テーマ別質問一覧>
環境 >
ダイオキシン
> ダイオキシンによる人体汚染調査について
140国会 環境特別委員会会議録 1997年04月02日(抜粋)
○山下栄一君 別のテーマに移ります。ダイオキシンの問題、お願いします。
ダイオキシン汚染が今大変、先週でしたか、民間テレビ、NHKでもやっておりましたが、非常に不安が広がっているわけです。それで、この未然防止という観点が昨年の大気汚染防止法改正のテーマでもあったと思うんですけれどもね。未然防止の観点から言うと、大気が汚染され、土壌が汚染され、水も汚染されているという実態のさまざまな調査も大事なんですけれども、人体の汚染ですね、人間がどれだけダイオキシンに汚染されているのかという調査をしっかりと取り組まないけないと、このように思うんです。もうそういう段階に来ていると思いますが、厚生省、環境庁、それぞれお考えをお聞かせください。
○説明員(内田康策君) お答えいたします。
厚生省といたしましてもダイオキシン汚染の問題は重要な問題であるというふうに受けとめているところでございます。したがいまして、関係省庁との連携もございますので、十分に相談してまいりたい、このように思います。
○政府委員(田中健次君) ダイオキシンの汚染の実態でございますが、先般も申し上げましたように、環境庁といたしましては、環境汚染がどうなっているかということで、一般環境調査とそれから発生源の調査をこれまで進めてきたわけでございます。
それで、環境庁といたしましては、ダイオキシンの健康影響につきまして最新の知見に基づきますリスク評価を行っていくことがまず重要と考えておるところでございます。
そういうことで、一般環境調査の充実強化あるいは健康影響に関する情報収集に努めまして、有識者の御意見も伺いながら、ダイオキシンの暴露によって人体にどのような影響があるのか、またどの程度の暴露によってどのような人体への影響が生じるのか、こういったことについて調査、検討を進めるということで進めておるところでございます。
有識者で構成をする検討会におきまして近々取りまとめられる予定の最終報告を踏まえまして、私どもとしてはダイオキシンの排出の抑制対策を進めていきたいと、このように考えております。
○山下栄一君 人体へどのような影響があるかということの調査研究が非常に大事だと思うんですけれども、現在、人間の体にどれだけダイオキシンが入っているのかという、そういう調査をする段階に来ているのではないかなと申し上げているわけです。そういう不安、心配のある地域で、民間レベルで、また研究者のレベルで調査も行われているようでございますが、浴びるほどダイオキシンをかぶらないと調査しないということですか。
○政府委員(田中健次君) 私どもといたしましては、健康影響につきましていろんな世界的な知見も集めて、それによってリスクの評価をしていくということでございまして、人体への健康影響調査というのは、これは科学的に調査をするためにはやはりきちんとした疫学調査をやる必要があるわけでございまして、大変大規模な長期にわたる調査を要するわけでございます。
こういうことで、現在の時点において果たしてそれをやって明確な結果を得ることが期待できるかどうかと、こういう点もございますし、また疫学調査を実施するに当たってはいろいろ難しい科学的な問題もございます。年齢や性別の補正、あるいは喫煙等のほかの発がん要因の排除や、あるいは統計上の解析上の十分なサンプル数の確保をどうやってやるか、あるいは死亡要因を個別に検討する必要がある、こういういろいろ技術上の問題もございまして、こういった点も踏まえて慎重に検討をしなければならないと、こういうふうに思っております。いずれにいたしましても、有識者の意見を伺うことも大切でございますので、その辺のことも意見も伺って検討いたしたいと、こういうふうに考えております。
○山下栄一君 所沢市で先日、国は法的な規制措置もやってくれない、業者はもう産廃焼却施設でどんどん煙を出している、それで業者には危機感何にもないと。そこに住民は大変な危機感を持って、不安いっぱいである。所沢市の行政、議員さん、もうたまらなくなって条例をつくったわけです。だけれども、法規制がないから事業者に対する具体的な指導もできない。努力義務を設けて、勧告なり、勧告無視の場合は氏名を公表するとか、そういう内容を含んだ条例を制定されたんですけれども、この取り組みについてどのように評価されますか。
○国務大臣(石井道子君) 所沢におきますダイオキシン対策については、今委員がおっしゃいましたところでございますが、このたび条例をつくったということでございまして、ダイオキシン類及び有害物質の発生を抑制するために市と市民と事業者の責務を明らかにしたということでございまして、ダイオキシン類等の規制計画を策定することを定めたということを聞いております。
ダイオキシン対策を進めるに当たりましては、国、地方公共団体また事業者、国民のすべての主体がそれぞれの役割に応じて的確に排出抑制に努めることが重要でございます。このような観点から、この条例は大変意義があるというふうに思っております。
環境庁といたしましては、先ほど局長からも答弁ありましたけれども、有識者で構成する検討会を設けまして、昨年十二月に中間報告があったわけでございますが、今後のダイオキシン対策のあり方については、さらに鋭意検討を進めてきているところでありまして、近々その報告が最終報告としてまとめられるということでございまして、それを踏まえてできるだけ早期に規制的な措置の導入も含めて対処してまいりたいと考えております。
○山下栄一君 埼玉県の方々、所沢市周辺の産廃の焼却施設の周辺においては、生まれた赤ちゃんの死亡率が県平均のレベルよりも大変高いという、そういう具体的な調査もされて、報告もされているわけですよ。不安が広がっている。
こういうときには、県の取り組みも大事ですけれども、先ほど広中先生もおっしゃいましたように、そのときこそ国が危機管理意識を高めて、それで乗り出して、どんな影響があるかじゃなくて、人間の体にどれだけダイオキシンが入っているのかという、そういう調査を私はするべきだと。本当にそれを私は申し上げているわけです。
難しいことじゃない、難しいのかもわからぬけれども。とにかく人体にどれだけ入っているのかという、どんな影響があるかはそれから長期にまた調べにゃいかぬかもわからぬ。現在、今どれだけダイオキシンに汚染されているのかという調査を例えば埼玉県なら埼玉県を例にとって、茨城県であれば茨城県を例にとってやるべきだ、それが環境庁の使命だと。いかがですか。
○政府委員(田中健次君) 先生おっしゃいます人体の汚染状況の調査につきましては、関係省庁とも相談をしてまいりたいと、このように考えます。
○山下栄一君 だから、ほかの省庁をリードするのが環境庁だから、相談したらだめですよ。やればいいわけや。そんないいかげんな答弁したらだめですよ。国民の命を守ろうというそういう使命感が感じられません。
もう時間がございませんので。先日の報道によりまして、今まで発生源の中で、もちろん金属製造の関連の施設も調べられておったわけですけれども、アルミ加工工場からも検出されたと、その濃度が大変レベルが高いということがNGO、民間の環境保護団体によって指摘を、そういう報告があったということなんです。これについて発生源の、現在の取り組みの対象にはなっていないけれども、アルミ加工工場、全国約一千事業所があるということだそうでございますけれども、この指摘された工場におきましては香川県の豊島の濃度よりも四百五十倍の濃度のダイオキシンが検出されたということでございますので、アルミ加工工場も発生源の一つとして調査対象に加えて調査すべきであると思いますが、いかがですか。
○政府委員(渡辺好明君) 必要な発生源についてダイオキシン類の排出状況について調査することは非常に重要でございます。検討会の御意見も伺いながらこれからのことは考えたいと思いますが、去る三月二十六日の新聞報道のアルミ工場に関しましては、現在、工程、つまり有機塩素系の溶剤の使用実態、そういったものがまだ私ども明確にわかっておりませんので、この実態をつぶさに調べまして、調査も含めまして必要な対応をいたしたいと考えております。
○山下栄一君 それと関連して、ダイオキシン発生の可能性のある、ダイオキシンはつくろうとしてできるものではなくて非意図的にできるという物質だそうでございますので、化学物質を使って事業を行っている工場、事業所については、化学物質の種類や量の公開を義務づけるべきではないか、こういう意見があるわけですけれども、これについてはいかがでしょうか。
○政府委員(田中健次君) 先生御指摘のように、工場から環境中へ排出されます有害な化学物質の種類あるいは量を事業者が行政に報告をいたしまして、行政は何らかの形でこれを公表する、こういうシステムがございます。これはPRTRと申しまして、環境汚染物質の排出・移動登録のシステムでございますが、このPRTRのシステムはアメリカあるいはイギリス等では既に導入がされております。平成八年二月にOECDが加盟国に対しましてこの制度の導入を勧告いたしておりまして、加盟国は三年後の平成十一年に取り組み状況を報告するということになっておるところでございます。
こうしたOECDの勧告を受けまして、環境庁におきましては昨年十月にPRTRの技術検討会を設置いたしまして、PRTRに関する技術的な事項につきましてただいま検討中でございます。
平成九年度、本年度からは、この検討結果に基づきまして特定の地域で試験的にこのPRTRを実施いたしまして、その結果を踏まえまして我が国にふさわしいPRTRのシステムにつきまして検
討していきたいと、こういう予定にしております。
○山下栄一君 終わります。