155国会 総務委員会会議録 2002年11月21日
○山下栄一君 三十分程度質問させていただきたいと思います。
我が党は電子政府、行政の電子化、進める立場でございます。しかし、私は、世の中が便利になるとモラルが低下すると、こういう非常に二律背反の面が厳然と人間の社会にあるというふうに思うわけです。
したがって、先ほどからもこの法案の審議の中で国民の不安感の話があるわけですけれども、行政手続のオンライン化、確かに便利になる、しかし一方で国民の不安そのものが拡大していくという、それをいかに解決していくかということが大きな課題であるというふうに思うわけです。そういう意味で、個人情報保護法という基本法、これはしっかり裏打ちされなきゃならないと。
ただ、残念なことに、これがいろんなことで滞っているような状況でございますけれども、このことはこのこととして、きちっとやはり与野党挙げて一致すべき点を努力しながら進めていくべきだというふうに思うわけですけれども、今回のオンライン化法によりまして、住基ネットワークの使途が拡大される、行政事務が九十三から二百六十四に増える、個人情報保護の関連から不安がある、そしてまた国による個人情報管理が強化されるのではないかという懸念、こういうことになっておるわけですけれども。
元々この住基ネットワークシステムそのものにできる限りの個人情報保護措置を講じているということになっておるわけでございますけれども、このことについて、法令面それから技術面、運用面、それぞれ個人情報保護の観点からきちっと措置を講じているということを御説明願いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 住基ネットシステムは、いずれも十分な個人情報保護措置を講じているということを何度も申し上げてまいりました。
もう一遍これを整理して申し上げますと、一つは、この住基ネットの情報は四情報でございます。氏名、住所、性別、生年月日、それに住民票コードとこれらの変更情報に限定いたしております。それが一つ。
それで、これは全部、全地方団体を結んでおりまして、指定情報処理機関として地方自治情報センターがありますが、いずれも閉じた回線ですね。専用回線で、しかもそこには、今どこの市町村でも住民基本台帳はコンピューター処理しておりますけれども、そこから今言った四情報だけ抜き出しましてコミュニケーションサーバーというのに、そのコミュニケーションサーバーを、ファイアウオールを両方に付けて、出入りを禁止したファイアウオールを付けて閉じた回線で結んでおって、しかも、その通信の内容は暗号化しているんです。それがその次でございまして。
それから、利用目的は法律で限定しておりまして、利用できる行政機関も限定しているんです。だから、それ以外一切使えないんです。民間の利用は認めない、名寄せ、マッチングは認めないと、こういうことでございまして、目的外利用はもちろん認めないと、こうなっておりますし、かかわる職員は全部その職員であるということを証明しなければタッチできないようにしていますし、その職員が秘密を漏らしたら守秘義務を普通の倍にしておるんです。
そういうことでございまして、我々としては、一応技術的にも制度的にもそういう仕組みを取っております上に、いったん緊急のときには停止できるような緊急時対応計画というのも作っておりますし、それから、私どもの方に本部を作っておりまして、これをチェックして緊急時にすぐ対応する、若松副大臣を本部長にしまして、そういう緊急対策本部がありますし、また、これについていろいろ技術的なことを含めて御意見を賜る住基ネットワークの調査運営委員会というのを作っておりまして、住基ネットについていろいろな御意見があった先生方も全部入っていただいておりまして、そこでいろいろ御議論しておりますし、それから、今、施行後四か月ですけれども、抜き出していろんなチェックといいますか、それをやっておりますし、今後も計画的な監査をやっていこうと、こう思っておりましてね。八月五日からは一次稼働ですから、二次稼働というんでしょうか、来年の八月からはそういうことになるものですから、そういうつもりでございまして。
どうも一番我々としては不十分であったのは、国民の皆さんに対する説明責任を完全に果たしていないということですよ。その辺、一杯やっているんですよ。一杯やっても分かってもらわにゃしようがないんですよ。分かってもらうというのは結果責任なんですよ。これだけやってこれだけやってと言っても分かってなきゃ一緒なんですよ。やっていないのと同じなんで、そこで、これをどうやってやるか。今後とも大いに、まあ来年の八月までありますし、我々としては、今後とも努力していきたい、効果が上がる、分かってもらう説明責任を果たしていきたいと、こういうふうに思っております。
○山下栄一君 結果責任、今おっしゃったとおりだというふうには思いますので、この委員会でも何度も繰り返し大臣おっしゃっているわけですけれども、その大臣の思いが伝わるような努力を是非、陣頭指揮でお願いしたいというふうに思います。
次、電子証明書の件ですけれども、電子証明書を受けたいと、こういう人は自ら役所の窓口に行ってそういう手続をするわけですけれども、そのときに窓口に備付けの機械を使って自分で操作して、そして作成するということになるわけですけれども、この機械そのものを使いこなせないとこれは目的は果たせないわけでございますので、お年寄りや障害者にも簡単に操作できるそんな機械をやはり備える必要があるというふうに思うわけですけれども、どんな機械が想定されているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 議員御指摘のとおりでございまして、かぎペア、決して分かってはならない秘密かぎとそれから公開かぎ、これ、かぎペアですけれども、これを御本人のICカードに入れるためにかぎペア生成装置というものを使うわけですが、これは一種の乱数番号を打ち出すようなコンピューターと思っていただいたらいいんですけれども、したがってよその方にやっていただくとこれはまずいので、あくまでも御本人がぱっぱっぱっと乱数を打っていただくようにやっていただいた方が安心だと。
したがって、分かりやすく言いますと、タッチパネルで、例えば三、五、六とパネルぽんぽんと押しさえすればいいと。ICカードを突っ込んでいただいて、とにかくそのタッチパネルの適当な数字をぱっぱっと押しさえすればいいように、どなたでも、高齢者の方でも使いやすいような装置でなければならないと思っております。
○山下栄一君 この電子証明書の交付手数料の件、これも何度か取り上げられておりますけれども、これはもうできるだけ利用料は普及のためにも安い方がいいと。
どれぐらいの金額、いろいろ考えておられるようですが、それお示ししていただきたいと思いますと同時に、これ三年たつと更新ということになるわけですけれども、更新するときに以前の手数料よりも安くなっていくような、そういうことも配慮も必要であろうと。三年前と同じ手数料であればもう更新やめようかと、こういうふうなことにならないように、更新するたびに手数料そのものも低減化していくというふうなことも考える必要があると思うわけですけれども、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 電子証明書は市町村の窓口で御本人確認していただきまして、発行する名義人は知事でありますので、電子証明書の発行手数料は地方団体の収入になると、こういうことでありますが、暗号技術などの進展もありますから余り長い有効期間ではならないということで一応三年というふうに法律案ではなっておりますけれども、有効期間の間であれば電子証明書は何度でも使える、ICカードに入った形で何度でも使えるわけで、そのときに手数料を払っていただければいいんですけれども、私どもは、この趣旨が行政手続に使っていただくと、御本人の署名であるということを確認するためのものでございますので使っていただくわけでありますから、できるだけ多くの方々が電子証明書を持っていただくことが必要でありますので、これはもう安いにこしたことがないと、こう思っていまして、できれば手数料を五百円ぐらいにできないかと思っているんですよ。
しかしながら、これは各県の知事さんが電子証明書の発行の仕組みをどう構築するかにも懸かっておりますので、スケールメリットが働けば五百円からそこらでいいわけで、まあ五百円から千円の間で収められるようにしていただくと有り難いなと思っておりますけれども、これはよく知事さん方と相談していくべき事柄であると思っていますし、それからその後の話もこれは地方団体が手数料をどう決めるかという話でもありますので、そういった御趣旨を踏まえながら、住民のニーズに対応しながら地方団体が判断をされるのではないかと思います。
○山下栄一君 電子化のメリットとして便利になるということと同時に効率性ということ、これが言われているわけですけれども、効率性というものの中身の中で、私は行政コストが削減されるというこの観点が非常に大事であるというふうに思います、国民のためにも。実際これ具体的にどれぐらいの行政コスト削減になっていくのかということ、すぐには試算は難しいかも分かりませんけれども、効率化による経費削減効果、これ私は示す必要があるというふうに思います。
部署ごとに人件費の面、具体的に言うと人件費の面になるかも分かりませんけれども、それをこうなっていくということ、今すぐとは言いませんけれども、示すような努力をしていただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 今の山下委員の御質問でございますが、ちょうど大臣が十一月十九日の松岡委員に対する一つの答弁にもございましたが、いずれにしても、この行政手続のオンライン化というのは、ある意味で入力というのは国民にやっていただくということで、その代わり国民もわざわざ役所に行く時間が省けると。あわせて、もう既に入力されているわけですから行政は正にコンピューターを使って簡単にできる、ともにメリットがあるということで、当然コストメリットが具体的に国民に分からなければいけないと、こういうことだと思います。
現在、このオンライン化のために五万二千件手続をこれから進めるわけでありますが、これは多種多様な手続がございまして、これを一律にすることはできないんですが、正直申し上げまして、この五万二千件手続をオンライン化したらどのくらい削減されるかというのは今のところ計算しておりません。
ちょうど二年前に私もワシントンDCに行ったところ、あそこは七年間で十七兆円のコスト削減したとはっきり言っておりまして、恐らく前提で、シミュレーションでやっていると思うんですけれども、いずれにしても、そういうようなシミュレーションも使ってこのくらいやっぱりメリットがあるんだというものを国民に示さなければいけないと考えておりまして、そういった努力をしっかりやっていきたいと考えております。
○山下栄一君 次の質問、もう既に我が党の木庭委員始め触れられた件ですけれども、自治体の負担増ですね。この制度化に当たって、基盤整備に当たって当面立ち上げの負担増が強いられるわけですけれども、非常にこの財政難の中で国として何らかの財政支援考える必要があると思うわけですけれども、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 申請、届出等の行政手続のオンライン化に対応するためのその支援策でございますが、平成十四年度におきましてはいわゆる地域情報化推進事業と言っておりますが、そういった電子自治体の推進のための経費として一千百六十億円の地方財政措置を取っております。また、この財政負担の軽減には複数の地方公共団体が共同でシステムの開発、運営等を取り組むことが大変効果的でありますので、私どもは共同アウトソーシングという考え方に基づきまして現在モデルシステムの開発、実証、実験等を実施しておりまして、そのための予算要求も併せて行っていることを御報告いたします。
○山下栄一君 高齢者とか障害者、社会的弱者というふうな言われ方もありますけれども、行政オンライン化によるメリット、こういう方々こそ享受すべきであるというふうに思います。
ただ、情報デバイド、この情報格差の面でIT弱者という観点からも行政サービスにおける配慮が必要だというふうに思うわけですけれども、この問題解決のために自宅、在宅で簡単に操作できる端末機器、こういうことも開発する必要があるというふうに思うわけです。
先ほど統括官おっしゃったようにタッチパネルですか、それで特に我が家にあるテレビなんかでできるような、そんな機器の開発なんかも必要だと思うんですけれども、この点の総務省の御見解、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は、かねがねデジタルデバイド解消、特に年齢的な、あるいは障害の程度によるデジタルデバイドの解消には、高齢者や障害者の方々が使いやすい機器の開発が不可欠だと、こういうふうに思っておりまして、もうパソコンじゃなくて、もういつも言うんです、テレビを端末にする、携帯電話を端末にすると。こういうことが必要だし、しかもそれはワンタッチあるいは音声でやると。マウスでクリック、キーボードなんというのはもう聞いただけで高齢者の人は逃げてしまうんですよ、もう嫌だ嫌だと言って。インターネットと言ったら、もうさっと。
だから、是非そういう親しみやすいIT化ということをこれから本気で考えなきゃいかぬということで、今そういう意味での協議会というんでしょうか研究会でしょうか、そういうものでも立ち上げていただいてやっていただければ大変有り難いと。ユビキタスというのは冷蔵庫やふろや、もう全部これがパソコンで機能持つということですから、どこでもいつでもだれでもと。だから、そういうことの中で是非高齢者の方や障害者の方のデジタルデバイドを解消してまいりたいと、こう思っておりまして、そういうことができればオンライン化ももう少し有り難みが、実質的な意味が出てくるんではないかと考えております。
○山下栄一君 この有り難みの話で、電子政府化によりまして、省庁の縦割りを超えた行政サービス、これが非常にこのオンライン化のメリットとして大事なことだと思うんですね。ワンストップサービスですね。
これ具体的な話ですけれども、私自身、市民相談を受けたことの中で、障害者手帳の交付を受けている人が障害年金の資格がありながら五年間知らないままに時が過ぎた。五年後、この障害年金をもらうために窓口、社会保険庁ですけれども、この障害者手帳の交付は市町村、障害年金の方は社会保険事務所ということになっているわけですね。そしたら診断書が必要だと、五年前の診断書が必要だと、このように言われたわけです。
市町村と社会保険庁が連携すれば、いちいち障害のある方がわざわざ市役所へ行って、また社会保険庁へ行かなきゃいかぬという、そういうこと自身が非常に私は矛盾したことだなというふうに思うわけですけれども、国民の側に立った行政サービスという観点から、このオンライン化は、非常にこれは国民が実感として有り難み、先ほどおっしゃった、につながっていくというふうに思うんです。
障害者のケースに当てはめますと、障害者手帳の申請のページを開くと、同じ画面、シングルウインドーですか、に医療、年金、また公営住宅の申込み、住宅改造、職業訓練、その他障害者が受けられるあらゆる行政サービスの申請窓口がつながっておると。必要に応じて同時に申請手続もできる。診断書についても添付書類が一通でちゃんと通じていくというふうな、そんなイメージで縦割りを廃した行政サービスが可能になるようなことを、是非これ、そういうことを考えておられると思うんですけれども、IT戦略本部でも。行政手続の所管である総務大臣のリーダーシップで、縦割りの事務を乗り越える行政サービスが受けられるようなワンストップサービスの体制を是非ともこれは整えていただきたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
○副大臣(若松謙維君) 今の山下委員の御指摘でございますが、正にこの電子政府、電子自治体はワンストップサービス、これを強力に進めるものでありまして、複数の窓口で行われていました関連手続が一つの窓口で可能になるということで、国民、事業者の負担軽減、利便性の向上に大きく寄与するものと期待しておりまして、行政手続のオンライン化の推進に併せて積極的に取り組むことが重要と、このように認識して進めているところでございます。
その取組の一環としまして、電子政府の総合窓口システム、いわゆるポータルサイトですね、そういったものを活用しまして、府省を、いわゆる縦割りを意識せずに一つの画面から各種の手続ができるようにするシステム整備、これは平成十五年度を目途として行っているところでございます。
さらに、ワンストップサービスの推進に当たりましては、既存の業務をそのままオンライン化するのではなくて、業務改革、手続の簡素化、合理化に向けた見直しに取り組むこととしておりまして、いわゆるワンストップサービスから、さらに今後、ノンストップサービスという、これ二十四時間いつでもと。さらにはエニーストップサービス、どのようなサービスでもこの一つの窓口でできると、さらにはノーストップサービスという、正に二〇一〇年宇宙の旅、そういうのがもう見える形になっておりまして、それが正に省庁の縦割りを破るという行政改革の最大の目玉だと考えておりまして、そのような形での努力を更に進めてまいりたいと決意しております。
○山下栄一君 最後の質問です。
在日外国人の方への行政サービスなんですけれども、やっぱり公平にオンラインの申請ができるような配慮をすべきだというふうに思うわけですけれども、この在日外国人に対しても公的な個人認証が必要ではないかと。例えば外国人登録法の登録原票に基づく公的個人認証のシステム、これを構築すべきではないかと考えるんですけれども、お考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 外国人の方々に対します個人認証サービスは必要だろうと思いますので、ただ、そういうサービスを作ります場合の出入国の管理制度の問題、それから今御指摘のありました外国人の登録制度、これらの状況を十分に踏まえる必要がございますので、法務省とともに今研究会をやっておりますから、その結論をまって対応してまいりたいと思います。
○山下栄一君 法務省との関連があると思うんですけれども、是非総務省がリードしていただいて実現していただきたいというふうに思います。
以上で終わります。