150国会 経済・産業委員会会議録 2000年11月09日
○山下栄一君 公明党の山下でございます。
午後の質問の予定が午前中になりましたもので、所管外の文部省、それから警察の方に大変御迷惑をおかけしたわけでございますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
先ほどから国民生活センター理事長の話、また加納委員の御質問に対する通産大臣、また政務次官等のお話を承ってもわかりますとおり、世の中の進歩とともに、特にこの経済取引、商取引の新しい商法、新しい商法も消費者のためになる商法だったらいいんですけれども、悪知恵を働かせて消費者を不幸に陥れるという、そういうふうなことが特にこの不景気の中で続いておる。続いておるだけじゃなくてふえている。そういう現場の苦しみ、悩み、消費者のそういう訴えに対してなかなか適切な手を打つことができない。大変な被害額、大変な犠牲者を出して初めて法規制とかいうようなことが繰り返されているという状況があるわけです。
そういうことを考えますと、私は、現場でさまざまな相談に取り組んでおられる国民生活センターを初め全国にある消費者相談の窓口、それだけじゃなくて消費者団体が、いろいろ陳情という形だけじゃなくて、積極的に消費者教育というか啓発に現場からの御要望をどんどん言っていただいて、それを速やかに受けとめていくという対応がますます必要になってくる。そういう意味において、相談業務をやっておられる方々また警察の役割は大変重要だ、こういうようなことを感じております。
それで、警察の方にお伺いいたしますが、警察の摘発が最大の教育だ、摘発なくして啓発なしというか、そういうようなことを非常に感じるわけでございます。摘発することによって消費者が学ぶし、また業者に対する有効な手を打つことができるということだと思うんですけれども、警察の役割がもっと上手に生かされるようなことをやっていただきたいなというようなことを思います。
それで、今回の法改正に結びついた一つのきっかけが産構審における警察庁の御提案であったということを聞かせていただきました。
先ほど通産大臣からもお話がございましたけれども、会員契約の最初の会員費というか入会費というか、これが二万円以上ということを利用した脱法行為というようなことが大変警察を悩ませてきたというようなこともあったというふうに感じておるわけで、それを現場から警察が産構審で訴えたことが今回の法改正に私は直接結びついたということを考えましたときに、今までこういうことは余りなされなかったのかなというようなことを、いわゆる警察と通産省、また諸官庁との連携ですけれども、これをもう少し上手にやれば、一番現場はよく知っておられるわけですから、何が課題か、新しい手口はどうだ、現場の被害者はこうだというようなこと、これは何とかならぬかということを法規制に結びつけていくということ、これが非常にかぎを握っておるというふうに感じるわけでございます。
その辺は言いにくいかもわからぬけれども、警察の方、こういう商取引の規制にかかわる他省庁との連携をさらに上手にやるためにどういうことが、現状と課題ですね、この辺ちょっとお聞かせ願えればと思います。
○政府参考人(佐藤正夫君) ただいまの御質問につきましては、従来より通産省等との関係機関との連携を強化して必要な御意見等を申し上げているところでございますが、今後とも、取り締まり等を通じて承知している悪質商法の被害実態や取り締まり上の問題点等につきまして、必要に応じて被害防止の観点から通産省を初めとする関係省庁、機関等に提供するなど、一層緊密な連携を保持しつつ対処してまいる所存でございます。
○山下栄一君 ちょっと具体的に聞きます。
そうしたら、そういう審議会で、審議会の小委員会か部会かわかりませんけれども、そういうところで直接訴えたというふうなことは今までどれぐらいあったんですか。今回はあったということは聞きましたけれども、これは非常に有効だったわけだから、そんなのは今まで余りやっていなかったのかなというようなことを感じるんですけれども。
○政府参考人(佐藤正夫君) このたびの審議会のほかに、平成七年にも当時の生活経済室長の方から悪質商法の実態と法制上の問題点等につきまして御説明をしたという経緯がございます。
○山下栄一君 それぐらいかと言いたいんだけれども。
通産大臣、これはやはり現場の、まさに警察だけじゃなくて、消費者団体とか国民生活センターでもいいんですけれども、僕は実態をよくわかっておりませんけれども、こういう審議会で直接生の声を反映させる。委員にもそういう方が入っておられる場合もあるかもわかりませんけれども、もう少し、特に警察なんかは呼ばれて初めて行くとかじゃなくて、日常緊密に連携をとりながら、審議会でどんどん現場の直接の生の声を反映させながら法規制に結びつけていくというようなことをもっとスムーズにやられたらどうかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回、訪問販売や割賦販売についてのトラブルを防止する、こういうことに対して関係省庁が協力をしながら上程させていただいている。
やはり今委員御指摘のように、こういった消費者が大変なトラブルに巻き込まれないようにそれぞれ職種を持っているわけでありますから、いわゆるそういうところを有効に吸い上げて、そして連携を密にして、そして迅速に対応するということは当然必要なことだ、こういうふうに思っておりますので、さらに連携を密にしながらこういった被害が本当に未然に防げるような、そういう体制をつくっていくことに努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
○山下栄一君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それと、警察の方にもう一点、これも御提案ですけれども、限られた職員体制の中でいろいろこういう、例えば不法投棄の問題とか環境事犯、それも非常に一般国民が期待している、警察もっと頑張ってくれと、それからこのような生活経済事犯といいますか、これももうイタチごっこで繰り返されているわけです。
私は、生活経済事犯の専門捜査官というか体制づくりはなかなか難しい面もあるかもわかりませんけれども、これはやはり業者にだまされないように、業者から事情聴取しても聴取する側がだまされておったら話にならぬというようなことがありますし、また被害を受けている方々も、先ほど理事長がおっしゃったように、若年層なんかは特にマインドコントロールを業者からされて、それでひっかかってしまうというようなこと、本人は別に被害者意識はないけれども親が大変苦しんでいるという、場合によっては自殺とか子供を殺して自分も死んでしまうというような事件に発展するようなことが大変な被害額、精神的苦しみに発展するようなこともこういう生活経済事犯ではあるわけでございまして、そういう被害者の気持ちもよくわかりながら、なおかつ業者の悪い手口を敏感に感じ取って摘発するとか、そういうようなことも現場ならではしかできない、そういう経験に基づくものがやっぱりあると思うんですね。
そういう意味で、こういう専門捜査官体制、これをもっと工夫されたらどうかと思いますけれども、実情と、この提案に対する回答をちょっとお願いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤正夫君) 警察庁におきましては、悪質商法の取り締まりを初めとする生活経済事犯捜査の専門性を高めるため、全国警察の中ですぐれた経験、捜査能力と指導力等を有するベテラン捜査員を生活経済事犯捜査アドバイザーというふうに指定をいたしまして、各都道府県警察の要請により都道府県の垣根を越えた事件捜査のアドバイス等を行うシステムの運用をしていること、及び都道府県警察の生活経済部門の捜査担当者を対象とした各種の研修、教育等を行うことによりまして、その専門捜査力の向上に努めているところであります。
また、最近ではインターネットを利用した詐欺等の悪質商法が増加傾向にあるところでございますので、ハイテク犯罪捜査力の一層の向上に努めているところでありまして、今後とも、複雑巧妙化する悪質商法の手口の変化等に応じまして、必要な専門捜査力の向上を図ってまいる所存でございます。
○山下栄一君 私も、ちょっと警察の方からこのアドバイザー、専門捜査体制といいますか、これをお聞きしたんですけれども、これ、どんどん減ってきているし、平成十二年度十七人、県を越えてそういう専門捜査官の意見を聞きながら、アドバイスを聞きながらもちろんやっておられるんでしょうけれども、もうちょっと強化すべきじゃないか。
特に、大都市なんかはこういう若年層でひっかかっている人がたくさんいらっしゃるわけでございまして、そういう業者に対する取り組み、また拡大予防といいますか、そういう観点からアドバイザー、専門捜査官の役割は非常に大きいと思うわけでございまして、それが何か余りシステム的にやられておられないなというようなことを感じるわけで、大阪府もゼロ、東京でも二人という、全国で十七人ということは都道府県に一人もおらぬところがたくさんあるということであるわけですから、これをもう少し拡大強化したらどうかなと。積極的に御検討いただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(佐藤正夫君) ただいま御指摘のございました体制の強化につきましては、全体の捜査力の体制の整備の中で検討してまいりたい。このたび、このように法改正という運びになりましたので、そういう法改正の趣旨を踏まえまして、強力な取り締まり体制を維持するべく努めてまいりたいというふうに考えております。
○山下栄一君 特に、今回は警察の御提案が直接法改正に結びついたということですから、満を持して、法改正されましたら全国摘発、一斉取り締まりというか、非常に成果が上がるというふうには期待しますけれども、法改正直後は非常に成果が上がるけれども、しばらくするとまた落ちてくるというようなことがよくあるわけでございまして、その辺、まさにイタチごっこの面もありますけれども、ぜひ最大の消費者教育であるということの観点で頑張っていただきたいというふうに思います。
文部省にお聞きいたしますが、この消費者教育というのは、もちろん全国一斉に文部省が指示するということじゃないかもわかりませんけれども、私はもうちょっとこれを工夫してやっていただきたいなと思っております。
時間の都合で、もう具体的に提案させていただきますが、指導要領に家庭科その他で消費者教育をということが言われている。ただ私は、教員を集めて教員に消費者教育の研修をして、受けた教員が生徒に消費者教育をやるということも、もちろんそういうことも大事だと思いますけれども、直接現場のことをよくわかっておられる方を人材派遣して、社会人講師になり、教育委員会で登録をして現場に派遣するということが、教師の啓蒙にもなるし、特に中学生、高校生の社会教育、進路指導になる。
世の中の実態がよくわからないままにだまされて、だまされたということも自覚していないというふうな悲惨なことがあるわけでございまして、これはもうずっと昔から言われているけれども、被害者はふえる一方だというふうなことを考えましたときに、私は、例えば経企庁所管の消費生活相談員でしたか、たくさん全国にいらっしゃるし、通産省の、これは企業中心かもわかりませんけれども、アドバイザーの方もいらっしゃるし、民間のコンサルタントという資格もあるし、フル活用して、そういう方々はもう非常勤の方が多いし、本当に女性の方が非常に多いと思いますけれども、中学生、高校生に適した指導ができる方がいっぱい人材として、社会的財産としてたくさんいる。それを上手に生かす工夫をもう少しやったらどうかなと、こういうふうなことを思うわけです。直接生徒に、中学生、高校生にそういう現場のことがわかっている方々を派遣するという仕組みをもう少し積極的に活用されたらどうかと思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(御手洗康君) 小中高等学校におきます、特に家庭科等におきます実践的な指導の中で、直接消費生活等にさまざまな経験を有する方々においでいただくと、学校教育上大変有益なことと私どもも考えているところでございます。
現在、通産省の所管法人でございます日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会におきましては、学校へ消費者教育の講師を直接派遣していただきまして、教員とともに直接その方々が指導に当たるという事業も実施していただいております。
また、経企庁及び消費者教育支援センターにおきましては、中学生用の消費者教育の教材も各学校に配付をしていただいておりますし、また学校の教員を対象として専門家の方々から具体的な授業の実施方法等について研修を受けるというような事業も御協力をいただいているところでございます。
文部省におきましても、特別非常勤講師制度というような制度を設けまして、教科の免許を有しないさまざまな経験を有する社会人の方々にそれぞれの教科の特別の分野について免許状なしで教壇に立っていただける、こういう仕組みもしているわけでございまして、このための補助事業も文部省として用意をしているところでございます。
もちろん、具体的に各学校にこういったものを使いなさいと、そういう指導まで文部省がするわけではありませんけれども、こういった一般的な特別非常勤講師制度の補助事業等も活用していただきながら、また先ほど申し上げましたような各省庁のこういった事業につきましても、積極的に各学校に周知徹底に努めまして、多くの外部の専門家の方々に直接子供たちが教えていただく、そういったような指導形態を今後とも積極的に普及をしてまいりたいと考えております。
○山下栄一君 制度はあるんです、もちろん僕もわかっていますけれども、だから特別講師制度とか総合的学習時間もこれから新しい指導要領のもとで時間数がふえてくるわけですけれども、だからそういう体験学習になると思うんです。僕なんかも、例えば中学三年生の公民とか高校の政治・経済の授業を思い浮かべたときに、やっぱりそういう現場感覚というのは物すごく大事だと思うんです。こういう生きた経済を学ぶ絶好のチャンスだと思う、消費者教育というのは。
そういうことで、世の中のことがわかってくると進路指導もぴちっとされていくというふうなことも思いますし、そういう意味では、制度はあるけれども、実際に経企庁所管、また通産省所管のそれぞれの相談員、アドバイザーの方々がどれだけ現場で子供たちに接しているかというと、僕は事例は非常に少ないというふうに思うわけです。それはやはり社会的財産であるわけですから、全国の教育委員会等にさまざまな文部省がアドバイスされるときに、それはやはり具体的な消費者教育、被害が物すごいわけですから、金額的にも精神的な影響も大きいわけですから、積極的なお取り組みをお願い申し上げたい。
それから、経企庁にお伺いいたしますが、平成二年に消費者教育支援センターという財団法人ができて十年たつわけですけれども、ここにもっと活躍してほしいなというふうには思います。
青少年を対象とした消費者教育、それを中心にできた消費者教育支援センターですね、これが余り目立っていない。国の支援も余り積極的でないのかもわかりませんけれども、これは経企庁、文部省が主管庁と聞いておりますが、いろいろ教材をつくって配るのもいいんですけれども、やり方の工夫もあるし、国の支援もどんどん減ってきているのかもわかりませんが、青少年を対象とした消費者教育をすることを鳴り物入りでこれができた割には、また教育関係者、消費者団体、企業、行政の四者の協力によりこのセンターが設立されたという割には何か存在感がないなというふうに思いまして、名前のとおり、消費者教育支援センターなんですから、もっと活躍してほしいというふうに思います。
現状と、何が活躍できない課題なのか、この辺のことをちょっとお聞きしたい。これはできるときにうちの党が一生懸命これを訴えて、平成二年にできたというふうにも聞いておりますし、そういうこともございまして、もっと活躍してほしいという気持ちを込めて言っているんですけれども、お願いします。
○政務次官(小野晋也君) 委員御指摘のとおり、これから消費者問題というのは、みずから自立した、みずから判断できる消費者育成というのが極めて大事である。特に学校において、委員も十八年教鞭をとっておられたということでございますけれども、その必要性を認識しておられるというのは私どもも同じ意見でございます。
先ほど御質問のございました消費者教育支援センターの問題でございますけれども、現在、シンポジウムの開催ですとか、それから年四十回程度研修講座等を開かせていただいて、消費者教育に当たられる教員等に対していろいろな知識やノウハウを獲得していただけるような活動をしているというような現状でございます。今後、この消費者教育の重要性にかんがみてまいりまして、先生先ほど文部省に対してお話のございました問題提起もございますので、そんなものを含めつつ支援措置を考えていきたい、こういうことでございます。
○山下栄一君 通産省にお聞きいたします。
これは、マルチ商法の被害者層は、高校生を含む十代後半から二十代で六割から七割を占めておると。この辺が悪徳商法をやっておられる方々のデータであるんですけれども、これは実態をいろいろお聞きしましたら、業者の教育が上手だと。若年層に対して上手に教育しながら、教育といっても悪い教育ですけれども、完全に心をつかんでしまってはまり込んでいくというふうなことが物すごい背景としてあるわけです。そっちの教育の方がすごくて、悪い教育が上手で、反対の啓発教育がそれよりもはるかに劣っているというふうなことが被害を拡大する結果になっているというふうなことを思うんです。
不況の中で、こういうことは、ますますはまり込む若年層は物すごく拡大してくるんじゃないかなというようなことを感じるわけで、新しい商法も、特にネット商法なんて出てきたらこれは大変だなということを思うわけです。ネットで一番熱心なのは若者ですからね。もっとこの消費者教育の総合的な周知、連携をよくしながら、さまざまなところで通産省も頑張っておられるし経企庁もやっておられる、文部省も頑張っておる、警察も一生懸命やっておるけれども、何か連携がうまいこといかぬという、日本の行政の特徴かもわかりませんけれども。特に消費者教育のあり方をもう少し強化する必要があるのではないかということを非常に昨今の状況から感じるんです。
この辺の消費者教育に対する取り組みの決意を、ちょっと通産大臣、この法律の所管の大臣でございますので、ぜひお聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 消費者トラブルの防止については、消費者が自己責任を十分認識するということが一番大切です。しかし、今先生が御指摘になられたように、特に若年層の被害が広がっている、こういうことを考えますと、一概に自己責任を強調してもこれは始まらない問題だと思っております。
そういう中で、やはりトラブルに消費者が巻き込まれないことに十分注意を払うことが必要でございます。そのために消費者に、特に若年層に向かっても、悪徳商法や消費者トラブルの実態、関係法制等について十分な情報を提供する、そして注意を喚起するということは、通産省のみならず関係省庁が連携をしてやらなければならない重要なテーマだと思っておりまして、これまでも実は一生懸命にやってきたことも事実であります。
通産省としては、従来から経済企画庁や国民生活センター、地方の消費生活センターと協力しながら説明会の開催を精力的に行ってまいりました。例えば、地方自治体レベルでは七千八十九回昨年は説明会を行い、また千百二十四回の展示会も行って、一生懸命に啓蒙普及、そして説明をしてきたところであります。
それからまた、今特に御指摘の若年層に大変被害が大きい、こういう観点から、成人式の日をつかまえまして、成人向けに六十万部のパンフレットを配布して、その中で周知徹底するというようなこともやらせていただきました。また、ごらんになったかどうかはわかりませんけれども、全国の九局のテレビチャンネルを利用しまして、本年十月から十二月までの間に十三テーマで五分番組を提供、テレビを通じて、我々テレビからも啓蒙運動をさせていただきました。また、高齢者や若年者や主婦などの対象者にわかりやすい情報もこれから提供していかなきゃならぬと思っておりますし、日本通信販売協会などの産業団体や消費者団体においても各種パンフレットやホームページ等による情報提供や消費者からの相談、問い合わせの対応等をこれまで以上に積極的に行っていかなければならないと思っています。
御指摘のように、これらの民間団体等の活動と政府機関による活動とが相互に連携し合って、消費者の生活により溶け込んだ形で情報が提供されることが消費者の啓発にとって効果的であると考えております。当省といたしましても、御指摘のように、今後とも官民と密接な連携を保ちながら、そして消費者の皆さん方が大きな被害に遭わないように、これからもこの法律成立を契機にさらに力を入れて頑張らせていただきたい、こういうふうに思っております。
○山下栄一君 この被害拡大をできるだけ未然に防ぐ形で手を打つ、そういう意味でこの法改正の前の段階の行政処分、また行政処分のさらにもう一つ前の段階の例えば企業名公表とかいうようなことも有効な手段ではないかと思うんですが、これは企業名公表というのはほとんどされておらない。また行政処分も、例えばマルチ商法、連鎖販売取引で申しますと平成六年からほとんどゼロだと。業務停止命令の前の指示もされていない。こういうことでは、これも法律に書いてあるわけですけれども、ほとんど有効な対応が数字の上ではなされていないという実情がある。
行政処分がほとんどされていない、この背景というか問題点をちょっと教えてください。
○政務次官(伊藤達也君) 今、先生御指摘がございましたように、行政処分の件数が少ないではないかというお話がございました。特にマルチ商法の場合には御承知のとおり二万円という基準がありまして、これを巧妙に活用した規制逃れというものが大変横行しておりました。そうしたものを防ぐために今回この法律の改正というものをさせていただいている次第でございます。
訪販法では行政処分ということがありますけれども、その行政処分の中身は、一つには業務停止命令、もう一つは指示ということでございます。業務停止命令の場合には、これは法律でその事業者を公表することが義務づけられておりまして、また指示についてこれまで公表するということはありませんでしたが、今後、消費者トラブルの実態、そしてそうしたものを拡大していってはいけないんだ、その防止の必要性、さらにはその違反の内容を十分踏まえて、事業者に対する社会的なやはり制裁の必要性があるのかないのか、そういう視点というものを勘案して、消費者保護の観点から公表の必要性があるというふうに考えた場合には積極的に対応をしていきたいというふうに考えておるところであります。
○山下栄一君 いろいろ通産省も取り組みをされてきて、今の二万円の話にしても通達を出しているわけですね、九六年ですか。だから、通達が有効に働かなかった、業者に訴えられたら負けてしまうような事案もあると。というふうなことになってくると、やっぱりこの行政のあり方、姿勢を見直さないとこれは業者になめられてしまう。警察の方も裁判に負けてしまうんだったら摘発できない、こうなっていくわけですから。やっぱりこの行政処分がなぜ有効にできないのか、今指示の段階で公表というような話もちょっとありましたけれどもね。
やっぱり、これ、例えば企業名公表なんかは、同じ会社が繰り返し匿名で国民生活センターに訴えられている、同じ被害だ、同じ手口だというふうなことが例えば何件以上あったときにはもう公表するとかみたいな基準、企業名公表の基準をつくってそれでやるとか、何か新しい方法を考えられないのかというようなことを思うわけです。
特に、私が今申し上げているのは、企業名公表をもう少し積極的にやったらどうかと。確かに、これは訴えられたら心配だという面もあるかもわからぬけれども、この辺の工夫をぜひやっていただきたいと思いますけれども、ちょっとこの辺、きちっとお答え願いたいというふうに思います。
○政務次官(伊藤達也君) 先生御指摘のとおり、やはりそうした悪質な事業者の横行を許さないという視点から、事業者を公表していくということは極めて有効だというふうに思います。
したがって、先ほどお話をさせていただいたように、その被害の実態あるいはトラブルの拡大防止の必要性、さらには違反内容を踏まえた事業者に対する社会的な制裁の必要性という視点から、消費者保護という観点を十分に勘案して、そして必要と認められたときにはちゅうちょなく公表していくということをしてまいりたいと思いますし、その運用を積み重ねながら、先生御指摘のように基準づくりも進めていきたいというふうに考えております。
○山下栄一君 どうもありがとうございました。
次に、信販会社、クレジット会社ですけれども、これは先ほど大臣もほかの方もおっしゃっておりましたけれども、業者がクレジット会社と提携して支払い方法をこうするというふうなこと、例えば大手の信販会社がついているということを信用して契約するというふうなことも私はあると思うんですね。
となってくると、信販会社の責任も私は大変大きいと思います。どの業者と契約を結ぶかというようなことを事前に必ず調査するはずだと思うんですね、信販会社も。被害を受けることもあるわけですから。それは安易にとしか言いようのないような形で信販会社がそういう加盟店と契約してしまうというようなこと、これはもう何とかならぬかというようなことを思うわけで、この辺の取り組みをきちっと徹底していただきたいと、行政指導ですか、思いますけれども、いかがでしょうか。
○政務次官(伊藤達也君) 御指摘がございましたように、クレジット会社が加盟店の管理というものを徹底していく、その必要性というものは本当に先生のおっしゃったとおりだというふうに考えております。
私ども、そうした認識の中で、今日までも加盟店の管理についてしっかりとした対応をしていくようにという要請をしてまいりました。本年一月には、改めてこうした指導をクレジット業界に対して行ってきたところであります。
これを受けて、クレジット会社各社は消費者トラブルの多い商品、役務等を行う約九千店の加盟店に対してチェックを行いました。そして、その結果、やはり販売方法に懸念がある、そういう加盟店に対しては、約七十六店取引を停止する、そして百八十九の加盟店に対しては改善要請を行った、こういった報告を受けているところでございます。
当省としましては、今回の法改正の趣旨も踏まえて、クレジット会社に対して、加盟店の管理の徹底についてこれからもあらゆる機会を通じて積極的に指導をしていきたいと考えておるところでございます。
○山下栄一君 罰則ですけれども、これも甘いのではないかという意見もあるわけです。一年以下の懲役、百万円以下の罰金が、最近の改正で二年以下の懲役、三百万円でしたかの罰金とかいうふうなことに変わったけれども、これでも甘いのではないか。要するに、最初犯罪を犯しても執行猶予になる、繰り返しやっても二年でまた帰ってこられるというふうな、罰金なら三百万で済むというふうなことがある。
サンフラワー社事件というのがありましたけれども、その場合は会社で二十人逮捕された、罰金八百万円だと。交通違反並みだというふうなことではこれは罰則が甘いのではないかという、そういう現場からの意見があるわけです。これは詐欺的行為ですよ。詐欺罪であれば十年以下の懲役だと。余りにも罰則の落差が激し過ぎる。まさに詐欺そのものであるというふうな事件が大変多いわけである。
そんなふうなことを考えますと、罰則もこれはきちっと見直したらどうかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えいたします。
本法による罰則につきましては、今、山下委員が言われましたように、二年以下の懲役または三百万円以下の罰金、これを最高刑として、各種違反行為についてその悪性の程度に応じた罰則が規定されております。
罰則の内容については、今御指摘のとおりでございまして、一年以下の懲役というのを二年以下にし、百万円以下を三百万円以下、かなり罰則が強化されたことは事実でございます。
罰則の水準というのは、他の消費者保護関連の法律の罰則などを見ても、ある意味では妥当なところだと私ども思っています。例えば、不実告知に関する罰則を見ますと、本法では今申し上げたように二年以下、三百万円以下、こういうふうになっておりますけれども、ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律、これはゴルフ法と言っておりますけれども、これは一年以下であり百万円以下。また、特定商品等の預託等取引契約に関する法律、預託法が二年以下で百万円以下。
こういうことになっておりますと、法の今の体系からいって、これだけが突出するということもやはり一つ問題がある。だから、相当強化をした、こういうことで妥当なものだと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、規制や罰則が実際に消費者トラブルの防止にどのような効果をもたらすかは、現実に取り締まりや摘発がどのように行われるか、このことにかかっていると思っています。
そこで、通産省といたしましては、罰則は強化しました、そしてその上に来年一月、法執行を専門に行う消費経済対策課を新設することにいたしました。刑事摘発を担当する警察庁ともこの新設する消費経済対策課が密接に連携をさせていただきながら、悪質業者の徹底した取り締まりと摘発を強力に進めていきたい、これに全力を尽くしていきたい、こういうことで対処していきたい、こういうふうに思っております。
○山下栄一君 最後ですが、割賦販売法の二条四項の指定商品、指定サービス、指定役務の問題ですけれども、この法律は昭和三十年代にできて、指定商品も追加されてきたと思いますけれども、最近、ごく最近は例外といたしまして、指定商品、指定役務の指定の仕組みが私は物すごくおくれ気味だなというふうなことを感じるわけでございます。
どこに原因があるのかなということを、もちろんいろいろ通産省等でも研究されているとは思うんですけれども、英会話とかエステの関連のサービスについては追加されましたけれども、それまでは長年ほとんど追加されてこなかったという歴史なんかを考えましたときに、指定の追加の仕組みをもっとスムーズにできるような工夫を私はすべきではないかというふうに思います。そのために、先ほども冒頭申し上げましたけれども、やっぱり現場のそういう苦しみ、訴えが速やかに指定制度に結びつくようなことを考える必要がある。
これは聞きますと、割賦販売審議会ですか、審議会で通産省が諮問しないと指定できない。諮問しない限り指定されていかないわけですよね。ということは、やっぱり現場との連携を速やかにやることがこういう対策として有効であるというふうに考えるわけでございまして、この指定制の仕組みもやはりきちっと工夫する必要がある、このように感じるわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のとおりだと思っておりまして、クレジットをめぐるトラブルが生じている商品、役務などを機動的に指定していくことが割賦販売法の趣旨に沿うものと、消費者保護の観点からも極めて重要なものだと思っております。
現在は四十七の商品と四つの権利、四つの役務を指定しているところであります。そして、追加指定を進めるに当たりましては、御指摘のとおり、消費者トラブルを扱っている消費生活センターや消費者団体など消費者相談を行う現場から迅速に具体的で正確な情報を入手することはもう御指摘のとおりだと思います。これに我々これから鋭意努めてまいりたいと思っておりまして、こうした観点から、当省では、昨年、日弁連と消費者団体、国民生活センター、そして自治体、業界団体などをメンバーとする指定商品等見直しに関する連絡会を設置いたしました。
トラブルに関する苦情相談の現場からの生の情報の提供を受けるとともに、追加指定を検討する体制を、十六年何もしなかったじゃないかと、こういう御指摘がありましたけれども、整備をいたしました。その結果、もう委員御承知のとおりでございますけれども、本年はリゾート会員権やスポーツ会員権あるいは電話機、ファクシミリ、CDやビデオ、資格講座などを追加指定することが必要との結論に達しまして、現在、政令指定のための手続を鋭意進めております。
今後もこうした体制を積極的に活用して、トラブルの実態を的確に把握して迅速な指定をしてまいるつもりでございます。そういう意味で、消費者保護というものの観点に立って鋭意努力を重ねていきたい、こういうふうに思っております。