151国会 農林水産委員会会議録 2001年06月07日
○山下栄一君 最初に、時間が限られていますので、民間機関の活用、この問題を取り上げたいと思います。
漁船法改正の目的は、規制緩和に資する、それから、漁業者の負担が軽くなるというようなことがこの提案理由に書いてあるわけですけれども、そうなるのかなというふうに疑問を持ちました。
船の工事、建造その他工事をして、完成後、認定すると。認定のところで民間機関の活用と。登録は、そこは活用しないですけれども、今度は検認という手続のときに民間機関を活用すると。
〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕
先ほどもちょっと質問がありましたけれども、民間機関として手を挙げる可能性のあるのはどれぐらい考えておられるのか。どんな方々が手を挙げるのかな。こういう作業は、船はどんどん減っていく。漁船がどんどんふえていくということは考えられない。もっとわかりやすく言ったら、県ももうもてあましている仕事と違うかなと思うんですね。そういうのを民間に押しつけるみたいなことにならないのかな。
何か基本的な疑問がありまして、どんなところが手を挙げるのか、どんなところを想定されているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(渡辺好明君) 漁船を、通常の船舶でもいいんですけれども、建造しているメーカーの例えば技術者の方々が一定の組合のようなものをつくって検認部門を扱うというふうなこともございますし、それを専門にするということでなくて、一定の株式会社がこの業務をあわせ行うというふうなこともあり得ると思いますし、中には、公益法人の中でこういう漁船関係のものをやっているところが手を挙げる可能性もあるというふうに思いますが、現状では特にどれというふうなことは決めておりませんで、道を開いて、そして事態の推移を見ながら手を挙げてもらいたいなというふうに思っております。
といいますのは、十万件、これは検認期間が延びますから五分の三になりますけれども、十万件という件数は非常に多いわけであります。全国に散っておりますので、できるだけ近場でそういうことができるというふうになれば、漁船を所有される方々にとっても利便があるのではないか。民間に押しつけるということではなくて、民間を指定してそこに行わせることもできるということでございます。
○山下栄一君 私は、ほとんど手を挙げるところはないんじゃないかなというふうに思います。
造船業界で何かつくってそこでやるとか、この認定とか検認の事業だけで手を挙げるところなんて、もうそんなの採算が合わないと思う。今おっしゃったけれども、知事の認定は千二百件でしょう。検認の方は、これは三年から五年に延ばすわけだから、毎年減るわけですわな。十万件じゃなくて七万件以下になるわね。余りふえへんと思うね、僕は。そんなの、どんどん手を挙げる部門じゃないと思うんですよね、僕の感想は。だから、これは競争原理なんて働かないと思う。
特に私は、便利になる利便性はあるかもわからぬけれども、そんな全国展開するような業界なのかなと思いますけれども、少なくとも費用面では安くならない、なりようがないというふうに思うんです。
それどころか、例えば、先ほどもちょっと触れられましたけれども、今、認定料はただですよね。これ、認定料をただでやらせるわけにいきませんわな、民間にやらせたら。どうするんですか、これは。
○政府参考人(渡辺好明君) まず、前段のところでありますけれども、御承知かと思うんですけれども、浜々へ行きますと小さな造船所がたくさんございます。そういうところが集まって、この検認作業をやりたいというふうな声は一部あるわけでございます。
俗な話で申しわけないんですが、ガソリンスタンドをやっているスタンドが民間車検をやるというふうなケースもあるわけで、これが独立して全国展開をするというようなマーケットになるかどうかは別でありますけれども、少なくとも、日本全国に散らばっている数多くの漁船について、そういう場を提供することはあり得ると思いますし、検認をすればそれが費用の低減にもつながる、あるいは土曜、日曜にも検認をするというふうなことになっていくんだろうと思います。
それから、認定料の問題ですけれども、先ほど私が申し上げましたように、現在ゼロですから、これを新たに取るというふうなことには多分ならないと思います。そうしますと、これまで国がやっていた、あるいは県がやっていた事業をかわってやってもらうことになりますので、その部分について県なり国が一定額の費用を、業務の合理化ということで、出していくようなことはケースとしてこれから考えられると思います。
○山下栄一君 ということは、認定料を国民が負担するということですね。税金でやるんだということになると思うんですよ、今の話は。
だから、規制緩和して民間参入して競争原理が働いたら普通は安くなっていくのに、規制緩和して国民の負担がふえると。認定手数料を取っていないのを、民間にさせたら取るわけにいかぬから、だれが払うんだと。それは税金で払うんだということでしょう。そうじゃないんですか。税金で払わないんですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 釈迦に説法のようなことで恐縮なんですが、国や都道府県がやっておりますとどうしても、それにかかる費用はやや合理的でないものを支出することもあるわけですが、民間におろすことによって本当にかかる部分だけを負担するということになりますから、現在国が負担している部分であっても、現在都道府県が負担している部分であっても、民間にそれをさせることによってもっと合理化が進む余地も私はあると思うんです。
ですから、新たに国民や都道府県民に負担を求めるということではなくて、現在でも国や都道府県がその検定の部分は負担しているわけです。その費用が、民間に道を開くことによってあるいは減っていくことが、合理化をされることが考えられるというふうに私は思うわけです。
その反面で、例えば県や国のその検定にかかっていた費用はいろんな意味で合理化をされ減っていく。こちらが減ってこちらに移る、そのときの移り方が、一〇〇のものが一〇〇ではなくて、一〇〇のものが八〇になったり六〇になったりすることが、民間を活用することによって生じるのではないかなというふうに私どもは考えております。
○山下栄一君 だから、税金で負担するけれども、公務員がやるよりも民間がやったら、結果的には減るのかもわからぬということですね。だけれども、僕はおかしな話だと思いますけれどもね、そういう話は。
交通費なんかも今まであれでしょう、公務員がそこへ行って、これ、現場確認ですよね、どちらも。交通費も今までは税金でやっていた。民間は交通費は要らぬのかな。すぐ近くで歩いていけるところだったらいいけれども、民間といえども、交通費はどうするんですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 個々の費用、コストをどういうふうにこれから見ていくのかということは十分研究しなきゃいけないと思います。合理化をし、かかって、それに足るだけの費用を負担していくということになると思います。少なくとも、国や地方公共団体がやるよりは、民間に行わせて競争の余地がある方が合理化努力というものが働くのではないかなというふうに私は考えております。
○山下栄一君 何となく、感想としては、規制緩和という大義名分の一環としてはやるけれども、確かに手を挙げるところがあるかもわからぬ、しかし大げさに、規制緩和でやったというふうなことを言えるような部署じゃないと。それは、仕事はふえることは余りないわけですから。船がどんどんできるんやったらいいですけれども、船は減っていくわけですしね。検認も五年に延ばすわけですから、仕事は減るはずですよね。仕事が減るところに民間参入させるというわけやから、非常にわかりにくい話だなと。感想です、これは。
別の話に行きます。
二点目は、建造等許可と工事完成後の認定ですけれども、これは水産基本政策大綱では、建造等許可制は見直しをして廃止するということが書いてある。これは農水省がつくった政策でございます。ところが、法律ではそうなっていない。なぜそうなってしまったのかということをお願いします。
○政府参考人(渡辺好明君) 大綱の中の前段の部分を先生引用されましたが、「漁船の建造許可制度を廃止し、事前確認制に改める」と、こういう方向で検討したわけであります。事前確認も結果的には実質許可と変わりはないということで、そういうことであるならば、許可制はとりあえず維持をし、むしろその中での合理化を何か図れないかということで、今回、この漁船法の改正ではそこまで踏み込んでいないというふうな状況でございます。
ちなみに、建造許可制度を廃止いたしますと二つの難点が出るというのが私たちの庁内での議論でございまして、一つは、建造後に大きな基準との不一致が出たときに、改めてこれを改造しなければならないということで経済的なリスクが生じること、それから、無登録漁船などによる操業というふうな漁業秩序の問題も生じて、やはりどうしても建造着手前に審査をする必要がこの資源管理の時代においてはあるのではないかなというのが今日までの結論でございます。
○山下栄一君 いろいろ御検討された結果なんでしょうけれども、僕は、二回もチェックする必要はないんじゃないかなと、素人の感覚ですけれども。どうせつくったらチェックされるわけですから、初めからでたらめなものをつくるというようなことは考えにくい。それはもう決死の覚悟でするような話でもないんじゃないかなと。登録してなかったら不法な漁船になるわけですし、登録は絶対せないかぬわけですしね。
だから、工事にかかわるのに、事前と、つくってからと両方せよというようなことは、そんな時代なのかなという、これも感想にしておきたいと思います。
もう一つの質問。
検認という、車検のチェックみたいな、ちょっと違うのかもわかりませんけれども、作業がございます。先ほども説明がありましたけれども。船を登録帳簿に基づいてきちっと定期的にチェックしていく、これは絶対、安全の観点、その他の観点が必要だと思うんですけれども。それともう一つ、船舶安全法、これは所管は農水省じゃないと思うんですけれども、この検査もありますよね。
それで、僕は、これは船舶行政の一元化、もともと一元化の時代もあったようですけれども、いろんな時代の変遷とともに二元的な、同じ船でも漁船だけは農水省でチェックするんですよ、ほかの船、例えばタンカー、これはどこになるのか、経済産業省も関係あるんですか、防衛庁の船だと違うのかもわかりませんけれども、船舶行政にかかわる法律というのは船舶法ですか。それと漁船法。漁船法だけ特別扱いになっている。それに伴って手続も、安全検査を中心としたものは船舶安全法に基づいて国土交通省の所管になる。検認は、これは漁船法に基づいて農水省所管の手続になる。これはもう一本化していいんじゃないのかなと。もちろん、検査機関が違う部分があれば、それを統一するなりして、こういう漁業者の負担軽減ということをやはり大事にせないかぬと。それであるならば、検認のときは農水省の管轄で、検査のときは国土交通省というふうなことを、国なり都道府県も両方だと思うんですけれども、それはもう一本化することを前向きに検討したらどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 先生から御指摘がありましたので多くは申しませんけれども、私たちがやっておりますのは、漁業の許可がきちんと船舶という道具を使って守られていくかどうか、そして資源が守られていくかという観点からやっておりまして、それで、認定なり検認の中身というものも、登録の内容と実際の漁船の状態の照合ということであります。船舶の検査は、これは詳細かつ技術的な検査を具体的な項目に従ってやっておりますので、そういう点では内容自身が相当違っているというふうに思います。
ただ、私たちが漁船の所有者から聞いたところでも、むしろ、船舶検査について欧米の基準を受け入れてほしいとか、外国の部品の利用が可能になるようにしてほしいとか、いろいろ要望があります。
それから、船舶検査と漁船の認定なり検認がどの程度実質負担を減らすことができるかということは、ちょうど私たちの許可なりの更新の時期が十四年とか十五年ですから、その時期までにどういうことが果たして実質負担軽減として可能なのか、もう少し勉強させてもらいたいと思います。
○山下栄一君 僕は工夫すればできぬことはないと思いますわ。許可という手続、それから認定の手続は別にあるわけですし、少なくとも検認作業は検査のときにそれを一本化することぐらいはできぬことはないのではないかと。素人の考え方で大変申しわけありませんけれども、ぜひ研究していただきたいというふうに思います。
以上で終わります。