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> 大蔵不祥事と2信組救済問題との関係について
132国会 予算委員会会議録 1995年03月13日(抜粋)
○山下栄一君 平成会の山下でございます。
主に震災関連、それからちょっと震災に隠れておりますけれども、いじめの問題、大変重要な社会全体が抱える問題であると思いまして、質問させていただきたいと思います。
その前に、先ほど大蔵大臣の方から今回の大蔵官僚の処分につきまして御報告があったわけでございますが、これに関連しまして少し質問させていただきたいと思うわけでございます。
先ほどの御報告によりますと、中島主計局次長及び田谷東京税関長がそれぞれ訓告処分、その他、大臣もみずから最高責任者として何らかの形でそのけじめの気持ちを明らかにしたい、こういうことで、みずから進んで一カ月俸給月額の二○%を国に返す、こういうようなことをしましたという御報告があったわけでございます。
この中島次長、田谷税関長にそれぞれ訓告処分、こういうふうなことがあったわけでございますけれども、それも含めまして、さまざまな調査をされこの結論になったと思うわけでございます。きょうのこの報告では、どういう事実があったのでこのような処分をいたしましたというその辺のことが抜け落ちておるわけでございます。何かいろいろと批判を受け、マスコミにもたたかれ、そして先日の国会で取り上げられたので、やむを得ずこういう処分をしたのだというふうにもとられるわけでございまして、どういう事実があってこのような処分に至ったのかということを明確にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 先ほどは、おっしゃるとおり、けさの処分に対する考え方ももちろん申し述べたつもりでございますが、どちらかといえば結果についてかいつまんで御報告を申し上げました。大変、不規則発言等で厳しい御批判を承ったわけでありますが、しかし事情をつぶさに私の聴取した結果の報告を抜いておりますためにそういう結果になった面もあろうかと思っております。
今回の処分は、率直に言って、この二人に関しては私みずからがこの週末に本人に会って状況を聞きました。世間で報道されていることはもちろん、私自身がうわさで聞いているようなことも全部投げかけて本人に確認をしたわけであります。そして、本人が事実ですと認めたことを基本にして今回の処置をとっているわけであります。
我々は司法当局ではありません。そういう意味で、私どもがヒアリングしたことがすべてであるかどうか、そのことは一〇〇%自信を持って申し上げることではありませんが、一応本人からの事情聴取ということで、私自身あるいはその他の職員も週刊誌等で名前が上がったような職員を中心にして、それなりに事務方も全庁的な調査をしてくれたわけであります。したがって、今現在、本人の事実の確認があったことを前提にして最大限反省をして処置をとったというふうに御理解をいただきたいと思います。
同時に、庁内に直ちに規律委員会の設置を指示いたしました。調査がまだ不十分という意味ももちろん含まれております。さらに大蔵省みずからこの事態についてもより積極的に調査をすべきである、そしてあわせて今後こういう事態が二度と起こらない体制をつくり、この反省に立ったやはり規律保持のより積極的な考え方をまとめて庁内で実施をすべきであるという意味で、規律保持委員会の設置を指示いたしました。
さて、二人の事実関係でありますが、一時間以上にわたってそれぞれヒアリングをしましたので全部ここで一言一句報告を申し上げるわけにはまいりませんが、かいつまんで申し上げると、両方とも数年前、中島次長は当時の大蔵委員長の誘いで、僕の勉強会をするからぜひ来てくれ、君は幹事役で若いスタッフを数人大蔵省から連れてきてくれと、こういう要請があってそれにこたえたようであります。行ってみるとそこに、委員長の横に高橋前理事長が座っていたと。当然そこで名刺交換をしたんだろうと思うのですが、そういうかかわりが、省内全体としてもこの中島次長とのかかわりが一番最初のような感じがいたします。
田谷氏はちょっとそれよりおくれているような感じがしますが、そういう状況から始まっております。数回、六、七回という表現でございましたが、高橋氏の同席する会合に出ました、もちろん単独一対一ではありませんと。各省庁の役所であったり財界人であったり等々いろいろあったようですが、そういう場に出て、結果的には高橋氏と同席したということを認めております。これは共通して二人とも認めております。
ゴルフはどうだということも聞きまして、中島氏は二回、田谷氏は一回、全部数年前でありますが、高橋氏と二人という意味じゃありません。政治家に誘われたとかいろいろ言っていましたけれども、複数で高橋氏も一緒にゴルフをしたことがありますということでありました。共通して言えることはそういう状況であります。
片方、もう少し詳しく言いますと、窪田氏というのが存在しておりまして、これは高橋氏と結果的には大変親しい間柄の人物のようでありますが、どう親しいかよくわかりません。IBMの中堅幹部の人であります。この人がむしろふだんは勉強会にしましてもゴルフにしましてもつき合いの対象になっていたようであります。
IBMの幹部だからという安心感もあったと反省をいたしておりますが、高橋氏は本当に何回かに一回しか顔を出さないと。出しても余り酒も飲まないし歌も歌わないし、むしろ何か外交とか経済の話ばかりしている人のような印象だったようでして、そういう関係で、実質この高橋氏と窪田氏の関係がどういうことであるのか、金はどうなっていたか、そこは定かじゃありません。しかし、今報道されておりますように、両者は大変親しいということであります。この点にもしかし、高橋氏との関係を自覚しなかったにしても不用意さがつき合いの面であると、やや度が過ぎているという感じがいたします。
そして、金品をもらったり、少なくともどのポストにおりましても役人、役員としてものを依頼されたりこちらが頼んだりしたことは一度もありませんと、そういう意味では、今回の共同銀行スキームもそうでありますが、大蔵省の仕事に影響を与えるようなことは絶対にしておりません、全く私的なつき合いでありましたということであります。
そこで、田谷氏については、香港行きの問題でありますが、本人の話を集約いたしますと、五年半ぐらい前になるんですかの夏、夏休みに一遍一緒に香港へ行かないかという誘いを窪田氏から受けたと。それで、これは日時もわかっていますが、八月の土、日、月。月は休暇届を出して二泊三日で香港へこの五人で参りましたと。そして、高橋氏が証人喚問で認めておりますように、往路、行きは高橋氏の自家用飛行機というんでしょうか、に同乗をして行きましたと。ほかのグループも乗っていたように思いますが、我々としてはこの五人でしたと。もちろん高橋氏本人も乗っていたと。しかし、香港でおりてからは基本的にはこの五人で行動をして、帰りは商用機で帰ってまいりました、主に買い物と観光、一般的な観光でありましたと。
この五人の中には公務員は、あと全部民間人で、彼以外はいないようですが、割り勘ということで幾らだと言うと二十万円と言うので、二十万円はきちっと支払いを済ませておりますと、当時。まあ香港、片道が自家用機ということになったけれども、往復と向こうの宿泊、飲食の経費二十万というのは。言われたまま払ったわけですから、これが多いか少ないか、それは十分チェックをしておりませんでした、ましてや高橋氏は証人喚問でお金はもらってないと言っておりますから、そういう意味じゃ結果として便宜供与を受けたことになります、その点は二十万円の根拠といいますか内訳を当時きちっとチェックしなかったのは甘かったし、これは今思うと反省点でありますと、こういう本人の話でありました。
本人の話を私はすべてそのままどうこう、本人の話だけを肯定して本人の立場で弁解しながら申し上げているつもりはありませんが、でも結局、司法当局でない立場で真剣にいろんな質問も投げかけながら聞いたわけでありますが、本人が認めた事実を今こうしてそのまま本人の表現どおり申し上げているわけであります。
そういう意味で、もとへ戻りますが、そういうヒヤリングを私みずからもしたということも含めて、本人が認めた事実を基本にして最終判断をせざるを得ません。この時点で明らかになった事実を基本にしてけさの処置をしたものであります。
国家公務員法上、いわゆる法律に触れる場合、職権乱用とか業務上横領とか、あるいは非行という言葉もありますが、人に暴力を使うとか、そういう明らかな行為がある場合には懲戒の対象になります。私どもこの国会でも節度を超えているかどうかという言い方をしましたのは、法に触れていれば、刑法であれば司法当局の処置が決まりますし、刑法でなくても国家公務員法上の法違反はきちっと懲戒処分の対象になるわけであります。また、そういうものを前提にして初めて懲戒処分は成り立つというふうに認識せざるを得ません。
節度を超えるという言葉はややあいまいさを含んでおりますが、社会的通念あるいは国民の健全な常識を超えているかどうかという意味で、この香港行きは、いかに経費を払った払わないにしろ、世間に誤解を招くという意味では節度を超えている行為ではないのかと。あるいは一民間人と何かの関係で一度ぐらい食事をする機会があったとしても、数回にわたってつき合うことも、やはりもう少し厳しく警戒心といいますか、相手にその当時は疑問を持たないにしても、やはり警戒心を持つべきではなかったか。そういう等々の当然反省は必要であります。そういう意味で、総合的にはやはり節度を超えていると私は判断をして今回の処置をとらせていただいた次第であります。
甘い甘くないの議論は当然あると思いますが、法的な措置については法的な明確な根拠というものが必要であります。なお、少なくとも申し上げたように、職務外の私的な行為で過去、訓告であれ処分を受けたケースはないというふうに伺っておりまして、その意味では、政府としては初めてこういう措置をとらせていただくことにもなるというふうにも思っているわけであります。
なお、今回の処置はヒヤリングでわかり得た事実を基本にいたしておりますが、今後、規律委員会も設置をいたしますし、さらにより積極的なこの問題に対する調査も大蔵省みずからもやるように指示をいたしております。そういう意味では、今後新たな事実が明らかになれば、当然それは新たな対応が必要であるという認識に立っている次第でございます。
もう少し全体が集約されて事が全貌明らかになった後に処分をする方がかえって客観的でいいのではないかという多少迷いもありましたが、しかしこれだけ厳しい批判を受けているときに、少なくともこの事実を前提にしてではあってもそれなりの処置はとるべきだという判断をして、きょうの御報告申し上げたようなことになった次第であります。
○山下栄一君 今の御報告の中で、特に勉強会に六、七回参加したとか、またゴルフ二回とか一回とかそういうものにつき合ったとか、そういうお話もございました。この点については全く全面的に丸抱えの接待であったのかどうか。それから香港における行動につきましても、ちょっと聞き漏らしたかもわかりませんけれども、向こうで二泊三日の中での具体的な前理事長とのやりとりとかつき合いとか、それがどうであったのかということをもう一度明確にお願いしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 官房長と私の政務秘書官がそばに立ち会って記録もしてくれましたので、官房長からお答えをいたします。
○政府委員(小村武君) 田谷税関長につきましては、香港に参りまして高橋前理事長と同じホテルに泊まったが高橋夫妻とは別行動であったと、夕食を一緒に一度やりましたと、あとは市内見物と買い物をして、帰りは普通の商業便で帰ってきたと、こういうふうに報告を受けた次第でございます。
○山下栄一君 飲食接待の費用、ゴルフの接待の費用。
○政府委員(小村武君) 勉強会に何回か復数の会合等で出席したことがあるということでございます。その中には会費制でやった場合もございますが、そうでない場合もございます。そうでない割合がどれぐらいかというところまでは把握し切れておりません。
○山下栄一君 ゴルフはどうですか、ゴルフの接待内容。
○政府委員(小村武君) 高橋理事長とは平成二年にゴルフを一回したことがあるということでございます。そのほか、先ほど大臣からお話がありましたIBM関係者とのゴルフ等が数回あったということでありますが、このIBM関係者のときには会費制であった場合があるということでございますが、基本的にはその費用については本人は支払っていないものと私どもとしては推測しておりますが、そこのところ一つ一つの確認をしておりません。
○山下栄一君 大臣は直接この週末に御本人を呼ばれて厳しく固いただしたということであろうと思うわけです。国会の証人喚問で問題になりまして、大臣が既に週末に直接自分が聞いて、そして国会でも報告するということで、大臣の個々の、中島さんとか田谷さんとの対応については非常に世間が注目しているわけです。どういうふうな厳正な対応を大臣はされようとしているのかということを非常に世間が注目していると思うわけでございます。
官房長に具体的なことを答えさせますということでございましたけれども、肝心な部分が全部ぼやかされておるわけでございまして、例えば勉強会の後の食事はどうなっておって、その費用はだれが出したのかとか、ゴルフのときはどうだったのかと。また、同じホテルにということがございましたけれども、そういう場で食事もしたというふうなことでございます。この点の費用はどうなっておるのかというようなことは一番肝心なことですから、大臣が直接、あいまいにできないことであろうと思うわけでございます。
その点の大臣御本人の直接面接における調査、この辺、私は、今の御報告どおりであるとすれば非常にいいかげんである、このように思うわけでございますが、この辺の内容、確認を大臣はされたのかどうか、費用負担の関係、丸抱えの接待なのかどうかということをもう一度大臣からお答え願いたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 私もこういう立場でありますから、検事さんの取り調べや、何といいますか、供述書のようなものをちゃんと文書でつくって、そういう姿勢でいわゆる事件として司法当局に準ずるような聴取をした、あるいは供述をとったというものではありません。
今もお答えしましたように、香港のことはそういうことでありますが、両氏に共通するつき合いの度合いは、両名とも数回ないしは六、七回、高橋氏と会食をともにしたことがありましたと。ゴルフは中島氏は二回、高橋氏は一回でありますと。経費のことも当然聞いているわけで、両方とも払ったときもありますと。ということは払わなかったときもありますということであります。
それで私は、大体結論は集約できると思っています。要するに高橋氏から供応を受けたということをもう認識せざるを得ないということです。回数が二回か三回かということはきちっと確認しておりませんが、私どもはそこまで必要ではない。もうはっきりたとえ一回でも二回でもそういう供応を食事やゴルフで受けたということは、やっぱり節度を超えているかどうかの大きな判断材料になると認識をしたわけであります。
だから、私も一時間余り聞いたわけでありますから、あと週刊誌等に出ているいろんな記事、そういうのもうわさとかいろいろ何々によればというのが多いんですが、それも全部投げかけました。私自身に入ってきている新聞記者等のいろんな本人にとって不利な情報ももちろん全部本人に投げかけております。そういったものは全部否定をしております。
以上であります。
○山下栄一君 先月の衆議院予算委員会の集中審議におきまして、この件、この一連のスキャンダルとも言うべき問題につきまして質問があったわけでございます。そのときには、報告は聞いたけれども、少なくとも公務員の節度を超えるような行為をした職員は今のところはいないという報告でありましたという形で終わっているわけでございますが、ただ、もしそのような職員がいたとするならば、節度を超えるような職員がいたとするならば、これは厳しく厳正に対処したい、こういうようなことをおっしゃっておりますし、また参議院の予算委員会総括質疑でも同様のお答えをされておるわけでございます。
要するにその時点では、先月の時点では、報告は聞いたけれどもそんな事実はなかったと。ということは大蔵省における調査が非常にいいかげんであった、このようにも言えると思うわけでございます。結果的には大臣はごまかされていたというか、そういう形になってしまったということを受けての今回の直接大臣による調査であったと思うわけでございます。
今までの内部における調査体側についてのいいかげんさといいますか、責任といいますか、これはどのように考えておられますか。
○国務大臣(武村正義君) これまで事務方も本人から事情聴取をしてくれたわけであります。それが私のところへ上がってきていたわけで、今御指摘のような時点では節度を超えるような行為はなかったと思うと私は答えておりました。そういう報告が確かに上がってきていたわけでありますが、考えてみますと、私もこうして二人に会いましたし、これからも規律委員会をつくってさらに調査はしてまいりますが、決して弁解する意味ではありませんが、この限界といいますか、不十分であったことは率直に、今振り返ると香港行きが明らかになっていなかったということだけでも不十分であったことを率直に認めますが、しかし私のヒアリングもそういう立場でのヒアリングでありますから、今後これですべてであったと私、言い切る自信はありません。そういう限界を認識しながらも、精いっぱい本人からただそうという気持ちでやらせてもらっているわけであります。
○山下栄一君 大臣は、省内のお役人については節度ある交際をしておるということを確信しておると何度も繰り返し答弁されておったわけでございますけれども、また具体的なと申しますか、さまざまなうわさがあって、それについての調査が内部でされた、その調査についても報告が上がってこなかったということでございますので、やはり今までの、後から国会でわかってきたということに結果的になるわけです。
繰り返し繰り返し節度ある交際であると確信するということを述べながらこのような事態になったということについて、明確にやはり大臣としての責任のお言葉と、それから国会への今までの報告が間違いであって申しわけないというその一言をぜひ申し述べるべきではないか、このように思うわけですが、いかがですか。
○国務大臣(武村正義君) 今もお答えいたしましたように、そういう立場での事情聴取でございますから、本人の話、本人が語る言葉にすべて集約の基本を置かざるを得ないことはどうぞ御認識いただきたいと思います。結果として香港行きのような事実を早い時期に掌握できなかったというのは、調査の不十分さという意味で反省をしなければならないと思っております。
しかし、司法当局のように強権力で調査をする、聴取をするわけではありませんから、今後においてもこれがすべてというふうに断言できるわけではないわけでありまして、その限界だけは十分御理解を賜りたいと思うのであります。
○山下栄一君 今、二つの信用組合の救済問題においての大蔵省の対応について非常に厳しい批判が起こっておるわけでございます。そういう中で、大蔵省への不信感が非常に強くなっておるという状況の中で、今回の不祥事への大蔵省の対応が、厳正に対応するという大臣の御決意が御報告の中からなかなか感じられないわけでございまして、国民の信頼をこの機会に取り戻すぞという、また綱紀粛正への強い意気込みをやはり感じられないと私は思うわけでございます。
これからも綱紀粛正委員会をつくっていろいろと引き続き調査するということでございますが、これ以上いろんな、今回初めての異例なとんでもないケースであったということを先ほど申されましたけれども、同じようなことがまた発覚しないとも限りませんし、そういうようなことになったときには大変な事態になると思いますし、そういう意味で大臣の強い決意でこの取り組みをやるべきであろうと、このように申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。