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国会質問

147国会 総務委員会会議録 2000年03月14日

○山下栄一君 前回の本委員会でも官房長官に質問させていただきました問題をまず最初に取り上げさせていただきたいと思います。
 教育改革国民会議の問題でございますけれども、これは非常に世間といいますか国民の関心も呼んでおりまして、新聞でもたびたび報道されております。小渕総理大臣も所信表明で、教育改革国民会議に非常に期待するといいますか、そういうお話もございました。
 教育分野における行き詰まりといいますか、家庭、地域、学校、場合によっては会社も、公務員の世界もそうかもわかりませんけれども、それぞれ教育という役割が非常に空洞化しておるということではないかというふうに思うわけです。警察の問題もそうかもわかりません。
 そんな中で、育てるということは、別に人間に限ったわけではないんですけれども、人間におけるこの育てるという行為、振る舞いが非常に行き詰まっておる。これは、単に国会議員同士とか中央における議論だけではなくて、国民的な議論をやる必要があるということから教育改革国民会議というのが設置されようとしておるというふうに思うわけですけれども、そういう観点から質問をさせていただきます。
 人選も進んで、近々発足というスケジュールで、官邸を中心に今進んでいるというふうにお聞きしているんですけれども、進行状況を確認したいと思います。いつごろ発足される予定で、メンバーは何人ぐらいで、期間はどれぐらいである程度一つの提案といいますか問題提起が出てくるのかということをお聞きしたいと思います。


○国務大臣(青木幹雄君) 今、総理を中心に鋭意検討しているところでございますけれども、大体今月中にこの教育改革国民会議を立ち上げたい、そういうふうに考えておりまして、先般、座長に前筑波大学の学長でありました江崎玲於奈氏をお願いしたところでございます。今、人選を一生懸命やっておりまして、大体委員の数を二十名から三十名というふうに考えております。
 また、これは議論が始まってみないとはっきりいたしませんけれども、非常に大事な問題であり、時間もかけて慎重にやらなきゃいかぬ問題でございますけれども、やはりいつまでたっても結論が出ないということではいけませんので、大体一年程度を考えております。ただ、議論の内容によってはさらに検討をお願いすることもあろう、そういうふうに現時点では考えております。


○山下栄一君 次は、この国民会議の使命、役割なんですけれども、前回も私なりの提案をさせていただいたんですけれども、その時点ではまだ性格づけも若干不明確な部分もあったというふうに思います。いよいよ発足しようとする段階で、国民会議にどういう役割を与えるのか、どういう期待をしているのかということを確認させていただきたいと思います。性格づけといいますか。
 それで、私としては、いわゆる審議会のような、内閣というか役所に向かってこういう制度改革をしたらどうかだとか法律をつくったらどうだというふうな、そういう役所に向かっての提案じゃなくて、そういうのでは国民会議の使命を果たせないのではないか。それよりも、国民に向かっての提案なり問題提起という、そういう性格づけが今期待されているのではないか、このように考えるんですけれども、このことをちょっと確認させていただきたいと思います。


○国務大臣(青木幹雄君) まだ人選も決まっておりませんし、立ち上がってもおりませんので、詳しい内容については現時点で申し上げるわけにはまいりませんけれども、議員も御承知のように、この国民会議で何を議論すべきかということを実は広く皆さんの意見を聞くために、百人以上の有識者の方々にいろんな項目についてアンケートを出しておりまして、二月末が締め切りでございまして、百数十名の方にお願いをしたところ、現在百名を超える方からいろんな面での回答をいただいております。
 それからまた、広報を利用いたしまして、全国民の皆さんからも政府がこういう教育改革国民会議をつくりますがここでどういう議論をやるべきかという意見を広くいただいておりまして、この回答も実は四千通以上いただいております。そういうものを今整理をいたしておりまして、その結果を見ないと、この教育改革国民会議でどういうことを議論すべきかということも含めて、スタートの時点までにはいろいろな問題を決定していかなきゃいかぬ問題だと、そういうふうに考えております。


○山下栄一君 今、官房長官からも御報告がありましたように、識者に対して意見を御提案願うということでたくさんの方に申し出られて、その返事がたくさんあったという話、また一般国民からもインターネットその他等を通じて意見の提言があるという、そういう広がりがあるということは僕はすばらしいことであるというふうに思うんです。まさにそれが国民会議の設置のねらいではないかというふうに考えましたので、先ほど申しましたように、国民に向かっての問題提起型がいいのではないかということを私申し上げたわけでございます。
 こういう教育改革の問題というのは国家挙げての課題だということを橋本前首相以来、また今回小渕首相も最重要課題だとおっしゃっているんですけれども、だからこれは行政の課題というよりも日本人全体の課題である、また人類の課題かもわかりません。世界、先進国どこも悩んでいるという問題ですので。ただ私は、いろいろ議論された結果を制度改革へとか法律へというふうなことじゃなくてという意味で、国民全部に向かっての問題提起というふうなことを申し上げているわけですけれども、それが一番求められている。
 すなわち、それほど大きな課題だから国の中央でも名立たる方々が集まって、各界の代表が集まって議論しよう、何が問題なのかということを話し合おうと、話し合うことによってそのメンバーの意識改革も行われてくる。と同時に、それを契機として、もっと大事なことというか、もっとと言っていいのかわかりませんけれども、中央だけじゃなくて本当は家の中とか学校とか、要するに地域という一番現場に近いところで同じような国民会議といいますか地域国民会議というか、そういうのをやろうじゃないかというふうなことがあちこちで起こってくる、それが私は一番大事なことだと。
 とにかく、お任せという形で中央でやっている、そして制度改革へということじゃ、これは何のための国民会議かというふうになってしまうので、中央における国民会議を契機にして、全国津々浦々で、家庭で学校で地域で、大人同士、親、地域の方々、そして学校の先生、場合によっては子供も参加しながらお互いの意見交換をする、問題提起をする、そこから意識改革が広がっていく、その意識改革が物すごく大事だと。だれかにお任せして解決できる問題じゃないということの大運動、国民運動をやっていく中に本当の教育改革がある、そういう自分自身の考え方がございますので、ぜひこの教育改革国民会議は国民に向かっての問題提起型にしていただきたいということを、これは私の意見ですけれども、ぜひ御勘案をしていただきたい。
 こういう考え方に対しての官房長官のお考えをお聞きしたい。


○国務大臣(青木幹雄君) 確かに、教育改革国民会議の目的といいますか、議員が今おっしゃったことも一つの考え方だと考えております。
 ただ、教育改革国民会議でいろんな議論を重ねて、こういう議論をしましたよ、国民の皆さん考えてくださいという形をとるのがいいのか、それとも真剣な議論の中でこれから日本の教育はこうあるべきですよというはっきりしたものを打ち出して、それを法律をつくるものは法律をつくっていく、いろんな形で具体化していくのがいいのか、これは私は意見の分かれるところだと考えますけれども、やはり議論の過程を見ながら、私はそのことは議論の中で決めていっても、今はっきりさせなくてもいい問題じゃないかなというふうに考えております。
 といいますのは、議員も御承知のように、二十一世紀懇、これは議員が今おっしゃるような形で提言をいたしておりまして、美しい日本の言葉だとか、英語を第二公用語にしろとか、いわゆる義務教育は三日間、また例えば選挙権は十八歳からというような、そういうふうにいろいろ国民に投げかける形も一つの考え方だと思います。また、それだけじゃなくて、やはり権威ある皆さんに集まっていただいて、たくさんの国民からの四千通を超える、恐らくいろんな意見があると思いますが、そういうものを集約して、二十一世紀の日本の教育はこうあるべきだというものをはっきり打ち出していいのか、それは私は議論の過程の中で決めていけばいい問題じゃないかなと、そういうふうに考えております。


○山下栄一君 ありがとうございます。
 そういう考え方でいいと思うんですけれども、どちらかといいますと、今まで審議会方式というのは、今回は審議会じゃございませんけれども、内閣に向かっての識者が集まって話し合って答申を出すという形式が主流であり、余り一般国民は参加しないというふうなことが間々あったということで、教育一つだって、子育てについてはちょっと全員参加で意識改革しないととてもじゃないけれども解決しないのではないかという考え方がございますので、私の意見を申し上げました。
 次の問題に移ります。
 国家公務員倫理法という法律が去年八月にできまして、これは議員立法でございました。ところが、この法律は余り議論されないままにというか、委員長提案でもございましたので、国会の議論が余りないままに成立した背景がある。ところが、私はここに、この国家公務員倫理法ないしその大きな使命を与えられた国家公務員倫理審査会というのは今の御時世本当に大事な使命を担っているなということを感じまして、このことを取り上げさせていただきたいというふうに思います。
 きょうは、審査会長の花尻会長もお忙しいところおいでいただきましてありがとうございます。また、事務局長の石橋さん、ありがとうございます。
 先ほど千葉委員からもお話がございました警察の問題、これは先ほど総務庁長官も、多発しているという、組織的な未然防止対策の必要性から行政監察というお話がございましたけれども、本当に多発というか、もう信じられないということで警察への不信が広がっているわけです。だけれども、この審査会はもうすぐ四月一日から始まる、あと何日か後にスタートするわけで、審査会の使命は本当に大変重要だなと思うんです。
 会長にお聞きしますけれども、今盛んに国会でも議論が行われ、連日テレビ、新聞でもこの問題が扱われている警察、特に新潟県の不祥事でも構いませんけれども、と倫理審査会の使命、会長に就任されての御感想をちょっとお聞きしたいなというふうに思います。


○政府参考人(花尻尚君) 感想を述べろということでございますが、私、もともと倫理法というのは屋上屋を重ねるものだと思っておりました。各省庁にそれぞれ倫理規程があって、しっかりやっておられるのに、その上にさらに国家公務員倫理審査会を設けるというのはまさに屋上屋を重ねるものである、そういうふうに最初思っていたんですが、十二月三日に拝命いたしまして、その後いろいろ事件が起こりました。そういうのを見ておりますと、各省の自浄能力には限度がある、そういうふうに思いまして、やはり第三者機関である審査会がいることが必要だと思いました。
 具体的な新潟県警の事件につきましては、まだ全面的な施行前でございますので具体的なコメントは差し控えさせていただきますが、まことに遺憾きわまる事案である、そういうふうに認識いたしております。


○山下栄一君 ちょっと具体的にお聞きしたいんですけれども、審査会会長に就任されたのは去年十二月三日、いろいろ御準備されてきたと。審査会五人、事務局含めていろいろ、倫理規程ですか、これは正式にはまだ政令になっていないですね、意見の申し出をされたわけですけれども。そういうふうにして、この審査会がスタートをもうすぐするというふうな状況であるとはとても思えないような警察の今回の対応なんです。だけれども、もしこの新潟県の事件がことしの四月以降発覚していたとしたら、まさにこれは審査会のマターになるわけです。そんなことを全然わかっていないような警察の対応であるというふうに私は感じるわけです。
 会長おっしゃいましたように、屋上屋を重ねるようなことになってしまっては大変なことなわけで、第三者機関としての外部的な監視機能が極めて期待されている。だから、一応人事院のもとにはあるけれども、審査会は独立して行政全体の倫理を監視するんだという使命が与えられている。これがもし中途半端になってしまったら、もうますます行政不信、国家不信になっていくというふうに思います。
 具体的にお聞きしますけれども、新潟県警の中田管区警察局長という方がいらっしゃいました。この方は処分されていないわけですけれども、これがもし四月以降発覚したのであるならば、これはもう当然この倫理審査会の扱いになり、そして倫理規程違反として処分されたと思うんですけれども、この点どうなんでしょうか。中田さんの話です。


○政府参考人(石橋純二君) 倫理法が四月に全面施行されますと、倫理法違反あるいは倫理規程違反の事案につきましては従来と手続が大幅に変わります。違反した事実が、疑いがあれば、その官庁の報告が倫理審査会に報告をされます。その報告を受けまして、その事案について任命権者あるいは倫理審査会が調査をすることになります。
 ただいま、新潟県警の事案についてのお尋ねでありますので具体的にそれが処分に至るかどうかというのはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますけれども、違反事実が判明をした場合には、任命権者が調査をしております場合には、処分をしようとする場合にはあらかじめ倫理審査会に承認を求めなきゃいかぬという形になりますし、倫理審査会が調査をしておるときには倫理審査会みずからが懲戒処分を行うことができるという形になるものでございます。


○山下栄一君 事務局長、そういう姿勢ではとても私は使命を果たせないと思うんです。これはまさに倫理規程、まだそれは正式に政令が発布されていないけれども、この中田さんという人は新潟県警へ行って、監察という職務の最中にもかかわらずまさに倫理規程に違反するような供応接待を受けたわけでしょう。これはまさに中身的に対象だと思うんですよ、もう事件がはっきりしているわけやから。ああいう同じような状況があったら、あれは処分されていたんでしょう。処分されていませんか、これ。処分されないんやったらもうこの倫理審査会は全然無能になりますよ。ちょっと確認します。そんなばかな話はないですよ。


○政府参考人(石橋純二君) 個別事案ですのでちょっと控えましたけれども、新しい倫理規程は現在検討中でございますけれども、この規程に基づきますと、中田管区警察局長にとりましては都道府県警察は利害関係者に該当いたします。利害関係者と夜、会食等を行っておるようですしマージャン等を行っておるようでございますので、倫理規程に違反をするということになるのであろうと考えておるところでございます。


○山下栄一君 だから、処分されると思うんですけれどもね。
 今、報告があった場合とかおっしゃったけれども、報告がないケースが想定されるわけですね。もう時間がないので具体的に言いますけれども、要するに例えばマスコミとか一般国民から倫理審査会に告発とか、マスコミにも書き立てられたと、それはにわかに信用できないかもわからぬけれども、そういう状況。今回の場合はもうまさにみずからは報告なんて全然なかったわけですから、だから独自調査とか独自処分というふうなことが必要になってくる場合がある。
 今までも国家公務員法には書いてあったけれども、人事院の職務として、できなかった、具体的にそれを調査する機関もなかったし、そういうことがあった。今回は、独自調査できる仕組みが倫理審査会なんですね。独自の処分もできる、個々の部署、部局の処分じゃなくて、審査会独自の処分もできる。そのための体制を今回、国家公務員倫理法、また倫理審査会を設置することによってできるようになったんだ、こう理解するんですけれども、それでよろしいんでしょうか。


○政府参考人(石橋純二君) 懲戒権につきましては、任命権者が一義的に行使すべきものでありますので、不祥事が起きた場合の調査、懲戒は一義的には任命権者が行うべきものであろうと考えておりますけれども、国民の不信や疑惑を招くような重大事件でありますとか、任命権者に適切な調査が期待できないような場合には、先生がおっしゃられたとおり、倫理審査会が責任を持って調査、懲戒する必要が生じてくるものと考えております。


○山下栄一君 それははっきりさせておかぬとね。倫理審査会というのは、私は、独自の調査権があり、そして独自の処分をする権限を持っているわけですから、これがないというのだったらこれは何のための倫理審査会かというふうになるわけで、法律によってそれが裏打ちされたわけですので、それをはっきりさせておきたいというふうに思います。今、事務局長から話があったとおりです。
 それで、独自調査が行われる場合はどんな場合かとかいうことをお聞きしたかったんですが、時間がございませんので、最後の質問をさせていただきます。
 これは、調査する人ですけれども、事務局がある、五人の正規の審査会メンバー以外に十四名の事務局局員がいらっしゃる、人事院の人が十人でよそから来た人が四人で、十四人だと。それが調査しに行く場合があるわけですよね、別に東京周辺だけではない、沖縄もあれば新潟県もある。その十四人という体制、しょっちゅうこんな事件が起こったらだめなんですけれども、僕は体制も予算も極めて貧弱であるということを思っていまして、調査費もわずか五百万円だというふうに確認させていただきましたけれども。ということは、これは独自の調査なんというようなことはとてもできるような予算になっていないし、何かあったら十四人全部行ってやらなきゃいかぬ、場合によっては会長みずから行かなきゃいかぬというような、調査せないかぬというような状況も、こんなの起こったらまずいけれども、それはできる仕組みになっているけれども、余りにも予算も人もちょっと貧弱過ぎるというふうに私は思うんですね。
 どういうふうにこれは、会長、これで仕事ができるのかというふうに思っていらっしゃるのではないかなと思うんですが、いかがですか。


○政府参考人(花尻尚君) 非常に好意的な御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 予算額の算定というのはなかなか不確定な要素がたくさんございます。四月一日以降、新しい倫理法が全面施行になるわけですが、どのくらい公務員の不祥事が起こるのか、その不祥事の中で審査会が直接審査しなきゃいけない事案というのはどのくらいかというのは、これはなかなか難しいのでございます。結局、予算要求の時点では、過去の公務員不祥事に係る懲戒処分件数、これを考慮して予算要求したところでございます。
 しかし、山下委員がおっしゃるとおり、この審査会の調査、直接に行う調査手続というのは、これは極めて重要な手続であると私どもも考えております。したがいまして、その職責を十分に果たすために、必要な予算措置につきましては四月一日以降の公務員の不祥事の発生件数その他を見定めまして適切に対処してまいりたいと思っております。


○山下栄一君 もう時間がなくなったのですが、私お聞きしながら物すごく不安になってきたんですけれども、どうか国民が非常に期待しておる組織でございますので、ぜひ使命をしっかり果たされますように期待いたしまして、質問を終わります。

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