テーマ別質問一覧>
行革・税金のムダ遣い追及 >
その他
> 不適切な支出を行った公務員に対する責任追及のあり方について
156国会 本会議会議録 2003年02月21日(抜粋)その4
○山下栄一君 次に、不適切又は法令に反した支出等に関する責任追及の在り方について伺います。
今回の検査院の指摘の中で、財務省の全国複数の財務局等において、普通財産の貸付けに当たり債権管理事務が適切に行われなかったために、国が回収すべき債権約一億一千八百万円が取立てできない事態となったとあります。分かりやすく言えば、財務省の怠慢によって国、すなわち国民が一億一千八百万円の損害を被ったことになります。国民が被った損害賠償責任を所管庁の責任者たる財務大臣が負うべき事態であるのに、処置済み扱いとなり、責任を不問に付す状態になっております。総理、財務大臣、この責任問題をいかがお考えでしょうか。
また、世間を騒がせた外務省のいわゆるプール金問題では、一昨年十一月、外務省が国民の信頼回復を懸けて徹底的に調査し公表したプール金約二億円が、一年後の昨年十一月、検査院の検査によってあっさりとその二倍以上の四億五千万円に訂正されました。
そのこと自体、外務省の体質に憤りを感じざるを得ませんけれども、更に問題なのはその中身であります。既に、平成十三年度にプール金を私的流用したとして国家公務員法上の懲戒処分を受けた当事者十名のうち、金額が三十五万円から十八万円と比較的少ない者は停職又は減給にとどまっております。人事院の懲戒処分指針によると、公金又は官物を横領した職員は免職とするとされており、金額の多少にかかわらず、最も厳しい懲戒処分が求められているところであります。
さらに、問題は、公金を私的に流用することを刑事罰としての公金横領の扱いとしていないことであります。四百十一万円を私的流用したとして懲戒免職となった外務省職員A氏は、検査院の指摘分を合わせ、合計で五百七十万円余の横領だったことが明らかになりました。しかし、刑事罰はありません。一方、総務省に関する指摘の中では、ほぼ同額の横領で懲役一年六か月の刑罰を受けております。プール金問題で公金横領した職員十名に対し、なぜ外務省は刑事告発をされないのでしょうか。
このように、不正を働いた職員や不適切な措置を行って国に損害を与え、国民の行政不信を増大させた官庁や職員、その上司に対する責任追及の在り方が極めて不明瞭であり不徹底であることが公務員の不祥事や税金の無駄遣いが減らぬ原因であり、むしろ再発を助長していると言っても過言ではないと思います。
私は、その意味からも、会計検査院が指摘した事項については、不当事項に限らず、処置済事項についても、各省庁において関係法令に照らし内容を精査し、処分すべきは厳正に処分する、また、検査院と人事院にその内容を報告させる義務がないことを改めると同時に、処分の妥当性をチェックする体制をつくるべきと考えますが、総理の率直な見解をいただきたいと思います。
最後に、総理、小泉改革が本物かどうか、今が正念場であります。予算の無駄遣いを検証し、国民の行政への信頼を回復するために、参議院は何としても決算審査をよみがえらせたい。総理の強いリーダーシップの下、内閣の全面協力を念願して、私の質問を終わります。(拍手)
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国の債権管理事務が適切に行われなかった問題についてですが、国が貸し付けている土地建物の貸付料について、借受人の経済状況等から徴収ができていなかったものの一部が取立てできない事態となったことは不適切であったと考えております。今般の会計検査院の指摘を受け、既に関係機関に対して債権管理事務の適正な実施を徹底したところであり、今後はこのようなことのないよう努めてまいります。
不適切又は法令に反した支出等に関する責任追及についてでございますが、会計検査院が指摘した事項に関する関係職員への懲戒処分については、各府省において事実関係を十分に確認の上、懲戒事由が存在する場合には、職員の職責など諸般の事情を総合的に考慮して厳正に対処すべきものと考えます。
懲戒処分については、第一義的には任命権者である各府省において行われるものでありますが、国民の批判を招かぬよう、人事院や会計検査院とも十分連携を取りながら対処すべきものと考えます。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねの件でございますけれども、国の債権管理事務が不適切ではないかということでございますが、これは主として物納財産についての御指摘があったと思っております。
それにつきましては、去る十一月、昨年の十一月でございますが、各財務局に対しましてこの管理を徹底するようにきつく申し入れたところでございまして、現在、鋭意その調査をし、また徴収に努力しておりますが、事情をちょっと申し上げますと、これは物納財産でございまして、それを借り受けている者が死亡したり、あるいはその相続人が決まっていないというものが相当ございまして徴収が不能になってきておるというものが一つございます。
それともう一つは、借受人が生活困窮者で生活保護を受けておるというような方々が相当数ございます。
これらの事情から、貸付料の徴収が事実上留保しておるものでございますが、これらの管理につきましては、それじゃ代替策をどうするかということ等を含めまして検討を急がすようにいたしておりますが、御指摘事項を確実に実行してまいります。(拍手)