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テーマ別質問一覧行革・税金のムダ遣い追及その他 > 大阪空港における航空機騒音対策事業資金の処理について

124国会 決算委員会会議録 1992年09月18日(抜粋)


○山下栄一君 次の質問に移らせていただきます。
 平成二年度の決算内容につきまして御質問いたします。
 会計検査院の平成二年度の決算検査報告書の中に、航空機騒音対策事業資金の問題がもう既に処置済み事項として報告されておるわけでございますが、この大阪空港の騒音対策事業につきまして、私の地元でもございますので、会計検査院の方から概要の御説明をお願いしたいと思います。


○説明員(佐藤恒正君) お答え申し上げます。
 運輸省では、空港周辺整備機構に対しまして、同機構が空港周辺整備計画に基づき行っております共同住宅建設事業に対し、その事業に要する経費に充てる資金を無利子で貸し付けておりますが、貸付金を財源の一部といたしまして大阪空港周辺に建設した共同住宅が既に譲渡されておりますのに、これに係る貸付金が貸し付けられたままとなっておりまして、貸付金の管理が適切でないと認められましたので、運輸省御当局の御見解をお伺いいたしましたところ、運輸省におかれましては、空港周辺整備機構に対し通達を発しまして、共同住宅建設事業により建設した住宅を移転補償事業の対象となる民間会社等に譲渡した場合におきましては貸付金の繰り上げ償還を行わせることとする措置を講じられましたので、処置済み事項として検査報告に掲記したものでございます。


○山下栄一君 空港周辺の騒音対策の機関としまして空港周辺整備機構ですか、そういう組織があるわけでございますが、特に事業の中で、再開発整備事業とか、また代替地の造成事業とかと並んでこのような賃貸共同住宅の建設事業というのがあるわけでございますが、特に住宅建設事業につきましてはほかの事業と違って国の貸付金の割合が高いわけです。国の貸し付けの割合がたしか四〇%になっていると思うわけでございますが、なぜほかの事業と比べて共同建設事業の貸付金の割合が高くなっておるのかという御説明をお願いしたいと思います。


○説明員(平野直樹君) お答えいたします。
 賃貸用共同住宅のための資金といたしまして、確かに国から無利子貸し付けということで四〇%の貸し付けをしておるのでございます。これは、いわゆる空港周辺の騒音の激しい指定区域から移転をする人たちの中で、借家人等の移転先を確保するためにこういう住宅を建設するわけでございますので、入居者の家賃を軽減するという意味合いもありましてこのような措置をとっておるわけでございます。


○山下栄一君 特に、検査の対象となりました豊中市の利倉西第四住宅ですが、この住宅については、賃貸の共同住宅から、昨年でしたか、譲渡に変更になったわけでございますが、そういう目的変更、当初の目的は賃貸のための共同住宅であった。それが民間に売却されたわけでございますけれども、その時点で運輸省は承諾を与えておられたかどうか、お聞きしたいと思います。


○説明員(平野直樹君) お尋ねの利倉西第四住宅でございますが、これにつきましては当初賃貸目的ということで建設したわけでございまして、五十九年の春にこれが完成いたしました。その後入居者がございませんで、一方、この第四住宅につきまして譲渡してほしいという要望がございましたので、地元であります豊中市と調整をしてまいったわけでございます。その結果、平成二年五月に同意が得られましたので、運輸省といたしましても譲渡することに方針を転換したところでございます。


○山下栄一君 目的が変わったために一括してたくさんのお金が入ってきたわけでございますけれども、それについて繰り上げ償還をしないままになっておったわけでございますが、これは新しい事態になっておるわけでございますので、貸付金残高の繰り上げ償還については当然やっぱりその場ですべきである、このように考えるわけでございますが、これについて運輸省は機構に対してその時点で繰り上げ償還についての指示をされなかったのかどうか。


○説明員(平野直樹君) この共同住宅を売却した際に売却益が生じたのでございますけれども、この売却益をどういうふうに処理するかという点につきましては、私どもは私どもなりの考え方で内部の調整をしておったところでございますけれども、会計検査院から先ほど御指摘のような御意見がございましたので、最終的には御指摘どおり繰り上げ償還を行わせた、こういう経緯でございます。


○山下栄一君 次に進めさせていただきますけれども、完成したのが昭和五十九年三月でございますが、当然入居募集が行われるべきであると思うわけでございます。入居募集の実績についてちょっとお伺いしたいんですが、具体的な募集のやり方ですね、第四住宅についての募集の方法、それはどういう形でやられたのか、お伺いしたいと思います。


○説明員(平野直樹君) お尋ねの利倉西第四住宅完成は、申し上げましたように昭和五十九年三月でございます。この時点におきましては、この住宅のほかに六棟、三百十戸の共同住宅がございました。このうち、入居者が二百五十八戸、あいておる戸数が五十二戸でございました。
 空港周辺整備機構といたしましては、移転補償の対象となる借家人等に対しまして、移転補償をする際には共同住宅入居希望の有無を確認してございまして、この利倉西第四住宅についても当然その存在については話をしておりますけれども、管理運営の合理化というような観点から、従来から入居しております他の共同住宅の入居を進めてまいったところでございます。特にこの利倉西には、すぐ隣接いたしまして第一住宅から第三住宅までの共同住宅が百七十九戸分ございました。そのうち四十五戸があいておるという状態でございましたので入居の御希望には十分こたえられるという状況であったわけでございます。
 このために、新設された第四住宅については特段のパンフレット等は作成しておりませんけれども、昭和六十一年六月のアンケート調査という中ではこの点について明記をいたしまして、住民の皆様にはこの存在を周知をしているところでございます。


○山下栄一君 ということは、入居募集はそれまでの、この第四住宅ができる前に六つあったわけですね、六棟あった。その六棟についてはきちっと、こういうパンフレットを私地元でいただいてきたんですが、こういうパンフレットをつくっているわけでございますけれども、第四住宅に限ってはこういう正規の募集案内をつくられておらないということですね。確認いたします。


○説明員(平野直樹君) ただいま申し上げましたように、その段階ですぐ隣に空き家があったというようなこともございましたので、特別のパンフレットはつくっておりませんけれども、移転補償の際には希望の有無というのを確認しておりますので、その際にはこの住宅の存在についてはお話をしておるということでございます。


○山下栄一君 せっかく新しい第四住宅ができたわけですから、もちろん空き家もあったでしょうけれども、やはり対象となる借家人の方々に知らせるべきであろう。当然のことだと思うんですね。
 特に、第三住宅の場合は、つくられてからどんどんふえて、前の古いところから新しいところにかわられた方もいらっしゃるわけでございますので、そういう意味で第四住宅についても全然知らせないという、全然といいますか、正規の形では知らせないで不平等に扱うといいますか、それまでの住宅と違う扱いをするということ自身が非常におかしい、このように考えるわけでございます。つくった以上はきちっとやはり住民に知らせて、同じような形で募集すべきである、それは当然のことである、義務である、このように思うわけでございます。
 まして、つくってからずっと七年間も放置しておったというようなことは大変なことだと思いますし、そういう意味で、たとえ空き家があろうと同じような条件で、第四住宅もできましたよと知らせて、同じような募集をすべきであったと考えるわけでございますが、いかがでしょうか。


○説明員(平野直樹君) ただいま申し上げましたように、すぐ隣に空き家があったということで御希望には十分こたえられるという状況が一つでございますが、そのほか、昭和六十一年には、アンケート調査という形ではございますけれども、この存在を周知しておるということでございます。


○山下栄一君 納得できないお答えでございます。
 ちょっと観点を変えますけれども、今度第四住宅の着工段階で空き家が幾つかある、たくさんあるという場合は、当初は建設計画があったとしても、着工段階でまだまだ空き家があるからもう少し延ばそうとかそういうような判断があって当然であるのに工事を強行されてつくってしまうという、非常にこの建設計画に甘さがあるといいますか、いいかげんであるというふうな感じを受けるわけでございます。
 着工は五十八年でしたでしょうか、その時点での建設計画の見通しといいますか、どういう状況だったのか、お伺いしたいと思います。


○説明員(平野直樹君) この利倉西第四住宅の建設に着手いたしましたのは五十八年の七月でございますけれども、この当時空き家が十分あったということは事実でございますが、片やこの当時、都市計画手法によりまして緑地整備事業という事業を提案されておりまして、都市計画決定を行う準備段階におきまして関係住民の同意を得るためには緑地整備区域内の移転者のための共同住宅を十分整備しておく必要があるというふうに判断をいたしまして、計画どおり建設したものでございます。


○山下栄一君 ある程度見通しがあってつくられたと思うわけでございますが、完成すると今度は正規の募集もしないで放置する、こういうことに結果的になっているわけでございます。当初この建設については借家人の方々に入っていただくということで、先ほど冒頭申しましたように、大変な高率の国庫負担で国からの援助をいただいてつくった。つくったら募集しない、そして七年間放置して、おまけに民間に売却する、そういう結果になってしまっているわけでございまして、これは当初の目的がそういう借家人の住居を補償するための建物であるにもかかわらず、最終的にそういう形で民間に売却するという結果になってしまった。それもやっと昨年売却した、七年間は募集しないままにほっておいた、非常なこれは責任が問われるのではないかなと、こういうふうに考えるわけでございますが、運輸大臣、この点につきましてどうでございましょうか。


○説明員(平野直樹君) 先生御指摘のとおり、結果におきまして六年程度入居者がいない状況で放置されたということにつきましては大変遺憾なことだというふうに思っておりますけれども、ただいままで申し上げましたように、計画の当初は相当入居者があるという見込みでつくったものでございますし、またできた後は、近接するところにまた空き部屋があるという状況の中で、結果的にそういう状況が続いたものでございます。この点どうか御理解をいただきたいと思います。


○山下栄一君 全然御理解いただけないわけでございます。
 今、七年間入居実績がなかったとおっしゃったわけですけれども、きちっと募集しないから入居されないのは当然だと思うんですね。だから、希望者が出てくるとあいているところに入れていく、新しいところに入れない、これが全然納得できないんです。少々空き家があろうと、新しくできたところについては、新しいということで家賃は少し高いかもわかりませんけれども、希望者はちゃんとおると思うんですよ。であるのに正規の募集をしない、そのままにずっと毎年毎年ほっておくということは、これは非常に住民を裏切ることになると思うんですけれども、どうでしょうか。


○説明員(平野直樹君) 新しい住居ができまして、そこに例えば一世帯、二世帯入るというような状況を考えますと、必ずしも管理上効率的とは言えないという面もございますし、すぐ隣にあいておる住居があるというようなことでございますので、その点を御案内すると希望者はそちらの方にお入りになる、こういうようなことでございますので、結果においてこの第四住宅が空き家のまましばらく続いたと、こういうことでございます。


○山下栄一君 質問の観点を変えさせていただきます。
 先ほども、民間に譲渡されたということでございますけれども、建設総費用はどれぐらいで、譲渡されたのはどういう金額で譲渡されたか、差益はどれぐらいあるかということをお伺いしたいと思います。


○説明員(平野直樹君) この住宅は平成三年一月に株式会社日東紡というところに譲渡いたしたところでございますが、その譲渡価格は約十六億四百万円でございます。また、この住宅の建設費用は約四億九千万円でございます。したがいまして、この譲渡価格と建設費用の額の差は約十一億一千万円ということに相なります。ただし、この建設期間中あるいは資産処分までの間の費用あるいは支払い利息等が約三億円ございます。
 さらに、先ほど申し上げました無利子の資金の貸し付けを繰り上げ償還いたしたわけでございますので、これが政府の分と地方の分と合わせて約二億円ございますけれども、これらを差し引きますとその差額は約六億三千万円ということになります。


○山下栄一君 国のお金で建てた建物、国のお金ということは国民の税金で建てた建物なわけでございますが、それを民間に売却して、今のお話によりますと空港整備機構の方が六億三千万円いわばもうけているわけでございますので、それについてはやはり機構としまして国に返すべきである。少なくとも六億三千万円の国庫負担分四割につきましては、二億五千万円ぐらいですかね、国に返すべきである、このように思いますけれども、どうでしょうか。


○説明員(平野直樹君) ただいま申し上げましたように、売却益は六億三千万円余でございますが、片やこの共同住宅建設事業につきましては昭和四十九年度以降累積の赤字がございまして、これが約三億七千万円ほどございました。これを整理いたしますと、実質的な利益というものは約二億六千万円ということになっております。これにつきましては、今後の共同住宅全体の管理運営に要する費用に充てさせていただきたい、このように考えておるところでございます。


○山下栄一君 機構にもそれぞれ事情があると思います。ただそれは、先ほど申しましたように、目的外に使って、譲渡することによって利益を六億三千万円得ている。そのことについてはやはりそれとしてきちっと国庫に返すべきである。それを機構の事情で、別の債務があるからそこに流用する――流用になるんじゃないかなと、このように思うわけでございますが、どうですか。


○説明員(平野直樹君) 確かに、この住宅の当初の目的と異なった形で処分をされたところでございますけれども、ただいま申し上げましたように、この実質利益というものは約二億円程度でございますし、今後とも共同住宅の管理運営ということが必要でございますので、そういう費用に充てさせていただきたいと考えておるところでございます。


○山下栄一君 最後に、運輸大臣の方にお伺いいたしたいと思います。
 冒頭申しましたように、この建物は借家人のために、空港周辺に住んでおられる騒音で悩んでおられる方々のためにつくられた住宅であるわけでございます。そういう弱い立場の方のためにつくられた住宅であるわけでございます。そのためにまた大変な高率の国の貸付率で、それも無利子で貸したわけでございます。それをまた目的外に、借家人のためだけじゃなくて民間に譲渡してしまった、七年間放置の末に譲渡したという非常に大きな問題であると思うわけでございます。特に、空港周辺整備機構は運輸大臣の監督のもとの組織でございますので、運輸省としても、また運輸大臣としても非常に厳しく責任が問われることではないかなと、このように考えるわけでございますので、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。


○国務大臣(奥田敬和君) お答えにならぬかもしれませんけれども、この利倉西第四住宅の問題については会計検査院から厳しい御指摘を受けて、結果的には適切に処理したと聞いております。
 しかし、今御質問の経緯を伺っておりますと、利益を目的としない機構が何かほかの不動産屋と一緒で、バブルに乗ってもうけちゃったと、そしてそのもうけは今までの損失補てんに回しますということのようでございますけれども、本来あるべき姿は、やはり騒音地区に住居を求められる方々のためにできるだけ安く利用していただくということがこの機構の住宅建設の目的であったと思います。
 したがいまして、民間に丸ごとそっくり譲渡したということについての厳しい御指弾だと思います。しかし、これは正確でないかもしれませんけれども、この日東紡の社宅ですね、これもやっぱり騒音地区からの移転を対象としたものであるということは間違いありません。結果としては影響を受ける空港周辺住民のためになった。それが結果、社宅に丸ごと譲渡したということについての御指弾は御指弾として、結局移らなきゃいかぬ形の対象であったことは間違いないと私は聞いております。でも、もうけが本意の機構ではございません。そういった点において会計検査院からの厳しい御指摘を受けたことに、そのとおりで、恐れ入りましたという形で処理をしたということでございます。


○山下栄一君 この機構の共同建設事業の計画自身が非常にいいかげんというか、ずさんであるというか、これはどうしても責任を問われるべきであると私は思います。そういう意味で、今後、機構に対する監督強化といいますか、これをぜひともお願いしたいと思うのでございますが、いかがでしょうか。


○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘のとおり、空港を核とした新しい地域づくりというのがこの空港周辺整備機構に求められている事業でございますので、これに対する地域の皆さんの期待はますます高まってくるであろう、それにこたえるためにも、そういった今御指摘の点のような誤解がないように適切な運営にこれから努める、反省の上に立って努めるように厳正に指導してまいります。

○山下栄一君 大事な事業でございますので、ぜひともよろしくお願い申し上げます。

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