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カネミ油症事件> カネミ油症被害とリスク評価について
156国会 内閣委員会会議録 2003年05月06日(抜粋)
○山下栄一君 大きく二つ質問したいんですけれども、最初は食品安全委員会のリスク評価の問題でございます。
特にダイオキシンに絞って五、六分お聞きしたいと思うんですけれども、まず確認させていただきますけれども、これちょっと質問通告していなかったんですけれども、去年の四月二日ですか、BSE問題に関する調査検討委員会報告、この中に、「リスク評価体制の確立」ということで、関係省庁から独立した行政機関で行うべきだと。これは食品安全委員会なわけですけれども、「リスク評価の対象には、消費者の健康や安全性の視点から、家畜飼料や動物用医薬品も含められなければならない。加えて、水、土壌、ダイオキシン、内分泌かく乱物質、家畜伝染病、などもその対象とするべきである。」と、こう書いてあります。
この検討委員会の報告を受けて、この食品安全基本法では、これそのとおりの扱いになるんでしょうか。リスク評価の対象に、例えばダイオキシン、内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモン、対象とするということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) この法案の二十四条第一項十一号、二十四条というのは一定の場合に食品安全委員会のリスク評価を受けなきゃいかぬという規定でございますが、その第一項十一号に、「ダイオキシン類対策特別措置法第六条第一項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。」と書いてありまして、要するにダイオキシンの一日摂取量の制定をしたり改廃しようとするときには必ずこの委員会の、食品安全委員会の評価を受けなければいけない、こういう規定のしぶりになっております。
○山下栄一君 厚生労働省にお聞きしますけれども、現行ではダイオキシン類の健康影響評価、これは多分余り整っていないと思う。今の、現行でどういう体制でやっておられて、具体的な人への健康影響について、データというのはあるんでしょうか。
○政府参考人(遠藤明君) ダイオキシン類を含めまして、いわゆるカネミ油症の問題として私どもでは研究を進めているところでございまして、最近特にダイオキシンの検出技術が進歩したというふうなことを踏まえまして、患者さんの方々の協力を得まして、血液中のPCDF等のデータ等を採取し、症状との関係について診断基準の再評価の資料として収集をしているというふうな状況にございます。
○山下栄一君 よく人間、人に対して大変な影響があるということを言われておりますし、そういう観点からTDI、今大臣おっしゃったようなこと、四ピコグラム以下と、こう書いてあるわけですけれども、ところが日本では具体的にダイオキシンの健康への影響どの程度あるのか。例えば発がん性とか免疫性とか催奇形性とか、いろいろ言われますけれども、そういうものは日本にデータとしては、今データというか、そういう例はないと思うんですよね。
厚生労働省として、現在、リスク評価はやるとしたらどこがやることになっているんですかね。
○政府参考人(遠藤明君) 私どもで行っておりますリスク評価は食品衛生法の体系の中でやっておりまして、薬事・食品衛生審議会にお諮りをして決めているというふうな状況でございます。
○山下栄一君 決めているとおっしゃるけれども、実際はそういう例はないと私は思うんですけれども。ちょっと時間の関係で急ぎますけれども、また別の機会にゆっくりさせていただきますが。
カネミ油症の話、ちょっと先ほど部長の方から触れられましたけれども、四十三年、前の事件だけれども、これは福岡、長崎中心に今も全国に患者さん散らばっているわけですけれども、カネミ油症というのはダイオキシン類の健康被害という観点からも取り組まなきゃいかぬということをはっきりと国が表明しています。ごく最近の話だと思うんです。
PCBの被害であったとしても、ダイオキシン類の被害という観点からは全く対象に上っていなかったけれども、現在はそういう形で今データを集めつつあるということを先ほどおっしゃったと思うんですけれども、まずダイオキシン類対策特別措置法の第六条に、その一日耐容摂取量の評価、一日耐容摂取量についての値については書いてあるわけですけれども、これはまた科学的な知見に基づいて改正することはあり得るというふうなことが書いてあります。
と同時に、附則の第二条第三項、ダイオキシン類対策特別措置法です。これは是非内閣府におかれましても、もう御存じだと思いますけれども再確認させていただきたいと思って申し上げますけれども、第三項に、「ダイオキシン類に係る健康被害の状況及び食品への蓄積の状況を勘案して、その対策については、科学的知見に基づき検討が加えられ、その結果に基づき、必要な措置が講ぜられるものとする。」というふうに書いてあります。
そのためには、例えばPCDF、コプラナPCB等のダイオキシン類が人にどんな影響があるのかということ、そういう観点では、カネミ油症の患者というのは正にその対象として、人体実験でも何でもなくて、具体的に健康影響が出ているという観点から調査する必要がありますし、データも集める必要がある。ただ、この方々は年々年を取っておられて、非常に差し迫った状況の中で、今ささやかにこのカネミ油症の研究班の中で研究され始めたという段階だと思うんですね。
こんな中で、私は、先ほどの調査検討委員会の報告書の中に、ダイオキシン類のリスク評価、人の健康への評価についても対象とするということは、動物実験ではなくて、人間の影響として具体的な形で日本にいらっしゃる。PCBの被害であると同時にダイオキシンの被害でもあるという観点から見直しをし始めたばかりなわけですから、私は厚生労働省の取組をもっと強化してもらいたいと思うけれども、この研究班のデータ、それから評価能力についても研究班の方々ぐらいしか今いらっしゃらないんではないかなというふうに思いますし、そういう意味では、食品安全委員会でリスク評価の対象とすると、ダイオキシン類の健康影響評価についてもということになった以上、ちょっともう一度、今までの厚生労働省だけの取組の段階から一歩強化されたというふうに理解しているんですけれども。
新しい法の食品安全基本法の枠組みの中で、このカネミ油症が実例ですけれども、ダイオキシン類の健康被害、これのデータ並びにリスク評価について内閣府と厚生労働省はどういう連携でやられるのかということを、これはきちっとやってもらいたいと思いますので、明確な答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど、二十四条第一項十一号に、ダイオキシンの一日耐容量を変える場合、委員会の意見を聞かなきゃならぬというふうに規定になっていると申し上げましたが、食品安全委員会も自らの発意で食品健康影響評価を実施することができるわけでありまして、今厚生労働省、つまりリスク管理機関がやっておられるいろんな情報も含めて、国内外の危害情報を集めて分析整理して、必要性があるかないかを検討するということになると思います。
今、厚生労働省でカネミ油症との関連性も視野に置きながら検討されているというふうに承知しておりますので、食品安全委員会、成立しましたら、委員会としても鋭意情報に努めて、得られた科学的知見に基づいて必要に応じて適切な行動を取らなければならないだろうと思います。
○山下栄一君 検討委員会の報告書の中に、リスク評価を行う専門家の絶対数が不足していると、こう書いてあります。人材を早急に育成確保せないかぬと、また国際機関との連携も強化すべきだと、こう、私もこのとおりだと思いますけれども、ダイオキシン類またいわゆる環境ホルモンの観点からの人への健康影響というのは、極めてあいまいというかはっきりしていない段階だと思うんです、まだまだ。
そういう意味じゃ、イタリア、アメリカその他のダイオキシン類の実際被害のあった国々との連携、国際機関またそういう研究者の国際的な会合も毎年のように行われていると聞いておりますけれども、その連携もしっかりやっていただく必要があるというふうに思いますけれども、食品安全委員会のメンバーはたしか七名ですよね。その中に、そういう今申し上げたダイオキシン類とか環境ホルモン等の専門家、私は非常に少ないと思うんですけれども、健康影響という観点から評価をできる人というのは。そういう意味で、その七人のメンバーに入るか、またその下における小委員会ですか専門委員会、そういうところに必ずこういう観点の方々も入れてもらいたいと。
非常に大きな関心のある問題であるけれども、健康への影響、どれぐらいあるのかということについては極めて貧弱な能力しかないと私は、国際的にもそうだというふうに思いますので、こういう観点の御配慮を是非お願いしたいと思いますけれども、大臣、ちょっとどうでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 七人の委員の人選はまだ決定しておりませんので、具体的にどうということは今御答弁いたしかねるわけでありますが、いずれにせよ、今我々が得られる可能な資料、材料、これは全力を挙げて収集しなければいけないと思っております。