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国会質問

151国会 文教科学委員会会議録 2001年03月29日

○山下栄一君 一昨日にも矢野局長にお答えいただいたこと、ちょっともう一回確認させていただきたいんですけれども、特に小中学校の担当の教員の加配、改善計画にかかわることなんですけれども、平成五年に改善措置として法律改正され施行規則も追加された部分の中に、この前も確認させていただきました不登校生徒への指導からの加配措置、それから外国籍の子供たちへの日本語指導並びにその他の指導にかかわる加配措置、通級指導にかかわる加配措置、それからそのほかにも、この平成五年には入っておりませんけれども、今後課題になるであろう問題行動を起こす子供に対する手厚い指導、こういう観点からのいわゆる平成五年に改正された改善措置は七次においても継続されるのかということを再度確認させていただきます。


○政府参考人(矢野重典君) 義務標準法第十五条に基づきましてこれまで措置してまいりました、先ほど御指摘がございました不登校対応あるいは外国人子女等への日本語指導対応、さらには通級指導などの定数措置は、これは今後も継続することといたしておりまして、必要な定数を第七次計画においても確保いたしているところでございます。


○山下栄一君 それから、聾学校において軽度の言語障害等を有する児童生徒に対しての特別の指導、こういう観点からの改善計画も今回措置されることになっておるわけですけれども、これは聾学校の先生をふやすわけですけれども、その先生が養護学校ではない一般の小中学校に例えば通級指導で行く場合にもこれは配慮されると、こういう考え方でよろしいですか。
 要するに、一般の子供たちが養護学校に来て授業を受ける場合の加配措置ということに法律上書いてあるわけですけれども、そうじゃなくて、聾学校の先生が小中学校に行って通級指導、その他の特別指導を行う場合も配慮を当然すべきだと思うんですけれども、こういう考え方でいいわけですか。


○政府参考人(矢野重典君) 通級による指導は、これは平成五年度から実施しているところでございますが、第六次の改善計画におきましては、小中学校にトータルで一千五百二十九人の通級指導にかかわります加配措置を措置いたしたところでございまして、このたびの新しい改善計画におきましては、これに加えまして、聾学校の教員が通級指導を行えるように、新たに百九十四人の定数改善を行っているところでございます。
 この聾学校通級指導担当教員は、聾学校におきまして小中学校から通う児童生徒に対して指導をいたしたり、逆に当該教員が小中学校に出向いて指導することが可能であるわけでございまして、そのような指導の仕方、方法につきましては、これは各学校で地域の実情に応じて取り組んでいただきたいと考えているところでございます。


○山下栄一君 どうもありがとうございました。
 非常勤講師に対する国庫負担の適用が小中学校でもできると、今回の法改正の重要な観点だと思うわけですけれども、この非常勤講師の先生を放課後の部活動の例えば顧問として、指導担当として、放課後の運動クラブ、文化部の活動の指導教官としてのみ、それだけのために配置できるか、こういうことを確認させていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。


○政府参考人(矢野重典君) 今回の制度改正におきまして、教員定数を非常勤講師の数に換算して非常勤講師を活用することができることといたしてございますけれども、そこでお尋ねの課外の部活動でございますが、これは教育課程に位置づけられているものではございませんけれども、学校の教育方針に基づき一定の教育目的を達成するために学校の教育活動の一環として行われているものでございまして、したがいまして、部活動を指導することも、これは非常勤講師の職務に属し得るものでございます。
 したがって、御指摘のように部活動の指導だけを行うために非常勤講師を採用することも可能であるわけでございまして、そのことは今回新設する制度によります非常勤講師についても同様に適用されるものというふうに考えているところでございます。


○山下栄一君 今の御答弁は本当に大事な御答弁だと思うんです。要するに、今もさまざまな議論がございましたけれども、授業を通して、またさまざまな生活指導を通して、先生と子供たちの信頼関係が築かれて、そして教育的効果が大きく上がるための今回のさまざまな改善措置だと思うんです。小学校もそうでしょうし、特に中学校、放課後の部活動の教育的効果というのは非常に期待されておると私は思うわけです。そのために外部指導者の活用等がさまざまな検討機関でも充実を叫ばれてきたわけです。
 要するに、教員の高齢化とともに運動部の顧問のなり手がないとか、指導も素人がやるとなかなか中学生も納得しないとか、まして土曜日、日曜日なんというのは本当に引率も含めてさまざまな大会で大変だと。運動クラブもそうです。また文化系クラブも、これが非常にうまくかみ合えば授業ではできないさまざまな能力の開発も文化部の部活動を通してできるという非常に重要な、放課後の部活動といえども教育的な効果があると。そのときに、現在いらっしゃる先生だけでこれを担当しようと思うと大変だと。放課後のこの部活動、場合によると重荷になる場合もあると。教材の研究もできないと。
 こういう状況の中で、今回の非常勤講師の、何といいますか国庫負担の適用によりまして、私はこういう観点からの効果も期待できるのではないかというふうに考えますので、今の局長答弁というのは大事な答弁だというふうに思います。
 この放課後の部活動の充実につきましては、スポーツ・青少年局でしたか、また文化庁でも予算措置を十三年度もうされておるわけですけれども、これちょっとそれぞれ御説明を簡単にお願いします。


○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、運動部活動は大変大きな教育的意義を有しておるわけでございまして、また、御指摘のような問題もいろいろ生じてきていると、こういうことでございます。
 したがいまして、こういった運動部活動をさらに活性化するために平成十三年度の予算では、部活動わくわくプラン21、こういう総称をいたしまして種々の事業に対する補助等を行うということにしているわけでございます。
 その一つに、やはり指導者の問題が非常に大きいということで、地域の指導者を運動部活動に活用するスポーツエキスパート活用事業、こういうものを一つ行います。これは十二年度は予算的には二千四百人分措置しておったわけでございますが、これを倍増いたしまして四千七百人分を十三年度措置する、こういうことにしておるわけでございます。
 それから二番目に、有名スポーツ選手を学校に派遣しまして、生徒の指導とともにいろんなお話を聞かせる、こういうスポーツ選手ふれあい事業というものも予定をしてございます。
 それから、指導者の問題につきましては、運動部活動を指導する教員で、例えばバレーを専門にやってきたけれどもバスケットを教える先生がいない、指導者がいないというような際に、その分野での指導経験が浅いという人に対しまして専門的な実技指導の研修会を行う運動部活動指導者研修事業、こういうものも行うと。その他いろいろ行っておるわけでございますが、先生御指摘の心配の点についてはこんなような事業を行うということにしておるわけでございます。


○政府参考人(銭谷眞美君) 学校の文化部活動についてでございますけれども、例えば高等学校の例でございますけれども、高校生の中で文化部活動に参加をしている子供の数は大体三分の一ぐらいの子供に及んでいるわけでございまして、学校の教育活動の中でも大変重要な位置を占めていると私どもは考えているわけでございます。
 文化庁におきましては、平成十三年度から学校の文化部活動活性化事業という新たな事業を実施することといたしております。
 この事業は大きく二つの内容で構成をいたしておりまして、一つが、芸術文化ふれあい教室という事業でございます。この芸術文化ふれあい教室は、小学校、中学校、高等学校を対象といたしまして、すぐれた舞台芸術の公演、オーケストラでございますとか演劇でございますとか、そういった公演を実施いたしますとともに、その芸術団体の方々によりまして文化部活動の指導もあわせて実施をしていただこうという事業でございます。
 もう一つの事業が文化部活動指導者派遣事業というものでございまして、これは小中学校の文化部活動を指導するために、その学校に地域の伝統文化の担い手や地域の芸術団体の関係者を派遣いたしまして文化部活動の活性化を図ろうという事業でございます。
 こういった事業を通じまして、芸術文化あるいは伝統文化に関する子供たちの体験や触れ合いの機会を充実し、地域の伝統文化の担い手や芸術団体、芸術家による文化部活動の指導を通じまして文化部活動の活性化を図ってまいりたいと考えております。なお、予算額は約七億円を予定いたしております。


○山下栄一君 それぞれ運動部、文化部ともにすぐれた指導者を、外部指導者という観点だと思うんですけれども、派遣して指導していただくという。私は、これは特に小学校高学年、中学生の段階で、すぐれた運動能力またはそういう指導ができる人、それから文化的な、それこそお茶、お花を初めとして音楽、また特に舞台にかかわることとか、そういうすぐれた指導者に出会うことそのことがもう教育そのものだというふうに思いますので、特に文化庁関係は十三年度新規予算ですし、スポーツ・青少年局の方はそういう指導者の派遣を倍増するという、これは非常に重要な観点だと思うんです。
 今説明いただいたのは、あくまでもこれは教員免許を持っていない方の人件費を支援しようという観点なんですね。それはそれとして大事だと思いますけれども、限られた予算の中で非常にモデル的な派遣にならざるを得ない。したがって、先ほど申し上げた非常勤講師という形で、免許を持っている人が、例えば運動能力を持っている人もなかなか採用試験が通らないというようなこともありまして、能力はあるけれども仕事先がないというような方もいらっしゃるわけですね。そういう方たちを非常勤講師として、例えば放課後の運動クラブの顧問として採用する。それは場合によっては二校かけ持ちでやるとかということもあるかもわからぬけれども、そういうふうにして運動クラブ、文化部を補強するという観点は、非常勤講師の配置の観点からも非常に私は大事な取り組みではないかと。
 これをぜひ市町村、都道府県にこういうことにも使えますよということを教えていただかないと、こんなことはやったことないと思いますので、ぜひそういう啓蒙も、啓蒙というのもおかしいけれども、そのための法改正でもあるというふうなことぐらいに私は思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 残された時間、話す能力の話をちょっと、済みません。
 日本は大体、教育は読み書きそろばんと。先ほど義務教育の内容は何かという話もありましたけれども、読み書きそろばんと言ってきた。それで、話す力というのは余り言ってこなかったという。読み書きの次にそろばんと行くのじゃなくて、読み書き話す、コミュニケーション能力、自己表現する力、そしてそろばんと。そろばんばかりが先行した国づくりじゃなかったとは思うけれども、この自己表現というような観点は余り日本は重視してこなかったかもわからないというふうに思うんですね。そういう意味で、話す力、コミュニケーション能力を育てることというのは私は非常に大事な観点だと思います。
 教育課程でも学習指導要領でも徐々に強化されているということはお聞きしているんですけれども、私はこういうことをできる人というのは日本に余りいてないんじゃないのかと。例えば、党首討論もやっていますけれども、討論する力、自己表現、扇大臣なんかはもう自己表現抜群ですけれども、そういう能力というか、実践的な能力を持っている人、モデルがないから、これはだれが担当するんだと、教員は。国語の先生だと。国語の先生というのは、文法の先生とか文学、そういうことをやってきた先生。国語のところでこういう話す力を養うようになっているんやけど、僕は国語の先生だって急にそんなことを言われたら国語の先生も困ると思うんですよ。
 そういうふうに考えたときに、私は、日本の初等教育、中等教育、高等教育の、特に高等教育の中でそんな専門家を育てる部門というのはないんじゃないのかと、ないことはないかもわからぬけれども。例えば、高等教育においてはどういうところでそれをやっているんだということをちょっとお聞きしたいと思うんです。


○国務大臣(町村信孝君) 確かに私ども、つい読み書きそろばんと言ってしまう。確かに、話すということ、あるいはコミュニケーション能力、今までややもすると軽視をしてきたかもしれません。
 しかし、新しい学習指導要領、先ほどお触れいただきましたけれども、例えば国語の時間の目標の中に「伝え合う力を高める」、要するにコミュニケーション能力を高めるということで、小学校、中学校、高等学校、それぞれそうしたことをかなり強調しておりまして、聞いてみると、我々のころは本当にしゃべるということを余り意識したことはなかったんですが、最近はかなり意図的にディベートさせたりスピーチさせたり、国語であれ英語であれ、そういうことに心がけているようであります。
 ただ、おっしゃるように、それを指導する人がどれだけいるかというと確かに御指摘のとおりだろうと思いますので、例えば、今ちょっと調べてきたんですけれども、小学校の国語の研修のときに俳優さんを呼んできたり、あるいはNHKの元アナウンサーを呼んできたり、あるいはこれは初任者研修で新潟県の場合はお笑い集団NAMARA代表を呼ぶとか、このNAMARAさんという人を私ちょっとよく存じ上げませんが、これがいいかどうかは別にいたしましても、いろいろな努力をして、やっぱり外部のそういう専門家の力もかりながら、表現力を確保するというような努力は従前よりは大分行われているようだと思います。でも、さらにまたそういう努力も必要なんだろうなと思っております。


○山下栄一君 今、大臣おっしゃったように、例えば国語の先生に、話す能力という新しい観点からの指導要領の強化があるから研修を受けてもらって、そういう授業ができるような能力を養おうと思っても、その担当する先生、研修できる先生が、今おっしゃったように、よく考えてみれば、高等教育で訓練を受けたというよりも実践的な中で、例えば落語協会とか吉本興業とかアナウンサーの世界とか、そういう今現在実践的に活躍、俳優さんもそうかもわかりません、そういう方々以外にどれだけいらっしゃるのかと考えたときに、私は、この基本的な人間の能力である話す能力、討論する力、わかりやすく人に自分の意思を伝える、また表現力、そういう観点からも本格的に養成する体制づくりが必要なのではないかと。この前は日本語の話をしましたけれども、今回はそういう観点なんですけれども。
 僕は、例えばこれは浅利慶太先生がおっしゃっているんですけれども、要するに民主主義の基本的な力として、例えば義務教育の正課として西ヨーロッパ系では演劇を正課に入れていくような、そういう国もあると。義務教育でこういう演劇を正課にするということは一遍にいかないかもわからないけれども、人生は劇という観点から考えたら、どう表現して生きていくんだという観点からも非常に大事なものではないかと私は思いますので、この辺の研究もしっかりやる必要があるのではないか。
 演劇は河原こじきというふうに言われてべっ視してきた面があるけれども、自己表現する力というのは今極めて求められているというふうに考えましたときに、日本の教育における話す力、コミュニケーション能力の育成は創造的日本人をつくるための大事な課題ではないかというふうに思いますので、これはやはり本格的に、指導者養成のあり方も含めてしっかり文部科学省におかれましても御検討していただければと思いますけれども、所感を最後にお聞きしたい。大臣にお願いします。


○国務大臣(町村信孝君) 山下委員から大変貴重な御示唆をいつもいただいておりますけれども、今の点、確かに今までややもすれば軽んじていた部分かもしれません。そういう意味で、より一層の充実を、例えば今御指摘になった大学における教員の養成の段階からそうしたことがより強化されますように、一層努めてまいりたいと思います。

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