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カネミ油症事件> カネミ油症の債権管理問題について
156国会 決算委員会会議録 2003年05月12日(抜粋)
○山下栄一君 カネミ油症の問題は、ちょっと財務大臣もお聞き、御存じだとは思うんですけれども、これ、同じく債権管理法の問題なんですね。
それで、ちょっと時間がございませんけれども、簡潔にお話しさせていただきます。農水省、来られていますね。
一九六八年、PCBに汚染されたライスオイルを食した患者が大量に発生し、その第一陣訴訟において、一九八四年、福岡地裁において判決で国の責任が認定されたと。国、農水省から被害者に対し一人平均約三百万円の仮払金が支給されたが、その後の裁判の経過によって原告の国に対する敗訴が確定的となり、原告が訴えを取り下げたことによって裁判が終結したと。だけれども、第一審で国が敗北、敗訴したので、仮払金を約二十七億円、患者総数八百二十九名払っていたと。だけれども、合意に基づいて取り下げたので患者側に仮払金の返還義務が生じ、国の債権となっていたと。
ところが、いろんな経過があるんですけれども、いまだにそれでもう追い掛けられているわけですね。これは対応した弁護団も私は非常にいい加減だったと思いますけれども、弁護士に任せてやっているものだから、ちょっと農水省、この債権管理法の第十五条、時効が迫る、これ時効十年、九年間この強制履行の手続をやっておらなかったと。それは弁護士と相談していたからだというお答えなんでしょうけれども、十五条に基づいて九年間、御本人たちには、八百人を超える患者には一切接触しないで、代表の患者、弁護士と対応していたそうなんですけれども、九年たってから強制履行に入ったと。
僕はこの九年間の国の対応はおかしいなと思うんですね。なぜ個別の患者の資金力とかまた健康状態とかいうことをほとんど不問に付して、弁護士と相談しながら九年間、そして時効直前になって各患者に突然強制履行を迫ったのかということを非常に理解できません。御答弁お願いします。
○政府参考人(松原謙一君) お答え申し上げます。
カネミ油症のこの仮払金の返還につきましての債権管理についての御質問でございますが、昭和六十二年の六月二十五日にこの取下げがございまして、債権管理法に基づき仮払金の返還を求めていくということを畜産局長談話ということで発表するとともに、納入告知書を送付をいたしまして、またその後毎年、この旧原告に対しましては督促状を送付させていただいてきておるわけでございますが、これと併せまして、原告側を束ねておられました弁護団と国の間でこの返還に係る協議をおよそ平成八年まで約八十回程度ずっと続けてきておりまして、継続してこの仮払金の返還をお願いを求めてきたところでございます。
こうした対応を継続してきました結果、この平成七年からは、具体的なこの返還方法といたしまして、債権、債務者双方の合意に基づきます民事調停手続を進めまして、八年から十一年にかけまして調停対象者全員につきましてのこの調停による返還方法の合意、繰延べでございますとか延べ払いでございますとか、そういったような合意が成立したところでございまして、国としてもできる限りの対応を行ってきたというふうなことで御理解を賜りたいと考えてございます。
○山下栄一君 国に返還金を返さなきゃならないということなんですけれども、今おっしゃったように代表交渉しかやってこなかったと。私はこの交渉の在り方が非常に患者さんにとっては、もちろん督促状は送っていたんでしょうけれども、弁護士は十年たったら国もやいやい言わないと、十年たったらなくなるんですよというふうに言っているというふうな、言っていた文書も残っておるんですけれども、このカネミ油症弁護団の新聞なんかに書いてあるわけですけれども、そういうふうにして、余りこういう事情をよく分からない、福岡県、長崎、長崎の特に五島列島の島々に住んでおられる方々ですからよく分からないわけですよ。
そんな中で突然その強制履行をやるということについては、非常に不親切だと思いますし、途中において個別、個々の患者さんに対して、健康状態とかそれから資力などをじゃ把握しておったのかと。もちろん委任状を取り付けて弁護士は交渉していたかも分からないけれども、国の方は、本来、債務者は個々の患者さんなわけですから、その辺を一切接触しないでやっていたところについては国の方にも責任があるのではないかと。
資力や健康状態は把握されておったのかということを確認したいと思います。
○政府参考人(松原謙一君) カネミ油症の患者の方々におかれましては、現在もなお筆舌に尽くし難い苦しみを受けておられるということと思っておりまして大変お気の毒に思っておるわけでございますが、御承知のように、この仮払金の返済につきましては、既に一度、民事調停ということをいたしておるわけでございますが、その調停の後における所得でございますとか健康状態などの生活諸条件の変化、そういったことで、やむを得ない理由によりまして調停の合意どおり、内容どおりに履行できないという、そういう特別な債務者につきましては債務者のその状況に応じて再調停を行うというふうにいたしておるわけでございまして、そのために今それぞれの患者の方々の再調停についての理解を深めていただくための現地説明会、そういったことを開催をさせていただいてございますし、また農林水産省の担当官が直接あるいは電話相談窓口というようなところを通じまして債務者の方々の個別の相談に応じるというふうなこともいたしてございまして、きめ細かい対応に今後とも努力をしてまいりたいというふうに思ってございます。
○山下栄一君 時間が来ているんですが。
御本人だけじゃなくて、相続放棄していないものだから、子供も孫も親戚まで分散して追及されてきているわけですね。説明ないままに亡くなった御本人、突然お金払いなさいと来るというふうなこともいまだに続いておるわけです。
それで、私は財務大臣にも知っていただきたいので、これPCBというふうになっていたんですけれども、最近、最近いうても平成十三年十二月ですけれども、ダイオキシンの健康被害だということが新たに分かりまして、そういう事態にもなって、新しく診断基準の見直しも今始まっておるわけです。
私は、債権管理法、先ほど財務省の職員の皆さんの責任、申し上げましたけれども、今度は反対の方で、国民の側でそういう悲惨な実態になってしまっている。免除の規定もあります。これ柔軟に解釈できないのかと。少なくとも御本人、御本人から、そのまた亡くなった場合、それ以降も続いていくというようなことについては、柔軟な解釈も含めて是非検討していただきたいと思います。
厚生労働省、農水省、そして環境省、三省の連絡会議も始まりましたけれども、ここに財務省もかんでいただいて、仮払金の返還問題、極めて深刻な問題で、日本のダイオキシン類健康被害の、人的被害であったということも分かってきているわけですから、そういう新しい事態も含めまして、この債権管理法の運用の、情けのあるというか対応をお願いしたい、是非御検討していただきたいというふうに財務大臣に求めます。
○国務大臣(塩川正十郎君) 御趣旨はお聞きしましたので、相談いたします。