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テーマ別質問一覧環境カネミ油症事件> カネミ油症事件はわが国初のダイオキシン人体被害

153国会 決算委員会会議録 2001年12月11日(抜粋)


○山下栄一君 お昼前でございますけれども、時間割りでこうなっておりますので、昼の時間にかかりますが、よろしくお願いしたいと思います。
 私は、きょうは二点質問したいんですけれども、大きく二点ですけれども、最初に、昭和四十三年に起こりましたカネミ油症問題、それとダイオキシンの人への汚染、健康への影響、こういう観点から質問させていただきたいと思います。
 このダイオキシンというのは史上最大の猛毒と言われて、特に九〇年代、大変大きな問題になり、今、国を挙げて削減対策に取り組んでいる状況でございます。

 平成十年に能勢町、私が住んでおります大阪府能勢町にございます環境美化センター焼却施設、その中から大量のダイオキシンの汚染がされているということがわかりまして、特に清掃作業員の方の体内にダイオキシンがたくさん入っているということがわかりました。日本で人がダイオキシンで汚染されていると。これは程度があるわけですけれども、日本列島に住んでいる人間全員が汚染されているわけですけれども、量は微々たるものだ、健康上影響ないと。ところが、はるかに濃度の高いダイオキシンが人体に入っているということが平成十年に明らかになったと。
 これについて、当時労働省、今現在厚生労働省ですけれども、これは健康影響調査をされてきたと。もうすぐことしもやるというふうに聞いておりますけれども、この状況をまず御説明ください。


○政府参考人(播彰君) お答え申し上げます。
 平成十年の豊能美化センターの高濃度の暴露の事案を受けまして、その後、当時の労働省、労働衛生の専門家を中心に調査委員会を設けまして、血液中のダイオキシン類濃度の測定、生化学検査、免疫検査及び皮膚視診等を実施してございます。
 毎年、その結果は公表してございますが、その所見の中でも、今後とも総合的に暴露された方についての調査が必要であるということで、今後とも新たな医学的な知見等も参考にしながら、この調査を継続していくこととしてございます。


○山下栄一君 ちょっと具体的に、どの程度の汚染なのかということをお願いします。


○政府参考人(播彰君) 先ごろ発表いたしました平成十二年度の調査によります結果でございますが、血液中ダイオキシン類濃度でございますが、二十一人の暴露された方の平均が百三十一・七という単位のものでございます。
 また、皮膚の視診等につきまして直接ダイオキシン類への暴露と疑われる所見は現在のところ出てございませんが、先ほど申し上げましたとおり、引き続き継続して総合的な評価を行うべきである、こういう御指摘をちょうだいしてございます。


○山下栄一君 ちょっとわかりにくいんで。大阪でいいですけれども、一般の人と比べて、特に平成十年、十一年、どの程度の高い濃度だったのか、何倍という形でおっしゃってください。


○政府参考人(播彰君) お答え申し上げます。
 付近の住民の方の平均と比べまして、平成十年の時点での最初のデータで四十倍というデータが出てございます。


○山下栄一君 要するに、余りにも高い汚染だったので今継続調査しているわけですね。
 今のところ何かはっきりとした影響が出ておらないというふうなことですけれども、この焼却施設は一九八八年からスタートしているわけですから、事件が起きた平成十年で閉鎖しましたけれども、だから十数年、十二、三年、この作業をやっていたわけですね。ずっとやっていた人もいらっしゃるでしょうし、途中から入った人もおるでしょうし、途中からやめた人もいらっしゃるだろうということで、百名近い方々がその診断を受けて、現在はある一定の濃度以上の方、二十三名ですか、が調査されているということです。
 私は、特に生化学調査、免疫調査、異常が見られないという判断ですけれども、そこがおかしいと、異常が見られるじゃないかというふうに思うわけです。平均値が正常の人の範囲の上限を超えているものも調査項目によってはあるし、最高値が正常の範囲をはるかに超過したものも生化学調査、免疫調査に出てきている。これは異常が見られるというふうな判断をすべきだと、異常が見られないというのはおかしいのではないかと思いますが、いかがですか。


○政府参考人(播彰君) それぞれのデータを総合いたしまして、調査会では、先ほど申し上げましたような、現在の時点ではダイオキシンによる障害が出ていないという判断でございますが、ただそれに合わせましたとおり、先ほど申し上げましたとおり、おっしゃるとおりのデータもございますので、今後なおきちっと調査をして、そしてその上で総合的な判断をすべきであると、こういうことでございまして、問題がないと申し上げている趣旨ではございません。今後ともきちっとやっていくということでございます。


○山下栄一君 とにかく問題ないんだということを優先させた発表の仕方だというのは私は正確性を欠く、そして科学性もない、そういう発表の仕方はおかしいということを指摘しておきたいと思います。
 また、このダイオキシンの体内における蓄積状況というのは、そう簡単に消えていかないわけでございますから、そういう意味で継続調査が必要であると思うわけでございまして、十年、二十年、三十年、四十年という単位でどのような影響が出てくるのかということ、これをやはりきちっと検証すべきだと。
 全世界でダイオキシンの問題はいまだに終わっておらないわけですし、特に日本は後手後手の対策で大きな問題になりました。ホウレンソウの中にダイオキシンがちょっと入っているとか、お茶の葉っぱに入っているということで大騒ぎになったわけです。それが大量に、この場合は呼吸器からでしょうけれども、大量に吸って、作業員の方が、先ほどおっしゃったように四十倍、普通の人の、蓄積されているという状況。それが具体的にどのような影響があるのかということは、ダイオキシンの人体的な影響というのは、動物実験はたくさんあるけれども、人への影響というのはいまだに未解明の部分があるわけですから、そういう意味で二十一名の方のデータというのは貴重なデータであるというふうに考えるわけです。
 特に、このダイオキシン類の中でもこの作業員の中で特に多かった類ですね、PCDD、PCDF、コプラナPCB、この三種の中で一番多かったのはどの部分の種類なんでしょうか。


○政府参考人(播彰君) 今御指摘の三つのカテゴリーのもののうち最も多かったものはPCDFであると承知してございます。


○山下栄一君 農薬からもダイオキシンが検出されているわけですけれども、焼却によって、要するにごみを焼いて、日本はごみをたくさん焼いてきた国であるわけですから、焼却灰もたくさん全国に素掘りで余りわからないときには埋められていたという状況があるわけで、地下水にしみ込んで、それが魚の中に入り、それを人間が食べたら大変なことになるじゃないかということから大問題になったわけで、この焼却によるダイオキシンの排出というのは中心はPCDFであるということが言われているわけです。
 それはそういう認識でよろしいですか。


○政府参考人(播彰君) 私ども、能勢のこの調査結果で一番強いデータが出ており、一年目、二年目と全体としては減ってございますが、しかし最も注目しておるのがPCDFであり、そしてこの暴露された方がごみ焼却場の中で中心的な焼却施設の中に実際に入られた、あるいは入らないまでも支援された方でございますので、ごみ焼却場でのダイオキシンの暴露の中心になるのは先生御指摘のこのPCDFであると考えてございます。


○山下栄一君 専門家の間ではそれが常識になっているというふうに認識しております。時間の都合でその確認は今度のときにさせていただきます。
 次に、カネミ油症なんですけれども、昭和四十三年に、ライスオイル、食用にしていた油ですね、それにPCBが混入して、製造過程の中で、それを人が食べて大きないろんな症状が出てきた。油症というふうに、油の症状と言われるわけですけれども、これ以来もう昭和四十三年ですから三十三年たつわけです。厚生労働省はこの油症についての研究班を昭和四十三年に立ち上げて、また予算措置もしてまいりました。平成十三年度も七千五百万円あるわけです。
 ところが、このカネミ油症というのはPCB汚染だと、PCBによる汚染なんだというふうに、いまだにそういう認識があるぐらいでございまして、実はダイオキシンの汚染だったんだということが数年前からわかってきた。そういう意味でいうと、能勢の清掃作業員の方の人体汚染のはるか前からそういう実は油症事件があり、その油症で今も悩んでいる人がたくさんいらっしゃる、全国に。うちの大阪府にもいらっしゃる。それがダイオキシン汚染だったのかということになってくると、対策をもう一回検討し直す必要があるのではないかということを、私は平成十一年の三月の予算委員会でもこのことを申し上げました。
 ところが、余りそういう認識が、一部の専門家ではあるけれども国民の間にはまだ定着しておらない。忘れられた過去の事件だというふうになっているわけです。厚生労働省が、このカネミ油症は人体へのダイオキシン汚染であるということを認識されたのはいつごろなんでしょうか。


○政府参考人(尾嵜新平君) 今、先生お話がございましたように、一九六八年から研究班が立ち上がりまして、自来今日まで研究を続けているわけでございますが、最初に一九七五年にライスオイルの中にPCDFが含有されていたということが研究班の研究の中で判明をいたしまして、一九七七年には患者の体内にもPCDFが存在するということが確認されたということで、PCBとこういったPCDFを含めました混合汚染と申しますか、そういうことになったわけでございますが、今の御指摘のダイオキシン類という考え方については、当時はまだそういうダイオキシン類というものにどういう物質が含まれるかということについての整理がされておりませんで、厚生労働省としてPCDFをダイオキシン類というものと認識したというのは一九八〇年代の後半ということで、もう少し申し上げますと、一九八八年にNATOの方が最初にこのダイオキシン類というものについての分類をお出しになりました。
 それから見ますと、その前から御議論があったということで研究班の先生方にもお聞きをしたわけでございますが、その一九八八年の、若干その前時点ぐらいから、そういうダイオキシン類というものに含まれるものとしての認識があったのではないかというふうに考えているところでございます。


○山下栄一君 ということは、厚生労働省としてはもう一九八〇年代にカネミ油症の患者はダイオキシンで汚染されているということは知っていたということになると思うわけです。
 そのカネミ油症の原因物質ですけれども、油症という症状があらわれる原因物質はどのように理解されているんですか。


○政府参考人(尾嵜新平君) 原因物質は、一つはPCBそのものが原因物質の一つであるということは間違いのない事実だと思っておりますし、今御議論ございますダイオキシン類の中で三つのカテゴリーがございますが、その中でも特にPCDFがライスオイルの中でダイオキシン類としては大きな比重を占めておったと。それにコプラナーPCBというものが若干比重的に入っておると。そこが原因というふうなことで考えるべき物質ではないかというふうに理解しております。


○山下栄一君 では、こういう言い方をします。
 油症の主要な原因物質は何だというふうに理解されていますか。


○政府参考人(尾嵜新平君) 患者さんのこれまでの研究班での臨床的な追跡も含めまして、研究の中から得られておりますのは、今申し上げましたように、一つはPCBそのものによります皮膚障害等々、これについては明らかにPCBによります症状というふうに理解されるものでございます。それ以外に今申し上げましたPCDFなどのダイオキシン類というものも影響をしているというふうに、この二つが主な原因物質ではないかという理解でございます。


○山下栄一君 PCBとダイオキシンが油症の主要な原因物質だと。ということは、この油症はダイオキシンの人的被害であると、このように言えるわけですね。


○政府参考人(尾嵜新平君) 両物質が影響をしているということはおっしゃるとおりでございます。


○山下栄一君 今、両物質と言われている。
 ちょっと僕、これはいろいろ取り組む過程で厚生省の方ともお話をしたんですけれども、ちょっとこれ明確にしておきます。
 「油症研究」という九州大学出版会が出版された大変な研究があるわけですけれども、ここで歴代の研究班長も執筆されております。その中にこういうふうに書いてあるわけです。「油症を惹起した主役は、当初考えられたPCBsではなく、原因ライスオイル中の含量がPCBsの約二百分の一に過ぎないPCDFsが、むしろ圧倒的に重要な役割を演じており、油症はこれらPCB関連化合物による複合中毒であることが分かった。」と。中でもPCDFは「最重要の原因物質であると結論された。」と、このように書いてございます。
 また、倉恒九州大学名誉教授、この方は元研究班長でございますけれども、この方の言葉も非常に大事な言葉だと思いますので、あわせて紹介してみたいと思います。
 当初はPCBが原因だと言われたけれども、その後の研究により、油症の最も重要な原因物質はPCDFでありPCBではないことが判明したと、このように書かれておるわけです。
 なぜそういうことがわかっていったかというと、一九七一年、バークレーのカリフォルニア大学の海洋資源研究所のR・W・ライズブルー博士がこの倉恒さんに手紙をよこして、油症はPCBの単独ではないよ、生成過程でPCBが熱変化によってPCDFに変化するよ、これ極めて強い毒性があるよということを、手紙を送ってくれたと。それをきっかけに研究していってこのような結論になったというふうに書いてあるわけですね。
 今、主要物質はPCBとPCDFということをおっしゃいましたけれども、研究班では、研究班というのは厚生省認定の班ですから、そこの専門家はPCBじゃなくてPCDFであると、このように言われているわけです。これは研究班の正式の研究報告と私は思うわけですけれども、それと先ほどの部長の話とちょっと違うので、それもう一度確認します。


○政府参考人(尾嵜新平君) 今、先生御指摘の油症研究班の「三十年の歩み」にそういう記載があるのは、そのとおりでございます。
 御指摘のように、私が申し上げましたのは、カネミ油症の原因物質としてはPCBとPCDF、これによります複合汚染であるということは、研究班の方でもそういう理解でございます。
 ただ、人体に対する影響を考えた場合に、PCDFの方がダイオキシン類と、その後の研究によりました知見等からダイオキシン類ということで、人体に対する影響ということから考えれば重要視すべきものであるという御理解でそういう記載がなされているというふうに理解しておりまして、注目すべき度合いからいえば、当初PCBということで考えておった以上にPCDFというものを重要視すべきではないかという御指摘だというふうに考えているところでございます。


○山下栄一君 ちょっとまあ違いますけれども、少なくともカネミ油症という症状はダイオキシンによる被害であるということは言えるということではございますので。
 その関連で一つ、先ほど、PCDFがダイオキシンだということは初めわからなかったけれども、八八年以前に、以前というのははっきりしませんけれども、一九八〇年代後半には厚生労働省もPCDFはダイオキシン類の一種であるということを認識したということですけれども、環境省にお伺いします。
 環境省では、PCDFをダイオキシン類であるということを認識されていろんな調査されたのはいつなんですか、いつからなんですか。


○政府参考人(岩尾總一郎君) PCDFにつきましては、一九八八年、昭和六十三年の報告書からダイオキシン類として結果を公表しておりますので、少なくともこの一、二年前からPCDFをダイオキシン類として認識していたと承知しております。


○山下栄一君 環境省の方は、昭和六十年ということは一九八五年ですから、その一、二年前、八三、四年ごろからもう既にダイオキシンわかっていたということなわけですね。
 ということは、少なくとも一九八〇年代後半にはわかっていたと。だけれども、その後の対応は、PCB汚染という観点から診断基準もつくり、そしてそういう観点から診断体制もつくり、さまざまな患者に対応してきたということだと思うんですよ。
 ダイオキシンの汚染というふうになってくると、これは僕ちょっと、ちゃんとした対応をしないと世界に笑われるぞというふうに感じます。実際この油症は、日本だけじゃなくて台湾でも一九七九年、同じ日本製のPCBを使って同じような事件が起きている。被害者が二千人も出ているわけで、そういう意味から、ダイオキシンの人的汚染、人的被害という観点から世界も注目しているこれは内容だと思うんです。
 動物実験はたくさんやってきました、どのような影響あるのかということは、人間には実験できませんから。実は、だけれども、この認定患者、千八百人の方が亡くなっていって、今千四百人と聞いておりますけれども、千人を超える方々が今も日本にいらっしゃって苦しんでいるわけです。そういうふうな観点から、僕は、厚生科学研究費補助金という形で七千五百万円というふうな対応をされているわけですけれども、これでは余りにもこの研究班の方々もかわいそうだなというふうに思うわけですね。
 それで、ちょっと話を変えまして、今、日本の国はダイオキシン対策にどれぐらいの金を使っているかということを環境省にお伺いしたいと思います。


○政府参考人(岩尾總一郎君) 取りまとめておりますので、環境省の方から御説明させていただきます。
 政府全体のダイオキシン関係予算は、平成十三年度が千二百五十四億四百万円の内数及び研究費となっております。平成十四年度の予算要求額は千五百五十六億八千二百万円及び研究費となっております。


○山下栄一君 この数年、対策強化されまして、ダイオキシンの削減のための焼却施設への国からの支援、補助金等もありまして、来年度は千五百億円を要求していると。人への対応は七千五百万円でやっているわけですね。僕はこれはちょっとどこか狂っておるなというふうに思います。
 それで、この患者さんは特に福岡県と長崎県に多いと。特に長崎県の五島列島、これ離島ですけれども、ここに認定患者は約三百名ぐらいと聞いておりますけれども、認定されない方々も数百人いらっしゃる。そんな人口たくさんの島じゃないと思います。一九六九年二月の九日と十日でしたか、つくられたライスオイルが福岡県から長崎五島列島の永尾商店で販売されたと。それは、成人病にもよく効くということでたまたまそのときにつくられたのを初めて購入した。そのころにつくられたのはPCBが混入しておったわけですけれども、それよりもうちょっと後のやつはもう混入していないわけです。たまたまその時期に混入された食用油、それが五島列島まで運ばれて、そこで一つしかない商店で売られて、そしてその方々に被害が広がっていったと。
 対応も僕はちょっといろいろまずかったと、こんなんしていたら時間がかかりますので言いませんけれども、しかし、黒い赤ちゃんが生まれたとか、生まれているわけですけれども、それはすぐ見たらわかるから、PCBの皮膚の汚染だというふうに思っていたんです。ダイオキシン汚染という観点になってくると話が違ってくるし、そして長期にわたるいろんな影響が出てくるわけです。
 どんな影響があるかということは、いまだに未解明な問題なわけですから、これはもう患者さんに対する扱いを丁寧にしていかないと僕はだめだと思いますし、黒い赤ちゃんなんかが生まれたということがわかっただけで、何で黒い赤ちゃんが生まれたんだというようなことから御主人も疑うし、そんなことは言えないということからみんな秘密にせないかぬということで、親族からも白い目で見られながら五島列島で住まわれている方も今もいらっしゃるわけです。いまだに申し出られない、申し出たらカネミ油症だと、いろんな風評被害もあるというようなことから、認定患者じゃない、されていない患者は申請者だけでも一万数千人といるそうですけれども、認定そのものも僕は診断基準が、PCBということでないというんだったら、PCB以外のものもあるというんだったら、診断基準の見直しせないかぬというふうになってくると思うんです。
 この診断基準の話に移りますけれども、ダイオキシン汚染という観点からの診断基準になっているのかということをお聞きしたいと思います。


○政府参考人(尾嵜新平君) 今の診断基準につきましては、PCBによる影響の症状を中心につくられているものというふうに考えております。


○山下栄一君 ということは、先ほども部長おっしゃったわけやから、ダイオキシンの被害、汚染という観点から診断基準を見直すべきではないかと思いますけれども、いかがですか。


○政府参考人(尾嵜新平君) 診断基準で御指摘のようなPCDFを仮に考えた場合に、どういった項目なりを入れればそういった基準として整理できるのかというところは専門家の方にもう一度私どもの方から御相談はしてみたいというふうに考えておりますが、恐らく可能性としては、症状からとらえるというのはなかなか難しいのではないかと、恐らく検査をするということが一つの手だてではないかと思っておりますが、そちらの方は専門家の方によく御意見を聞いてみたいというふうに思っております。


○山下栄一君 そういうことを、もう考えられない御答弁をされるから。
 PCDFが人体に入っているということを一九七七年から知っておって、それがダイオキシンだということがわかったのも八〇年代後半だと。もう十数年前に認識されているのに、ダイオキシン問題であれほど騒いだのに、その観点から診断していないというようなことは、もうこれは根本的に姿勢が問われるというふうに思います。
 大臣にもこの件、私きちっと対応していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。


○国務大臣(坂口力君) カネミ油症問題が起こりました直後から、この主な原因はPCBであるというふうに言われてきたわけでございますが、その後の研究によりまして、主因は、先ほど御指摘になりましたように、PCDFであるということが発表になったことを私も幾つかの論文で見た記憶がございます。今御指摘になりました論文と同じであったかどうかはわかりませんけれども、確かにそういうふうに書かれております。PCBが熱処理によりまして、それが変性したというんでしょうか、新しいそういう物質が生じたということのようでございます。
 したがいまして、それが主な原因であります以上、私も今までちょっとうかつでございましたが、そのことを中心にした対策というのを立てるのは当然のことというふうに思いますので、即刻それはそういう体制で見直しを行いたいと存じます。


○山下栄一君 ありがとうございます。
 この診断基準つくられたのは昭和五十一年なんですね。追加見直しされたのは昭和六十一年です。六十一年に追加の見直しが──間違えました、昭和五十一年に最初できて、五十六年に追加見直しされたきり全然見直されていないわけです。ということは、ダイオキシンということを認定する前の段階の診断基準で今もやっているということですから、今、大臣おっしゃったように、見直しを即刻やっていただきたいと思いますし、僕はこれはもう国の取り組みを根本的に変える必要があると。研究班の方々が細々と七千五百万円のお金で、もちろん治療費はカネミ倉庫が払っているんですけれども、カネミ倉庫もちっちゃい中小企業ですから、申請したかてなかなかくれないということで悩んでいるわけです、みんな。
 また、検診も年一回です。五島列島に確かにあります。行って、もう三分で終わると。船に乗ってそこまで行って三分で終わって、だれが行くかと。そして、女性の方は、産婦人科の医者も来ないし、女性の医者も来ない。女性の医者来てくれ言ったかて、班長も、検討するけれどもできないでしょうねということを言っている。そんな体制でやっているわけです。巡回検診もしてほしいと言ってもできませんと言われる。それはできませんわ、厚生省の班長さんかて。そういう班長さんの体制で全国でやっているんですよ、これ。だから、お金のかかることはできないわけです。PCDFの血中濃度もはかりたいけれども、機械も高いしと、というようなことになってしまっている。
 七千五百万円の枠内で対応してきた、これは根本的に僕は変えるべきだと思いますし、全国にこれほど大変な反響があったダイオキシンの人体汚染が、日本で実は三十数年前からあったんだという観点から考えると、この調査はきちっと、将来の人類のためにも医学的データもきちっと、ありとあらゆる観点から、皮膚とか目とか、それだけじゃなくて神経に内分泌に、また生殖毒性はどうだと、さまざまな観点から、奇形児も生まれている可能性があると。行けないわけです、そういう診断のところには、奇形児の方々は。
 というようなことを考えましたときに、ダイオキシン対策予算で千五百億円来年つけようとしている、人への調査は七千五百万円、そんなばかな話があるかと。根本的に国家プロジェクトとして人類に貢献するためにもこの対応はきちっとやっておかないと、日本の行政は何をしているんだというふうに全世界から笑われると思います。国の取り組みの抜本的な見直し、予算も含めて、この点についてのお考えを大臣にお伺いしたい。
 ダイオキシン対策閣僚会議はことし四月で解散したそうです。あれは削減のために一生懸命、何のために削減のために金をかけてきたんですか。人に入らぬようにでしょう。入った人がたくさんおるのにそれを無視してきたというか、軽視してきた、これはもう大変なことだと思いますので、先ほど申し上げました国の取り組みの抜本的見直しにつきまして、予算も含めて、大臣にぜひともお願いしたいと思います。


○国務大臣(坂口力君) 私の記憶に間違いがなければ、PCBというのは比較的体内に蓄積をしましても出やすいというんですか、比較的ですけれども。しかし、PCDFの方は一遍蓄積をされますとなかなか出ないという、非常にそういう特性があるということも読んだことがございますが、そうしたことを考えますと、PCDFが中心であるということになります以上、さらなる研究が必要であり、それに必要な財源は確保しなければならないというふうに思います。
 ここから先は財務大臣にお答えをいただく方がよろしいかというふうに思いますけれども、その点をしっかりと財務大臣にもお聞きいただいたというふうに思いますから、私どもの方も努力したいと思っております。


○山下栄一君 財務大臣も関係閣僚会議に入っておられる、メンバーでしたか、ダイオキシンの。


○国務大臣(塩川正十郎君) メンバーです。


○山下栄一君 そうしたら、今の見直しをしていただきたいということの御答弁、簡単にお願いします。


○国務大臣(塩川正十郎君) 坂口厚生大臣とよく相談して、また善処いたしたいと思います。


○山下栄一君 国の姿勢、特に政治家の姿勢が問われる私は問題だと思いますので、真剣な御検討と対応をお願いしたいと思います。

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