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国会質問

151国会 農林水産委員会会議録 2001年06月26日

○山下栄一君 先週、たしか水曜日だったと思いますけれども、特殊法人等の改革基本法が、これは議員立法で成立いたしました。これにつきましては我が党も、これは与党参画前から行政改革の柱として取り組んでまいりまして、法案化の作業も進めてきたわけですけれども、先週水曜日成立したということは、非常に大きな意義がある、枠組みができたと、このように考えておるところでございます。その基本法に基づいて、政府のもとに特殊法人等改革推進本部、本部長総理大臣、設置されまして、厳しい事業見直しを含めて改革に取り組んでいくと。現内閣は構造改革に全力で取り組んでおられて、聖域なき構造改革、激しい反対の動きもある中で進めようとされておるわけでございます。もちろん、農水省所管の特殊法人もある。
 そんな中で、六月二十二日には、既にさきにスタートしておりました行革大綱に基づく行革推進本部事務局で各特殊法人の事業の見直しがずっと行われてきた。そして、中間取りまとめが行われて発表されたわけでございます。
   〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕
 この中間報告を読みますと、「「聖域なき構造改革」の一環として、特殊法人等改革についても、「民間に委ねられるものは民間に委ね、地方に委ねられるものは地方に委ねる」との基本原則のもとに、特殊法人等をゼロベースから見直し、財政支出の大胆な削減を目指すこととしている。」と。そして、「この中間とりまとめに基づき、まずは各特殊法人等の事業について、廃止、整理縮小・合理化、民間・国その他の運営主体への移管等の具体的な見直しの結論をできる限り早期に得るべく、各省庁等における」、農水省も含まれておると思いますが、「積極的な対応を求めるとともに、各方面から寄せられる御意見も参考としながら検討を進めていく。」と、このようにございます。
 ただいま、緑資源公団、平成十一年に新しくまた新体制が発足しました。それぞれ事業もあるわけですけれども、事業についても一つ一つ厳しくいろいろ見直されつつあるわけですけれども、小泉内閣の一員でございます武部大臣も、農水省の構造改革に取り組むために大臣に就任されたのではないかと私は思うわけですけれども、こういう大作業についての閣僚の一員としての決意をお聞きしたいというふうに思います。

○国務大臣(武部勤君) 小泉内閣における聖域なき構造改革、またゼロベースというようなことで、すべてのものを徹底見直しをするということについては私も全く同じような考えでございまして、農林水産省関係につきましてもぜひそういう決意のもとに努力をしていきたい、かように考えております。

○山下栄一君 林業の関係で事業を取り上げますと、例えば水源林造成事業というのが緑資源公団の事業としてある。この事業が、公団をもし廃止するとしたらどこがこれを承継するんだという、そういう観点からの考え方も私は大事だというふうに思うわけでございます。
 それで、この水源林、水源保安林、これは国民すべてに公益的な使命があると。だから、民間の民有林の森林所有者ですか、非常に人類にとっては大事な財産だけれども、そこは私有地だと。だけれども、その方は高齢で、施業ですか、そういう取り組む力もないということですよね。だからそれを公団でやるというふうなことになっていくとは思うんですけれども。
 一般会計の公共事業にもこの水源保安林の造林事業というのがあると。森林保全整備事業の中に位置づけられておるわけです。これと、公団が行う同じ水源林の保全のための造成事業ですか、これは、だからどこが違うんだと。違うから別にすみ分けてやっているんでしょうけれども。
 それは今のままでいいのかという観点で、また国民の関心も物すごく高まっている中で、そういう国民の意欲を結集する形で、森林所有者の方が意欲を失って荒れ放題になっているところを、公団という仕組みではなくて国民参加型で何かできないのか、そういうことも考えていくのが私は本来行政の新しい使命ではないかと。コーディネート機能というんですかね。公益的機能だから公団というふうに結びつかなくてもいい時代を迎えていると。それほど国民の関心が高まっているんだから、それを生かす形で、その森林所有者も元気が出るような、そんな仕組みができないのか、こんなことを私は考えておるわけでございます。
 一般会計でもやっている、同じように似たようなところが。それを公団でやらにゃいかぬ理由を明確にお答え願えますか。

○政府参考人(中須勇雄君) 前に幾つかの事業の、あるいは森林の整備という関係のところでも申し上げたかと思いますが、森林の持っている水資源の涵養という機能を十全に発揮するためには、植林に始まる一連の森林整備の作業が必要だと、こういうことであります。そのために、基本的には、民有林につきましては民間の方々がそういうことをみずから行う、それは財産としての材木が将来できるということを期待してそういう行為をする、それに対して国が助成を行ってそうした活動を積極的に推進する、しかも、でき得れば公益的機能が十全に発揮できるような方向にそれを誘導するという意味で助成を行っているというのが、一般会計で森林整備という形で助成を行っている形であるわけであります。
 それに対しまして緑資源公団が実施しております水源林造成事業というのは、そもそも民間の所有者が持っておられる土地なんだけれども、民間の方ではもう造林をしようという全く意欲がわかない、あるいはなかなか期待できない、そういう奥地の水源林である、しかし水源涵養の上からは大変重要な保安林等であって、ぜひそこで立派な森林を整備したい、そういう場合に緑資源公団がいわば所有者にかわって事業を実施する、こういうふうな形で設けられた仕組みだと、こういうことであります。
 もちろんそのほか、大変奥地でございますので、いわゆる上流から下流まで非常に広範に受益がわたる、それを一定のごく上流部に公的資金を投入するということから、国としてやるべきではないかというふうな話であるとかさまざまな要因はあるわけでありますが、基本は先ほど申しましたような点であります。
 現在、森林所有者等による森林の整備ということが、ただいま申しました奥地の水源地域以外においても大変厳しい状況に置かれている、通常の場所でもなかなか手入れを行うということがおくれている、そういうような状況の中で、奥地における水源林を造成するという意味においては、こういった公団による植林というものが大変有意義、それなりの意味を持っている、こういうふうに私ども思ってこれまで進めてきた、こういうことでございます。

○山下栄一君 一般公共事業でそういう水源林の地域の施業を行う主体、作業を行う主体というのですか、それと公団が行うときに実際作業を行う主体というのはどういうふうに違うんでしょうか。

○政府参考人(中須勇雄君) 基本的には、森林所有者自体が自分で森林施業を行うという場合には、もちろん自分で木を植えたり下草を刈ったりということがございますが、一定規模以上になって、例えば、自分でやりたいんだけれども施業は森林組合に受託するということになれば、実際の作業は森林組合が行うということになろうかと思います。
 また、緑資源公団の場合も同様でありまして、みずから公団の職員が造林、保育、間伐をやっているわけではなくて、それは民間のそういう事業者に対して、森林組合等の事業者に事業を発注してお願いをするということでございますので、それぞれやる場合に、形の上で、実施する人、人そのものは同じになる、そういうことは当然あり得ると思います。

○山下栄一君 では、一般公共事業の場合も作業主体は森林組合中心だと。公団がやると言ったって、公団の職員というよりも森林組合のところで受託してやっていると。出すお金も、三分の二は一般公共事業の場合にも国が支援していると、大ざっぱに。それで、公団がやる場合にも、財政投融資主体というよりも税金の方が多いと。税金が三分の二だと。私は余り変わらないように思うんですね。一般公共事業でやっていると。公団でなぜやらにゃいかぬのかと。
 それは、一般公共事業の場合は所有者が負担せにゃいかぬと。公団がやる事業について、そういう事業については所有者が負担する気がないと、荒れ放題だというようなことだと思うんですよ。だから、伐採で得たお金を折半しましょうかということだと思うんですね。僕は公団が主体でやっているというふうに余り思えないんですね。公団が行うと言われているこの事業、財源も三分の二は税金だ、作業主体も森林組合だと。
 僕は、そういう国民みんなのためになる森林だけれども、その所有者はお年寄りの、高齢者の方でもう施業意欲がついていかないというところについては、理想論かもわかりませんけれども、特殊法人がやるというのじゃなくて、一般国民の方々が参加して、そしてその意欲の衰えた森林所有者と結びつけていくような役割を行政がやるべきだと、例えば県とか。規模の小さい単位では、棚田オーナー制度もそうでしょうし、里山保全条例のある地域ではそういうコーディネート機能を行政がやって、こういう国民のためになるような環境保全型の作業については国民参加型でやっているという仕組みの方が正しいのではないかと。ちょっと理想論かもわかりません。
 そういう時代で、みんなが関心持ち始めているわけですから、昭和三十六年に林野庁から公団に移した当時と状況が変わってきていると。そういう国民の意欲をかき立てるような、それは素人の方も多いかもわからぬ、だけれども、その方が僕は森林所有者の方も元気が出てくるのではないかと。将来、四十年か五十年後ですか、それ売って、木材生産の収入、それが本当にそんなの成り立つのかというようなことはもう全然見えない話で、そんなことを公団がやるよりは、これは見方を変えて、国民参加型の方向の仕組みを考えるか、それか、今やっている一般公共事業、それをまさに、森林組合主体かもわからぬけれども、国とか県がお金を出しているという一般会計で、そういうのをもっと工夫しながらやるということも考えられるのではないかと。これが今回の特殊法人改革の一つの、もし公団がやらないとしたらどこがやるんだということの一つの考え方として、僕は素人ですけれども、そういう考え方もあるのではないかということを提案するんですけれども、長官はどのようなお考えでしょうか。

○政府参考人(中須勇雄君) 確かに、今回の特殊法人見直しというか改革の議論というのは、御指摘のように、もしそこがやらなければどこがやるのかと、そういうような視点からも十全に検討して、どういうあり方が本当にいいのかという最終的な結論を得なければならない、そういう話だろうと思います。そういう意味で、決してそういった考え方自体を否定するわけではございません。
 ただ、私ども今考えておりますのは、今この緑資源公団の行っております水源林造成事業を通常の森林整備事業という方向でやるということになると何が起きるかということになりますと、私は多分、こういう地域でなくても、森林所有者の方々は森林の整備ということになかなか意欲を見出しがたい状況になっていると。そういう中では、こういう場所は一番奥地で、木を植えるにしても粗悪地というか劣悪地であります。一番条件としては厳しいところであります。そういう意味においては、優先順位において民間ベースでいえば最後になってしまう場所でありまして、そういう意味で、こういった奥地水源林における水源林造成ということには事実上手がつかないということになるのではないか、そういうような気持ちがするというのが一点。
 それから、ボランティアによるというお話は大変新しい考え方でございますし、将来、本当に森林所有者が意欲を失った森林について整備をする主体をどう考えていけばいいかというときに一つの考え方ではないかなというふうに私も今伺っていて思いました。
 ただ問題は、現在でも非常にボランティアによる植林活動等盛んになってきておりますけれども、それがやっぱりまだ残念ながら限定されているわけであります。できるだけ、できるだけというか、都会からある程度地の利もあって、極端にいえば一泊とか日帰りでも行って森林整備の楽しさをある程度味わえる、やっぱりそういうところに今多くの方々が参加をしていただいている状況でありまして、こういった奥地の水源林までボランティアでやるということには、将来そういう形になっていくということは大変望ましい姿ではないかなと思いますけれども、率直に言って、今からそういう形に切りかえてはどうかという御提案については、なかなか現在では難しいのではないかなというふうに私は思います。

○山下栄一君 もう余り時間ないんで残念ですが、全くボランティアということを言っているのではなくて、国民参加型と言っているのは、国民自身が負担もするんですよ。負担というのは経済的負担ですよ、所有者と契約を結んで。そのつなぎ役を行政がやったらどうかということを言っているわけですけれども、そんな知恵も出しながら、やはりそれほど国民の関心が高まっていると、山奥であろうとやるぞというふうな、ちょっと極端かもわからぬけれども、そういうふうな流れになりつつあるんだから、ちょっと昭和三十六年の状況と変わってきているのではないか、それを生かすような形の税の生かし方といいますか、そうしないと僕は国民がなかなか納得しないのではないかというふうに感じておる次第でございます。
 時間が参りましたので、終わります。

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