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138国会 決算委員会会議録 1996年11月20日(抜粋)その1


○山下栄一君 平成会の山下でございます。
 御就任早々の両大臣ではございますけれども、平成六年度の会計検査院の決算検査報告の中から、また昨年度の本決算委員会における私の質疑のフォローの観点から、最初に両大臣に御質問したいと思います。
 まず、文部大臣の方にお伺いをいたしますけれども、ことし一月に国会の方に提出されました平成六年度の決算検査報告の文部省にかかわるものの中に、「職員の不正行為による損害が生じたもの」というのがございます。これは静岡大学、香川医科大学における職員の方の不正行為であるわけでございます。
 特に、その中で静岡大学にかかわるものが六千百万円余り、不正行為の行われた期間は十一年間にわたっておるということでございます。だから、こういう不正行為が常態化していた。金額は六千百万円だと。これは検査院が調べて見つけたというよりも、公金詐取ということで職員の方が逮捕されて、そこから検査院が入ってずっと調べていったら延々と十一年間にわたってというふうな話でございます。
 これは静岡大学教育学部附属の学校が幼稚園、小学校、中学校、養護学校、七つほどある。その教育学部の附属学校の事務長がそういう不正行為を働いていた。要するに、物品購入の架空伝票を切って、それでお金をプールしまして、たまったお金を大学本体の方の事務局長に上納して、そのお金で接待したり贈り物を贈ったりというふうなことが行われておった。それだけじゃなくて、それ以後の、裁判中でございますけれども、公判の中における被告の発言の中から、その事務局長や庶務部長ですかの方に一千万円になんなんとする現金を供与していたというようなことを被告の方がおっしゃっている。
 これは判決おりていませんので途中経過でございますけれども、そういう公判の途中の中でいろいろと、単に個人の、附属の学校の事務長個人の問題ももちろんあるわけですけれども、それが常態化していて、附属の学校の予算が少ないものだからいろいろ便宜を図ってもらってたくさん予算をいただくということとか、学校事務の方というのはよくわかりませんけれども、附属の学校の事務の方々というのは事務長以下地元採用だと。その人事の面でも事務長が采配を振れるような、そういうふうなことをしていただくために上の方にいろいろと上納金、物品その他を贈っていたというふうなことが公判の中で明らかになっているわけでございます。
 こういうことは、今いろいろと役所の不祥事が、行政改革ということが叫ばれる中で起こっておるわけでございますが、今まだ裁判が続いている途中でありますが、平成六年度決算検査報告の中から始まった事件の中で、大臣も御存じだと思いますけれども、この事件についてどういう認識を持っておられるかということをお聞きしたいと思います。


○説明員(佐藤禎一君) 事実関係につきまして、最初に私からお答えを申し上げたいと存じます。
 ただいま委員から御指摘ございましたように、静岡大学の教育学部附属学校を中心に、平成六年の六月から九月にかけまして物品の架空購入などによりまして公金が騙取をされたという事実が判明をいたしました。大変遺憾なことでございます。
 当事者につきましては、今お話がございましたように、現在公判中でございますが、文部省といたしましては、厳しい姿勢を示すために、既に平成六年の十二月二十二日付で当事者三名を懲戒免職にいたしますとともに、監督責任者などを含めまして五十六名の懲戒処分を行っているところでございます。
 なお、これ以後、静岡大学の中におきましても、学長を中心に綱紀の粛正の徹底を図っでございます。
 御指摘のありましたようなことを公判の中でいろいろ言われているわけでございますが、審理の途上でございますので、そしてまた間もなく結審をするというようなことも予想されておりまして、私どもも相応の関心を払っているところでございます。


○山下栄一君 関心を払っているということでありますけれども、確かにまだ判決に至っておりません。要するに一大学本体の事務局長、庶務部長さんというのは本省採用だと。そういう方々に現金供与が行われて、受け取ったけれども返したというふうなことをおっしゃっている。また、場合によっては予算の便宜を図ってもらうために文部省OBの方を通じて本省の方に商品券を配ったりというようなことをいろいろと公判の中では言われているわけです。今、官房長からお話があった状況であろうとは思いますけれども、この静岡大学における事件というのは、確かに公金をだまし取った上でそれを上層部に上納しているということがもう十一年間にわたって行われたということは極めて厳しい現実である。教育現場、国立大学の中に起こったわけでございます。
 後から大臣にあわせてお聞きしたいと思うわけでございますけれども、関連はしませんけれども、以前にも本委員会で取り上げられた問題でございます。北海道教育委員会における空出張といいますか、によりまして、空雇用もあるのか、そういうためにためた、それも北海道の本庁の教育委員会、また地方局、十四あるそうでございますけれども、さらに道立の学校、高校、養護学校その他、さらに今度は市町村の小、中。一番下は小学校から、上は北海道本庁の教育委員会に至るまで、上からの指示で空の、虚偽のもの、にせものの予算の書類をつくらせて、今度は現金を下から上に上げていったという、こういう上納システムというのが、これもまた延々と、一年二年じゃなくて、何年さかのぼるのかわかりませんけれども、四年になんなんとする、調べられたのがその範囲で、制度化しておったというふうなことがあるわけです。
 これも一番下の小学校、中学校、高校、校長先生がそういう最終の決裁権、予算の収支の書類についても決裁を図っておられるわけでございますけれども、校長先生も御存じの上でそういうことが、教育現場で不正な経理が行われておったという現実がある。こんなことが北海道を挙げて行われておったわけでございますので、現場ではもう学校の教師が、校長先生が指導しても生徒に入らない。校長先生が廊下を通ると空出張と言って冷やかされるということが現実に延々と、延々とというか、あった上で、ことしですか発覚し、大量の一千五百人になんなんとする教育長以下処分されておるわけでございます。
 こういう実態があると、幾ら文部省から、また教育委員会がいろんな生徒指導をやろうとしても全然入らないというように私は思います。保護者ないし生徒に至るまで、こういう不正経理が校長先生も御存じの上で続けられておったわけでございますから、一たん失った信頼というのは、生徒の信頼、保護者の信頼というのはそう簡単にこれは、倫理観も教えなければいかぬそういう教育現場が全然正反対のことを行っていたという、そういうことであるわけでございます。
 非常にこれも私は深刻な事態であると思うんですけれども、この北海道の教育委員会挙げての不正経現実態については、文部省はどのように対応されたかということをお聞きしたいと思います。


○説明員(小林敬治君) 文部省といたしましては、北海道教育委員会から詳しい事情をお聞きいたしますとともに、教育行政に対する保護者や地域の方々の信頼を一日も早く回復するための改善に取り組むよう御指導申し上げました。道教委といたしましては、これを踏まえて再発防止のための取り組みを行っているところと承知をいたしております。
 それで、その一環として実施されました公認会計士等の調査グループによる分析がこの十月にまとまったところでございまして、これによりますと、今回の不正経理問題の背景といたしましては、以前から指摘されておりました北海道教育委員会における教育局と道立学校等との間の上下意識の存在だけじゃなしに、例えば除雪の予算を公務員宿舎の補修に流用するなど、必要な分野に必要な予算が措置されておりませんで、硬直化した予算編成がなされたことなどもあるというふうな指摘があるわけでございます。道教委におきましては、この調査グループの指摘も踏まえまして改善にさらに取り組むこととなっていると承知をいたしておりますが、いずれにいたしましても、文部省としては教育行政に対する信頼回復のために今後とも一層の努力を重ねていただく必要があるものと考えておるところでございます。
 このような問題を生じさせないための具体的な防止策につきましては、基本的には各地方公共団体においてそれぞれの実情を踏まえて主体的に取り組んでいただくべきものだというふうに考えているところではございますが、文部省といたしましても、教育行政の適切な運営が確保される観点から、今後とも適時適切に指導してまいりたいというふうに考えております。


○山下栄一君 法律の範囲内ではこういう教育行政にかかわる文部省の地方における都道府県教育委員会等の指導、助言ということなんですけれども、非常にデリケートな、非常に微妙な難しい問題にもかかわってくると思います。例えば、こういう北海道の小中高の教育挙げての不正事件に対して、文部省は適時適切に指導、助言と言ってはるけれども、それは具体的にはどんなことをするのか、どういうことが考えられるんだと、それをちょっと教えていただけますか。


○説明員(小林敬治君) ただいま申し上げましたように各教育委員会で、例えば今回の北海道教委のような問題が生じましたときに、私どもとしては、まず第一義的にはその団体自身が自浄作用を発揮いたしまして、その不正の部分に係る事実をはっきりさせ、それからそのようなことが二度と起こらないように適当な対策を立ててくれるということが最も望ましいと考えております。
 私どもとしてもこの教育行政、これは国もそうでございますが、地方公共団体の教育委員会等の行政機関に対する地域住民あるいは国民の信頼というのが大変大事でございますので、その地方教育行政機関の信頼というものが適切に確保されますように適切な指導をやっていく必要はやはり大事な仕事として私どもは持っているのであろう、こんなふうに考えているところでございます。


○山下栄一君 全然よくわかりませんわ。全然わからぬな。
 大臣、この問題につきましては、ことしこの事件が発覚して新聞に載った段階で奥田前文部大臣が、驚嘆すべきことだ、びっくりしたと言って、とにかく実情を把握するために調査したいというようなことをおっしゃっていたわけですけれども、調査するいうて、どんな調査をするのかなと。
 実際北海道におきましては、文教委員会等でもう既に北海道教育委員会の調査がされて、道議会にも報告されているわけです。冊子もいただいております。ちゃんと調査は終わっているわけです。だから文部省として何をするのかというようなことも大変難しい問題であるなというふうに思うわけですけれども、大臣、それに対する本省として指導、助言で何をするんだということ。
 それからもう一つ、先ほど決算検査報告における静岡大学教育学部の不祥事件、これはもう一年二年じゃなく、先ほど申し上げたようにわかった範囲だけでも十一年間にわたる不正経理が常態化し、本省採用の文部省の大学事務局長の方にも上納されていたということ、これは事実として明らかになっておるという大変な問題、それも被告の発言によると一千万を超える金を渡したんだということを言われておるわけでございます。それで、またこれもうすぐ判決がおりるのかもわかりませんけれども、そのときに本省がどの程度までかかわっておったかというようなことが明らかになってくると大変なことになってくると思うんです。それから、今申し上げた北海道の全道挙げてのこういう不正経理の実態という、先ほど申し上げましたようにこんなことが起こると教育にならぬという現実があると私は思うわけでございます。
 私は、大臣の御認識をしっかりとお聞きして、そういう実態があるということをわかった上で大臣としての教育行政のお取り組みをお願いしたいと思いますので、大臣の御認識をあわせてお伺いしたい、このように思います。


○国務大臣(小杉隆君) 今回御指摘があった静岡大学、北海道教育委員会の不祥事に関しましては、文部大臣としても大変残念という気持ちであります。
 今事務方から御説明申し上げたように、それぞれ適切な処置をとってきたと思いますが、本来、教育行政は保護者や住民の信頼ということが基本でございます。そうした信頼が損なわれることのないように、私どもこれからも注意をしていきたいと思っております。
 文部省と教育委員会との関係というのは、あくまでも地域の教育委員会が主体であって、文部省が直接やるということについては、地方分権との関係もあり、また日本の教育制度との関連もあって制約があるわけでございますが、聞くところによりますと、北海道教育委員会におきましては、不正経理の再発を防ぐための改善プログラムを決定してその取り組みを進めているというふうに承知しております。
 文部省といたしましても、そうした地域の教育委員会の努力を見守るとともに、保護者や地域住民の信頼を一日も早ぐ回復するように最大の努力をしたいと思っているところでございます。


○山下栄一君 都道府県の教育長の人事は知事が任命し文部大臣が承認するということですか、これは地方分権との問題で私は承認というようなこともやめた方がいいと思うわけでございます。
 見守る――見守らなきゃいかぬわけですけれども、私は、一つは、処分を行うことはできないと思いますが、ただ、大臣が例えば全国教育長会議等があったときにこういうことを具体的に話をして触れるだけでもやっぱり、指導、助言というのはそういうことなのかなというようなことを思うんです。何かこう見守って、例えば課長さんが教育長の報告を受けるという、それだけじゃまずいんじゃないかなと。全体の会合等の中とかで具体的な、こういうことは大変な問題で、生徒の皆さん、児童の皆さん、保護者の方の不信感というのは大変なことだと私は思うんですよ。そういう形でぜひかかわって、かかわるというか、適切な指導、助言を文部大臣のお立場で知恵を出していただいてやっていただきたい、こういうように私は考えております。

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