそういう義務教育の検討部門を設けるということも一つの考え方だと思いますし、場合によっては、総務省でもいろいろ地方自治体で様々な形で職員の方も人事交流されて現場もよく知っておる方もたくさんいらっしゃるわけですから、所管外ということになるかも分かりませんけれども、この制度そのものの検討場所も、文科省に限らず、本格的な財政諮問会議その他で議論することも考えていいのではないかと。そうしないと、偏った見直しになってしまうのではないかというふうに思うんですけれども。
所管外でお答えにくかったら、国民代表としてでもいいですし、お父さん、おじいちゃんの代表として、そういう立場も、総務大臣いらっしゃるわけですから、そういう観点からでも結構ですので、この件についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今まで三位一体の改革は私が経済財政諮問会議で提案して、経済財政諮問会議を中心にやってきたんですね。ただ、その場合に、案を作るということで地方分権改革推進会議ですか、そこにお願いしてと、こういうことでございまして、国と地方の関係だけ、お金のことだけを中心に議論するのも私はいかがかなと思いながらやってきたので、そういう意味で、中央教育審議会というんですか、そこは教育制度の万般をやるんでしょうか、重要なことを、そこでも大いに議論してもらったらいいと思うんですよ。義務教育というのは教育の根幹ですからね。
ただしかし、そこだけの意見で物を決めるというわけにはなかなかいかない。だから、いろんなところがいろんな意見を出して、最終的にはそれは閣議ということになるのか、総理ということになるのか、そういうことでまとめていくと、こういうことになると思いますので、だから三大臣覚書でも、あれ、教育改革の中における義務教育制度の在り方もひとつ踏まえてと、こういうことを入れたんですよね。お金のことだけなら入れぬでいいんですよ、そのこと。
ただ、そういうことを含めながら、やっぱり国と地方の役割分担、お金の在り方と、こういうことなんで、今までの文部省の考え方は標準法でがんじがらめに縛って、がんじがらめじゃないかもしれぬけれども、ほとんどがんじがらめですよね、縛って、さらに負担金を半分出して給与費の、それで学級編制や教職員配置や、ほとんど地方の裁量の余地のないことでやってくれと。だから、それは少し緩めたらどうかというんですよ。
基本はしっかり国が責任持って守らないけませんけれども、地方のそのある程度裁量の余地、自由度を増さないと、今もう知事さんにとって教育というのは大変重要ですよ。教育をおろそかにするような知事はすぐ落ちちゃう。だから、そういう意味では、自由度を与えたって私はちゃんとやると思うんですよ。だから、そこは基本は国でちゃんと法律で縛ってくれと、自由度を与えてくれと、こう言っているんです。
それから、全部負担金を、二分の一を死に物狂いで守らなくてもそこはいろんな考え方ができるんで、昔と違うんで、ちゃんと国も財源を与えているんで、トータルでは、こういうことを言っているんですが、文部科学省には文部科学省の立場もありますから、そこはある程度考えながら、中を取ってというのもおかしいんですが、そこで十分な調整をしながらあるべき方向で指標を出していくということが三大臣覚書でございますので、山下委員のお気持ちは分かりますから、私どもは、お気持ちを踏まえながら、また、しょっちゅう踏まえておりますが、踏まえながら十分検討してまいります。
○山下栄一君 今日は、教育基本法の改正を中心とする中教審の最終答申も出るというふうに聞いておるわけですけれども、今の教育改革の話は、もうこれは国民的な大きな課題になるほど深刻な状況になってきているというふうに思います。単に学校教育だけじゃなくて、もうすべてにわたって社会全般の大きな問題であるというふうに思いますし、そのやっぱり中心的な部分が義務教育制度だと思うんですが、これが今のところ財政論中心の議論になっているのではないかというふうにも思います。
そういうことを考えましたときに、今の総務大臣の御発言は大事なことだと思いますし、そういう観点から、三大臣でこの教育改革の一環の中でどうするかということをしっかり議論していこうというふうな流れについては、私も大事な流れだと思いますので、積極的な国民に開かれた議論をお願いを申し上げたいというふうに思います。