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国会質問

147国会 総務委員会会議録 2000年05月30日

○山下栄一君 今回の議員立法の措置につきましては、これは基本的人権の保障を前進させるという大変大きな意義があると私は評価させていただきたいと思います。
 その上で、まず最初に発議者にお聞きしたいと思いますけれども、先ほどから質問ございましたように、この法案の趣旨、弔慰金等の支給対象者を在日韓国人等の旧日本軍軍人軍属、戦傷病者、そして戦没者遺族等と、このようになっておるわけでございますけれども、この問題について解決済みということで今まで長い間放置されてきたと。この問題を昨年ぐらいからだったと思いますけれども、やはりこの中間に埋もれてしまっている人を何とか救おうという、そういう動きが出始めたわけですけれども、これには関係者のさまざまな努力があったというふうに思うわけです。
 特に、きょう出席されております発議者である河合議員は、この問題を去年ぐらいからですか国会でも質問されましたし、またきょうの金弁護士、参考人の資料にもございますが、昨年の大阪高裁判決の原告でございます姜富中さん、またおととしの東京高裁の判決原告である石成基さんに直接、河合議員は出向かれてさまざまの無念の思いといいますか、それをお聞きされたというふうにも聞いておるわけでございます。
 そういうさまざまな努力に対しまして本当に敬意を表しますが、発議者の今回の法案提出への思い、また本法律案の制定の意義につきましてお聞きしたいと思います。


○衆議院議員(虎島和夫君) 最近のことについては今、委員の方から経過の説明がございました。
 しかしながら、これは実は私どもが自社さ連合政権をつくっておりましたときに、戦後五十年問題プロジェクトチームというのができまして、私もその座長を仰せつかっておったわけでありますが、その際にも実はこのことについて深く論議をしたわけでありますが、成案を得ることができなかった。したがって、このことは当時のプロジェクトチームの懸案事項として明記して、そしてなるべく早く解決が望まれるという結論であのプロジェクトチームを解散した経緯があるわけであります。したがって私も、あるいは恐らく当時かかわっておった先生方も、政治家としてこのことは懸案という御認識のもとに今日まで来られたと思うんです。
 その間の経緯として、衆議院の方におきましては内閣委員会の方でそれぞれ各党の先生方からも当時の官房長官に対して御質疑があり、あるいは御要望等がありました。これに対しては、当時の野中官房長官からも、やはり懸案事項である、二十世紀に起こったことは二十世紀中に片づけたいという実は意向の表明等々がありました。これは現官房長官の答弁にも引き継がれてまいりました経緯があるわけであります。
 それらから一気に、今回も私どもだけでなくて、これは自自公時代から実は論議がまた始まってまいりました。そして、今日では自公保という枠組みの中でこのような成案を最終的に得るようになったわけであります。経過の御説明を若干申し上げまして、問題の所在についての回答にかえさせていただきたいと思います。
 以上であります。


○山下栄一君 今回の弔慰金等の支給対象者ですけれども、在日の韓国籍の方々、もちろんそれにとどまらず在日の北朝鮮の方々、そして台湾出身の方々と、このようにしておりますけれども、既に日本に帰化された方も含める、こういうふうに書かれております。
 さらに重度戦傷病者である本人に対しては見舞金二百万円に加えてさらに二百万円の、先ほどもお話しございましたけれども、生活支援の特別給付金が同時に支給される点等、我が党の主張が大きく反映されたと、こういうふうに聞いておるわけでございます。過去の我が国における同種同様の措置や諸外国に比べまして、私は遜色のない一歩前進の措置だと考えるわけですけれども、対象者の範囲、それから弔慰金等の金額について、これは民主党案と若干違う金額になっておるわけですけれども、重度戦傷病者の障害の程度についてどのようなお考えでこういう内容になったのか、そういう経緯を含めて河合発議者にお聞きしたい。先ほどちょっと触れましたけれども、ここにかけてきた河合議員の思いも含めてお答えいただきたいと思います。


○衆議院議員(河合正智君) 山下委員にお答えさせていただきます。少し長くなりますけれども、お許しいただきたいと思います。
 本件措置の対象者のまず基本的な要件でございますが、サンフランシスコ平和条約により日本の国籍を離脱した者であって、引き続き日本に在留している方々でございます。これは朝鮮半島及び台湾出身者及び帰化された方も含むことは委員御指摘のとおりでございます。
 さらに、戦傷病者戦没者遺族等援護法上の軍人軍属、準軍属の戦没者遺族、並びに重度戦傷病者及びその遺族としております。なお、重度戦傷病者の障害の程度につきましては、恩給法別表第一款症以上となっております。これはちなみに旧第七項症以上に相当するものでございます。
 遺族の範囲につきましては、死亡者の死亡の当時におきます配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及び死亡者と生計関係のあった三親等内の親族としておるところでございます。
 なお、この対象者の範囲につきましては、基本的には台湾特定弔慰金の対象者の範囲を参考としておりますけれども、重度戦傷病者の障害の範囲につきましては、高齢化の進展など在日の戦傷病者の方々の置かれた特別の状況等にかんがみまして、恩給法の体系、増加恩給の有無などでございますけれども、を踏まえまして、第一款症までを対象としたものでございます。ちなみに台湾特定弔慰金につきましては第四項症までとなっておりました。
 さらに、給付の水準につきましては、弔慰金が死亡した者一人につき二百六十万円、見舞金が重度戦傷病者一人につき二百万円、重度戦傷病者老後生活設計支援特別給付金が重度戦傷病者一人につき二百万円とすることといたしました。
 なお、この弔慰金二百六十万円につきましては、在台の方々に対しまして講じられた措置、二百万円でございましたが、その後の社会状況等を勘案してございます。ちなみに、台湾弔慰金における二百万円に平成十二年度までの恩給改定率を乗じますと二百五十一万円となるところでございます。
 さらに、見舞金二百万円及び老後生活設計支援特別給付金二百万円というのは、長年の御労苦をねぎらいますとともに、高齢かつ重度障害であるという対象者の皆様の老後設計の一助という性格を勘案してございます。
 特に、山下委員御指摘のように、私ども公明党といたしまして、対象者に帰化された方も含むように、また給付の内容で重度戦傷病者老後生活設計支援特別給付金二百万円を見舞金二百万円と合わせて支給するということにつきましては、公明党側から自民党の虎島小委員会に強く要望していたところでございますけれども、これが実現されたということにつきましては、私たちは感謝にたえない思いでございます。在日の皆様がこの日本で日本人と同じように生活されて、しかも高齢化されているという現実に対しまして、我が国としてなし得る最大の気持ちを込めた真心をあらわすものと私どもは考えているところでございます。


○山下栄一君 この法律の施行期日ですけれども、「平成十三年一月六日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日」と、このように書いてありますが、これは対象者が極めて高齢であるということ、先ほどから何遍も言われておりますけれども、少しでもやっぱり早く施行すべきだと思いますし、と同時に、こういう制度ができるということを速やかに周知徹底することが求められるというふうに思います。
 こうした課題に政府がどのように取り組まれるか、お聞きしたいと思います。


○政務次官(長峯基君) お答えいたします。
 先生御承知のとおり、本法案の施行時期は中央省庁再編直後でございまして、日程的に相当厳しいものがあると理解をいたしております。しかしながら、御指摘のように関係者の高齢化が進展いたしておりますので、関係省庁や地方自治体の協力を得て諸準備を急ぎ、制度の広報、相談などを可能な限り早期に行えるように努力いたしたい、そのように思っております。


○山下栄一君 努力をもっとしっかりと、体制を整えて、お願い申し上げたいと思います。
 それと、先ほど森田委員も最後におっしゃっておりましたさまざまな福祉措置への影響、今回の一時金の支給によって福祉措置が停止されたりまた削減されたりすることになりますとこれは何のために支給するのかという、本来の意義が損なわれるというふうに思うわけでございます。
 そこで、ちょっと政府にお聞きしたいんですけれども、厚生省でしょうか、ほかのさまざまな福祉措置というのは、先ほど虎島議員からも少しお話がございましたけれども、これは相当たくさんあるんじゃないかなと思うんですね。それを一々挙げてもらう時間がございませんけれども、どういうふうな制度があるのかということを、所得制限等への影響にかかわるそういう制度がどれぐらいあるのかということを明確にして御報告いただきたいというふうに思います。と同時に、今回の支給措置によって影響されることがないということを、先ほど虎島議員も担保しておるとおっしゃっておりましたけれども、政府の方からもこの点明確にお答えいただきたいと思います。


○政府参考人(炭谷茂君) 在日韓国人の方々につきまして、いろいろな福祉サービスを現在受けていらっしゃるわけでございます。
 今回の措置によって影響を受けるかもしれないというものを私どもなりに想定いたしますと、一番大きいものは、まず生活保護制度、それから社会福祉施設への入所、また介護保険、医療保険などの保険料へのはね返りというようなものが考えられるわけでございます。これらにつきましては、例えば生活保護については対象となる方の収入によって実施の可否が決まったり、福祉施設への入所、社会保険については利用者の負担額が変わるなど、収入によって取り扱いが異なってくる場合が多いわけでございます。
 しかしながら、ただいま先生がおっしゃられましたように、今回の措置が実って、このような福祉措置への影響がないようにするというようなことを私どもとして行わなければならないということは、衆議院の内閣委員会の附帯決議などにも出ているわけでございます。
 このため、私どもといたしましては、具体的には、例えば生活保護制度につきましては、本法律案に基づく弔慰金等を受給したことをもって生活保護が廃止または減額されることのないよう、弔慰金等が収入認定の対象とならないように配慮することとしております。
 また、介護保険や国民保険の保険料などにつきましては、この法律において、十七条でございますけれども、弔慰金等は非課税とするという旨の規定がございます。保険料は課税対象額を主に対象にして計算いたしておりますので、この規定に基づきまして負担額が増加するような不利益は生じないというふうに考えております。


○山下栄一君 終わります。

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