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138国会 決算委員会会議録 1996年11月20日(抜粋)その2


○山下栄一君 次に、冒頭も触れましたけれども、昨年の九月に本決算委員会で郵政互助会、これは郵政職員の方々の互助組織で、公益法人になっているという。この問題につきまして、昨年の九月は、平成四年度の公益法人にかかわる行政監察で改善しなさいということがあったので、途中経過ではございました。それで、さらに改善に取り組んでまいりますという御答弁をこの中でいただいておるわけでございます。そのフォローの形で質問させていただきたい、このように思うわけでございます。
 まず、公益法人なので公益事業をやらないかぬと、当たり前の話ですけれども。公益事業を郵政互助会の場合はほとんどやっていない、去年の段階で全事業の〇・〇四%だと。それが公益法人かというふうなことがあったわけでございますが、その改善状況と、時間の関係もありますので、もう一つは、一〇〇%近い出資率で、要するに株式を保有しているというか子会社をつくったというか、そういう会社が四つある、それについても出資比率を引き下げるようにという行政監察結果が出ておるわけでございます。それについての、努力いたしますという、改善状況を御報告いただきたいと思います。


○説明員(安岡裕幸君) 郵政互助会の平成七年度の事業報告によりますと、まず公益事業に対する取り組みでございますけれども、一つは地域社会への貢献施策ということで、各郵便局の施策とタイアップいたしまして、車いすを老人ホームヘ寄贈する、あるいは手話教室を開催するなどの施策を展開いたしております。事業費といたしまして約五百七万円という格好になっています。それからもう一つでございますけれども、遺児への育英金支給ということでございまして、平成七年度におきましては遺児三百十五名に対しまして二千五百万円等の事業を行っているということでございます。
 御指摘を踏まえまして、平成八年度は公益事業に一層積極的に取り組もうということを考えておりまして、まず一つでございますけれども、今までは不特定多数を対象にしました公益事業、退職給付事業、それから収益事業、これが一緒になりまして一般会計というふうにされておりましたのをそれぞれの事業に分割をして、公益事業の事業規模等が、その内容がよくわかるように公益事業会計を独立させたということでございます。この公益事業会計に新たに公益基本金ということで十億円をファンドという格好にしております。この結果、平成八年度の予算規模は七千万円というところになっております。今後とも、この公益事業規模を一層拡大するように指導していきたいというふうに思っています。
 それから、もう一つの子会社の問題でございますけれども、現在郵政互助会は互興建設と弘信観光、二社の株式のほぼ一〇〇%を保有しておるわけでございますけれども、ぜひ株式保有の分散化をやるべしということで郵政省として互助会を強く指導しているところでございます。
 まず互興建設の方でございますけれども、当該株式の二分の一にするということを考えております。それから弘信観光の方は、経営権の譲渡による会社の整理、清算、これを方針にいたしまして今取り組んでいるところでございます。
 しかしながら、大変長引く不況の中で結構苦労いたしておりまして、まず互興建設の方につきましては、受注する工事高が先細りするんではないかという見方から株式の譲渡先が見つからないという状況になっています。弘信観光につきましては、現在ホテルを四ホテル保有しておりますけれども、その一ホテルを売却できましたけれども、他のものはまだ売却先が見つからないという状況になっておるわけでございます。
 今後とも先ほどの方針に即して株式の分散化に努めてまいりたい、このように考えております。


○山下栄一君 郵政互助会の全事業における公益事業の比率が、七千万と金額おっしゃっていましたけれども、要するに〇・〇四%が〇・一%になったということですな、そういう実情。
 じゃ、これはどこまで高めるんだということになってくるわけですけれども、それはどうですか。


○説明員(安岡裕幸君) 私どもとしては、公益事業につきましては、互助会といたしましても時代の要請に応じるということで高めてまいりたいというふうに思っておるわけですけれども、現在の公益法人の指導監督基準の取扱指針の中では「公益事業費の規模は、可能な限り総支出額の二分の一以上とする」というふうに定められているわけでございますけれども、一方、その基準の中には、「経営状態が悪化している法人に対して性急な公益事業の拡大を要求すれば、更に事態を悪化させる可能性もある。」ということで、「法人の経営の実態を見て、収支の安定を図ることが先決」だということでございますので、「その上で可能な範囲で、徐々に公益事業を充実していくことが望ましい。」と示されておりますので、その線に沿いまして公益事業の拡大に取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。


○山下栄一君 今おっしゃった基準というのは、閣議決定の基準ということですか。それでいいんですか。


○説明員(安岡裕幸君) 閣議決定の基準でございます。
 もう少し補足させていただきますと……


○山下栄一君 結構です。
 ことしの九月二十日の閣議決定によりまして、公益法人の設立許可及び指導監督基準というのが非常に厳しくなったと、公益法人に対する。本来、この郵政互助会というのは現在の法的な基準から考えると公益法人に当たらないものだろうと思うんです。したがって、今おっしゃった経過措置の中で、できる範囲でこの基準に背かない努力をしていくということになっていくのであろうとは思うのでございますが、ちょっともう時間がありませんので、具体的に聞かせていただきます。
 だから、この閣議決定の基準でいくと、公益事業の比率は二分の一以上でなかったらいかぬのだろうけれども、それは現段階ではあり得ないと、できないということ、それでよろしいですな。できるかできないかだけでよろしいわ。


○説明員(安岡裕幸君) 大変失礼しました。
 先ほど申し上げたのは旧基準ということでございまして、その趣旨は今度の閣議決定でも承継されているわけでございますけれども、今後とも、私どもとしてはそれに即していきたいと思っています。
 ただ、先般の閣議決定において言われている中では、真にやむを得ない事項につきましては、法人に関する抜本的法改正を待って対応するということにもなっておりますので、真にやむを得ないかどうかということについて関係部門の御意見、解釈を参考にして、閣議決定の趣旨に沿うように公益事業の充実に努めていきたいと、このように考えております。


○山下栄一君 この閣議決定の中では、株式保有についても「営利企業の株式保有等を行ってはならない。」と、こういうことになっております。ところが、先ほど申し上げた四つの会社は、もうそのうち三つまで九九%なり一〇〇%の出資、株式を保有している。一つだけ努力して、津久井湖観光だけは半分以下になっているということなわけですね。ただ、清算したり、株式を譲渡したり、ホテルを売却したりということもなかなか思うように進まないという実情があると、こういう実態であろうと思うわけです。
 だから、これは非常に重荷を背負いながら、郵政互助会は、職員の方々の積立金といいますか、退職給付を夢に見ながらというか、退職のときに給付金をいただけるように一生懸命ためていたお金がそういう形で使われ、その事業が非常にうまくいっていない。中には弘信商事みたいにノンバンクでもう特別清算六百億になんなんとする負債をつくって、損失を抱えて、それをどう運営していくかというような事態になっておるという厳しい現実があるわけでございます。
 これは、特に株式保有の問題につきましても全くゼロにしなさいということにはならぬと思うのですけれども、今のお話で、二分の一以下になるように努力するというふうに理解いたします。
 それから役員でございますが、理事五人、互助会の方いらっしゃるわけですけれども、これは閣議決定の基準によりますと、官庁に関係する方は三分の一以下にしなさいということは、五人のうち三分の一といったら何人ですかな、一・七人か、まあ二人。
 この現在の理事の方の御出身の役職というか、お願いいたします。わかりませんか。


○説明員(安岡裕幸君) まず会長でございますけれども、これは郵政省のOBでございます。理事二人が郵政省OBということになっています。それから、もう一人が民間の方がなっておられますし、それから組合の全逓、全郵政の御出身の方も理事になっていると、こういう構成でございます。


○山下栄一君 「所管する官庁の出身者が占める割合は、それぞれ理事現在数の三分の一以下とすること。」と。だから、五人中一人だけでなかったらいかぬと、こういうことですな。あとの四人は官庁出身者であってはいけないと、こういうことになると思うんです。官庁OBは一人だけだったらいいけれどもと、そういうふうに理解するんですけれどもね。
 ところが、会長は東京貯金事務センター所長、理事は東京中央郵便局長、あと全逓、全日本郵政の組合の方というふうに、これはまあ官庁OBと言えないのかもわかりませんけれども。一人だけ第一勧業銀行の方だと。五人中四人が郵政関係の方で、そのうち組合の方を除いて二人がお役人OBだと。一人以下でなかったらあかんのに二人いらっしゃる。これはどういうことですか。だから、これは閣議決定違反ということですか。


○説明員(安岡裕幸君) ただいま申し上げましたように、この「所管する官庁の出身者」という意味で言いますと郵政省のOBでございますので、五人中二名という格好になります。


○山下栄一君 だから、閣議決定違反かどうか。


○説明員(安岡裕幸君) ということでございまして、五人中三名ということでございまして、三分の一にしていこうということからいいますと、まだ基準に達していないということでございますけれども、閣議決定の中には経過措置がございまして、「既に設立されている法人で、法人格を取得する手段が民法第三十四条によることに限られたため、公益法人となっている業界団体等に関しては、真にやむを得ない事項については、法人に関する抜本的法改革を待って対応することとする。」ということでございまして、「それまでの間は、所管官庁においては、当該業界関係者又は所管する官庁の出身者以外の者を、可及的速やかに監事とする」ということにされておりまして、そういう意味合いで言いますと、互助会の監事についてはその規定どおり措置されておるというふうに考えております。


○山下栄一君 万やむを得ないから経過措置の範囲内だと、こういうふうに認識されて、これはだから努力しないということでしょうか、結論は。


○説明員(安岡裕幸君) 我々は閣議決定に向かってその趣旨に即して進めていくわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、基本的な抜本的法改正を待って対応をするということでございまして、それまでの間はまず監事でもって公平さを担保する、こういう格好になっていますので、差し向き監事を所要の措置をいたしておるわけでございまして、将来的にはこの閣議決定の趣旨に沿って考えていくというのが方向でございます。


○山下栄一君 じゃ、だから抜本的改革までは仕方がないと。
 次に、その仕方がない間は、所管官庁においては、郵政省においては、当該業界関係者または所管する官庁の出身者以外の者を可及的速やかに監事としなさい、やむを得ないのかしらぬけれども、監事だけは官庁の者以外にしなさいよというふうに書いてあるわけだけれども、その監事の方は一人が郵政OBの方で、もう一人は全逓の方だと、こうなっているわけですね。そういうことですよね。だから、これは全然閣議決定に、これこそまた違反していると私は認識しますけれども、どうでしょうか。


○説明員(安岡裕幸君) ただいま監事二名とも郵政省の出身者でないかというお尋ねでございますけれども、申し上げたように郵政省OBが一人で、それから全逓の出身者が一人ということで、私どもとしては全逓の方は省の出身ではないというふうに思うわけでございますけれども。ただ、郵政省で明快に説明できる立場でございませんで、私どもとしてはここで言う「所管する官庁の出身者」というのは、本省の課長相当職以上経験者と解釈をするということで関係の部門から聞いております。
 いずれにいたしましても、その閣議決定の中身をよく吟味して、それに沿うように努めてまいりたいというふうに思っております。


○山下栄一君 中身の精神が大事だと思うんですけれども、逆の方から中身の精神の空洞化を図るようなことをされているというふうに私は思うわけです。だから、郵政互助会の場合は、設立当時の状況から考えて公益法人に関するルールがなかったからやむを得ない面があるだろう。しかし、それであっても監査ですね、監査する人、監事というのですか、これは所轄する官庁の者以外の人にしなさいと言っているのに、一人はOBで一人がやはり郵政の関係の組合の方だったら、これは閣議決定の精神に全然合わないと私は思います。大臣、どうでしょうか。


○国務大臣(堀之内久男君) ただいまの役員の選任の問題について、先ほどからお尋ねがございますが、先ほど事務当局から答弁申し上げましたように、まだ解釈の違いもあるようであります。いずれにいたしましても、この郵政互助会の立て直しにつきましては、先ほど先生から御指摘をいただきましたが、今後一層公益事業の充実拡大、こういうことに努めながら、そしてまた弘信商事問題で大きな損害をこうむった後でありますので、これの立て直し、そして改善に引き続き努力するよう強く指導してまいりたいと思っておる次第でございます。
 いずれにいたしましても、この互助会が国民と郵便職員の期待にこたえられる郵政互助会となるよう今後発力していく所存でございます。


○山下栄一君 大臣、だから職員の方が不信を抱いているわけですよ、本当に。これはもう先ほど申し上げたとおりでございます。ノンバンクの問題も、損失六百億を抱える、郵政互助会の年間予算の一・五倍ぐらいの損失を抱え込んでいるわけです。退職金をちゃんともらえるのかなというふうな、それは心配のないように処置されているとは思いますけれども、そういう信頼をかち取っていくという観点であるならば、この公益法人の設立許可及び指導監督基準というのは、圧倒的な国民の行政に対する不信感を払拭しようとしてこういう公益法人の監督基準を二カ月前に、選挙の前に決定されたばかりのはずですから、これの精神にやはり少しでも近づける努力をしないと職員の方の不信感は払拭できないと私は思います。

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