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134国会 決算委員会会議録 1995年10月30日


○山下栄一君 私は、主に建設大臣、また建設省にお伺いしたいと思っております。
 まず初めに、日本下水道事業団の発注工事、特に電気設備関係を中心にしまして入札談合事件が発覚しまして大変大きな問題としてクローズアップされたわけでございますけれども、地震やオウムの事件等々によりまして、また同じころ大蔵省のお役人の不祥事件も起きたわけで、ともすれば陰に隠れがちの事件でございまして、実は参議院の建設委員会、そして予算委員会、衆議院の建設委員会等でも質疑が行われ、そして特に事業団の理事長に対する参考人質疑も行われたわけでございます。国会の質疑は主に本年の三月、六月であったわけでございますが、三月と六月に公正取引委員会から告発され、そしてまた、特に発注側の日本下水道事業団が関与しておったという前代来聞のこのような不祥事に対しまして検察の起訴も行われた。
 検察の起訴は六月十五日だったと思いますけれども、その直後に通常国会が終わりまして参議院選挙に入ったということもございまして、この問題が余り問われないままに今日に至っているのではないかということから、国民の負託を受けた国会としてきちっとこの問題はやはり真実といいますか原因の究明もしっかり行って、そして国民に対してその原因の究明、そして再発防止につきまして明らかにすべきである、こういう観点からきょう質問させていただくわけでございます。
 きょうは理事長はいらっしゃっておりますね。
 では、まず今回のこの入札談合事件の経緯につきまして、また事実認定につきまして公正取引委員会の方から報告をお願いしたいというふうに思います。


○説明員(梶山省照君) それでは、日本下水道事業団談合事件の経緯と当委員会で認定いたしました違反事実について御説明いたします。
 公正取引委員会は、日本下水道事業団が発注する電気設備工事の請負業者であります日立製作所ほか八社に対する独占禁止法違反被疑事件について審査を行ったわけでございますが、本年三月六日、同法に違反する犯罪があると思料しまして九社を告発しました。また、本年六月七日に、九社の従業員十七名及び事業団の発注業務に携わっていた者一名を検事総長に追加告発いたしております。
 また、本年七月十二日に、九社に対しまして行政処分でございます課徴金納付命令を行い、あわせて事業団に対しまして入札における独占禁止法違反行為の再発防止の徹底について要請を行っております。
 課徴金納付命令において公正取引委員会が認定しました事実は、九杜は、事業団職員から事業団が発注いたします電気設備工事の件名及び発注予定金額の教示を受けた上、各社の部長級または課長級の者による会合等におきまして、あらかじめ定められた比率等に基づいて各社が順次受注希望物件を選択していくといった方法などによりまして、事業団が当該年度に発注いたします電気設備工事の新規工事の受注予定者を決定するとともに、受注予定者が受注できるようにした、こういった事実でございます。


○山下栄一君 感情の伴わない御説明でございますので余りぴんときませんけれども、日本下水道事業団の事業というのは年間四千億を超える。日本全国の自治体から、終末処理場とかポンプ施設とかまた大きな下水管、管渠等の工事は非常に技術が伴う工事であるということで、専門家集団としての日本下水道事業団に委託される工事が多いわけでございます。その約四千億を超える日本下水道事業団の工事の中でも、土木建設工事、機械設備工事、そして今問題になっております電気設備工事、計装設備工事等々があるわけでございますけれども、この総事業の約一割が電気設備関係の工事であると。これはもうメーカーも、今も九杜というお話がございましたけれども、主に大手五社、中堅四社というふうに大体決まっておると。ほかにもアウトサイダー四杜とかいう言葉がいろいろあるそうでございますけれども、そういうある程度限られたメーカーが談合をして、そしてまたそれに発注側である事業団がかかわっておったと、こういうことでございまして、それが非常に大きな問題になっておるわけでございます。
 今お話がございましたように、去年三月に公取のメーカーに対する、五社、四社それぞれの立入検査がございまして、立入検査に基づいて一年がかりでことしの三月に告発されたと。三月においてはメーカーが、そして六月においては発注者側であります事業団の担当職員、幹部職員、並びにメーカー各事業者の従業員も告発された、そしてしばらくして検察の起訴も行われた、そういうことでございますけれども、この検察側の起訴事実、これにつきまして法務省の方、お願いしたいと思います。


○説明員(小津博司君) お答えいたします。
 まず、会社及びその従業者である被告人らの公訴事実の要旨でございますけれども、被告会社九杜はいずれも日本下水道事業団の発注する電気設備工事の請負等の事業を営む事業者であり、被告人十七名はいずれもその所属する被告会社の従業者であるが、被告人らはそれぞれ所属する被告会社の業務に関し、平成五年度に下水道事業団が指名競争入札の方法により新規に発注する電気設備工事について、平成五年三月十日ごろ、これらの工事を一定の比率等にしたがって配分して受注することとする手続を定めた上、平成五年六月十五日ころ、こうした手続等により受注予定会社を決定するとともに、受注予定会社が落札して受注できるような価格で入札することを合意し、電気設備工事の受注に関して被告会社らの事業活動を相互に拘束することにより、公共の利益に反して一定の取引分野における競争を実質的に制限したというものであります。
 次に、下水道事業団の元工務部次長の公訴事実の要旨でございますが、被告人は下水道事業団の工務部次長として下水道事業団の電気設備工事の発注等の業務に従事していた者であるが、被告会社の従業者である被告人らが下水道事業団の発注する電気設備工事について、ただいま述べましたように受注予定会社を決定するとともに、受注予定会社が落札して受注できるような価格で入札することを合意するに際して、その情を知りながら同人らに対して工事件名や予算金額等を教えることによって被告人らの犯行を容易にして、これを幇助したというものでございます。


○山下栄一君 公正取引委員会に確認いたしますけれども、このいわゆる官製談合、発注者側である事業団が直接かかわっておったと。この事業団は建設省の認可法人でございますけれども、これはいつから始まったのかこれをきちっと調査されたかということをお伺いしたいと思います。


○説明員(梶山省照君) 当委員会が行政処分をいたしましたのは、平成四年度及び五年度の工事でございます。
 このほか、事業団に要請するに際しまして、平成二年度から同様の行為が行われた、平成二年度及び平成三年度についても同様の行為が行われた、疑いがあったということを言っております。


○山下栄一君 電気設備関係の工事以外の工事、例えば土木、建設、その他機械設備、計装設備工事、そういう工事においてこの事業団のかかわりの談合はなかったかどうか。


○説明員(梶山省照君) 事業団関係につきましては、電気設備工事について審査してきておったものでございますので、電気設備工事以外については事実認定するに至っておりません。


○山下栄一君 今お話しございましたように、公取の事実認定では、今回告発の対象になったのは四年、五年の、まさにこの決算委員会で対象になっている時期の工事でございますけれども、実は平成二年から、もっと前からそれは行われておったと。特に、事業団がかかわっておった疑いが極めて強いという、そういう表現でございますけれども、あったということでございます。
 会計検査院にちょっとお伺いしたいと思います。
 実は、会計検査院の平成三年度の決算検査報告の中に、日本下水道事業団がかかわった工事、発注した工事、特にこれは機械設備関係の工事でございますけれども、この工事において不当利得があったということで指摘があったわけでございますが、このことについて少し御説明をお願いしたいと思います。


○説明員(天野進君) お答え申し上げます。
 日本下水道事業団につきましては、平成三年度の検査報告において、「送風機等の設置工事の施行に当たり、機器費の積算を誤ったため、契約額が割高になっているもの」として指摘したものがございます。
 その概要を御説明申し上げますと、日本下水道事業団では千葉県の委託を受け、江戸川第二終末処理場におきまして、平成二、三両年度に送風機や電動機、始動用制御器等の機器を工事費一億五千七百四十二万円で設置しております。
 このうち始動用制御器について、三百二十キロワットの規格のものの価格は事業団が制定した標準価格表にないため、標準価格が定められている三百十五キロワット、三百五十五キロワット等の規格のものの価格を用いて、価格と規格との関係をグラフにして三百二十キロワットの価格を読み取り、二千六百四十万円としていました。
 しかし、このグラフを作成する際に誤って十倍の価格を記入していたため、先ほどの価格は十倍の金額となっておりまして、正しくは三百二十キロワットの規格のものは二百六十四万円となるものであります。したがいまして、この正しい価格に基づいて工事費を計算しますと一億二千七百十万円となり、その結果、契約額は三千三十万円割高になっていたと認められるものでございます。


○山下栄一君 今、送風機ですか、要するにこれは電気設備じゃなくて、終末処理場における機械設備工事にかかわる内容でございます。
 受注されたメーカーは、これは平成二年の工事だけではなく、それ以前からもずっと、五回ですか受注しておったメーカーなんですけれども、今お話ございましたように発注者側が予定価格を間違った、要するに事業団側が間違ったと。本来二百六十四万円のはずが二千六百四十万円と計算して予定価格を考えておったと。ところがメーカー側は、本来の十倍に積み上げられたその価格を若干下回る金額で受注しておるという、だからこれは要するに入札予定価格を知らずに受注したとは言えない。そのような事件でございますけれども、これで不当利得があるということでメーカー側に会計検査院が返還しなさいということを指摘されたわけでございます。
 これは平成三年度の電気設備じゃなくて機械設備の方の工事でございますが、このことについて公取は調査されましたですか。


○説明員(梶山省照君) 公正取引委員会といたしましては、独占禁止法に違反する疑いがあるという具体的な端緒に接した場合は所要の調査を行い、調査の結果、違反する事実があると認定された場合には法的措置をとっております。
 先生御指摘の件については、法的措置はとってはおりません。


○山下栄一君 調査もしていない。


○説明員(梶山省照君) 具体的に法的措置以外に、端緒的にどういうことを個々やったかということ、個々の具体的な活動については答弁は差し控えさせていただきたいと思います。


○山下栄一君 先ほども説明ございましたように、平成二年度以降、電気設備関係については談合が行われておったということが明らかになっておるわけでございます。電気設備じゃなくて機械設備においても極めて疑いの強い、そのような指摘が会計検査院で行われたにもかかわらず、調査したかどうか言えないというお話でございますけれども、電気設備関係以外の工事でも同じような談合が行われ、場合によってはそこに事業団もかかわっておったかもわからないという、極めて疑いの強い事案であると思うわけでございます。
 事業団の方にお伺いしたいと思いますけれども、いわゆる官製談合、事業団がこのメーカーの談合にかかわっておったということにつきましては、前理事長は一貫して否定され続けたわけでございます。国会答弁でもそういうことはないとおっしゃり続けたわけでございますけれども、しかし結果的には本年六月に事業団の職員がかかわっておったということで公取に告発され、そして検察によっても起訴されたという事実につきまして、事業団はどのように受けとめておられますか。


○参考人(木内啓介君) 先生御指摘ございましたように、当事業団の発注の電気設備工事に関しまして告発、起訴がなされる事態となりましたことは極めて重大なことと認識しまして、大変厳粛に受けとめております。
 地方公共団体の下水道整備の支援を使命とする私ども事業団にとりまして、今回の事態は決してあってはならないことがあったとされているわけでございまして、公的団体である事業団の発注業務の公正さにつきまして国民の皆様の大きな不信を招いたことに対しまして重大な責任を痛感しているところでございます。


○山下栄一君 これは前建設大臣でございますので森大臣じゃないんですけれども、去年の三月、六月に公取がメーカーを立ち入り検査した、そして九月ごろに新聞の記事で事業団も実はかかわっておったんだということが指摘されたことに対しまして、これが事実ならば大変なことだということで前大臣は理事長を呼んで確認したという話、そこから始まるわけでございます。以降六回にわたって大臣は理事長を呼ばれていろいろ事実を聞かれるわけですけれども、そういう事実はないということだったわけです。
 そして、その前理事長のお言葉によりますと、国会答弁でございますけれども、十七回にわたって内部調査を行った、だけれどもそういう事実はないと、こういうことを答弁されているわけでございますけれども、先ほど申しましたように、だけどそれは六月になって明確になり、理事長は依願退職という形で実質解任されたというわけでございます。
 一体、事業団はどういう調査をされておったのか。調査体制はどういうふうにしたのか。前建設大臣のお言葉によりますと、国会答弁でございますけれども、調査委員会を設けて調査するようにということを指示したということでございますけれども、何をどう調査され、どういう体制で調査したのかということを事業団理事長にお伺いしたい。


○参考人(木内啓介君) 平成六年九月二日付の毎日新聞で下水道事業団の工事発注にかかわる疑惑に対しての報道がございました。それを契機としまして、事業団としましては発注業務調査委員会というのを設けました。それで、構成メンバーは、中本理事長、福本副理事長を初めとして企画総務担当理事、経理担当理事、工務担当理事が中心となって調査を行いました。
 調査の対象は、事業団の職員及び元担当者並びにメーカーの担当者から事情を聴取しまして、事業団担当者の入札談合への関与はなかったかどうかというふうな点を中心に調べまして、この段階ではそういう関与がなかったというふうな回答を得ております。その旨を建設大臣に御報告した次第でございます。


○山下栄一君 要するに、十七回も調査を繰り返し行って、結局それはわからなかったということでございまして、全くこれは事業団として自浄能力がないと言わざるを得ないわけでございます。
 理事長にお伺いいたしますけれども、事業団の関与は、起訴された、また公取から告発された、前というか元というか工務部次長の単独犯行である、このようにお考えでしょうか。


○参考人(木内啓介君) これから裁判も行われることでございますので、事実関係としてはコメントを差し控えさせてもらいたいと思います。


○山下栄一君 コメントを差し控えたいと。
 先ほどの公取の報告にもございましたけれども、平成二年度から事業団の関与は極めて疑いが強いという御報告でございます。この告発され起訴された担当の方は、平成三年以降横浜から出向で来られて二年半在籍された。その以前からもう事業団のかかわりがあったということでございますので、これはもうちゃんと上からの指示とか引き継ぎがあったとか、そういうことでないとこの方は一人でできないわけでございますので、これは単にその方だけじゃなくて事業団もそういうのはよく存知しており、そして事業団が直接かかわってこういう談合事件が起きたとしか言わざるを得ない、このように思うわけでございます。
 これは、まだ裁判始まってへんとかいう、もう起訴されているわけですから、そういうことを理事長はお認めにならないということですね。


○参考人(木内啓介君) これまでの事業団の調査では、そういうことが残念ながら確認されておりませんので、後は裁判の結果を注目して見守ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。改めて再度調査をしたわけでございませんので、事業団としてはそういう形で見守ってまいりたいと考えております。


○山下栄一君 裁判の結果、事業団の組織的なかかわりがあったということがわかれば大変なことになりますね。
 建設大臣にお伺いしたいと思うわけでございますが、この一連の事件、特に事業団が直接かかわっておったということにつきまして、現大臣でございます森大臣はどう受けとめておられるかということをお聞きしたいというふうに思います。


○国務大臣(森喜朗君) 建設省は御承知のように法律上事業団の業務を監督する立場でございます。しかし、事業団の個々の具体の契約業務に関しまして直接監視するということは必ずしも適切ではないわけでございますし、また人員的にもこれは不可能なことだというふうに承知をいたしております。
 しかしながら、今、山下委員からるるいろいろと御説明、御質問を含めてございましたように、今回のこの不祥事が公共工事の入札及び施行に関し関係法令を遵守すべき旨の指導の徹底を図っている中で起こったということは極めて遺憾でございまして、制度的にもこのような事態を回避する仕組みが十分機能しなかったという点では反省すべき点があると、このように考えております。


○山下栄一君 今回の事件につきまして建設省が、これは事業団法では「事業団は、建設大臣が監督する。」という明文があるわけでございますけれども、この今回の不祥事に対しまして建設省みずからが調査され原因究明を行ったということはあるんでしょうか。


○政府委員(近藤茂夫君) 建設省自身としての調査という点でございますが、私どもはまず最初の段階において事業団に調査委員会を設置していただきました。そして、その調査委員会の状況報告を絶えず受けると同時に、新聞報道等で新たな事実が展開した段階ではその点についてのまた事実関係の調査についてもお願いしてきたわけでございます。そして、公正取引委員会が刑事告発、そして検察において起訴された段階以降におきましては、そういった結果を見守るということを基本的に姿勢としてとってきたわけでございますが、最終的に起訴された段階では、大臣の特別の指示に基づきまして特別監察ということで、全体の状況調査、そして業務改善の一般的な改善措置についての究明、そういった措置を講じたところでございます。


○山下栄一君 今お話しございましたように、これは去年の三月から公取が立入検査を始めてから一年後にメーカーを告発し、検察が事業団そのものを家宅捜査するということもあり、そしてついにこの六月に事業団のかかわりが直接明確になりまして公取が告発し、そして検察が起訴したという、その段階になってやっと大臣の特命によって特別監察が行われたということでございます。
 これは事業団法における、事業団法四十二条、事業団は建設大臣が監督するんだと、そのために直接立ち入りもできるんだ、立入検査をすることもできるんだ、また業務上必要な命令も出すことができるんだ、こういうことが書いてあるわけですけれども、こういうことは一切やらずに、そして、これ前大臣でございますので今官邸に行って官房長官に、野坂さんに言うわけにもいきませんので現大臣にお伺いするしかないんですけれども、去年の三月に公取がメーカーに立入検査して、それで去年の九月の段階で新聞報道があって、大臣はこんなことがあれば大変なことだ、官製談合なんかあったら大変なことだというふうなことで厳重に対応したいということをおっしゃった。それが去年の九月です。
 そして、ことしの三月になって事業団そのものが検察によって家宅捜索されたというこの時点でもまだ建設省は対応をみずからしないで、ともかく理事長からいろいろ報告を聞いて、何もないというから信じなきゃしょうがない、こういう対応をされ続けてきたわけでございます。起訴されて初めて特別監察というようなことでは、私はこの事業団法四十二条の「事業団は、建設大臣が監督する。」ということをきちっとやっていない、このように思うわけでございます。
 この点につきまして、大臣、御見解どうでしょうか。


○国務大臣(森喜朗君) 先ほども申し上げましたように、監督の責任は当然ございます。しかしながら、この契約業務に関して建設大臣が立ち入るということが果たして適当であるかどうかということ、私はやはりこれは直接監視するということは必ずしも適切ではない、当然事業団がこの契約業務を正しく行うということが大事だというふうに考えております。
 そういう意味で、いろいろと委員から御指摘がございますけれども、そうしたことの事態がきちっと起訴された時点で建設省としてはその対応をいたしたということは、こうした事件といいましょうか、こうしたものの流れとしては私はやむを得ない当時の措置ではなかったかというふうに思います。当時、私は直接担当しておりませんでしたので、あえて今求められればそのように申し上げることが適当かと思います。


○山下栄一君 今の御答弁をお聞きしながら、今回の事件の深刻さを大臣はどこまで感じておられるのかなということを思うわけでございます。
 先ほど申しましたように、去年の九月の時点で新聞報道があり、事業団が直接この談合にかかわっておるということが報道されて、その時点で建設大臣は大変なことだというふうにおっしゃって理事長から事情聴取されるわけですけれども、半年後のことしの三月にメーカーが告発されて、そのときに公正取引委員長は事業団の担当者が関与していたということを明確に記者会見でおっしゃったわけです。そして、その直後に東京地検が事業団そのものを家宅捜索し、担当の部局の元工務部次長を、個人の家も家宅捜索されたというこの段階でも建設省は全然対応してないと。
 公正取引委員会という同じ行政府の独立委員会が半年がかりで一生懸命調査して、そして事業団の担当者がかかわったことは間違いないということをおっしゃって、地検も捜査に入っているのに、その段階で全然対応しておらない。そして、もう事実がはっきりして起訴された段階でやっと特別監察なんというようなこと。四十二条で言う「事業団は、建設大臣が監督する。」、そのために建設大臣は「業務に関し監督上必要な命令をすることができる。」、四十三条では「事業団に対して」「事務所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。」と書いてあるわけです。
 これ、いつやるんだと。今おっしゃるようなことであるならば、公正取引委員会が調査しても動かない、検察が起訴してやっと特別監察というのでは、これは建設大臣が事業団を監督すると、建設大臣の直接の認可法人ですから、それでは全然責任を果たせない。起訴された段階で前大臣は事業団の理事長に裏切られたと、六回も調査しながらわからなかったというようなことでそんないいかげんなことをおっしゃっているわけでございまして、私は今回の建設省、また建設大臣、森大臣じゃございませんけれども、これは大変なことであると思うわけです。
 今この下水道事業というのが生活開運の公共事業ということで、非常に公共事業の中でも徐々に、徐々にといいますか大幅に公共予算も増額しているわけでございまして、国民の生活に深くかかわることである。
 そしてまた、そういう事業にもかかわらず国民の信頼を裏切るような、技術が非常に高いということで、信頼があるということで全国の各自治体がこの事業団を信頼して発注しているにもかかわらず、そんな事業団が直接談合にかかわっておったというようなことになったわけでございますので、深刻に受けとめて素早い対応をせないかぬ。検察が起訴して初めてそんな調査をしておったんでは何のための監督かと、このように思うわけでございますけれども、もう一度建設大臣の対応につきまして御答弁をお願いします。


○国務大臣(森喜朗君) 前大臣が当時、その責任ある立場でどのような御判断、どのような御発言があったかということは私も直接は伺っていないわけでございます。
 したがいまして、建設省事務当局として大臣をどのように補佐し、どのような経緯で調査してきたか、これを事務局から答えさせることでひとつ御了承をいただきたいと思います。


○山下栄一君 大臣、直接前の大臣からお伺いしておりませんというような問題じゃないんですよ。
 現在、今も森大臣がこの下水道事業団を監督する立場の最高責任者ですから、どんなことが行われてこういう大変な失態を起こしたということについて、二度とこんなことがあってはならないと。だから、これの対応についてはやはり反省して、今後は素早い対応を、これは四十二条、四十三条に書いてあるわけですから、それすらも対応しなかった建設省の極めて怠慢であるということを厳しく認識して、そんなことは当然、私は担当じゃなかったから詳しく聞いていないというような問題じゃないと思うんですよ。僕は大臣のとは受けとめ方が極めて厳しいなというふうに思うんですね。


○国務大臣(森喜朗君) これから法律の中で裁かれていくことでございますから、先ほども関係者から発言がございましたように、今の時点で私からこのことについて申し上げることは適当ではないと思っております。
 ただし、おっしゃるとおり、こうしたことが事実であれば極めて遺憾なことでありますし、今委員の御質問の中にもございましたように、下水道事業というのは極めて大事な、またできるだけ早期に整備をしていかなきゃならぬ事業でございますから、これにかかわることについてこうした不祥事が起きるということは大変残念なことだと思っております。おっしゃるとおり、こうしたことは二度とあってはならぬ、当然監督していく立場でそういう認識でおります。
 ただ、当時何もしなかったのかとか、怠慢だということを言われて、私はその当時直接担当していたわけじゃございませんから、今の立場でそういう事態は詳しく承知をしておりませんので、どういう対応をしたかということを事務当局から説明させますと、こう申し上げておるわけであります。


○委員長(浦田勝君) 質問者にちょっとお尋ねしますが、都市局長がさっきから答弁したいということでありますが、必要ありませんか。


○山下栄一君 委員長の御配慮ですから、簡単にやってください。


○政府委員(近藤茂夫君) 事実関係について少し補足的に説明させていただきたいと思います。
 実は、公正取引委員会が法人を告発した段階で、事業団の元職員が関与している疑いがあるという御指摘が記者会見で発表されました。その段階で建設大臣は、直ちに電気設備工事に関係いたしまして、透明性、競争性の高い公募型一般競争入札制度に変えるように指示いたしました。同時に、建設省ないしは事業団の調査においては限界があるということで、公正取引委員会の調査には全面的に協力するように事業団等に対して指示いたしました。
 こういった事実関係があるわけでございまして、刑事告発の段階で特別の措置をとったということではないということを御理解賜りたいと思います。


○山下栄一君 特別監察は建設省の内部規程で行われる監察だと思うんです。四十三条に基づく調査は今回行われていないですね、どうですか。


○政府委員(近藤茂夫君) 事業団法の四十二条という関係の調査ということでは今回の調査はございませんで、業務全般についての制度的背景がどういう状況であったかと、それを踏まえて業務全般についての改善措置を監察したというのが今回の調査、特別監察の内容でございます。


○山下栄一君 だから、この事業団法の四十三条の建設省みずからの調査というのはいつやるのか。こんな大変な不祥事、大臣みずからが監督すべき事業団で、事業団の職員みずからが談合にかかわっておったという国民の信頼を裏切るようなことがあって、そして起訴されてから内部規程による特別監察しかやっていない。では、この事業団法の四十三条は何のためにあるんだ、今回のような事件でやらないならばこれはいつやるんだ、このように私は思うわけでございます。建設省の、また建設大臣の対応が極めてひど過ぎる、このように言わざるを得ないと思うわけでございます。
 特別監察に基づく調査の中で、実態調査もされたようでございますけれども、原因究明はどこまでできたのかということについてお伺いしたいと思います。


○説明員(福田秀文君) 事業団の業務に関する特別監察でございますけれども、六月七日から大臣の命を受けて実施したものでありまして、今回の事件のようなことの再発を防止するとともに適正な業務執行を確保するという観点から、執行体制の改善整備をいかに図ったらよいかということについて重点を置いて監察を行ったわけでございますが、その結果、発注における一層の透明性、客観性の確保等々の点についてなお改善整備の必要があると認められましたので、これを改善措置事項として取りまとめまして、八月一日に大臣から事業団の理事長に対して直ちに措置をとるように指示したものでございます。
 それで、その改善措置事項の中身でございますけれども、重立ったものを申し上げますと……


○山下栄一君 中身は、時間がありませんので結構です。
 今も何かこれからの改善措置のことを中心におっしゃっておりますけれども、この建設省の監察規程の中には、「不正不法行為の糺明発見に当っては、その因つて来たる原因についても充分な考察を行うこと。」と、こう書いてあるわけですけれども、これ十分にやってないということですか。


○説明員(福田秀文君) 今回の監察におきましては、下水道事業団の本社、東京支社それから東京支社の管轄の工事事務所を伺いまして、実地に調査する等して監察したわけでございまして、必要なヒアリング、必要な資料等々によりまして事実関係を監察していったわけでございます。
 ただ、今先生おっしゃった事実関係の解明でございますけれども、監察を行うに当たりましては強制捜査権みたいな権限が与えられておりませんので、例えば談合の関与があったかというような事実については確認できなかったということでございます。


○山下栄一君 大臣、もちろん起訴された後でございますけれども、今回、発注者側である建設省認可法人の下水道事業団みずからが談合にかかわっておったというふうな前代来聞の事件がなぜ起こったのかということも含めまして、私は、特別体制で調査されて、単に内部規程の監察だけじゃなくて省を挙げて、こんなことは二度とあってはならないと、再発防止のためにしっかりと原因究明を行って、そして厳しい改善措置をやる、そういうふうな方向でやるべきであるというふうに思うんです。
 大臣みずから六回も理事長を呼んで調査したにもかかわらず、全然それは事実はなかったということを繰り返されて、大臣は裏切られたかもわからないけれども、国民は大変な行政に対する信頼を失ったわけでございますので、やはり建設省が特別体制の調査委員会を設けて再発防止のための原因究明並びに改善措置をしっかりと行うべきである、そして国会に対して報告を行うべきである、このように私は思うわけでございますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。


○国務大臣(森喜朗君) 先般行われました特別監察は、このような事態が起こることのないように、その制度的背景の調査、それを踏まえた執行体制の改善措置等について、事案の重大性を踏まえまして建設省として全力を挙げて取り組んだものでございます。建設省としても、今委員御指摘のように、二度とこうした事態が起きることのないようにこの特別監察に基づく業務改善措置を着実に行わしめ、国民の信頼の回復を図ることが最も重要だと考えております。
 なお、今回の事件にかかわる事実関係そのものの究明につきましては、これは建設省が行うことについては限界がございまして、また公判中の案件でもございますので、その推移を見守ってまいりたいと思っています。
 委員からのいろいろの御指摘の点については十二分に参考にさせていただきたいと思います。


○山下栄一君 時間が参りましたので終わります。

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