150国会 経済・産業委員会会議録 2000年11月07日
○山下栄一君 お昼休みのど真ん中で大変申しわけございません。これで終わりでございますので、私の方から質問させていただきます。
一週間前に通産大臣とイランの石油相と基本合意されたというふうに聞いておりますイランの石油開発問題でお聞きしたいと思うんです。この基本合意の内容、それから正式の契約はまた別のところでされるとは思うんですけれども、どういう形で今後この油田開発の交渉が進められていくのかという点についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
今般のハタミ大統領の訪日に際して、私、ザンギャネ石油大臣と会談をいたしました。
エネルギー関連分野における両国関係の強化を図っていくべきという共通の認識に基づいて、油価の安定でありますとかあるいはエネルギー協議の推進に加えて、石油そして天然ガス開発にかかわる重要性についてお互いに合意をしたところであります。それに基づいて、特に石油・天然ガス開発については、石油の中東依存度の低減という政策目標もあるものの、世界の石油埋蔵量の大半が御承知のように中東諸国に偏在をしていることから、引き続き中東諸国における石油開発プロジェクトは石油安定供給の実現の観点から重要である、こういうふうに考えられます。
このような中で、通産省といたしましては、我が国企業によるイランの石油開発事業への参入は歓迎すべきもの、こういうふうに考えておりまして、ハタミ大統領の訪日時に、我が国の石油会社、イラン国営石油会社との間で、具体的に申しますと、もう御承知だと思いますが、アザデガン油田の特定地域の評価及び開発に関して我が国が優先的に交渉を開始することで合意をいたしまして、私と、そしてザンギャネ石油大臣の間でその合意書に調印をしたところであります。今後、我が国の石油会社とイラン側との間で交渉を行い、具体的な契約を締結することになる、こういうふうに思っております。
また、その他の油田への参加についても適宜情報交換を行って、日本企業が外国企業と交渉することをイランが慫慂し支持することに関して合意に至りました。今後、我が国の石油会社とイラン側との間で鉱区の特定やその評価、契約条件にかかわる交渉を行い、実際の事業に関する契約を締結することになると思っています。
大体、以上がそういう内容でございます。
○山下栄一君 これは、新聞報道で埋蔵量等も数字で言われているわけですけれども、この埋蔵量の信頼性、それと、イランという国そのものも久しぶりの正式のこういう交渉合意ということでもございますし、非常に地域的にも不安定な要素も将来的にあるというふうに認識しておるわけです。
こういうところに、基本的な合意でこれから具体的な交渉段階でいろいろやりとりがあると思うんですけれども、国家がこういう形で介入して国家的プロジェクトという形で進めていくわけですから非常に責任も伴うわけですし、これは、石油公団の経営問題等も堀内元通産大臣が指摘されてからいろんな改善の努力もされているわけですけれども、こういう自主開発原油に手を出していくということについても、確かにエネルギーの安定供給ということも大事ですけれども、もう一面、やはり国のお金を投入するということから、そういう事業リスクの評価をどうするかとか採算性はどうかということもあわせて問われるわけでございまして、この辺の状況はどうなっておるのかということを確認させていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) そのアザデガン油田については、イランの国営石油会社がこれまでの二本の坑井、これを掘削しまして評価したところ、新聞等にも出ておりますけれども、埋蔵量を二百六十億バレル、こういうふうに推定しているところであります。
今後、我が国の石油会社がイラン側と契約を締結しまして、さらなる坑井の掘削等、評価作業を進めることにより、より確度の高い埋蔵量の推定がなされるものと考えております。
二本の坑井を掘削した結果、非常に少なく見積もっても二百六十億バレルと、こういうことで、確かに、国のお金もつぎ込む、こういう形になりますと、その確度、そういうものが問題になりますけれども、やはり今の埋蔵量を推定する技術等を踏まえて、これは非常に間違いないと、こういう考え方に立っておりまして、私どもとしては、場合によってはその二百六十億バレルがさらにふえる可能性もあるのではないか、そんなふうに思っています。
また、契約期間については、今後、我が国の石油会社とイラン側が交渉して決定されるということになると思っておりまして、事業の確実性、将来性については、我が国の石油会社が行う評価作業の結果を踏まえて会社自身が最終的には判断をする、こういうふうに思っておりますけれども、我々としては、そういう確度の高いアザデガン油田に対して、イラン国営石油会社と、そして民間の我が国の石油会社としっかりとした交渉をしていくことを見守りながら支援をしていきたい、こういうふうに思っております。
○山下栄一君 今ちょっと具体的な実施主体というか、民間会社が実際されていくんだと思うんです。この会社の選定なんですけれども、新聞でも幾つか会社が書いてありましたけれども、国がまだこれ基本的合意をした段階で、具体的に本当にこれが進んでいくかどうかもまだ不安定な部分もあると思うんですけれども、既に幾つか言われて報道されておると。この民間会社の選定がちょっと不透明ではないかなと思うんですが、この点どうなっているんでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。
○政務次官(坂本剛二君) お答えいたします。
これまでインドネシア石油と石油資源開発株式会社がイラン側と交渉を進めてきたというふうに承知をいたしております。また、そのほかにもイランの石油ポテンシャルの高さに大きな関心を持っている会社が存在していると承知しております。
イランの石油・天然ガス開発に参入する石油会社につきましては、政府が選定するわけではありません。今後のインドネシア石油及び石油資源開発株式会社とイラン側との交渉の中で、これらの会社以外の参加も含め商業ベースで決まっていくものと考えられます。また、私は、日本の企業だけで本案件を進めなければならないとは考えておりません。場合によっては外国企業の参加もあり得るものと考えておるわけでございます。
ちなみに、インドネシア石油は財務内容が大変いい会社です。それから、石油資源開発株式会社は技術力がずば抜けておると、こんなふうに言われておる企業でございます。
○山下栄一君 さっきちょっと触れましたけれども、今おっしゃった二つの会社、ともにこれ石油公団が大変かかわっておる、ひいては通産省もかかわっておる会社である、OBもたくさんいらっしゃっていると、こういうことであるわけですから、いずれにしても民間会社が表に出るけれども、実質は石油公団そして通産省、国の資金もさまざまな形で融資もされていくんだろうと思いますし、この辺は透明性そして国民への説明責任というのはやはり通産省としても問われると私は思うわけです。
それで、ちょっと確認させていただきたいんですけれども、これは去年の石油審議会の報告書なんですけれども、石油開発事業について次のように書いてあります。石油開発への支援は通産省、石油公団それから民間会社、要するに出融資先会社相互の役割負担を明確にしろ、そして政策決定及び実施プロセスについて透明性を確保して国民の理解を得ながら進めなきゃならないと、こういうふうに書いてあるわけです。
まさに今回の、国が、通産大臣も直接乗り出されてのこの合意からスタートする、正式には国民はそういう形で感じると思うんですけれども、今の話じゃ何か前から交渉をやっていたという話だったわけですけれども、これはやはり大きな、元通産大臣みずから指摘された石油公団の経営のあり方、国のお金の健全な使い方、採算性、この辺はやっぱり重視して石油開発を行うべきだという声が大変大きく広がっておるわけでございますので、今私読み上げましたけれども、通産省、石油公団、民間会社の役割分担を明確にするという観点、それから政策決定及び実施プロセスについて透明性を確保して国民の理解を得ろという石油審議会のこの報告書、今回の事業に当てはめてどのように通産大臣はお考えかということを確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 石油公団のお話が出たわけでありますけれども、もちろんこれは国が関与しているプロジェクトでございますし、今御指摘がありました透明性それから信頼性、こういったことは我々はきっちりと担保しなければならないと思っております。
石油公団によるこのプロジェクトの支援につきましては、企業が実際の事業に関する契約の締結に至るのを待って、通常の案件と同様に、企業から投融資の申請があった時点で厳格な審査を行い、その採択基準を満たしていれば投融資による支援を行うと、こういうことに相なると思います。
その際、今委員御指摘の透明性や信頼性、これをやはり通産省としてもきっちりと担保して、国民の皆様方に不安を抱いていただかないようなそういう体制で臨んでまいりたい、こういうふうに思っております。
○山下栄一君 ちょっと一つ確認させていただくのを忘れましたんですけれども、この自主開発原油の輸入全体に占める比率をどれだけ確保するかということも大きな課題であると思うんですけれども、一応全輸入量の三割ということをめどに今まで数値目標を掲げてきたと思うんですけれども、今回のイランとの基本的合意を踏まえて、現時点でというか、この自主開発原油の輸入量の割合、通産省としてどのようにお考えになっておられるのかということをお聞きしたい。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
我が国の原油の輸入量は四百三十万バレル・パー・デーぐらいでございまして、そのうちイランからの輸入は、現在第三番目の国でございますけれども、五十万BDでございます。
御指摘の自主開発原油でございますけれども、これは現在のところ六十五万BDにとどまっておりまして、これまで目標とされておりました三分の一程度まで達しておりません。
アザデガン油田の今回の合意を踏まえて交渉が妥結をされ、具体的な生産あるいは日本への引き取りというような形になりますれば、その部分ふえることは期待できるわけでございますけれども、まだどのぐらいの量、開発、生産されるのかというところは確かになっておりません。今後の日本の民間企業とイラン国政府関係会社との交渉、その後の具体的な開発、それによって具体的な数字が出てくる、こういうふうに期待をしているところでございます。
○山下栄一君 もう終わりたいと思いますけれども、最後に一問だけ、国内石油開発の観点なんですけれども、いろいろお聞きしたいところがありますけれども、あと一つだけで終わりたいと思います。
ここ数年間は百五十億円前後で年間調査費を計上してきたわけですね。これが今年度半分に減っているわけですが、国内石油開発につきましてもいろいろ調査されながら、有望なところも日本全国幾つかあるという。ただ、商業ベースに乗るかどうかは別といたしまして、その辺の調査は必要であるという観点からずっと調査費が計上され続けてきたと、ここ数十年。急激に減った理由だけちょっとお聞かせ願いたいというふうに思います。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
国内石油天然ガス基礎調査委託費の予算額でございますけれども、御指摘のとおり、平成九年度から平成十一年度までおおむね百四十億円超の予算でございましたけれども、平成十二年度は七十一億円超の予算になっております。
この国内石油天然ガス基礎調査の目的でございますけれども、国内の石油、天然ガスの埋蔵の可能性を把握し開発していくことで、民間企業では実施できないような探鉱リスクの高い地域を先行的に調査してきております。
その成果につきましては、リスクの高い地域における調査を行う結果といたしまして、直接油が出たりガスが出たりした坑井は八十一坑中六坑にとどまっておりますけれども、必ずしも油、ガスが産出しなかったものにつきましても民間企業が石油開発事業を実施するために有用な情報をこれまで提供してきております。
具体的には、伝統的に生産が行われております新潟県、秋田県の陸域のみならず、新潟県沖、福島県沖あるいは北海道の陸域など、多くの新規の油田、ガス田の発見、開発に貢献してきております。ちなみに昨年度、十一年度におきまして実施した調査におきましては、三陸沖において相当量の天然ガスが発見されたり、あるいは御前崎沖でメタンハイドレートが発見されるなどの成果を得ております。
しかし、御指摘のとおり、石油開発政策全体の見直しを進めておりまして、その一環といたしまして、昨年の石油審議会の開発部会におきまして今後の進め方につきまして検討が行われました。この検討成果を踏まえまして、石油公団から委託をいたします石油開発会社の具体的な選定方法等につきまして、入札の導入等、競争的な仕組みを実施するべきだ、こういう答申をいただきまして、本十二年度からその方向で進めております。
こうした石油開発政策全体の見直しの中で予算額につきましても厳しく見直した、こういうことでございます。
○山下栄一君 余りわかりませんけれども、終わります。