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テーマ別質問一覧その他薬物乱用防止 > 学校における薬物乱用防止の啓発について

140国会 決算委員会会議録 1997年09月17日

○山下栄一君 平成会の山下でございます。
 限られた時間十五分間、私は、覚せい剤を中心とする薬物が教室を汚染している、特に中学生、高校生の間に蔓延しているという深刻な事態から、幾つか質問させていただきたいと思います。
 この問題は、昨年の十一月二十日の決算委員会で取り上げさせていただきまして、その後、ことしに入りまして、二月二十日の文教委員会、そして同じく四月八日の文教委員会、三回収り上げさせていただきました。
 それで、いろいろと問題点を指摘させていただいて、文部省におかれましても政府におかれましても当然のことながら積極的な取り組みをしていただいておるわけでございますが、その中で、特にきょうは町村新大臣初登場でございますので、大臣におかれましても、この薬物問題についてのお取り組みの姿勢といいますか、お考えもお聞きしたいと思っておるわけでございます。

 それで、まず教師用の手引の問題でございます。
 これは、肝心の学校現場におきましては、指導者である教師の意識が深刻にならないと生徒に伝わらないということがあると思います。というよりも、生徒の方が先に進んでしまっているのかもわかりません。そういう意味で、文部省主催また教育委員会主催の研修会も大事でございますが、指導教材といいますか、これも大変大事な問題であるということから、この問題を二月に取り上げさせていただいたわけでございます。

 それで、平成六、七、八年度、それぞれ中学、高校、小学校で文部省も御指導されて、「喫煙・飲酒・薬物乱用防止に関する保健指導の手引」というのができ上がっておるわけでございますが、この中学校、高校の中身が古過ぎるし、これは特に覚せい剤が非常に大きく問題になっている中、ほとんどその問題が扱われていないのはおかしい
ということで、全面的につくり直したらどうだという話を私はさせていただきました。
 小学校の教材は平成八年度の予算でできたわけでございますが、これが平成九年三月三十一日の発行なんですが、八月に完成している。この中学、高校の教材と小学校の教材、手引のトーンがもう全然変わっているわけです。小学校の方は大分厳しくなってきて、資料も、新聞の記事も最新の記事を使っている、完成はちょっとおくれているというふうな状況があるわけですけれども、この指導の手引に関する取り組みについて、現在の文部省のお取り組みをお聞きしたいと思います。

○説明員(工藤智規君) 本件につきましては、かねがね先生に御指摘をいただき、御指導いただきまして、まことにありがとうございます。
 今し方お話がありましたように、平成六年度の中学校編の手引を作成しているわけでございますが、その時点においてはシンナーの害を中心でやったということでございますとか、あるいは平成七年度の高校版につきましては大麻や覚せい剤等を中心に取り上げているのでございますが、若干、今からすればデータが古くなっているとかいろいろ問題がございまして、ただいま改訂作業を進めているところでございます。
 記述の充実あるいはデータの更新なども含めて児童生徒にわかりやすい手引になるように今鋭意取り組んでいるところでございまして、若干作業がおくれてございますけれども、十一月ごろには発行してまいりたいと思っているところでございます。

○山下栄一君 局長、ちょっと確認させていただきたいんです。昭和六十年、この飲酒・喫煙・薬物に関する指導の手引をつくった。改訂版を平成六年度から計画的に中高小とつくってきたわけですね。小学校版も最近完成した。
 まず、ちょっとお聞きします。小学校の教材はことしの三月三十一日の発行なんだけれども、完成したのは八月である。この状況を御説明ください。

○説明員(工藤智規君) 小学校版につきましては、平成八年度予算での作成になってございますので発行日を三月三十一日とさせていただいておりますが、その納期だとかの関係で若干ずれたということはまことに申しわけないと思っております。
 中高につきましては六年、七年につくったばかりじゃないかという部分もあるかもしれませんが、最近の少年の覚せい剤乱用事犯というのが御承知のように平成七年、八年、特に高校生を中心に倍々でふえてくるゆゆしい事態になっておりまして、こういう事態を受けまして六年、七年につくった中高校版でございますけれども、この際改めて最新の記述を盛り込みながら改訂を進めておるところでございます。

○山下栄一君 結果的にこの小学校版の手引は改善されて、中高小とそれぞれ改訂したんだけれども、中高と違って小学校の内容は危機意識を反映した内容に若干なっていると私は思います。小学生も覚せい剤で補導されているという事態ですので、喫煙中心の指導から、覚せい剤も含めた薬物乱用の指導へと転換された内容にもなってきているなと。それは私は、やはり時代状況の変化に応じて新しい内容も入れて、時間は若干ずれたけれども完成させた、八月になったけれども、ということじゃないか、それは評価したいと思います。それは単に発行がずれたという問題じゃなくて、新しい事態が起こったので時期をずらして完成させたのではないか、こういう認識でよろしいですね。

○説明員(工藤智規君) 何分にも小学校版につきましては、子供たちへの理解を促進させるのにできるだけ平易でわかりやすい表現をどうするかということでございますとか、今し方先生から御指摘ありましたように、最近の事例は極めて急テンポで悪化の様相を示してございますので、そういう最新の事例も取り上げながらということで若干時期がずれた部分がございます。

○山下栄一君 それで、先ほども局長お触れになりました、中学、高校につきましては六十年度につくったものの改訂版は既に完成したけれども、内容がちょっと問題があるというか、私は問題があるということを指摘させていただきました。

 ちょっと引用させていただきますが、ことしの二月二十日の当時の佐々木局長の御答弁で、「御意見を承りまして、今後の課題として検討させていただきます。」と、こういうようにおっしゃいましたし、そして小杉大臣は、「使っている資料はちょっと古い」、「学校現場におきましては、文部省が責任を持って一番いい資料を、パンフレットを、そしてビデオを活用するように私からもよく徹底したい」、そして「警察庁も厚生省も総理府もみんな携わっているわけですから、最新で一番的確な資料をより使うように督励したい」と、こういうふうにおっしゃいました。
 それに基づいて改訂版をつくったけれども再改訂を今やっていると、こういうことでよろしいんでしょうか。

○説明員(工藤智規君) そのとおりでございます。

○山下栄一君 もう一度確認させていただきます。
 再改訂のポイントですね。こういう観点で、六年度、七年度につくったものとは違って新たな要素を入れたいと、再改訂のポイントを教えてください。

○説明員(工藤智規君) 六年度の中学校の部分につきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、いろんな薬物がある中で、若干シンナーの害に偏した記述で、ほかの薬物については取り上げるのが薄いという部分がございます。
 それから、七年度の高校版につきましては大麻とか覚せい剤にも触れているわけでございますが、データの上でどうもその後の急テンポな状況も踏まえていないうらみがございますので、そういうことも含めてより一層充実したいということでございます。

○山下栄一君 局長は中学、高校を再改訂する必要があると。
 ただ、僕は、この指導教材から、覚せい剤が中学生、高校生に急増していて、警察に検挙されているだけでも、平成八年度、全国四十七都道府県中二十三県で逮捕されている、中学生、高校生が。そういう深刻な事態が全然伝わらない内容になっている。それではいかぬということで、私はこれを改訂していただきたいと思うんです。
 ちょっとデータが古い。もちろん古いデータが使われているわけですけれども、ほとんど覚せい剤に関しては記述がないということ、それが問題である。意識も非常に低い意識でつくられているということを私は問題にしたんですけれども、何か今の答弁では余りそういう危機感でつくっていないような感じがするんですけれども、いかがですか。

○説明員(工藤智規君) まさに先生からかねがね御指摘を受けている状況を踏まえまして、しかも近年、特に平成七年、八年に倍々で高校生の補導件数がふえている状況を踏まえまして、危機的な意識のもとに再改訂に取り組んでいるところでございます。

○山下栄一君 これは緊急のことなので平成九年度予算で計上していないのではないかと思います。もちろんこれは、公益法人の日本学校保健会に文部省からというか国からの補助金で、七百万円ですか、それでつくったものだと思いますが、これは予算はどうなっているんでしょうか。

○説明員(工藤智規君) 予算につきましては、かねがねこの手引につきましては日本学校保健会に委託してお願いしているわけでございまして、同法人への補助金の中でこの手引の改訂作業も行っていただいております。予算額としては研究委託費で約六百万でございます。

○山下栄一君 だから、学校保健会もこれは当初予定しておられなかったことじゃないかなと思うんですよ、平成九年度予算をつくるときに。だから、これはどういうふうな使い方をするのかなということをお聞きしているんです。

○説明員(工藤智規君) それは、日本学校保健会へはほかの事業もいろいろ委託したり御援助したりしているわけでございますが、全体の中で緊急性を勘案しながら御理解いただいているところでございます。

○山下栄一君 もう時間がございません。
 夏、七月は特に青少年非行問題の月間としてさまざまな省庁が取り組んでおるわけです。七月、八月、九月に入っても中学生、高校生の覚せい剤取締法違反の逮捕の事件が連日報道されている。大臣も御存じかもわかりませんけれども、きょうは九月十七日ですが、九月だけでも青森で女子高校生逮捕、奈良で同じく女子高校生逮捕、横浜で高校女子二人と無職女性十八歳逮捕。さらに、大阪でも、高校一年生、十七歳と十六歳の少女二人逮捕。さらに、大阪で私立高校男子生徒三人、中学三年生男子生徒逮捕と。自宅や高校の屋上で休憩時間などに吸っていた。授業の合間に校内のトイレなどで吸引していた。だから、学校がもう汚染されている状況になってきておる。これは九月の話だけです。七月、八月もございますが、時間がございませんので。
 こういう問題、薬物乱用対策推進本部の副本部長が文部大臣でございますので、総理が本部長にこの一月からなられたわけでございますが、もちろん文部省だけの取り組みではとても解決できるものではない。中学生、高校生、十代の青少年がずっと先に進んでいて、大人の我々、学校の先生、親は深刻な事態の認識が大変おくれている。これはもう国を挙げて取り組まないと大変なことになるということを何度も私は指摘してきているわけでございますが、それを踏まえまして、政府の対策本部の副本部長でもございます文部大臣のごの問題に対する御所見、深刻な取り組み、認識をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(町村信孝君) かねてより山下委員にはこの問題について貴重な御意見また御指摘をいただいておりますことを心から感謝いたしております。私も文部大臣に着任してまだ日が浅いわけでございますが、いろいろな、先生の今お話しのことあるいは報道などを含めて大変ゆゆしき事態だ、かように認識をいたしております。特に中学生、高校生、しかも女子の使用割合もふえているというような実態を見るにつけても最大限の取り組みをしなければいけない、このように考えております。
 幸い、今委員から御指摘のとおり、一月に対策本部ができまして、私も副本部長という大変重要な役割を仰せつかっております。それぞれの学校現場であるいは学校現場でないところでかかる事態がまた起きるところが悩みの一つでございますけれども、しっかりとした取り組みをやっていきたい、かように考えておりますので、どうぞ引き続き御指導、また貴重な御意見を賜りますようにお願いを申し上げ、一生懸命取り組みますということを申し上げてお答えにさせていただきます。

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