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> 日本道路公団のファミリー企業問題について
143国会 予算委員会会議録 1998年08月21日(抜粋)
○山下栄一君 日本道路公団にかかわる問題について質問させていただきたいと思います。
日本道路公団の関連会社、日本ハイカという会社がございます。これは高速道路のプリペイドカード、ハイウェイカードを日本道路公団から独占委託されておる会社でございますけれども、ここの資金回収、プリペイドカードを販売したその回収、二十七億円焦げついていたということがございまして、今月の冒頭に日本ハイカという日本道路公団の直系の関連会社が訴えました。訴えられたのは自民党の参議院議員の親族の方、奥さんが経営される会社でございます。日本ハイカという会社と委託販売契約を結んで、そして資金をちゃんと回収していなかったということが発覚したわけでございますけれども、この問題の経緯、原因、御認識を公団の総裁にお伺いしたいと思います。
○参考人(緒方信一郎君) ただいま御指摘の問題でございますけれども、日本道路公団は高速道路などの有料道路料金のプリペイドカードでありますハイウェイカードというものを発行いたしまして、ただいま御指摘のありました日本ハイカという株式会社に対しまして販売業務を委託いたしております。
当公団からカード販売業務の委託を受けました日本ハイカは、同社において直接カードの販売も実施をいたすのでありますけれども、おおむねカード購入のアクセスポイントをより多く設けまして、カード購入希望者の利便向上を図るために二千七百のものに対しましてカードの販売を委託いたしまして、全国二万七千カ所の店舗でカードを販売しておるという実態でございます。
今回の問題は、日本ハイカ株式会社がカードの販売委託をしておりましたものと日本ハイカとにおいてカードの代金約二十七億円の支払いが遅延をした、こういう事件でございます。
具体的に申し上げますと、日本ハイカはケイエス・プランニングという会社とカードの販売契約を平成六年の九月に締結をいたしましてカードの販売委託をしていたわけでございますが、平成七年の九月分以降、ケイエス・プランニングから日本ハイカへのカード代金の支払いが遅延するようになったわけでございます。その後、回収について任意の交渉を進めてまいりましたが、進展を見ないことから民事調停を申し立てましたものの不調、打ち切りとなりまして、今回、日本ハイカ株式会社がケイエス・プランニング及びその連帯保証人を相手といたしましてカード代金約二十七億円の支払いを求める民事訴訟を起こした、こういうものでございます。
どうしてこんな事件が起こったかということでございますけれども、当時、日本ハイカ株式会社の中におきまして販売促進に対する非常に強い意識があったということを背景にいたしまして、契約締結基準にあいまいさがあったというようなことと同時に、業務運営に甘さがあったということに基本的な原因があるというふうに考えております。
この事件を契機といたしまして、日本ハイカと販売店との契約に当たりまして、まず前払い方式というものを原則とした販売委託契約に改める、それから後払い方式の場合には銀行保証を必ずつけるというような取り扱いをする、それから内部監査体制を充実するというようなことに改めたわけでございます。
さらに、今般、この問題が訴訟というような問題になりまして、建設大臣からの御指示を踏まえまして、こういうハイウェイカードの販売店に対しますチェックシステムについても直ちに具体策を検討いたしまして実施いたしますとともに、ハイウェイカードの販売そのものにつきまして競争性を確保するというために、現行の単独販売委託契約方式を見直しまして複数販売委託契約方式等に改める、さらには手数料の引き下げを検討するというようなことで、このような事件が二度と起こらないように直ちに実施をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○山下栄一君 建設大臣並びに公団総裁のこの問題に対する認識がどこまで深刻かということを私はちょっと確認したいと思っておるわけでございます。
この日本ハイカという会社は、役員十二名中十一名が公団OBでございます。そして、そこだけで年間四千四百億円の仕事をしている。高速道路料金は約二兆円ぐらいだと思いますけれども、そのうちの二五%がこの会社で一手に独占的に委託を受けているわけです。その再販売契約というか再委託した会社がケイエス・プランニングだと。この会社は社員数名です。そして、わずか一年四カ月の間に二百二十億円の取引をした。そして二十七億円焦げついたという。いまだに回収されないから民事訴訟に訴えたと。だけれども、これは三年前の話なんですね。三年前にこういうことがわかっておって、日本ハイカの社長以下四人、専務も取締役も退陣した。そして、退陣した方々は責任をとって退陣したはずなのにどこに行ったのか。また、同じ道路公団の関連会社に堂々と、退職金を二千万円以上もらって再就職している。そのあっせんまで公団はかかわったという。
こういう話でございますが、責任を感じているのか、日本ハイカは。単なる複数契約にするとかそういう問題で済むのか。公共事業の質が問われている。公共事業というのはどれだけ景気対策にかかわるのか。
日本道路公団は二十何兆の借金抱えて、累積債務二十何兆、二兆円の財政投融資、そして補助金、国民の税金も二千六百億円を注ぎ込んでいる公団の仕事です。四千四百億円の仕事を一つの会社に任せて、その任せた会社は十二名中十一名まで公団OBだと。そして、再委託した会社には信用保証もなしに、そんな二百二十億円も一年四カ月で仕事をさせていたという、それが焦げついたという背景でございます。そして、今月初めに二十七億円回収が焦げついたから民事訴訟に訴えた、こういうことなわけですね。
私は、この日本ハイカという会社は要らぬのじゃないかなと思うわけです。独占的に、そして次に二千七百社に再委託していると。再委託会社がどんな会社か御存じなんでしょうか、公団総裁。どういうところで委託契約結んでいるのか。ケイエス・プランニングもいいかげんだと。ほかにもいいかげんなところはないのか調べられましたか。
○参考人(緒方信一郎君) ハイウェイカードにつきましては、ただいま御指摘のように約四千八百億円の売り上げがございます。年間の料金収入は大体二兆円ございますので、金額に対しましては二二%程度の比率を占めておるというかなりな比率を占めておることは事実でございます。
先ほど申し上げましたように、日本ハイカは約二千七百の販売店と契約しておるわけでございまして、末端はどういうところで売っているかといいますと、高速道路の中、料金所でありますとかサービスエリア、それからパーキングエリアのレストランとかガソリンスタンド、そういうようなところ、あるいは高速道路の外でありますとデパートでありますとかスーパーマーケットとかガソリンスタンドとかあるいはコンビニエンスストアとか、そういうものもまた多数二万七千店舗の中には入っているわけでございまして、いろいろなものが混在しているということでございまして、したがって詳細なリストはちょっと私、今承知しておりませんが、概括を申し上げると大体そういうことでございます。
○山下栄一君 百貨店とかパーキングエリア、サービスエリア、コンビニエンスストアじゃなくて、とにかく二千七百社の中には料亭福田家とか喫茶何とかとか、会社であるはずなのに個人の何とかさんとか、再委託販売契約を個人と結ばれている。また、神社とも契約を結んだりとか、酒屋さんももちろんあるわけですけれども。
こういうこともほとんどノーチェックで、二十何兆というたくさんの借金を抱えて、毎年公共事業をやっている高速道路の公団ですね。そこの収入は大変貴重な収入で、高速道路料金というのは公共料金で重要な分野を占めている。そのうちの四千四百億円の仕事を一つの民間会社に、十二名中十一名も公団の天下りしている会社に任せて、そしてどういう契約が行われているのかノーチェックで、ノーチェックだからこういう後払いで信用保証もない会社と平気で結んで、三年間放置していてという問題になってきているわけです。こんなひどい実態はない、私はこのように思うわけでございます。
こういう問題に私は本質があるということを考えましたときに、こんな天下りの方々を養うようなそんな会社をたくさん、六十六社も公団はつくっておられるそうでございますけれども、私はこの問題に対する深刻な反省点といいますか改善策を講じないと、単なる競争原理、形だけの競争原理導入とか、日本ハイカ以外にもう一つ会社をつくったらいいとか、そんなことで済まされる問題じゃないと思いますけれども、建設大臣、いかがですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) この事件が起こりましてからるる指示を出しておるわけでございますが、私は三つの観点からこれをきちっと是正していきたいと思っております。
まず一つは、先生が今おっしゃられましたが、日本ハイカというのが単独で販売をしておったわけでございますから、やはりこれはもっと透明性、そして競争原理というものを入れまして、私は複数のものにしていきたいと思っておるわけでございまして、この販売委託契約の見直しを行うように指示を出しております。
それが一つでございまして、次はその組織の形態、そしてまたその中に勤めております従業員といいましょうか、そういう役員の方々、これは確かに先生が御指摘のような流れがあるわけでございまして、こういうようなところは是正をするようにまた指示を出しております。
今回、ハイカの社長を務めておりました大久保一男さんは、東日本ハイウェイ・パトロールの顧問に就任をいたしておりましたが、この八月十八日付で退任をしております。その他の三人の方はまだ関連の企業に勤務をいたしておりますが、この方々も今まで立派な人生を歩んできておる大人でございますから、出処進退はもうその方々にお任せをしたいと私は思っております。そういうふうに私が今ここで答弁をして、もしも退任をしないのでありましたら、私からそういう指示を出していきたいなと思っております。
それから、最後の問題といたしまして、やはり何といいましても私は道路公団の監督・チェック機能が劣っておったと思うわけでございまして、先生御指示の、前払いで本来はやらなければならないのでございますが、それを後払いでも銀行の保証もなくして貸しておったというような、そういうこともございます。
ですから、なお一層チェックをしていきたいと思うわけでございまして、九月の上旬から十月の上旬にかけまして、道路四公団につきまして特別の監査を行うように今指示をいたしております。
以上でございます。
○山下栄一君 引責辞任したはずの四名の役員、社長さんは日本ハイカ創設以来ずっと社長をされていて、引責辞任されたのは三年前ですけれども、公団元理事でございますが、この方を含めて四人の方々の再就職を公団があっせんしたということは事実ですか。
○参考人(緒方信一郎君) 公団を既に退職しました者がその後さらに民間企業等に再就職をするというようなことにつきましては、基本的には本人と会社の問題であると考えておりまして、公団として再就職を依頼するというようなことはいたしません。
本件の場合、やめられた四人の方がそれぞれ御指摘のような再就職をしておるということは事実でございますが、関係者からいろいろ事情聴取いたしましたところ、当時、やめました日本ハイカの社長が、自分はもちろん退任するんですけれども、ほかの三名の役員についても一緒に退任をするということはやむを得ないという決断をいたしまして、やめました社長自身がその三人の面倒を見たと申しますか、若干心配していろいろ話をして関係の会社が了承した、そういう経過であるというふうに聞いております。
○山下栄一君 総裁、その再就職先が問題なんです。公団のファミリー会社に全部就職しているわけですよ。社長さんも東日本ハイウェイ・パトロールという会社。あと専務さんも新日本道路サービス顧問というふうにして、そういうことが大問題である。こんなチェックもほとんど、民間会社という名のもとに、その関連会社も天下りの方が大半なわけです。そういうところに就職していらっしゃる。まさに公団があっせんしたと言ってもいいような状況になっていると私は思うわけでございます。
そして、複数契約にしたらいいという話ですけれども、日本ハイカという会社に何で仕事を独占的にさせるのかなと。公団そのものが首都高の改革と同じように代理店と直接代理店契約を結んでやればいい、このように私は思うわけでございます。
真ん中にファミリー会社を介するからこそむだなお金が、要するに十二名中十一名の公団OBを養わなあかんような、それだけで一億数千万も年収にかかるような、そんなシステムそのものが問題だと。どうして首都高みたいに直接代理店形式にできないのか。日本ハイカ以外に二つ三つ会社をつくっても、それは単に分担されて本当の競争にならない、このように思うわけですけれども、いかがですか。
○参考人(緒方信一郎君) 今回の事件は、日本ハイカと販売店の間の契約において生じましたハイウェイカードの未回収問題でありまして、公団自身に損失が生じているわけではないのでありますけれども、当公団が委託をいたしました販売業務に関しましてこのような事件が生じたことは大変遺憾であるというふうに存じております。二度とこんなことが起こっては大変であるということで、いろいろ努力しております。
先ほどの御質問で、三年間何をしておったかというような御指摘があったわけで、まことに当然の御指摘だと思いますけれども、平成七年に実はハイカからそういう報告を受けまして、直ちに未収金を鋭意回収するということを指示しますとともに、ともかく全部前払い方式にしなさいと。例外的に後払いというものを当時の契約条項では認めておったわけでございますが、以後、ともかく全部原則前払い、後払いにする場合には必ず銀行等の保証をつけるということもきちんと指導いたしまして、その後こういう問題は起こっていないわけでございますが、ただやはりこういうことは絶対にあってはならないということで、種々先ほど申し上げましたような対策を講じようとしております。
ただ、先生の御指摘では、そういうのでは非常に不十分であるという御指摘でございますけれども、日本ハイカという会社がなぜできたかという沿革にさかのぼることになりますけれども、ハイウェイカードというものができましたきっかけというものが、そもそも料金徴収の時間を短縮しようとか、あるいは個人に対する割引サービスを行おうとかというようなことでありまして、これは全国的に展開していきました関係で、やはり首都高速のように局部的に非常に集中した地域で限られた店でやっておるというものとはちょっと違うんだよというふうに存ずるわけでございます。
実際問題としましても、よその公団のことを申し上げてなんですけれども、先ほど私どもの方は、二千七百の販売店に対しまして契約をして二万七千の販売地点で売っておるということを申し上げましたが、それに相当しますのが、例えば首都高速の場合ですと契約件数で二百五十四、販売店舗数は千三十でございまして、けたが違う。しかも、日本道路公団の場合には全国に展開しておりますものですから、これは日本道路公団が全部自分で管理しようということになりますと非常に手間と人員もかかるということでありまして、これはやはり民間のそういう形で外注するのが合理的だということでございます。
ただ、その中身に対するチェックが非常に甘かったという反省は、これは十分いたしておりますので、今後は複数にするだけでなしに、十分チェックをしていきたいと思っております。また、現に複数にする前でも直ちにこれからいわゆるチェック体制に入っていきたいということで、日本ハイカと当公団と一緒になりまして、実際の販売店の実態をこれから厳しくチェックしていきたいと考えておるところでございます。
○山下栄一君 大臣、先ほど私が申し上げました、首都高と同じように直接委託販売方式にしたらどうだと。日本道路公団は全国に支社があるわけです。そして、日本ハイカも実は一々売りに行っているのではなくて、現金を持ってこさせて仕事をさせていると。別にそんなに人員も要らないという実態なわけです。
日本ハイカという会社は何のためにあるんだと。それはOBを養うためにあるとしか言いようがないような実態になっているということについてもっと深刻な反省と取り組みがないと、公共事業のむだにかかわる話ですし、高速道路料金という公共料金にかかわる話ですから、中途半端な改革では済まされない。
これは象徴的な事件が二十七億円焦げつき事件であると思いますから、建設大臣になられたばかりですけれども、新鮮な感覚で改革に立ち上がっていただきたい。どうですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生のお考え、十分に理解をいたしておりますので、通常国会の予算委員会では立派な返事ができるようにいたしたいと思います。