151国会 農林水産委員会会議録 2001年05月24日
○山下栄一君 大臣の方から、人と自然の共生という観点から非常に熱っぽいお話がございました。私もそういう観点から、きょうは二十分間質問させていただきたいと思います。
この所信表明、ごあいさつの中に、「農山漁村と都市は共生すべき関係にある」という、そういう言葉がございますし、「農山漁村の新たなる可能性」と、農業、林業の新たなる可能性という言葉じゃなく、「農山漁村の新たなる可能性」という表現をされておりますけれども、私もこういう観点、非常に大事だというふうに思っております。
最初に、この林業の話、ちょっと御質問させていただきますけれども、第一次産業としての林業は停滞、後退、担い手がもう成り立たないと。第一次産業的経済的価値はどんどんずれておるという状況の中で、森林そのものの保全が問われていると。これは私は山村と、森林だから山村と言うんでしょうけれども、山村と都市の共生というよりも、森林ないし森林文化は国民全部で支えるんだと。共生というよりも国民全部で支えないかぬ緊迫した状況になってきているぞということじゃないかと思います。
先ほどからも大臣も熱っぽく語られましたように、これは環境保全という観点もあるでしょうし、国土保全という観点、水、空気を守る、さまざまなことが人類的に問われているという状況の中で、森林という地域、そして森林文化が廃れているんじゃなくて、森林文化をもう一度よみがえらせるというふうな観点からの産業的とらえ直しも必要だろうというふうに思います。
そういう意味では、都市に住んでいる方々、森林から離れているところに住んでいる方々が森林地域に参加できるようなそういう政策が非常に大事だというふうに思います。そういう観点から、今回、林業基本法の見直しがあると思うんですけれども。
具体例として里山林ですか、里山林の保全、利用、これはそういう一つの試みだと思うんですね。都市の市民が森林地域で森林の整備をしたりという体験活動もあるでしょう、それを一歩進めるような里山オーナー制度とか、そういうような試みがあると思うんです。この辺ちょっと教えてください。
○国務大臣(武部勤君) 林野庁長官に細かいことは答弁させますが、私は、今、山下先生御指摘のことを痛切に感じております。
そこで、私どもの党の部会でもう何年も前から、PKOならぬGKOですね、グリーン・キーピング・オペレーションなるものをつくって、政府専用機もそんなに頻繁に使っていないんだから、この専用機を使って都市の人たちを里山に派遣して、下草刈りや枝落としやさまざま植林も含めて、老いも若きも一緒になってやることをやったらどうだというようなことを提案した経過がございます。
先生の今の御発言にさらに意を強くした次第でございまして、あと、里山林のことにつきましては林野庁長官に答えさせたいと思います。
○政府参考人(中須勇雄君) 先生御指摘のございました里山林、かつては薪炭利用あるいは落ち葉の堆肥利用というふうなことで地域住民の方々の管理という中にあったわけでありますが、こういった用途が大幅に激減をすると、こういう中で、これからは里山林ということについても、私どもの健康とか潤いとか安らぎの場、そういう意味で人と森林とのかかわりを深めていく場、そういうものとしての期待が高まっていると、こういうふうに認識しております。
このため、私ども今進めておりますいわゆる国民参加による森づくりということの一環といたしまして、都市住民とか地域住民の方々が自発的に行う里山林の整備など、森林ボランティア活動の支援を行うということに努めております。もちろん、こういったボランティア活動のネットワークづくりであるとか、あるいは現実に整備を行うときの資材等の助成であるとか、そういうことを行っているわけであります。
特に、十三年度からは新しい試みとして、単なる森としての整備だけではなくて利用していく、これは例えばシイタケをつくるとか、カブトムシを放って子供たちが後ほどカブトムシをとるとか、あるいは小さな小屋をつくって一定の時間そこで遊べるとか、そういった形での利用とつなぎ合わせた形で里山林の整備ということに都市住民、地域住民がかかわっていく、こういう活動を支援していくという事業も始めたところでございまして、今後ともこういった活動の促進に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。
○山下栄一君 私は、今おっしゃったことも大変大事だというふうに思うんですけれども、だから、先ほど森林文化という言葉を使いましたが、要するに山村に住んでおられる方々が高齢化しておると、その方々は森林文化を支える意味では貴重な人材であると、それがどんどん今、日本から消えていくという、そんなことから、都市の市民も山林でのさまざまな文化を学んだり体験するという、そういうことが今大事だと思うんですね。
だから、そういう、ずっと伝統文化を維持されてきた、産業的な観点から取り組まれてきたんでしょうけれども、山のこと、今おっしゃった昆虫のこと、そんなことをもう体全身でよくわかっている、成長の発達段階とかさまざま含めて。また、木というのを育てるには大変な労力が要るんだというふうなこと、そういう育てる技術、そういう担い手がどんどんなくなっていくのは極めて憂うべき状況だと思うんですね。
私は、非営利的な、ボランティア的な観点からの都市市民の参加ということじゃなくて、第一次産業じゃない産業的な新産業、ここにも大臣おっしゃっております「農山漁村の新たなる可能性」という中に産業的可能性ということも、単に非営利的な活動としての市民参加じゃなくて、そういう仕組みの第一歩が里山オーナー、例えば十年間そこを貸してあげる。そういう経済的価値もあるからこういうことになるんでしょうけれども。
そういうことは都市の市民、物すごく飢えているわけですから、交流ということよりも育てることにも参加する。それは、ずっと日常的に参加できないかもわからないけれども、ある一定期間、考えながら参加していく。会社にも山村活動休暇制度みたいなことも含めて、年間何日間参加する。それは産業的という観点までいかないかもわからぬけれども、担い手の観点からも都市の人が、ボランティア的とかそういう体験活動的観点だけじゃなくて、産業的な芽生えみたいなことが里山オーナー制度にはあるんかいなと思ったんですけれどもね。
そういうふうな新しい産業的可能性、第一次じゃなくて、第三次でも第四次的可能性かもわからぬけれども、そういうふうなとらえ方は林野庁にないんですか。
○国務大臣(武部勤君) おっしゃるとおりだと思うんですよ。
今、先生は交流とお話しされましたけれども、私は対流という言葉を使っております。それはなぜかといいますと、交流というのは、都市の居住者と山元の人たちが交わるというのが交流だと思うんですね。しかし、対流というのは都市の人が田舎に行く、田舎の人が都市にアクセスすると。
そういうふうに、最近はお湯と水を一緒に出しますからわからないかもしれませんけれども、おふろのお湯を沸かしますと、冷たいものが温まったら上に上がってくる、冷たいものが下におりてくる、最後は一つになってくるということで、住まいは山村でオフィスは大阪と、そういうことも可能なんですね、今の時代は。で、都市の人たちにも二重生活を享受してもらおうと。私ども、二重生活ですよ。そういうような意味では、生活形態、ライフスタイルそのものもそういう可能性が開けてくるだろうと。
こういうことと同時に、今お話にありました農山漁村にはビジネスの種はいっぱいあるんです。ただ、いろいろな面の能力でありますとか人材でありますとか、そういったものがないだけでありまして、そういったものを行政の場で支援していくと、政治が誘導していくという可能性は私は非常に大きいものがあると、かように考えています。
○山下栄一君 次に農業の方に移りますけれども。
私は、今、森林地域は国民全体で支えるという、農村もそうじゃないかと思います。農村そのものへの物すごい魅力というか、メダカがすむ田んぼ、そういう生態系保全型農業のいろんなモデル事業もやっておられるそうですけれども。
私は、今度は農業の方はもっと深刻な問題があると。これは単に農村地域を守っていくという観点だけじゃなくて、これは食、食料自給率とか食料安全保障にかかわる第一次産業そのものが消えてはいけないという、そういう場所だと思うんですね。また産業であると思う。今度は、農業そのものを国民全部で支えるという、そういうことが問われているというふうに考えるんですね。
担い手の話があるんですけれども、今現在やられている方が高齢化していると、息子にそれをということ。もちろんそういう政策だけじゃないとは思いますけれども、そういう観点からであれば、僕は、もうじり貧、何ぼいろんなお金をつぎ込んでも知れているというふうに思います。
次に控えておる農業年金も、僕はもう非常に限界を感じておりますけれども。そんなことをやっていても、今度新しい農業年金制度は担い手の育成いうことやそうですけれども。
私は今の農業を全く知らない人たちに視点を当てた、農村でもそんなことをやったことがない、ベンチャー産業としてのバイオ的とらえ方としての第一次産業、農業の担い手。農協がかかわるということじゃない。全く新しい方々が参加したいという意欲がふつふつ沸いてくるような、そういう新しい観点からの担い手づくりを、僕は若い方々はそういうことを欲しているというふうに思います。コンクリートに囲まれたそんなところで仕事するのはもうたまらぬと。農村に、第一次産業、古いイメージの農業じゃない、新しいそういう食文化の創造というか、食は物すごくこれから重要な、食へのこだわりは、今もうテレビの番組でもわかるように物すごいこだわりがあると。そういう意味では非常に重要な分野だと思いますし、食産業は物すごい大事だと。
したがって、生産と流通と加工を含めたそういう一体的な、それは第一次産業じゃないかもわからぬけれども、食産業の担い手という観点からの政策が、そこに思い切り焦点を当てた政策が今問われているんじゃないか。古い型のやつを必死で守るために大量のお金を投入するような施策じゃなくて、そういう新しい担い手づくりの、若い人たちが肉躍るような施策が問われている。
私はよくわかりませんけれども、棚田オーナー制度というのがあるそうですけれども、これは高知県とかいろんなところで中山間地域の棚田をもうやる人がおらぬようになってきている。そういう方々にオーナーになってもろうて、貸し付けしてというふうなことだそうですけれども、それをしようと思ったら、体験的にやっていても育ちませんからね、稲は。そういうことにどういうふうにして都市の方々が参加して農業の担い手として活用できるかみたいな、そういうことが大事なんではないかと思います。この棚田オーナー制度も一つの試みかなというふうなことを感じているので、ほかにもあったら教えてほしいですけれども。
これも含めて、棚田オーナー制度は余り農水省はかかわっておらないそうで、地域的な取り組みだそうですけれども、高知県その他。そういう私が申し上げた観点からの新しい担い手ということに焦点を当てた政策、それをどのように農水省はお考えかということを。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、棚田オーナー制度、都市住民などが会費を払って棚田を借り受け、地元の農民の技術指導のもとで農業体験を行うということでございます。全国各地でいろいろな取り組みが行われているというふうに承知いたしておりますし、私どもが把握している限りでも三十程度の地区で行われているというふうに思っております。このような棚田オーナー制度のもとで、都市住民の方々が現場の農家に実際に赴いて農作業を体験する中で、新たな農業を始める契機になっていくというふうに思っているところでございます。
このような意味からも、私ども棚田制度を含めて都市住民にいろいろな観点からPRしているところでございまして、パンフの作成等を通じて一層こういうような取り組みを国民の皆様方に広く知っていただき、都市住民の方々が新しく農業を始める端緒の一つになっていただければというふうに考えているところでございます。
○山下栄一君 今私が申し上げたような観点からの新しい農業の担い手づくりの構想を、大臣からも一言お願いできればと思います。
○国務大臣(武部勤君) 先生の御提案は、私、全く意を強くする次第でございまして、私はもっと欲張っていまして、担い手とおっしゃいましたけれども、一千四百兆円の個人金融資産を農山漁村に導入しよう、投資しようと。国が金を出してそして農山漁村に行ってもらうなんて、そんな、けちな考えだと私は思うんです。もし銀行に金を預けたって利息もないんですからね。
例えば、僕の田舎に行ったら、芋二十キロ、ニンジン二十キロ、タマネギ二十キロ、おまけにアキアジ一本つけてというような、そういう方式できるんですよ。そういうところに、やっぱり夢に投資をする、そして夢の配当をもらうと。そういう時代になっているんじゃないでしょうかね。
そういう意味では、先生の今の御発言のその奥底に非常に幅広いすばらしい構想があるように思いまして、今後の御指導をお願いしたいと思います。
○山下栄一君 終わります。
○山下栄一君 農業者年金事業、この事業存続が不可能な状態になって抜本的な改革を行って出直すという、そういう法改正の内容になっているわけですが、出直しが中途半端になると、完全に失敗した事業がまた失敗したと。農業者にもちろん特殊な事情があるわけですけれども、国が全力を挙げて支援するための制度、年金財政はほとんど破綻している、どの年金の仕組みも、そんな状況の中で特別の扱いをしてきたと、この三十年間、それが失敗したと。再度出直すに当たって、私は中途半端な出直しは許されないと。
今まで、農水省所管の特殊法人、農業者年金基金、どんな監督をしてきたんだというようなことも問われると思いますし、問われた事実もあるわけであります。私は詳しくはよくわかっておりませんけれども、会計検査院の過去に指摘されたこと、その教訓が生かされたのか、また今後生かしていかにゃいかぬというふうに思いまして、過去の会計検査院の指摘についてまず最初に質問させていただきたいと思います。
昭和五十九年度の決算検査報告以来、平成五年、六年、七年度、平成九年度と過去五回指摘され、そして平成九年に至っては立法府の警告決議を受けている。警告決議に対して、農水省が改善措置を行い、また改善の努力を行いますということを約束しているわけで、こういうことが実際どうだったんだということを検証せにゃいかぬと思うわけでございます。
それで、二階建て部分に税金を投入するという制度はこの制度しかないわけでございまして、その業務が適正に執行されてきたのかということを、しておるのかということを検査院は指摘したわけでございますので、指摘内容を簡潔におっしゃっていただくと同時に、指摘してその後どうなったのかということについての会計検査院のお考えをお聞きしたいと思います。
○説明員(関本匡邦君) お答え申し上げます。
農業者年金事業につきましては、過去五回にわたりまして決算検査報告で指摘しておるところでございますが、指摘の中心となっておりますのは経営移譲年金の不適正な支給という事態でございます。経営移譲年金は、農業者が所定の要件を満たす後継者あるいは第三者に農地の所有権を移転するなどして、農業経営を廃止または縮小ということによりまして適格な経営移譲を行った場合に支給されるものでございますが、検査いたしましたところ、経営移譲者が引き続き農業経営を行っていたり、経営移譲者が農業を再開していたり、あるいは経営移譲の相手方となり得ない者に経営移譲を行っていたりなどしておりまして、これに対しまして、業務受託機関であります市町村の農業委員会におきまして、受給権者から提出された裁定請求書の審査・確認及び受給権者の現況の確認が十分でなかったなどのため、不適正な支給となっていたものでございます。
〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕
こうした不当事項で指摘した事態の不適正支給額につきましては、すべて返還の措置がとられておりますとともに、農業者年金基金では再発防止対策として、業務受託機関に対して資格要件の審査・確認等を十分行うよう指導を強化していること、あるいは関係者に対しては注意処分を行っているということなどについては承知しておるところでございます。
○山下栄一君 それで、要するに、これ受給権者の裁定事務といいますか、それから確認事務、これがきちっと行われていないと。行われていないということは、故意に行われていなかったのか、それとも過失でそうなったのか、そんなことすらわからぬわけで、そういうことも含めて、これが故意で行われたとしたら大変なこれは国民に対する裏切り行為になってくるということになっていくと思うんです。
それで、特に平成五年、六年、七年、立て続けに指摘を受けて、この不当な支払いについては、例えば平成六年でしたら、調べて五十二人わかったと、県は幾つか分かれていますけれども、それで六千万円返還させた。これは税金、返したらいいのかということだと思うんです。
それで、要するに平成五年、六年、七年、三年連続指摘を受けて、警告決議が行われたと。それに対して、これは実際、警告決議に対して答弁したのは大蔵大臣なわけですけれども、これは農水省は責任を持ってこういう内容にいたしましたと、また、いたしますということを報告しているわけですね、平成九年十二月十六日。
その中身は幾つか、四点ほどありますけれども、一つ一つ確認させていただきます。
まず一つは、再発防止ですけれども、再発防止、二度とこういうことが起こらないようにと、二度とこういうことが起こらないというようなことが何遍も続いているわけですが、再発防止策は何をやったのかということをまずお答えください。
○国務大臣(武部勤君) 平成九年度の決算委員会警告決議は、会計検査院から農業者年金制度の経営移譲年金の不適正受給について指摘があったことに関するものでありますが、これを受け、「その再発を防止するため、業務受託機関」、農業委員会、JAでございます、「に対し、文書及び会議等を通じ年金事業の適正な実施に努めるよう強く指導を行ったところ」であるというふうに聞いております。
この文書指導等のほか、受託機関である農業委員会等に対し、農林水産大臣の権限を都道府県知事に委任して行う監査、指導を実施するとともに、農業者年金基金の考査担当職員を市町村に派遣し、業務受託機関が適正に事務処理を行っているか否かを現場で直接確認、指導する措置を強化したところであると、こう聞いております。
これらの結果、不正受給の指摘事例は減少してきたというふうに聞いております。
○山下栄一君 それで、私、これ実際上、指摘を受けたから、指摘を受けたことは、それは会計検査院も体制的に限界あるから、全部、すべての農業委員会をチェックしたわけではないと思うんですよね、市町村ですから。農業基金がそういう農業委員会または農協に業務を委託しているわけですな。そういうところをきちっと指導できるのかと私は思うわけです。手足がないから任しているのに、きちっとできていないからもうその契約は破棄だというようなことは言えないわけで、そういう間柄なわけですね。
だから、僕は基金の中におけるこういうチェック体制がきちっと行われることは普通考えられないというふうに思います。もし、その審査、チェックで受給権者であるかどうかをいいかげんにすると、税金のむだ遣いになるかどうかが問われるわけですから、それがもし故意に行われたとしたら大変だと。また、少なくともこういう指摘を受けたところについては、それが故意に行われたのか、過失なのかということぐらいは、基金でできなかったら農水省が行って、全部はできないけれども、それぐらいの迫力でやらないと、とにかく指導を受けたから集めて指導しましたと、監査体制するように言いましたとか、内部監査なんて機能しようがないと僕は思います。
故意なんかでやったら、これはもう犯罪になるわけですからね。受給権者が適正なのか不適正なのかということは大変な問題になる。その事務を農業委員会や農協に任せているわけですから、仕組みそのものがもう欠陥の仕組みだなというように思うぐらいでございます。
僕は実態をよくわかっていないですけれども、一国民の立場として、こういう制度がずっと続いているわけで、指摘はこれ立て続けに受けたけれども、再発防止、減ってきたというふうに大臣おっしゃったけれども、そんなのどないして証明するんだと、そんなのは。故意なのか過失なのかすら検証しようがないと、会計検査院もそういうことを指摘できないわけで、告発されたらそれはできるかもわからぬけれども、告発する人は一人もおらない。そういう国費を投入してこういう制度をやっているわけですから、僕は、この辺の再発防止というのは物すごく難しいなと、また出てくるとしてもどうしようもないと、これは。
外部の会計検査院に指摘されて初めて、指摘されないと絶対にわからないと、これは。農水省がそんなのどうして調べるんだと、基金そのものは手足がないから任しているわけですから。そんな仕組みで成り立っているのがこの農業基金制度であるというふうに思うんですね。
これは、だから、物すごくこれ、それでこの指摘を受けて四年後に破綻しているわけですからね。再度出直しすると。また、同じようなチェックの仕組みはこれからも行われるわけです。できるだけ担い手を確保したいという、それが甘く行われるのか、甘く行われる可能性はあっても厳しく行われる可能性は極めて少ない業務であると私は思うわけでございます。
だれに向かってしゃべっているのかよくわからないような話でございますけれどもね。僕はこれは、こういう制度、特殊法人が今大きな問題になっておりますけれども、それは監督責任があるのは農水省であり、大臣が最高責任者、その基金を監督する責任は農水大臣にあるわけですから、こういう受託機関の見直しは、どこかほかのものにせいと言ってできへんから、もう一般金融機関にさせようとか、できないかもわからぬけれども、こういうことについての責任、責任の問い方とか、僕はこの指摘されたことについても、今何か注意処分やったとかいう話されていましたけれども、注意処分されたそうですということだと思うけど、どんな責任の問い方したのかというふうに私は思います。
そして、これ今後、これ破綻したわけですよね。破綻する寸前ですよね。だけど、この仕事は続いていくわけです。そして、仕事をする機関も特殊法人たる農業者年金基金ですか、それは独立行政法人になるのか民間委託するのか、それはどうなっていくか私はわかりませんけれども、少なくとも、さっき理事長来られていたけれども、その理事長の今の体制のままいくということは、これは国民の皆さんは納得しないのではないか。全部総入れかえしろというぐらいの迫力で大臣臨まないと、これは私は、また後から確認しますけれども、どれだけの税金を投入するか知らぬけれども、これは許されない。今、年金財政はどこも破綻に追い込まれているわけです。二階建て部分に国費を投入するわけですから、これは僕はいいかげんな形で再スタートはできないと。
大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕
○国務大臣(武部勤君) 私も、党内の論議ではかなり厳しく追及した立場でもございますし、事務方は余り私に答弁させたくないんではないかと思うほど、新しい農業者年金法案についても、本当にこれでたえられるのかどうかというような疑問まで呈した立場でございまして、今理事長の話を聞いていましても、岸先生は適切な答弁と、こう申されましたけれども、農林水産大臣としては、理事長としての責任をどのように考えているのかと率直に感じていた次第でございまして、しかし、農林水産省としては私が最も重い責任を負っている次第でございまして、まずは、これまで会計検査院からたびたび経営移譲年金の不適正な支給の例を指摘されることはまことに残念なことであり、申しわけなかったことだと、このように思っておりますし、今後こういうことのないように緊張感を持って取り組んでいかなければならないと肝に銘じて、今そのような心境でございます。
農業者年金基金の役員を一新すべきではないかということまではおっしゃっていないのかもしれませんが、現在、現行制度の処理と新制度の立ち上げが喫緊でありますことから、現役員はこの業務に専念し新制度の定着を図っていくことがいずれにしても必要に迫られていると、かように存じます。
他方、新制度の定着した後には体制を一新する、体制一新を断行すると、そういう考えで臨みたいと、かように存じますので、御理解をいただきたいと思います。
○山下栄一君 私、今、大臣、一掃しなきゃいかぬと言ったんですよ。一掃する必要があるといってさっき質問しました。
○国務大臣(武部勤君) 体制一新を断行する考えだと申し上げました。
○山下栄一君 いやいや、そうおっしゃったんですけれども、僕はそれをやるべきだと言ったわけで、やったかどうか……
○国務大臣(武部勤君) やるべきだとおっしゃったんですか。
○山下栄一君 やりなさいと言うたんです。
○国務大臣(武部勤君) 先生はもう少し御遠慮されたんじゃないかと、こう思って、それは私の聞き間違いでございます。全く同感でございます。
○山下栄一君 一新すると言うんやけど、何かしばらく仕事させるという話だったけれども、いつまで仕事させるのか。だから、僕はそれは再スタートするに当たって、またこれ五年後の見直し、僕は毎年見直すべきやと思うけれども、どれだけ担い手がふえたのかというようなこと、後からまた確認しますけれども、少なくとも再スタート、これ法律通って再スタートするのは一月一日からでしょう。それはそのときにやっぱりちゃんとやらないと、これは今もどの面下げてとおっしゃった、そのとおりだと僕は思います。僕もよくあんな、少なくとも申しわけありませんの一言ぐらい、こんな事態になりましてということから答弁始めないとだめだと思うぐらい、それでも全然そんな感覚ないわけですから、だから元旦から、これ法律通るか、通るか知りませんけれども、通るとして、一日からちゃんとやっぱり一新すると、こういうことをおっしゃらないと、これは改革断行内閣じゃないというふうに言われると思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(武部勤君) 現在、現行制度の処理と新制度の立ち上げが喫緊の課題であるというふうに認識しております。したがいまして、当面はこのような業務に専念をしていただく、そして新制度の定着を図っていくことが何よりも喫緊の課題だろうと、かように考えているわけでございます。しかし、ただいま申し上げましたように、新制度が定着した後には体制一新を断行すると、こういう考えでございまして、御理解をいただきたいと思います。
○山下栄一君 もうちょっと聞きたいんですけれども、要するに、定着、いつごろとお考えなんですか。いつになったら、僕は体制変えてもどうかなと思うけれども、少なくともそういう意思を国民に示さないと、またこれ続けるんですかと、ちゃんと担い手ふえるんですか、そしてという、先ほども質問ありましたけれども、というふうになっていくと思うんですね。
これパブリックコメントですか、平成十二年にいろいろ意見を聞かれています。意見聞かれたもの、これもいただきましたけれども、意見聞かれた中にも厳しい意見が書いてあるんですよ、これ。一般国民の意見ですよ。「国庫負担(税投入)について」と。農水省が赤字を放置してきた責任は当然ある、各年金が削減の方向にある中で税金を使って削減幅を抑えるのはいかがなものかと、また、戦後、米生産を担った農家には感謝するけれども、加入低迷のしりぬぐいを税金でするのは納得できないと、こういうような意見。これは皆農水省が集めた意見だと思いますけれども、農家だけ税金を使って年金を受けるのは反対だと、自営業は国民年金一人分だけで不況の中頑張っているんだと、こういうふうに寄せられているわけです。
ほかにもありますが、こういう声が、それは限られた意見、これはもう皆さんの意見だと思いますので、定着するまで五年もかかるいうたらいかぬわけで、だからそれは大臣のお気持ちはわかりますけれども、この時点ではっきりやるというふうなことぐらいは言ってください。
○国務大臣(武部勤君) やはり信賞必罰が原則だと思っておりまして、今、いつの時点でばさっとやるというようなことはここで申し上げることは困難だと思いますが、先生の御議論はもとより、私自身も、許されざることが多々あったということで、いいかげんには済まさないぞという、そういう強い決意を持って臨むということを御理解いただきたいと思います。
○山下栄一君 先ほどから自民党の方々が武部大臣に対する御期待、また荒法師というお話もありましたけれども、その姿勢は大臣になられて衰えたということになったら、それは国民に対して申しわけないと思いますし、小泉内閣が今大変期待されている中でこれは問われていると私は思いますので、断固たる処置を示していただきたいというふうに思います。
それから、これ少なくとも指摘を受けたことについて関係者の何か、先ほども言いましたように、返還したらいいというものじゃないと思うんですね、不適正な業務が行われたわけですから。その責任はどういうふうにして問われたのか。僕は、現場もあるけれども、基金の人にどういう処分をしたのか、また本省はどうなのかということを、これ確認させてください。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 現在、農業者年金基金からの年金の受給者が全国で七十五万人いるわけでございまして、この七十五万人の農家をフォローするのはやはり農村の現場に手足を持っている農業委員会と農協というところに業務を委託せざるを得ない状況ではございます。
それで、過去どういうことをしたのかということでございまして、実はこの会計検査院から指摘されました大半は、農業委員会側の調査確認のミスというよりも受給者側の責めに負うべきものが過半、一部に農業委員会の調査確認が不十分だったというものがございました。
そこで、受給者からは返還を受けたわけでございますけれども、農業委員会に対しては、現場に出向きまして現場で確認、指導をして再発のないようにという指導を徹底したということでございます。
○山下栄一君 さっき検査院の方は注意処分があったという話をされたんですよね。今、おっしゃっている話、だから処分というようなことは行われたのかということを聞いているわけですよ。その現場の事務の方というよりも、委託した基金の方の人はだれも責任を問われていないのかと。それで、これは警告決議をされているんです、立法府によって、立て続けに三年も続いたから。それでもだれもこれ責任を問われないまま、とにかくお金を返しましただけですか。それやったらもう存続できませんよ、これ今後。どうして証明するんですか、そんなの。処分しないでやってきた。僕は、それは国民の皆さんが納得できないと思いますから。
内部ではできないわけでしょう、外から指摘を受けて。少なくともそれぐらいはきちっと示さないと、もう規律も何にもない運営をされておると。これ、兆を超えるお金が投入されてきたわけでしょう。いかがですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほど、会計検査院の方から関係者に対する注意処分を行ったということでございます。これは、不適切な調査確認事務の担当者に対しまして、その職場におきまして、この警告決議の趣旨を踏まえて口頭で注意を行ったということでございます。
やはり、この担当者に対する注意よりも、組織としてきちっとした体制を整えるという方が大事であるということで、その組織としての体制を責任を持って整えよという指導を徹底していったところでございます。
○山下栄一君 永田町の論理と世間の論理いうて、ずれがあるいうけれども、もうむちゃくちゃずれた答弁をされているから、もう信じられないような今の御答弁ですけれども。
これは年金制度研究会ですか、平成十一年十二月に、今村さんでしたか、座長として農業者年金制度研究会が「今後のあり方について」という、これは皆さんも、もちろん僕も読みましたけれども、これは、ここに書いてあるのは、実施体制の構築や十分な指導監督に努めることが重要、緊要だと、運用の責任体制の明確化を図るため、受託者責任を徹底するとともに、十分な情報公開が行われる必要があると、こう書いてあるわけですよ。こんなことも外部の人に、それから研究会の人にも言われているわけで、それに対する反省も何にもない。
僕は、これを今後続けられるんでしたら、こういう運用責任はどないするんだ、今後はと。場合によったら、これは基金法の法改正をして責任を問えるような、また、現場がきちっとされているような、何といいますか、チェックをするために立入検査をするとか、不定期に。また、万が一こういう不適正な受給手続が行われたような場合には責任はこういうふうに問いますというようなことを法律の中に明記するとかいうふうなことをしないと、今のままで、会計検査院に三年連続指摘を受けて、立法府から警告決議を受けて、きちっとやりますいうて当時の大臣が言って、そして責任の問い方は何にもされておらぬと。それでは私は存続これはできないと思いますから、責任の問い方をきちっと考えるということを、大臣、お約束してください。
○国務大臣(武部勤君) 御指摘の点を踏まえて、積極的に勉強、検討してみたいと思います。
○山下栄一君 これ結局、冒頭言いましたように、制度ができて三十年たつと。三十年たって再度出直しを強いられているという状況の中で、先ほども御質問があったかもわかりませんけれども、これは農水省としては、この制度は一体当初の政策目的、これ政策年金だそうですけれども、この目的は達成されたのか、どのように評価されているんでしょうか。
きょうから実は行政評価法が審議が始まっているわけで、これまた政策年金、形を、目的を変えて始まろうとしているわけで、三十年間をどういうふうに総括するのか、政策の目的は達成されたのかということをきちっと少なくとも農水省はそれを示して、国民の皆さんに、そして今後こういうふうにしますというふうに言わないと、それは私は通らないと思うんですけれども、どのようにこの政策評価されているんでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 現行制度は、今日までに九十八万人に対して三兆八千億円の年金を支給し、農業者の老後生活の安定に重要な役割を果たしてきたという認識でありまして、農業経営の近代化と農地保有の合理化の観点からは、三十歳代前半の後継者を中心に八十七万件の経営移譲が行われるなど農業経営の若返りや、百五十七万ヘクタールの農地が細分化されずに後継者に継承され、また十五万ヘクタールの農地が第三者に移譲されるなど、農地の細分化の防止や規模拡大に寄与してきたという点につきましては評価されるべきだと、かように思います。
これらの成果につきましては、また、規模拡大につきましては、一件当たりの農地の移動面積が、農業者年金の第三者移譲の場合には、一般と比べて都府県で四・一倍、北海道で二・六倍となっていることなどからも、他の政策だけではでき得なかった効果を発揮したと、かように評価されるものと考えております。
しかし、やはり新たな制度につきましては国民の理解を得るということが不可欠でございます。
先生、今さまざま御指摘のほどでございまして、政策年金として政策効果については十二分に検証に努めてまいりたいと、かように存じている次第でございます。
改正法案の附則においては、施行から五年経過後の新制度の検討に関する規定を置いているところでございますが、五年経過する以前においても行政庁の責務として政策効果の追跡検証ということに努めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○山下栄一君 現在の加入者に対する手当てその他も含めまして、新制度発足になるわけですけれども、今までの分の手当て、これからいろいろお金が必要になってくると思うんですけれども、清算に伴う公的資金の投入額、何年もかかるとは思いますけれども、総額どれぐらいになるのか、示していただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今回措置をいたしました現行制度の処理に伴いまして、そこから発生する年金債務の処理、大体今後約八十年間にわたりまして、受給のカットということを含めまして、私どもの見通しでは約三兆六千億負担する見通しでございます。
○山下栄一君 三兆六千億もの公的資金を投入して清算手続を行う必要があると、八十年間。こういうこともほとんど国民の皆さんは御存じないままにこの新しい制度をスタートするということは、私はこれはとても理解が得られないというふうに思うんですけれども。
このことについてきちっとした説明を、やはりわかりやすく、先ほども申し上げました政策評価も含めて、そして今後はこういたしますというようなものを、どういう形がいいのかわかりませんけれども、きちっと国民の理解が得られる努力をわかりやすい形でやる必要があると思いますけれども。三・六兆という話もきちっと国民の皆さんに知らされていないというふうに思いますし、説明責任が問われていると思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 御指摘のとおり、今後、行政の行います行為については政策評価ということをする必要があろうかというふうに思っております。
今まで農業者年金につきましては、内容がなかなか数量であらわすことが難しい部分が多いということで政策評価の対象から外していたわけでございますけれども、今後、今回の改正によりまして、先生お話しのように、三兆六千億の国費を投入して処理する、新しい制度は担い手の確保のためにこういう制度になるというふうになるわけでございまして、きちっと国民の御批判をいただけるように、政策評価、そしてその公表というものを考えていきたいというふうに考えております。
○山下栄一君 ちょっと、次に大臣にお答えいただきたいんですけれども、今後のこの業務の執行のあり方ですけれども、先ほどちょっと触れましたが、これは基金に運営させるわけですね、この事業は、特殊法人たる基金。この特殊法人の基金をどうするのかと。これは今年度中に答えを出す必要があると思うんですけれども、どのようにお考えなのか。
それと、具体的な、業務委託機関ですけれども、業務委託機関は、私はきちっとした適正な業務が運営されるということについては疑問があるわけですけれども、この受託機関は今のままでいいのか、今のままでいくとしたらこういうふうな改善をするとか、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 財政破綻の原因は基本的には、担い手の減少と農業構造の変化、保険料収納率の低下、未加入者の存在等にあると考えられますが、これまでできる限り運営改善を図るための制度改正について国会での審議をお願いしてきたのでありますけれども、このような農業構造の変化や年金加入者の動向について、制度設計を担当した農林水産省、制度の運営を担当した農業者年金基金、加入促進や保険料収納対策等の業務を受託したJAや農業委員会系統、それぞれに見通しが十全でなかったり努力が不足していたという面はこれは否めません。
今般、国民の皆様や加入者、受給者の方々に負担をおかけし、その御協力を得る形で現行制度の処理と新制度の発足という抜本改革を行うということにしておりますことから、農業者年金基金の業務運営についても、当面、質量とも増大する業務に対応する必要はあると考えておりますけれども、新制度が定着した後には、これまでの反省に立ち、基金のスリム化を断行する考えであります。毅然として対応してまいりたいと存じます。
○山下栄一君 法律の見直しは五年後というふうに聞いておりますけれども、先ほどもちょっと触れましたけれども、新しい政策目的、担い手の確保ということについて、五年間、どうなったのかということでは余りにものんびりした話だと思いますので、これは毎年きちっとチェックして公開すると。そして、達成度ですね、政策目的の。場合によっては、これは五年見直しやけれども、前倒しで見直さないかぬようになるかもわからぬような気がするんですけれども、そのことも含めて、目的の達成状況についてのチェックについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 先ほども申し上げましたが、食料・農業・農村基本法第二十一条は、農業の持続的発展を図るため、効率的かつ安定的な農業経営の育成を通じ、こうした農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造の確立に向けた施策を講ずるべき旨規定しております。
新制度においては、このような農業経営を目指して努力する意欲ある担い手に対し保険料負担を軽減する政策支援を講じ、もって農業経営の改善に専念できるようにすることにより農業の担い手の確保に資することを目的としているわけでありまして、これらの国民の税金を投入する政策支援ということでございますので、不断に点検、分析しながら検証を加えていく必要があると、かように認識しております。
施行から五年経過後の新制度の検討に関する規定がございますけれども、五年経過する以前においても行政庁の責務として政策効果の検証に逐次努力してまいりたい、かように考えている次第です。
○山下栄一君 最後の質問ですけれども、第一次産業というのは農業だけじゃなくて、漁業従事者も林業従事者もいらっしゃる。規模はもちろん同じじゃないとは思いますけれども、公平を欠くという問題は私はないことはないと思うんですね。
そういう意味で、林業従事者、漁業従事者について同じような制度を求められた場合、これは拒否しにくいのではないかと思うんですけれども、こういうことは今までどうなっていたのか、またどういうお考えなのかということ、私、基本的なことに不案内でございますけれども、素朴な疑問としてございますので、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 林業に生計を依存する林家はわずかでございまして、林業者に対する政策年金を措置するということは実態的には意義に乏しいと、かように考えております。森林施業を担う労働者については既存の年金制度への加入を促進するということが適当かと、かように存じまして、既存の年金制度への加入を促進してまいりたい、かように存じます。
また、漁業の分野では、公有水面で漁業が営まれるということゆえに農業と異なる特性を有していると。したがって、農業と同様の政策年金の創設はなかなか困難ではないか、そういう事情があると思います。このために、漁業者については、昭和五十六年以降、漁協系統団体の自主的年金制度である漁業者老齢福祉共済が実施されておりまして、水産庁としてもこれに対し助成措置を講じているところでございます。
今後とも現行の枠組みの適切な実施に努めてまいるのが妥当かと、このように考えておりますが、先生のただいまの御発言に対しまして、私どもも頭の中を少しやわらかくして勉強してみたいなというふうに思います。
○山下栄一君 例えば林業従事者は、それは少ないかもわかりませんけれども、少ないけれども、今度は全部任意加入になるわけですよね。今回の法律ではそれは無理やとは思いますけれども、制度そのものに林業の方々が入りたいんだというふうなことを言われた場合、なぜだめなんですかと言われたら、これは物すごく難しいと思うんですね。僕は、それはきちっと検討され、今、頭をやわらかくして検討したいとおっしゃいましたけれども、もともとこれは農業の特別な事情からこういう制度を設けようということで始まったと思いますので、それであるならば林業についても同じような観点があるのではないかと思いますから、ぜひ、今回の制度の枠では難しいとは思いますけれども、また新しい漁業従事者に対する政策年金と別の制度をつくることも難しいと思いますから、今回の新しい制度を見直すときに見直して、加入ができるようなことも御検討いただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 私、頭をやわらかくして勉強してみたいと申し上げましたのは、農業そのものがこれから変わってくると思いますね。今までの既成概念で考えられない、私どもも農林水産業の構造改革ということを訴えているわけでございますし、農山漁村というものはある意味では一体的に今後考えていかなきゃならないテーマだと、かように思うわけでございまして、少し欲張った考えではありますけれども、農業者といいますか、農業にかかわる人々というものも、あるいは林業、漁業ということも、これはかなり変わってくるんじゃないのかと。もうかなり多くの国民に参入してもらおう、参画してもらおうと、こういう意欲を持っている次第でございますので、頭をやわらかくして勉強したい、こういう表現で申し上げた次第でございます。
いずれにいたしましても、御指摘いただきましたことに対しましては厳正に対処してまいりたい、かように存じますので、御理解をお願いしたいと思います。