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国会質問

151国会 農林水産委員会会議録 2001年05月31日

○山下栄一君 最初に、農地確保政策。
 自給率の向上、これは非常に重要なテーマになっております、食料安全保障の観点から。また、二十一世紀はますます食生活の充実に非常に関心が高まっておるという、健康志向もあると思いますけれども、そんな中で自給率の確保は大事だと。そのためには農地をきちっと確保できるかということ、これも大事な国の基本政策にかかわる話であると。
 食料・農業・農村基本法の中で基本計画、平成二十二年、自給率四五%を目標にして、現在四〇%、それを引き上げて四五%にするために四百七十万ヘクタールを確保するんだ、こういうことが示されておるわけでございますけれども、この目標はやはり死守すべきだと思いますが、平成十二年度、現在よりもこれは下がった目標になっておると。この減りぐあいといいますか、農地の減少の傾向性でいくと、本当は四百七十万よりももっと低いけれども四百七十万を死守したいということだと思うんですけれども、それを死守するためにどのような政策をお考えか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、昨年三月に決定いたしました食料・農業・農村基本計画におきましては、食料自給率四五%ということで、平成二十二年には四百七十万ヘクタールの農地面積の確保が必要というふうに見込んでおります。このように、国民に対する食料の安定的供給を確保するために優良な農地を良好な状態で確保していくということは極めて重要であるというふうに考えております。
 このような観点から、昨年三月には農業振興地域の整備に関する法律に基づきます基本指針を策定し、その中で優良農地を確保する方向を示しているところでございます。
 このような基本指針に基づきまして、一つは農業振興地域制度の適切な運用、また圃場整備事業などの農業生産基盤整備の推進、また担い手への農地の利用集積等の推進のほか、十二年度から新たに耕作放棄地の有効利用方策等に関する市町村計画の策定、また直接支払いを通じました中山間地域等におきます農業の生産条件の不利を補正するための支援等々の施策を講じているところでございます。今後とも、農地の確保、有効利用を図ってまいりたいというふうに考えております。

○山下栄一君 土地改良事業の長期計画、昭和四十年度から、前年度法律改正されて、始まったと認識しております。今、第四次の途中であると。
 四十年近くたって、公共事業としての土地改良事業、これは後からまた申しますけれども、このままでよいのかという基本的な私は意識を持っておるわけですけれども、昭和四十年以降、長期計画のもとに進んでまいりまして、どれだけの事業費が投入された結果、農地はどうなったのか、昭和四十年の状況と現在と。また、農業総生産、農業総生産といっても米を含んでいろんな栽培品目があるとは思うわけでございますけれども、これはどういうふうになったのかということをやはりきちっと検証しておく必要があるというふうに思うわけで、この状況がどうなったのかということを教えていただきたいというふうに思います。

○政府参考人(木下寛之君) 土地改良事業の計画的な実施に資するために、昭和四十年に第一次の土地改良長期計画が策定されました。現行の第四次土地改良長期計画が現在進行中でございますけれども、平成十三年度までの予算を考慮に入れますと、約六十兆円が投資をされているというふうになっております。
 また、農地面積でございますけれども、昭和四十年時点では六百万ヘクタール、農業総生産額二兆四千億でありましたが、平成十一年におきましては、それぞれ、四百八十七万ヘクタール、また総生産額につきましては六兆八千億円というふうに推移をいたしております。

○山下栄一君 推移をされておるわけでございますけれども、何のための土地改良事業なのかということでございます。農業の生産基盤を整備する、農業の生産性向上、農業総生産の増大ということが目的にうたわれている。そして、六十兆を超えるお金が投入された。土地は減っておる。そして、米を初めとして各生産量そのものも思わしくないという、そういう結果だろうと思うわけでございますけれども、この土地改良事業はこのままでいいのかという問題意識のもとにさらに質問を続けたいというふうに思います。
 中山間地域における土地改良事業のあり方、これもそろそろ行き詰まっているのではないかというふうに思うんですけれども、今後何をやるのかということをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(木下寛之君) 中山間地域でありますけれども、我が国の全体の位置づけを見てみますと、例えば耕地面積等々を見ますと約四割が中山間地域にある、あるいは農家戸数を見ましても大体四割強を占めておりまして、非常に我が国の農業の中で重要な位置を占めているというふうに認識をいたしております。
 このように、中山間地域でございますけれども、一つは食料供給の場ということでありますけれども、もう一つは国土の保全あるいは水源の涵養等のいわゆる多面的機能を発揮するということで重要な役割を果たしているというふうに思っております。
 ただ、中山間地域、多くがまさに中山間地帯にあるということでございまして、地形条件の制約もございます。また、そういう点で平場地帯に比べまして基盤整備がおくれているという点もございます。また一方で、定住条件等々を見ますと、過疎化あるいは高齢化が進んでいるという点で、また担い手の脆弱化あるいは耕作放棄が進んでいるというふうに理解をいたしております。
 このような状況を考えますと、今後とも中山間地域、一つは農業生産性の向上というのと、もう一点あわせて定住の促進を図る、都市と農村の交流を図っていくというような観点から、私ども、農業生産基盤の整備と一体的に生活環境整備を行うような事業をこれまでも進めてきたところでございます。今後とも、このような事業につきまして、地元の負担にも配慮しながら進めていきたいというふうに考えております。

○山下栄一君 極めて費用対効果が期待しにくい地域における土地改良事業のあり方、高齢化が進み、そして過疎化というか担い手がなかなか確保しにくい、改良事業をやっても事業コストは非常に高くつく、耕作放棄は食いとめることができないという、そんな状況の中で土地改良事業としてどれだけの金を投入していくんだということでございますけれども、この土地改良法手続による土地改良事業の方式そのものがもう限界に来ているのではないかというふうな問題意識を持っております。
 ある村がある、それはお年寄りが多いと。そして典型的な例で、今も申し上げましたけれども、過疎化が進んでおる、担い手が極めて確保しにくい。そういう状況の中でこの四十年間、その村は農家がどれだけふえたのか、そして耕作放棄地はどれぐらいふえておるのかという、この四十年間ですよ、担い手はふえたのか、農地はどうなっているんだ、そしてそこにどれだけのお金が投入されたのかという、ある一つの行政区ですけれども、そういうふうな政策評価の仕方が私は大事なのではないかと。この四十年間どうだったのかという、そういう観点の検証を農水省としては、私は、こういうことを常に念頭に置きながら、こういう公共事業のあり方を見直す観点を模索していく必要があると、今までいいのかということも含めて。
 そういう僕が今申し上げましたような、ある一つの行政区の例をとって実態がどうなっているのかという、長期的な総括というか、そういうことをぜひやるべきだと思いますけれども、どんな状況になっているんでしょうか。これは大臣、どうでしょうか。

○国務大臣(武部勤君) 先生、御指摘の問題につきましては、最も大事な、また我々が当面している問題であり課題だ、かように認識しております。
 農林水産省におきましても、平成十二年度から政策評価を導入いたしまして、政策分野ごとに全国ベースで定量的目標を定めて、その達成度により客観的に実績を評価することとしております。土地改良事業については、基盤整備を契機とした担い手への農地利用の集積、麦、大豆等の生産振興に資する圃場の汎用化率、野菜等の生産振興を図る畑地のおおむね三分の一以上で畑地かんがい用水を確保といった指標で評価することとしております。しかし、政策評価につきましてはまだ緒についたばかりでありまして、政策評価に係る指標等に関する考え方は今後ともさまざまな皆さん方の意見を聞いて充実してまいらなければならない、かように考えている次第でございます。
 なお、個別事業の実施状況については、事業着手後五年を経過した事業についての再評価、完了地域についての事後評価を実施するなどにより、事業の効率的実施に努めている次第でございます。
 いずれにいたしましても、今先生が問題提起がありましたようなことについて、しっかりした答えを出していかなければ、国民の皆さん方の信頼も得られませんし、これから生産現場で頑張ろうという意欲を持って取り組む生産者の皆さん方の希望というものもわいてこないんじゃないか、こう思っておりまして、非常に大事な時期に直面している、かように考えております。

○山下栄一君 平成十一年に基本法が新たに制定されまして、また新たな理念が提示されておると。食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農村の振興、農業の持続的発展、これらは理念として私は正しいというふうに思いますし、先ほど大臣もわかりやすい言葉でビジョンを示されるということで、食料の安定供給と美しい国づくりという、人と自然の共生、命のふるさとという言葉もございました。
 こういう観点に立って抜本的な基本法の理念の見直しが行われた。その上に立って土地改良法、土地改良事業のあり方、目的規定の部分も含めて、今回、目的規定の見直しそのものはなかったように思いますけれども、そういうことをやはり考えないといかぬのではないかというふうに私は思うんですけれども、今回の改正もそういう観点の改正じゃないと私は思うんです。
 基本法の理念の新たな提案に基づく土地改良法、土地改良事業のあり方は今回の改正の程度なのか、いや、もっとほかのことも考えたいんだというのか、その辺のところをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(武部勤君) 食料・農業・農村基本法の理念は御案内のとおりでございまして、土地改良事業の実施に当たりましても基本理念の実現に向けて事業を重点化していこう、また水田の汎用化でありますとか、畑地かんがい施設の整備、基幹的水利施設の整備、工種などについて環境との調和に配慮しつつ推進する、こういうことになっているのでございますけれども、私はもう少し、けさほどの岩永委員との議論もございましたけれども、法律の名称はこのままになりましたけれども、しかし、中身と目指すべき方向というものは大きくハンドルを変えていかなければならないのではないかと。やはり現代的な対応ということが必要であろう、こう思いますし、そのために私ども、けさほど申し上げましたように、農林水産業の構造改革ということを示しまして、その辺のところをきちっと整理してお示ししよう、場合によりましては新たな立法措置も必要になってくるのではないか、かように考えている次第でございます。

○山下栄一君 例えば第四次は四十一兆投入するわけですな、土地改良事業。それで、それだけ一生懸命投入し生産基盤を強化しているから何とかもっているんだというふうになっていくんだと思うんですけれども、土地改良区の方式そのものも私はもう限界に来ているような、中山間地域なんかは特にそう言えるのかもわかりません。だから、視点をもうちょっと基本的に変える必要があるのではないかと思うんです。
 例えば、土地改良事業というのと、公共事業にはもう一つ農業農村整備事業というのがありますよね。僕は、今の農業農村整備事業をもうちょっと新しい視点に立って、例えば新しい多面的機能の観点も入れて、特に農村の整備はそうかもわかりませんけれども、農業農村整備事業、長期計画の観点からの法律の仕組みはどうなんだとか、そういうことを考える必要があるのではないかと。この農業農村整備計画というのは長期計画はないんですよね、これは。だから、こちらの観点で、一つの視点ですけれども。土地改良区方式というのはもう限界に来ているんじゃないのかな、それは私の認識なんですけれども。
 例えば、実際はそうなっているのかわかりませんけれども、都市の市民がというよりも農業そのものが、私は前回のときにもお話し申し上げました、農業という産業を国民全部で支えるんだという観点から農業農村の整備をとらえ直すと。すなわち、土地改良区の参加する方々という、それだけじゃなくて、国民全部が農業を支える、その観点から農業の基本的整備、農村の振興、農村の振興には単に生産第一主義じゃない、ドジョウとかメダカとか蛍ですか、そういう生態系保全型の農業というふうなことも、生態系保全型の農業というのは生産性第一主義じゃないはずなんですよね。
 だから、それでまた今、政府では自然再生型の公共事業も考えましょうかというようなことも議論が出ているわけだから、この土地改良事業という、こういう観点ではない、例えば農業農村整備事業の長期計画、本当に農村整備というのは多面的機能発揮型のもので、そして土地改良区方式じゃない、都市の市民も参加するような形の農業の振興、農業生産のあり方も、もちろんこれはウルグアイ・ラウンドにもかかわる話かもわからぬけれども、そうしないと二十一世紀の日本の農業、農村を守る以前に農業そのものが成り立ち行かなくなるというふうな状況の中では、相変わらずの方式で土地改良事業といって土地改良区方式で物すごい大量のお金を投入してという、もうそんな時代じゃないんじゃないのかというふうな抜本的見直しを基本法の新たな理念が求めているんじゃないのかと。
 そういう観点から土地改良法を今回見直すのかなと思ったらそうではないと。相変わらず本流部分はほとんど変わっていないというやり方でちょっと手直しみたいな、そういうのはちょっとおかしいなと私は思うんですけれども、この辺は骨太の話で申しわけないけれども、ちょっと大臣にお願いしたいと思います。

○国務大臣(武部勤君) 農業農村整備事業についての御指摘がありましたけれども、これは土地改良、つまり生産基盤の整備という、そういう役割は私はまだまだ必要だ、かように思っております。先生も今お話がありましたように、これまでの趨勢を見て、土地の面積は減っているのに生産額はぐんと伸びているという、土地生産性というのは非常に高くなったわけでありますから、これはまだまだ土地改良といいますか生産基盤の整備ということは必要だ、こう思っております。
 ただ、生産システムということは、これはさまざま変えていかなきゃならないと思っております。とりわけその際に、私は担い手と土地の問題ということはやっぱり検討課題として避けて通れないと思っております。だれに土地を集約するのか、何で土地が減っていくのか。ですから、中には農地転用を期待している兼業農家もいるかもしれませんね。また、土地投機を目当てにして農村が荒廃しては困るというようなことから、民間企業の参入に対して抵抗感があるのかもしれません。しかし、一方において、食料自給率四五%達成という大目標に向かっては、そのところはもう少し緻密に検討し、大胆に私は検討する必要があるんじゃないのか、このように思っております。
 それから、生産システムについては、単なる生産だけじゃなくて、加工、流通まで、マーケティングの分野まで含めて、所得をどういうふうに上げていくかというようなことも一つありますし、また、高齢化している農村の実態あるいは担い手の問題を考えたならば、その辺のところは、生産施設の団地化でありますとか、あるいは集落営農の問題でありますとか、大胆な株式会社化でありますとか、そういったことも当然考えていかなければならないと思いますし、また環境保全型農業もありましょうし、都市、自然と共生する環境創造というような事業に転換するということも課題としてありましょうし、IT戦略会議がきょうあったわけでありますけれども、どうもあそこの会議は私から見るに市場原理で競争政策中心だと思いますけれども、やっぱり公共の原理というようなことも考えて、都市の人々にとっても農村社会というものが自分たちの幸せを享受できる、そういう場として提供し得るような美しいふるさと、農村集落コミュニティーの整備というふうなことも考えていかなきゃなりませんし、こういった分野に農業農村整備事業というものの期待がかかってくるのではないか、かように思います。
 土地改良事業についても、当然従来型とは違って、そういった新しい時代のニーズというものを視野に入れて私は考えていかなきゃならないのではないのかな、そういう考えを持っているものでございますが、こういったことをこれから整理して、法律は法律といたしまして、今後、農林水産省の行政の中で今申し上げましたようなことを整理して対応していきたい、このように考えているところでございます。

○山下栄一君 ただ、農村が果たす役割が変化してきている、多面的な役割ということも期待されてきていると。
 大臣もきょうの午前中におっしゃっていましたように、都市との共生という観点、生産第一方式ではない観点、新しい農村コミュニティーという観点、そういうふうな観点からまた土地改良事業の役割も変化してきている、そういうふうなことも考えにゃいかぬと今もおっしゃったんですけれどもね。
 土地改良法の方式というのは、この法の目的にあるようにやっぱり生産第一主義だと思うんですよ。だから、もちろん生産基盤の強化は重要なテーマなんですけれども、農村とか農業に視点を置いた公共事業の長期計画で確かにやらにゃいかぬ。その方式を土地改良区、そして土地改良事業方式では、ちょっと大臣がおっしゃるような方向では両立しないんじゃないのかなと。
 だから、これは私よくわかっていないので教えていただきたいと思いますけれども、例えば農業農村整備事業の観点からの新しい視点も入れてそういう事業を考えて、そういう観点から長期計画をちょっと見直してみようかとかいうふうな、そんな議論は余り農水省ではないんですか。

○政府参考人(木下寛之君) 今回の土地改良法改正案の中で御提案申し上げている一つに、今後の土地改良事業を進めていくに際しての基本的な考え方として、環境との調和というのを取り入れたいということで今御提案申し上げているわけでございます。
 したがいまして、私どもは、今回の法律案が成立した暁には、我々の実施いたしております土地改良事業、農業農村整備事業でございますけれども、農業生産性の向上とあわせて環境との調和を図るというのが基本的な原則の一つになるというふうに考えておりまして、そういうことを踏まえまして、私どもの事業につきましても大幅に転換を図っていきたいというふうに考えております。

○山下栄一君 だから、もちろん環境に配慮する、今回も入っているんですけれども、目的そのものに環境保全というふうなこと、環境との調和、配慮はするけれども目的そのものにはならぬというふうな、景観を保全するとか、また生態系を大事にするということは、それは国民全体にとっては非常に大事なことなんですけれども、土地改良区の方々にとって、そういう観点も大事なのかもわからぬけれども、それはもう二の次、三の次の話になってくるんじゃないかなと思うから、土地改良区方式と環境配慮というようなことは、なかなか、それはちょっと違うんじゃないかなと思うんですよね。
 だから、そういう気持ちはわかりますよ、もちろん。今までの公共事業、環境にちょっと配慮しましょうかみたいなことはね。だけれども、それは根幹にかかわるような国民が求めているものとはちょっと違うように思うんですね。だから、何遍も言いますけれども、土地改良区方式がどんどんどんどん行き詰まりつつあるというふうに感じるんですけれども、その議論もありましたけれども、そういう方式ではない農業農村の整備、そこに焦点を当てた公共事業のあり方を追求していかないと、今までのやり方を手直しするぐらいでは国民のニーズに合わないのではないか。それこそ、私たちの関係ないところで公共事業にお金が投入されているみたいな意識が払拭できないのではないかというふうに思うんですけれども。
 同じ質問になっているのかもわかりませんけれども、どうでしょうか。

○国務大臣(武部勤君) 環境保全型公共事業といいますか、環境修復型公共事業とか自然と共生型の施設づくり公共事業というような考え方の背景に、具体的には私はかなり多くの案件があるんではないか、かように思います。例えて言うならば、ため池等、こういったものは私どもの地元でも、もう思い切って米をやめてかんがい用に利用していく、つまり目的が変わってくるわけですね。別な形で表現すれば、新たな目的に向かって修復といいますか、変えていかなきゃならないというのはかなり今後出てくるような気がいたします。
 それから、環境に優しいといいますか、環境重視の土地改良ということを考えますと、午前中も郡司先生との議論にありましたけれども、今現在どうなんだと、土地改良を今までのような進め方をやっていることによって湖沼が汚れる、あるいはまた底に土砂が堆積していく、すっかり形が、土地改良としての意味は持つけれども、ほかの方に影響を与えているということになれば、そういったこともやっぱり修復していくというようなことも必要に迫られてくるであろうと思いますし、現に農地災害などはそういったことも先取りして既に土地改良事業の新たな事業として今行われているわけでございます。
 そういうようなことを考えますと、ある種過渡期だろう、私はこう思います。今回、土地改良法の改正として名称も変更せずにこのまま出されたということについては、これから果てしなくこの事業が続くという考え方よりも、新たなる事業展開への私は一つの大きな過渡期に立たされた最終的な意味を持つのではないか、このように思います。
 したがって、従来の生産基盤の整備そのものについてはやはりだんだん縮小されていくのかな、そんな感じを持っておりますが、しかしそれにしても相当な金額を私は事業費として要するんではないか、まだ当分はそういった従来型の土地改良事業というものの生産基盤の整備ということはかなりまだ残っているような気がいたします。

○山下栄一君 土地改良区の参加資格なんですけれども、これはその地域に住んでいない方でも参加できるという仕組みだろうと思うんですけれども、都市の市民が参加できるような誘導策というか、国民全部で、土地改良区もそういうあり方、自己負担しながらやるというやり方で市民も参加すると。棚田オーナーという話をこの前ちょっと、あれは勝手に地域がやっているのかもわかりませんけれども、そういう方々も参加資格に入れるんだというふうな、そういう誘導策みたいなものは余りお考えじゃないんでしょうか。

○政府参考人(木下寛之君) 土地改良区自体は、まさに土地改良事業を推進するという観点から設けられたものでございます。したがいまして、土地改良区のメンバーはまさに農地の耕作者が基本でございます。
 ただ、先生御指摘のように、これからの土地改良事業は、まさに農業者のみならず地域の皆さん方から支えられ、そういう地域に開かれた土地改良事業にしていく必要があるだろうというふうに思っております。したがいまして、私ども、土地改良事業全体を見直す中で、地域全体にまさに支えられるような土地改良事業に運動として展開していきたいというふうに考えております。

○山下栄一君 あと残った時間で党費立てかえ問題をちょっと質問させていただきます。
 きのう御報告していただきました。それで、ちょっともう時間ないのでまとめて答えていただきますけれども、これは法律違反だ、土地改良法違反だと。これは違反してしもうたけど立てかえた、立てかえということ自身も僕はおかしなことやな、本当に立てかえかと思うんですけれども。組織としてこれはちゃんとやっていたのを立てかえというふうに言っているだけなんじゃないかなという気もするんですけれどもね。この法律違反について、立てかえた分を返してもらったらいいというのでいいのかな、そういう疑問があります。それについてのお答えをいただきたい。
 再発防止。再発防止はこれは県がやることだ、国が再発防止策を全く考えぬでいいということにはならないと思いますけれども、県の知事は必死になっているのかなと。そういうことが国会でも問題になり、報道もされ、農水省は仕方なくというか、報告させたと。それで報告が出てきたと。報告が出てきたけれども、それはこの五年間だけだと。それまではどうなっていたんだということもわからない。その報告の真実性もよくわからない。そんな状況の中で、報告を信じるしかないという農水省の立場だと思いますけれども。再発防止といっても、これは防止策が非常に考えにくいという実態ではないかと。これは県の知事が認可するわけだから、そこが必死にならないとだめなんでしょうけれども、そんなメッセージは全然伝わってこない。私は勝手にそう思っております。これについてどう考えるかということが二つ目。
 三つ目は政治活動。これは、土地改良区は一切政治活動をやってはならないということにはならぬと思いますけれども、ただ、特定の政治団体、特定の政党を支援したり寄附したり、これはおかしいだろうということはわかるんですけれども、それ以外に何がいかぬのかというようなこと。
 三つまとめて、よろしくお願いします。

○政府参考人(木下寛之君) まず、土地改良区でございますけれども、土地改良法に基づきまして土地改良事業の施行を目的として設立された、いわば土地改良事業それからこれに附帯する事業以外を行うことはできないというような公共的な法人でございます。
 したがいまして、このような土地改良区は公益性が非常に強いということでございますので、例えば党費等の支出を行うこと、あるいは政治団体への加入を行うこと、あるいは特定の候補者等に事務所を無償貸与することなどの物的支援を行うこと等につきましては、いわば政治活動として行うことは認められていないというふうに考えております。
 それから、私ども、今回の事案に対しまして、既に都道府県を通じて指導をしているところでございますけれども、やはり今回のような事案が起こった背景として土地改良区の役職員の意識が非常に低いという点も問題だろうというふうに思っておりますので、今後そういうような点につきまして、研修等を通じてしっかりとした意識改革を図っていきたいというふうに思っております。
 また、土地改良区の検査について、都道府県が行っておりますけれども、このような検査に際しての重点項目なり、あるいは検査職員そのものの研修等についても、今後指導の徹底を図っていきたいというふうに考えております。
 また、今回の事案でございますけれども、各県それぞれ、かなりの県で県議会等でも問題になっているというふうに思っております。私ども、このようなまさに土地改良法違反の事態は非常に遺憾だというふうに考えておりまして、再発防止のために今後とも努力していきたいというふうに考えております。

○山下栄一君 政治活動。

○政府参考人(木下寛之君) 土地改良区は、先ほど申し上げましたように極めて公益性の強い団体でございますし、一定の地域の農地に係る農業者全員が強制加入するという団体でございます。したがいまして、基本的にこのような土地改良区は政治活動を行うことができないというふうに解しております。

○山下栄一君 もうあと時間がございませんので、この土地改良区、今局長がおっしゃったように、やはり意識が、特に責任者の方々に意識が低かったのではないか、私もそう思います。
 昭和二十二年からこれはずっとある事業の中で、もう慣習的にこういうことが行われたとしか言いようがないような報告がされているわけですから、よくわからないままにそうなっていたのではないのかなというような疑問を抱くぐらいでございますので、先ほど局長がおっしゃったこと、これはやはり役所として、農水省としてできることではないかというふうに思いました。
 以上で質問を終わります。

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