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140国会 文教委員会会議録 1997年05月08日

○山下栄一君 平成会の山下でございます。
 四月八日にも学校図書館問題につきましてその重要性を指摘し、また質問もさせていただいたわけでございますけれども、本日も何点か現場の実情も踏まえまして質問させていただきたいと思うわけでございます。私は、主に文部省の方に質問させていただきたい、このように思います。

 学校図書館の活性化という言葉が出ておりますけれども、私は、学校図書館がよみがえれば学校教育がよみがえる、授業がよみがえり子供がよみがえる、そういう観点から、教育改革のかぎを握る、それぐらい重要な問題である、こういうふうにとらえておるわけでございます。そのかぎを握るのが学校図書館の建物、それからそこに置かれる図書館資料、これは蔵書に限らず最近の情報化に伴うCDとかビデオとかそういうふうなことも入ると思うわけでございます。それと人ですね、とりわけこの人の問題、これは最も大事である。今回の法改正はこういう観点からの一歩前進、そこまで言えるのかな、半歩というかその程度かなと思っておるわけでございます。

 司書教諭の職務の重要性、このこともいろんな観点から指摘されており、文部省もおっしゃっておるわけでございますが、実際、学校図書館において司書教諭はどういう役割を期待されているのか。これをまとめますとえらいたくさん期待されているというようなことを感じておりまして、そういう観点からいいますと、発令するだけでそんな役割を果たせるのかなというようなことを感じております。
 文部省は、司書教諭という職務、司書教諭の役割、これをちょっと具体的に、どういうことを期待されておるのかということをまずお聞きしたいと思います。

○政府委員(辻村哲夫君) 司書教諭の方々の職務でございますけれども、一般的には子供たちの学習、読書を推進し、教育課程の展開を支えるものとして学校図書館の効果的な活用を図るために、学校図書館の活用あるいは読書活動につきましての校内の協力体制の中心となる職だというふうに理解するわけでございます。
 具体的には、私ども大きく三つの分野に分けて理解をいたしております。一つは指導的職務、二つは技術的職務、三つは管理的職務というふうに便宜分けさせていただきまして、この三つに分けて私どもは理解をいたしております。
 一番目の指導的職務でございますけれども、これは児童生徒に対しまして読書の指導をする、あるいは児童生徒にかかわらず先生方に対しましてさまざまな図書を初めとする諸資料についての相談活動を行うということが一つあるというふうに思います。
 具体的には、生徒たちが学校に入ってきた場合に、その学校図書館についての利用の仕方その他いわゆるオリエンテーションというようなもの、これは大変重要な仕事だと思いますけれども、そういったことはこの司書教諭の方が中心になって行われるというふうに思います。それから、学校図書館は司書教諭の方あるいは学校司書の方々というような職員でもちろん責任を持って行われているわけでございますけれども、生徒たちが生徒会図書委員というような形でこの図書館活動に参加をしてございます。これも大変大きな学習活動の一環でございますけれども、そういった生徒会の図書委員への指導を通しましての図書館活動の活性化といったことも重要な具体的な仕事だろうと思います。また、読書会等、学校はさまざまな行事を行いますけれども、そういった行事の企画立案といったこともこの司書教諭の仕事だろうと思います。これが指導的職務として我々は理解しております。
 それから二つ目の技術的職務でございますけれども、図書館の資料、どのような図書を購入し、どのように選択しこれを構成するかといったこと、あるいは分類の決定といったことも司書教諭の仕事の重要な一つであろうと思いますし、また、購入し管理しております図書につきまして、その内容を研究しそれを紹介するといったことも司書教諭の方の重要な仕事だと思います。それが現在は図書にとどまらず、新聞や雑誌やその他視聴覚機器にまで及んでいるというふうに理解をいたしております。
 それから三番目の管理的職務といたしましては、学校図書館は学校全体の教育活動の一環として運営されているわけでございますが、その中心として、学校図書館を各学年ごとに、あるいは各教科ごとに、あるいはさらには学級ごとにどんなふうにこれを利用するかといったこと、これも規模が大きくなればなるほど大変なわけでございます。そういった利用の調整を図りつつ、図書館運営の計画の立案といったこともこの司書教諭の仕事になろうかと思っております。それから予算案の作成、それから公共図書館等との連携協力、さらには学校図書館の活動が十分に行われているかどうか、あるいは課題としてはどんなことがあるかというような、現状の把握と評価といったこともこの司書教諭の方々に課せられた仕事であろうと。
 以上、便宜、指導的職務、技術的職務、管理的職務というふうに分けさせていただいたわけでございますけれども、それぞれにそうした重たい仕事に携わっておられるというふうに私どもは承知をいたしております。

○山下栄一君 簡潔にまとめていただきましてありがとうございます。
 実際、図書の分類という話もございましたけれども、例えば現在学校図書館資料に適するどういう資料が出版されておるのかという情報収集。それから今図書を選択するお話があったんですけれども、新陳代謝を図らないと、ずっと古い本だけでしたら行く気が起こらない、こうなりますので、やはり分類だけでなくて整理、購入と同時に廃棄というようなこともきちっとできにゃいかぬと思うわけです、情報収集、図書の分類・整理、廃棄も含めて。
 あと、建物そのものの読書環境、図書館に行けば安心してゆっくりと落ちつく、心のオアシスになるようなそういう場所であると。そのためには、やはり備品とかカーテンとか机とかいすとかソファーとか、そういう備品のことについても配慮をめぐらすことも仕事としてあるのではないかなというふうに思うんですけれども、こんなことは司書教諭の仕事じゃなくて、先ほどおっしゃる事務職ですか、それに当たるというふうに考えてよろしいんでしょうか。

○政府委員(辻村哲夫君) 学校図書館が全体としていかに活性化し円滑に機能を発揮するかという全体の把握、それに対する指導、助言、企画立案ということは司書教諭の先生のお仕事だろうと思います。そういう意味では、大きく言いますと今のような物理的な環境の問題等も司書教諭の職務になろうかと思います。
 ただ、具体的に備品を購入し、それに伴います会計処理を行うといったことは学校図書館担当の事務職員の方の仕事になるのではないかなと、こんなふうに思っております。

○山下栄一君 それで、指導的役割、技術的役割、管理的役割と膨大な仕事量に、生徒に対する読書指導、また生徒会の中にある図書委員会をきちっと指導する、貸出・返却業務を含めて。また、さまざまな学校行事の文化祭その他に展示等を行う場合にアドバイスするような、これも読書指導、資料指導になるかもわかりませんけれども、学校行事にもかかわっていく。適切なアドバイスをする。生徒関係だけじゃなくて、今度は教師に対する年間の授業計画を踏まえた的確なアドバイス、そのための資料の収集、場合によっては公共図書館にまで広げながら調べ学習の資料を用意する、そんなことを考えていくと、これはもう専任でも間に合わぬぐらいいろいろ仕事がぎょうさんあるというようなことも感じるんです。

 ところが、今現在の実態は、図書館があいていない。かぎをあけに行く人がおらない。場合によっては昼休みと放課後あけて、生徒が来てからも困るぐらいほかに仕事があるという実情があるというふうになっていくと、学校の協力体制という話が先ほどから出ているんですけれども、校務分掌の中で学校長が中心となって配慮していく、授業時間数の軽減も含めて配慮していくという、その程度でできるのかなというようなことを感じるわけです。
 期待されているところはたくさんある。読書の拠点たれ、学校情報のセンターたれ、それから主体的な、みずから学び、行動し、問題解決する能力を養うために、調べ学習その他の中で養成するために学校図書館を大いに利用するというようなことを期待されているわけですけれども、授業中なんて人がおれないような状況があるという、そういうめちゃくちゃアンバランスな実態が現状ではある。

 こんなことを考えていったときに、果たして学校の中における校務分掌の分担、そして協力体制だけでいけるのかなと、こういう大変な疑問があるんですけれども、このことについて、先ほどいろんな役割をおっしゃっていただきましたけれども、文部省はどのようにお考えでしょうか。

○政府委員(辻村哲夫君) 人的な充実ということは大変重要なことであるわけでございますが、さまざまな事情から困難なものもございます。
 そこで、司書教諭に発令された方々につきましてどのような形でこの職務に従事していただくかということにつきましては、各学校の校務分掌上の御工夫にまつ、あわせて他からのさまざまな支援体制、先ほどお答えをしたところでございますけれども、という形で一体となってこの司書教諭の職務を果たしていただくということになろうかと思います。
 先ほどもお答えをしたわけでございますけれども、平成四年十月の調査でございますけれども、司書教諭の方の平均担当時間数というのは、小中それぞれ一・四時間あるいは一・五時間、高等学校につきましては十一・八時間ほど授業時間が軽減されているということを申し上げたわけでございますけれども、こういった工夫も各学校で行われているところでございます。規模が大きくなりますればこの司書教諭の職務というものも広がってくるわけでございます。そういうところでは学校司書の方あるいは図書館担当の事務職員の方々との協力ということも重要になろうかと思いますが、いずれにしろそういったさまざまな工夫の中で司書教諭の職務を果たしていっていただく、これが私どもとしての御要請でございます。

○山下栄一君 例えば、具体的に申し上げますけれども、司書教諭として発令された、その方は担任を持っている、例えば中学校でも結構です、放課後は運動クラブを担当していると。担任業務で生徒が来るわけですから、昼休み図書館に行くこと自身がもう至難のわざであると。中学校の担任なんというものはさまざまな生徒指導上の問題を抱えておる、放課後は運動クラブへ行かないかぬ、授業は持っていると。

 それで、今局長がおっしゃったさまざまな役割を期待されている。読書指導、教員に対する資料相談、公共図書館に応援をお願いする、いつの社会科の授業でこういう調べ学習があるので、今この図書館にこれだけの本しかない、周りの公共図書館にどれぐらいその本があるかということを調べた上でそれを運んでもらわないかぬわけですよね。終わったらまた返さないかぬ。公共図書館も困るわけです、借りっ放しじゃ。そんなこともやらないかぬと。

 公共図書館との連携と言うのは簡単かもわからぬが、実際の業務というのは、もういろんな教科で調べ学習を年間授業計画で、各教科一人の先生がやるだけで準備は大変であると。そんな中で担任をし、運動クラブの顧問をして、今出版業界ではどんな本が出ているかとか、廃棄処分まで考えながら新陳代謝を図り、そして読書環境を整えるために図書館のカーテンは来年どうしたらいいかなとか、ソファーはこういうふうな置き方でいいのかなとか、三十六人の子供たちが調べ学習で図書館の中で授業をするにはこういう配置でいいのかなとか、黒板はどうのなんていうようなことを常に考えておかぬと、そんなこと的確な指導ができないわけですよ。
 それで学校の協力体制でやれといったって、そんなことは先ほど馳さんがおっしゃったように空理空論である、そう感じられませんか、どうですか。

○政府委員(辻村哲夫君) 確かに人的な充実ということは大きな課題だろうと思います。
 ただ、一つ加えさせていただきますと、学校図書館の中核的な役割を司書教諭の先生に担っていただくわけでございますけれども、すべてをその先生お一人ということではなくて、学校全体で教職員の協力体制というようなものを組んでいただいて、それぞれの先生方の協力のもとに司書教諭の先生が中心となって学校図書館の円滑な運営に資するということも大事なことなのではないかなというふうに思います。
 今、先生御指摘のとおり、クラス担任を持ち、放課後の部活動指導をしということで確かに大変多忙であるということは十分わかるわけでございますけれども、学校図書館はすべての先生にかかわるものでございますので、ぜひそういう全体の協
力体制のもとでこの機能の活性化に取り組んでいただきたいというのが私どもの気持ちでございます。

○山下栄一君 だから、学校図書館にどれだけの役割を期待するかによって変わってくると僕は思うんですけれども、役割をたくさんおっしゃったから、そんなことをしようと思ったらとてもできませんよということを申し上げているわけなんです。僕は、せいぜいかぎをあけに行く、昼休みと放課後、月曜から土曜日まで、五日制になったら金曜日までかぎをあけに行くだけで、もうほかの仕事もいっぱいあるからそれが限界じゃないのかな、ちょっと厳し目に言うとそれが実態ではないのかな、特に中学校なんかは、というふうに思うわけです。

 それで、先ほど授業軽減をやっている学校があるとおっしゃっていましたけれども、それはもう不可欠じゃないかなと思うわけです。それをだから学校の協力の中で、司書教諭を発令された人は仕事で大変やから、授業時数が減るからほかの先生ちょっとお願いしますわなんていうようなことで、そんな協力体制だけじゃそれこそかえって不信感が広がってしまって、図書館だけが忙しいのと違うぞというふうになってくると僕は思うんです、それぞれが大変なわけやから。だから、協力体制、校務分掌の中での分担とか、みんなで応援しようという形だけではもう限界がある、したがって授業時数の軽減は不可欠である、実はそういう学校もあるというふうに局長おっしゃいましたけれども、というふうに認識してよろしいでしょうか。

○政府委員(辻村哲夫君) 先ほど申し上げましたように、この司書教諭の仕事にどのような形で携わっていただくかということは各学校の校務分掌の問題として処理をされる課題であると思っております。したがって、今言いましたように、司書教諭の仕事の重要性をかんがみますと、その負担の軽減のための努力というのはさまざまな形で行われなければならないわけでございますけれども、学校の規模にもより、さまざまな形でこの司書教諭、あるいは司書教諭に発令されないまでも、図書館主任とか図書館係の仕事が現に行われているわけでございます。そういう意味で、司書教諭がこれから平成十五年三月三十一日をもって設置されていくわけでございますけれども、そのとき必ずその設置に当たっては軽減措置を講ずべしということを国の立場として各学校に御要請するというのは、なかなか他の校務分掌との関係等からいって難しいことであろうかと思っております。
 しかし、いずれにしろ、この司書教諭の円滑な職務遂行に当たってさまざまな形での新体制というものが重要である、このことは十分理解しているつもりでございます。

○山下栄一君 大変これは金のかかることで難しい話やと思うんですけれども、僕は、平成元年の指導要領、また昨年の中央教育審議会第一次答申における学校図書館の役割の重要性の指摘、また平成七年の協力者会議における読書の必要性、司書教諭の重要性、学校図書館の役割の重要性ということを考え、そして今、教育改革を政府が進めようとされている中の、主体的に学び、考え、行動し、問題解決の能力を養うというそういうふうな生徒像というか、そういう子供にさせたいという理念から考えまして、学校図書館の重要性というのは本当に重たいものがあると。

 冒頭申しました。学校図書館がよみがえれば学校教育がよみがえる、授業が変わる、子供が元気になるというふうなことを私は思っているんですけれども、その学校図書館の役割の重要性ということを本当におっしゃるんだったら、私は、これはもう財政措置も含めてこの授業軽減への対応を積極的に検討する必要がある、このように考えるわけでございますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(小杉隆君) 一月の末に取りまとめました教育改革プログラムの中でも、生きる力をはぐくむということを重要な目標にしております。すなわち、一人一人の子供の個性を生かして豊かな人間性や創造性をはぐくむ教育を進めるという観点に立っているわけでございます。そのためには、先ほどから提案者の方からもお話がありますように、みずから考え、みずから学び、そしてよりよく問題を解決する能力をはぐくむ、こういうことが必要だということで、特に読書活動を通じて子供が主体性を持って学習をしていく、あるいは豊かな人間形成をするということでございますので、学校図書館の充実というのは重要な柱であるということを考えているわけでございます。
 そういう認識に立って山下委員も提案者の一人に名を連ねておられることですし、また、山下委員は学校現場にも足を運んで積極的に実態を調べているということを伺って私も敬意を表しておりますが、現状はなかなかその理想にはまだまだ達していないということで、ぜひこの審議を通じてさまざまな御意見あるいは論議を期待したいと思っております。

○山下栄一君 定数法にかかわることについては、今、政府の財政構造改革会議でも非常に厳しい、削減する話が出ておりますので現状、大臣のお立場も大変厳しいかもわからぬけれども、僕は、こういう新しいチームティーチングの観点とかいろんな観点でいろいろクレームがついているのかもわからぬけれども、学校図書館がとにかく教育改革のかぎを握るんだ、こういうふうなことをどんどん訴えていただいて押し返していただく材料にしていただいたらどうかなというふうに思っているわけです。すぐせいなんて言っていませんけれども、学校図書館をよみがえらせようと思ったら、校内の努力だけではもう絶対に限界があるということをやっぱり認めないかぬのと違うかなと。
 そういうことで、ぜひとも、この定数法の改善も含めて検討せないかぬなということを大臣は考えているんだということをおっしゃっていただきたいなと思うんです。

○国務大臣(小杉隆君) 先日、政府並びに与党の財政構造改革企画委員会で、私もヒアリングに出たわけでございますが、特に教育分野では今まで聖域と言われてきた分野にもメスを入れるんだということで、高等教育、義務教育、私学助成、この三分野について私も意見を申し述べました。
 ここでは具体的なことを申し述べることは控えますが、要は、これから少子化時代を迎えて、人間を教育するということが最も大事だと。従来はともすると生徒数の増加に追われて量的な充実に取り組んできたわけですが、今ようやく、少子化時代を迎えて質的な改善を図る絶好の機会になったんだと。したがって、現在の定数の改善計画におきましても、来年度、平成十年度までの計画ですけれども、その期間中に、本来ならば六万人減るところを、半分の三万人は、今言われたようなチームティーチングであるとかあるいはこの学校の司書教諭、あるいはその他の面も含めまして、やはり質的な改善を図るということで三万人の定数増を要求しているところでありまして、着々進んできてあと一年を残すのみとなってきたわけでありますので、ぜひこれを完結させていただきたいということを強く申し述べたところであります。
 ただ、現実は極めて厳しい。昨今のマスコミ報道などを見ましても、どうもここら辺にターゲットが絞られてきているような感じもいたしますので、ぜひひとつ文教委員各位の御協力も得たいと考えているところであります。

○山下栄一君 総理みずからことしの一月に五つの改革につけ加えて教育改革ということをおっしゃったわけでございまして、その大きな柱が私は、さまざま中教審等でも検討されていますけれども、学校図書館の活性化というか、復活というか、蘇生というか、というふうに感じるわけでございまして、文教委員会にも総理大臣に来ていただいてその辺の総理大臣の認識を、持っておられるとは思いますけれども、私は重要性をわかっていただくことも大事だなというようなことをお話を聞きながら感じた次第でございます。

 学校完全週五日制が二〇〇三年からというふうなことで準備が進められておると聞いておりますけれども、教育課程審議会でもそれに向かって学習指導要領の改訂の問題が検討されておると。要するに教育内容の精選をせないかぬと。非常にこれは各教科の思いがあってなかなか削るのは難しいというのをお聞きしているわけでございますけれども、それが五日制になったらますます学校において、地域、家庭やなくて、学校において教える内容がたくさんあるんやけれども削らないかぬという状況の中で、あれも教えたい、これも教えないかぬという、時代の進展の中で教える内容がたくさん出てきていると。

 そんな中で、学校図書館の調べ学習なんというのは相反する方向なんですよね、見方を変えれば。進む度合いを確保せないかぬのに、そんな図書館で調べ学習に何時間もとってやっておったら授業なかなか進まぬ。そんな中でみずから学び、考える力が養われるのかというふうな相反することが要求されているわけですよね。だから、指導要領の中では学校図書館の利用、活用をしっかりしなさいというふうに言っているけれども、五日制の実施、完全実施に伴ってますますこれは困難になってくるんじゃないかというふうなことを感じるんですけれども、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。

○政府委員(辻村哲夫君) ただいま先生御指摘のとおり、二〇〇三年度を目途に学校完全週五日制で学校教育を運営すると、そのための教育内容はいかにあるべきかということで今教育課程審議会で真剣な御議論がなされております。確かに、これまで六日制でございました学校が五日制になるということでございますので、授業時間数等、学校教育の扱い得る範囲、時間というものは縮小されるわけでございます。
 しかし、先ほどから何人かの方々からも御指摘がございますように、これからの学校教育については、たくさんのことを覚え込む、また教師もたくさんのことを教え込むということから転換をして、みずから子供たちが考え、みずから判断し、問題解決をしていこうとするそういう力を培おうと、いわゆる生きる力というようなことで言われているわけでございますけれども、そういうことが重要であろうというような視点に立って今教育課程審議会での審議が行われております。
 そこで、各教科何を削るかということは大変難しい課題であるわけでございますけれども、むしろ内容については精選をして、教えるべき事項、覚えなければならない事項というものは思い切って削減すると。そして、学校五日制という全体の時間数は縮小する方向であるわけでございますけれども、その中で子供たちが考えたりいろいろ試行錯誤したり、先ほど先生調べ学習というようなお話ございましたが、そういった時間をつくるような方向でこの教育課程の改定をしようということで、今教育課程審議会の状況も全体としてはそういうような状況で審議が進んでおります。
 ただ、個々の教科、具体にどうするということになりますと、大変難しい困難な課題も予想されるわけでございますけれども、今そういう方向で進められております。したがいまして、調べ学習ということでありますれば、この学校図書館の重要性ということは何ら減ずるものではない、ますます重要性を増してくるというふうに思うわけでございまして、先生の御懸念でございますけれども、少なくとも現時点での教育課程審議会の審議の方向はそういう方向で審議が行われているということでございます。

○山下栄一君 学校図書館を利用した教育内容といいますか授業、これが後退することのないような、そういう教育課程審議会の答申であっていただきたいなというふうに思っております。
 それから、いわゆる学校司書、学校図書館担当事務職員にかかわる問題でございます。先ほどもお話ございましたけれども、今特に小学校、中学校、市町村自治体レベルで単独予算、単費による配置が非常に進んでいるわけです。私の大阪でも五市二町ですか、において配置が進んでおりまして、中にはもう小中全校配置の学校もあるわけでございます。

 これはいわゆる事務職という形でお仕事をされておるわけでございますけれども、学校全体の雰囲気を変えるような大変高い実績を積んでおられ、教育委員会の評価も学校の先生方の評価を変えるような、そういう役割を果たされているいわゆる学校司書の方もいらっしゃるわけでございますが、この自治体単費による配置の実績をどのように文部省は評価されておるのかということをお聞きしたいと思います。

○政府委員(辻村哲夫君) 学校司書の配置状況でございますけれども、その中の市町村費の職員でございますけれども、四千三百三十八人、五一・六%が市町村費負担で置かれているというふうに私どもは承知をいたしております。

○山下栄一君 だから、数はわかっているんですけれども、それが果たしている役割ですね、評価されておらないのか評価しておられるのか。

○政府委員(辻村哲夫君) 学校司書の役割につきましては、当然これは評価をしているわけでございます。
 そこで、国の標準法におきましても、小中学校の大規模校、高等学校の大規模校におきましては、学校図書館の事務というものを考慮に入れました加配措置というものも定数上も講じているわけでございます。
 したがいまして、この学校事務の役割、これは先ほど司書教諭の先生との違いという形で御説明をしたわけでございますけれども、学校図書館の円滑な管理運営ということを事務的なサイドから支えるという形で大変重要な役割を果たしているということは申すまでもないというふうに我々は了解をいたしております。

○山下栄一君 これ年々拡大をしておるんですけれども、先ほどもお話出ておりましたが、司書教諭の発令とともにこの拡大の流れがストップする可能性もあるわけです。先ほども局長おっしゃっておったわけでございますけれども、なぜ発令が進まなかったのかという中に、事務職員がいらっしゃるからという、そういうアンケート調査も先ほどお答えございましたですけれども、司書教諭が発令されるようになったらこういう事務職員の方は、行政改革必至の自治体の現状から考えて、赤字財政の折、そういうことも考えられるわけですね。
 だから、役割をどう評価するかによってこの流れがやっぱり左右されるのではないかなというふうに思いますものでお聞きしたわけでございますが、司書教諭と事務職の役割分担ですね、冒頭の質問の中でも私は確認させていただいたわけでございますが、それをもう一度わかりやすく、司書教諭と事務職が両方必要であるという観点からの役割分担についてどうお考えか、お聞きしたいと思います。

○政府委員(辻村哲夫君) 先ほど司書教諭の職務の中身につきましては指導的職務、技術的職務、管理的職務という形で幾つか具体的な職務の中身をお話し申し上げながら御説明したわけでございますけれども、学校司書の職務につきましては、いわゆる管理的職務と申しましょうか、そういった職務と、それから技術的職務と、この二つに分けて私ども理解をいたしているところでございます。
 まず、いわゆる管理的職務と申しますのは、子供たちが学校図書館を使う場合の使い方として館内閣覧というのがあるわけでございますけれども、この閲覧の事務、それから館外に子供たちが図書を借りていくといった場合の貸し出しの事務というようなものがございますし、また、先ほど司書教諭の方が資料内容を研究し、その紹介をするということを申し上げたわけでございますけれども、その具体的な資料を作成し、これを配付し、その利用の案内をするというような仕事は学校司書の仕事として位置づけられているというように我々は承知をいたしております。これが一つの管理的職務と言われるものでございます。
 それからもう一つ、技術的職務ということでございますけれども、学校活動の核としてどのよう
な図書あるいは資料を整備するかという大方針は司書教諭の先生が中心となって学校全体で決めるわけでございますけれども、その決められた方針を受けまして具体的な資料の発注、それから入手いたしました資料の整理、帳簿づけ等でございますけれども、そんなもの。それから、具体的に図書に排架する、そしてそれを点検するといったこともこの学校司書の方々がやられておることでございますし、それから図書の購入、あるいは先ほど先生から廃棄というような御指摘があったわけでございますけれども、そうした購入から廃棄までに至ります図書の保管の管理といった全体の事務というものは学校司書の方々に任されているものと理解しております。また、この購入等に伴います経理事務といったものはこの学校司書の方々の重要な仕事であるというふうに思われます。
 それ以外にもまたさまざまにあるわけでございますけれども、その中核的なものを御紹介いたしますとそのようなものがあるということで、私たちは、これは学校図書館の運営になくてはならない仕事をなさっているというふうに理解をいたしております。

○山下栄一君 先ほど大臣もおっしゃっていただいたんですが、私も先日、現場に行かせていただきまして、学校司書の嘱託職員として週三十時間、月、火、木、金、週四回、朝八時四十五分から四時十五分までいらっしゃっておられるわけですけれども、その方の活躍ぶりというのは、もう本当に教員全体が称賛するような、そういうことで学校が変わったと。

 実際に図書館に行かせていただいたら、いろんな読書環境を整備するためにカーテンの色から、備品も一生懸命お願いして校長の了解のもとに新しく購入されたりしているんです。休み時間もたくさんの生徒が来るわけですよ。それでもう生き生きとしている。中学一年だけじゃなくて、中学三年生の子供たちも来ておりました。
 それで、先生方もいろんな授業計画の中で、先生どうでしょうかという具体的な本の紹介なんかもされながら、調べ学習についても非常に参考になるアドバイスをいただいておりますと、このように先生方もおっしゃっておりました。だから、週三十時間じゃなくてもっと本当はたくさん学校に来たいんですとおっしゃっておりました。

 夏休みもこの方は週三十時間いらっしゃいますもので、そこは今年度から冷暖房も入りましたもので、夏なんかは普通は公共図書館に受験生が勉強に行ったりするわけですけれども、学校図書館が開放されて子供たちが元気に学校に来る、夏休みも学校で勉強するというふうな、人がいらっしゃるからですそれは、その方がいらっしゃるからなんですけれども。
 そういうような状況を考えましたときに、発令しないものだから自治体レベルでずっと広がっていった運動かもわかりませんけれども、この学校司書の方の役割というのは大変重要なものがあるなというふうに思うわけです。もちろん、人によって、その人の実力というか力によっていろいろ変わるかもわかりませんけれども、私はそういう現場があるということをぜひ大臣に知っていただきたいなということを感じましたもので述べさせていただきました。

 時間もございませんので、あと残りの質問をさせていただきたいと思います。
 読書習慣が非常に衰退してきているという指摘が協力者会議等でも出ております。家庭においても、昔のおじいちゃんおばあちゃんが、お父ちゃんお母ちゃんが子供にいろいろ本を読み聞かせたというふうな習慣がだんだんなくなってきているというふうな、映像による情報収集の方が中心になってきてなかなか活字によるそういうものが少なくなってきておるというふうなこと、これが一つの心の荒廃の原因ではないかという指摘もあるわけでございます。

 私は、国民的な読書習慣復活運動をさまざまな形で、文部省も全国読書感想文コンクールの応援とかいろいろされていると思うんですけれども、何かやっぱり日本の国全体に読書習慣を復活させる運動を考えたらどうかなと。民主主義は読書と本の上に成り立つという、先日も引用させていただきましたレーガン大統領の言葉でございますけれども、そういうふうに考えますと、やはり情報化が進めば進むほど、読書そして本を声を出して読む朗読、その役割はますます重たくなってくるのではないかなというふうに感じるわけです。

 それで、ちょっと提案ですけれども、全国読書年とか、来年は全国読書年にしようとか、また学校図書館の日を設けるとか、そういう形の提案をさせていただきたいなと思っております。そして、全国読書年というふうなことをやりましてイベントを組み、そしてさまざまな読書啓蒙のための表彰なり宣揚するようなイベントとか、読書活動体験発表とか、そうやって県ごとにやるとか、いろんな形の運動を全国的に展開したらどうかなと。全国読書年、また学校図書館の日を設置する、そういう提案についてぜひ前向きに御検討願えたらなと思うんです。大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(小杉隆君) 確かに、子供の読書習慣を身につけさせるためには、学校図書館のみではいけないのであって、社会あるいは家庭の連携も必要だと思っております。最近、特にテレビを初めコンピューターその他マルチメディア時代を迎えて、子供たちが昔のように読書に浸るという習慣が、習慣というか環境がなくなってきていると。これはもう社会全体の問題だろうと思います。子供だけではなくて大人自身も読書の習慣が減ってきているということは憂うべき事態だと思っております。
 したがって、私どもはそういった社会、家庭との連携ということも含めて考えるとき、学校図書館のみならず公立の図書館あるいは各地の文庫、こういったものの充実ということももちろんでありますが、そのためにいろいろ職員の研修とか、いろんな指導資料を配ったり、具体的なこと、必要があれば局長から答弁させますけれども、やっております。
 従来から、社団法人の読書推進運動協議会というのが毎年五月一日から十四日まで「子どもの読書週間」を定めまして、公共図書館や学校図書館など関係機関に呼びかけて子供の読書活動を推進するための取り組みを展開しているところでございます。今ちょうどその最中でございますが、こうしたもののもっと啓蒙、PRを活発にするとか、それから今、全国読書年というような提案もございましたが、これらは今いろいろ協力者会議等でもこれからの学校図書館の充実あるいは子供の読書習慣をどうつけていくかということを研究しておりますので、こうした今の審議を通じまして今後ひとついろいろ検討というか勉強させていただきたいと思っております。

○山下栄一君 ぜひ読書習慣復活の国民運動のための具体的な御検討をお願いしたいと思います。
 最後に、図書整備五カ年計画のお話でございますけれども、平成五年度から学校図書館図書整備新五カ年計画が始まりまして、平成九年度、本年度で終了と、こういうことになっておるわけでございます。

 これは地方交付税措置で市町村の小学校、中学校に配置されるわけでございまして、そのために今文部省は学校図書館図書標準、これを定めて推進というか購入を進めておられると思うわけでございますけれども、何せ実態が、どれだけ本当にその学校で買われておるのかちょっとわからぬということで今調査されているというふうにお聞きしておるわけでございますけれども、小学校、中学校、平成四年度の一・五倍を達成するという目標はなかなか私は達成できないというふうに思うわけでございまして、今回の法律で人は発令したけれども、図書の充実がこれで終わりというのじゃ私はこれはまずいというふうに思いますので、この図書整備五カ年計画の継続ですね、平成十年度からさらに第二次、これをぜひともやるべきであると、このように考える。
 と同時に、高校レベルにおきましては全然措置されていないと、この五カ年計画、蔵書上積みですね。というふうに思うわけでございます。

 ところが、この学校図書館法を見ますと、第十三条に、「国は、地方公共団体が、その設置する高等学校の学校図書館の設備又は図書が政令で定める基準に達していない場合において、これを当該基準にまで高めようとするときは、これに要する経費の二分の一を負担する。」と、こういう条文があるわけですけれども、これ空文化しているのかなと思うわけでございますが、この図書標準そのものも、ここで法律に書いてある、政令で定める基準に達していないというふうな場合は国が応援しなさいと書いてあるんですけれども、それもできていないんじゃないかなと思うわけでございまして、高校における図書整備の充実五カ年計画、これも積極的に考えるべきであると。
 この二点、御質問したいと思います。

○国務大臣(小杉隆君) 今御指摘のとおり、学校図書整備五カ年計画というものを平成五年度から実施しておりまして、今年度がその最終年度でございます。五年間で約五百億円の地方交付税措置でやっていくということで、今、去る五月一日現在の調査を進めているところでございます。調査項目としては、学校図書館教職員の状況、あるいは図書館の施設とか図書の整備状況、あるいは利用状況、こういった諸点について調査をしているところでありまして、この提出期限が六月三十日、来月末ということになっております。高等学校も含めて調査をしておりますので、こうした調査結果を踏まえまして今後どのように学校図書館の充実を図っていくかということを検討してまいりたいと思っております。
 なお、具体的なことをもし必要があれば局長から答弁させます。

○政府委員(辻村哲夫君) ただいま大臣がお話しになりましたように、ただいま現状の調査をいたしておりますので、その調査を踏まえまして今後の対応につきまして検討していきたいというふうに思っております。

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