153国会 憲法調査会会議録 2001年11月07日
○会長(上杉光弘君) 次に、山下栄一君。
○山下栄一君 いろいろと御報告をお聞きしながら、やっぱり現地に学ぶといいますか、現場に学ぶということの重要性を改めて認識することができました。
特に興味深く感じた点、幾つかございますけれども、連邦制度、日本は連邦制度をとっておりませんけれども、この連邦制度、また地方自治との関係、こういうことは日本でも将来的にまた問題含めまして、大変学ぶべきものだなと思いました。
また、二院制における上院のあり方、これも常に言われる問題でございますけれども、そういうのを歴史の中から上院の独特の役割があるんだなということを学んだわけでございます。
それから、今、江田委員がおっしゃった地球憲法というお話がございましたけれども、テロ問題等も関係あるかもわかりませんけれども、それぞれの国家主権の上に国際社会が成り立っているわけですけれども、主権を実質的に一部制限するということをEUは行ってきているわけで、欧州議会、欧州人権裁判所、また欧州人権条約、そういうことを考えましたときに、それぞれの国における主権の制限規定は憲法上ないとは思うんですけれども、実質的に主権が制限されているという状況をつくりつつあるという、これも将来的に非常に重要な観点だなということを感じました。
私も護民官、オンブズマンの制度、これはスペインの制度ですけれども、存じ上げませんでしたので非常に興味深く学ばさせていただきました。
スウェーデンからこのオンブズマンの制度というのは始まったようですけれども、人権を守るという観点から行政監視をしっかりすると。立法、行政、司法とありますけれども、スペインの場合はどちらかというと立法附属機関というふうな感じかなと思うんですけれども、司法にはかかわらないけれども行政をしっかり監視すると。広い意味で権力を監視するという観点から、統治機構じゃない別の角度から置かれた一つの機関という、これは日本に余り定着していないので非常に大事な観点だなと思いました。特に、これが憲法上の機関になっているということ、これはすごいことだなと。
日本でも、神奈川県の川崎市とか、また、子供の人権を守るという観点からは兵庫県の川西市とか、同じく神奈川県の川崎市にも三年ぐらい前から始まっているわけですけれども、私は、これは子どもの権利条約の観点からも非常に画期的な制度が、県じゃなくてその下の市町村から始まっているということ、日本でも、非常に注目しているわけでございますけれども。
スペインの場合も、憲法上の機関であるということ、それから権限が大変強力であるということ、行政機関に対して調査それから勧告権があるわけですけれども、調査にしても協力義務がある、勧告にしても勧告されたら必ず回答せにゃいかぬという、そういう義務があるということ、公権力の不作為の面についてまでも介入するという権限を持っている。
それから、この護民官への請求できる人も、外国籍の方もできる、それから未成年もできるという、そういうことだそうですけれども、こういうことも非常に学ぶべき点が多いなと、参考にするべき点が多いなということを感じたわけです。私は全く、こういう憲法上の規定の護民官、オンブズマンの制度、ポルトガルとかラテンアメリカでも始まっているということ、先ほど御報告ございましたけれども、これは非常に勉強する価値のあるテーマだなということを感じた次第でございます。
このスペインの護民官の事務局は、国会職員という立場だそうですけれども、いずれにしても、やっぱり国会附属機関ということですけれども、私は三権からちょっと距離を置いた仕組みだなということも感じたわけですけれども、そういうものも含めまして、これから研究していかなきゃならない観点であるということを学ばせていただきました。
以上でございます。