155国会 決算委員会会議録 2002年12月09日
○山下栄一君 公明党の山下でございます。
十一年度、十二年度の決算の今日は最終の審議行うわけですけれども、私は行政改革中心にちょっと質問させていただきたいというふうに思います。
今国会、たくさんの法案が今も審議中でございますが、その内閣提出法案の半分以上が特殊法人改革、認可法人も含めてですけれども、にかかわる法律でございます。特殊法人を独立行政法人にするということなんですけれども、先ほども道路公団の民営化の問題、またそれより前から郵政事業の民営化、全力を挙げて取り組んでおられて、国民の期待も非常に高いわけですけれども、この独立行政法人になって本当に実効性ある計画ができるのかという、そういう不信感もまだまだ残っているというふうに思います。
私は、既に独立行政法人としてスタートしている、特定行政法人中心の研究所等がスタートしているわけですけれども、今国会で四十を超える特殊法人等が独立行政法人化されるわけですが、私、特にトップの方がだれになるかということが、非常に人事が大事ではないかなというふうに思っております。これが、今までの特殊法人時代と同じ方がそのまま横滑りで任命されるというふうなことでいいのかということでございます。
制度導入の大きな目的として、ねらいとして行政サービスの向上、効率化という観点が打ち出されておりますし、また計画を立てて中期目標等をチェックする、そして財務、特に財務ですけれども、組織も弾力的に運営する、事後チェックする、こういうことなんですけれども、こういう観点のためには、やはり霞が関の方のOBを中心とする、そういう人で大丈夫なのかという、そういう感覚は余り効率化とか弾力的運営とかいうふうなことに適していないのではないかという観点もしますし、国民に分かりやすい形で独立行政法人というのは変わっていくなと、こういうことを示すためにも、私は、この理事長の、トップの人事、これを思い切って、民間会社等で経験のある、そういう方を任命すべきではないかということを思っております。
ところが、現実は何となくそうでないような雰囲気がしますもので、この点についての、もちろん各府省大臣が任命されるんでしょうけれども、このトップをだれにするかということ、郵政公社の生田さんなんかの例を見ても、非常に新鮮ですし、実際改革を行われようとしておりますし、そういう観点から民間人を積極的に登用するということについて、トップを、総理のお考えをちょっとお聞きしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、今、山下議員の指摘された点、共通している点多いと自分でも思っております。今までの特殊法人等のトップは、その役所、管轄した役所の事務次官等OBが、ほぼ自動的と言ってはなんですけれども、もう慣例になっちゃっている。そういうことから、新しい独立行政法人等に対しまして、いわゆる天下りではない、適切な人物をどのように任命するかということを真剣に考えなきゃならないと思っております。
そういう点から、今後どういう人になってもらうかということもこれは大事な点でありますが、こういう独立行政法人に、民間から我こそはという方が出てきてくれればいいんですけれども、いざ具体的に当てはめてみますとなかなか苦労するんです。公的な関与とかあるいは給料が安いとか、いい人に限って民間ではいい給料取っているんですよね。それが独立行政法人のトップになると急に給料が減っちゃうという点もあります。
なかなか、私は、独立行政法人トップは事務次官以下でいいんじゃないか、給料は低くていいんじゃないかという点を申していた手前、そういう民間人の発想もあるのかということを考えておりますが、いずれにしても、私は、自動的に、惰性的に役所のOBが独立行政法人のトップに座っていいという時代じゃないと、積極的に民間の優秀な人を起用すべきだという点については同感でございます。
○山下栄一君 給料も大事なんですけれども、志が非常に大事だと思いますので、総理の幅広い人脈とリーダーシップで、是非これは積極的な、各省大臣が所管なんでしょうけれども、取組をお願いしたいと思います。
次に、公務員制度改革、抜本改革についてでございますが、私、去年の十二月二十五日、大変忙しい時期に予算そしてこの公務員制度改革大綱が出されておるということを、中身につきましても、出されてから大分たちましてから知りまして、非常に透明性がない形で非常に大胆な中身のことが提案されてしまっているというふうなことを思っておりまして、これ、私は、抜本改革のねらいが、内閣による国民本位の行政にするんだと、国民本位の行政になっていないという認識がおありだと思うんです。もうちょっとコスト意識とか、先ほど出てきました弾力性も、弾力性、機動性も大事な観点だと思います。
行政サービスの向上。しかし、私、それよりもっと大事な原則があるんではないかと。この基本原則がおろそかにされていないのかという、そういう非常に心配がございまして、今日、総理のお考えを直接お聞きしたいというふうに思いまして、取り上げさせていただきたいというふうに思っているんですけれども。
それは、人事行政の中立性、公正性ということでございます。これは、公務員制度改革するかしないかの前の、公務員制度そのものの大原則だというふうに思っております。憲法第十五条の要請もそうだと思いますし、国家公務員の人事院を中心とする行政の仕組みもそういうことだというふうに思うんですけれども、このことの、大事なことだと思いますので、大事なことだけれどもおろそかにされておらないかということの心配がございますもので、その基本原則でございます人事行政の中立性、公正性の確保、担保するという、これをなしに公務員制度改革はあってはならないと思いますので、この点の総理の御認識をお伺いしたいと思います。
○副大臣(根本匠君) 今回の公務員制度改革でありますが、今回の公務員制度改革のねらいから申し上げたいと思いますが、平成十三年一月に実施されました中央省庁改革と車の両輪を成すものであって、中央省庁改革が行政改革の第一弾として組織の抜本的な見直しを行う言わばハードの改革であるとするならば、今回の公務員制度改革は組織を支える人の問題に関する言わばソフトウエアの改革と位置付けられていると思っております。この趣旨は、平成九年十二月の行革会議の最終報告においても明記されておりますし、さらに平成十年の中央省庁等改革基本法においても、公務員制度改革の推進、内閣と人事院の機能分担の見直しについて明確に規定されております。
今回の改革は、平成十二年十二月に閣議決定された行政改革大綱におきまして、二十一世紀型行政システムに対応した行政組織、制度への転換を目指す観点から抜本的な改革をしようというのが趣旨でありまして、特に今回の改革について趣旨が十分理解されていないのは、今回の改革がどういう改革なのかという点だと私は思います。
今回の改革におきましては、国民に対して行政運営の責任を有する内閣及びその構成員である各府省の主任大臣などが、行政運営を支える公務員の人事行政についても主体的に責任を持って取り組んでいく枠組みを構築するとしておりまして、内閣主導の理念が十分に発揮される制度の構築を目指しております。その意味では、内閣と人事院の機能の今までのこの在り方、役割の分担の見直しになるものですから、ここのところが先生のおっしゃられたような点の意見が出てくるポイントだと思います。
やはり大事なのは、今回の公務員制度改革の理念であります内閣が主体的に責任を持って取り組む、この点が私は一番大きなポイントだと思うんですね。
今回の考え方の基本、新たな枠組みを構築する、私は六点あると思うんですが、人事管理権者としての主任大臣の主体的な責任と権限の明確化、内閣の人事行政の企画立案機能、総合調整の強化、この辺が内閣や主任大臣が責任を持つところでありますが、一方で人事院の中立性、公正性につきましては、人事院による職員の利益の保護、人事行政の中立性、公正性の確保、これもうたっておりますし、人事院の救済機能の充実強化、これもうたっておりますし、さらに財政民主主義及び勤務条件法定主義の下で勤務条件に関連する事項については人事院が適切に関与すると、こういうものを公務員制度改革大綱のところで示しているところでありまして、これらを踏まえて人事院の中立性、公正性の確保にも十分留意した改革の内容になっております。
○山下栄一君 人事院の中立性、公正性を確保するということを書いてあるんですけれども、書いてあるけれども大事にしていないということだと思うんです。そして、私、何のために人事院ができたのかということがちょっと、認識がちょっと違うんですけれども、根本副大臣とね。これ、内閣からも距離を置くということが公正、中立性ということではなかったのかというふうに思うんですね。
人事行政の根幹の部分、特に人事院そのものの権限を縮小させるようなことを内閣が提案したりたたき台作るのはそれはいいけれども、一番大事な部分を、内閣から距離を置くべきこの人事行政、公務員行政をその内閣が根本にまでさかのぼってやってしまうというようなことは、これはちょっと憲法にまでかかわる問題ではないかなというふうに思うんです。
だから、人事院の中立、公正性じゃなくて、公務員制度の中立性、公正性だというふうに私は思うんですけれども、ただ、そういう内閣から距離を置くために人事院という人事中央行政機関を憲法の要請の下に国家公務員法作ったというふうに思うんですね。それがちょっとおかしなことになっているなと思うんですけれども、総理から直接この点について御認識をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公務員というのは、これは政治から中立でなくてはならない。同時に、公務員が使命感と意欲を持って働けることができるような制度をどう整備していくかという問題で、必ずしも、今までの行き方で問題あるのじゃないか、いいという点ばかりじゃないということから、今公務員制度の改革が言われているわけでありまして、そういう点は、いろいろな意見に耳を傾けながら、新しい時代にふさわしい、いい人材が公務員として集まる、また公務員となった場合には使命感を持って公平に、政治から中立という点も十分認識して活躍できるような素地を作っていくというのが私は必要ではないかと考えております。
○山下栄一君 大綱、公務員制度改革大綱の中に、例えば天下りに関する大臣承認制というのが書いてあるわけですけれども、これは行革の精神に反するのではないかという指摘もマスコミその他では言われております。私もそのように思います。それを、人事院が中心にやっていたのを大臣にということだと思うんですけれども、この点についても、天下りに関する問題、これはもう国民物すごく関心あるし、総理も大変な御関心の下に今特殊法人改革等進めておられると思いますのでね。
ところが、衆議院の今回の特殊法人等改革特別委員会の議論でも、石原担当大臣と人事院総裁のお考えが全く違う、激しい議論がやり取りされているというふうなことがございます。また、参議院では、行政監視委員会でも、内閣主導型というよりも行革事務局中心のやり方で、特に人事院の権限そのものについての縮小にかかわることが法律に出てくるようなことになった場合には、総裁自身が国家公務員法二十三条に基づく意見を国会、内閣にも申し上げる場合もあり得るというふうなことまでおっしゃっているわけで、非常に公正、中立性にかかわる分野そのものが今大きな問題になっているというふうに思います。
そういう意味で、今、総理おっしゃったように、改革の進め方なんですけれども、行革石原担当大臣の下で行革事務局中心に企画立案されて、それが閣議決定になり、今内容が法案化されようとしているわけですけれども、できるだけ多くの方々の意見を聴くということが非常にされていないのではないかと。本来、公務員制度調査会があったけれども、これももう今なしで、役所主導型で、役所主導型で役所のことを、公務員のことを抜本改革されようとしていること自身も非常に私疑問を感じますし、そういう意味で、広く国民の意見を聴く形で、大綱は出たけれども、法案化するに当たって、そういう識者の意見を聴いたり、もちろん組合の意見もお聴きになっているということを一部聞いておりますけれども、人事院も、専門家の意見をちょこちょこ聴くということじゃなくて、そういう在り方でなくて、改革大綱に基づいて法案化していく作業の中で公正、中立性にかかわる、触れる、場合によっては抵触する、そういう問題も提起されていることを踏まえて、もっと幅広い方々の意見を聴きながら、場合によっては大綱そのものも見直す、修正するということがあってもいいというふうに思うんですね。
この点の総理のお考えをお聞きしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今いろいろな問題点を指摘されましたけれども、そういう問題があるということをよく認識しながら、各方面の意見を聴いて法制化作業を進めていかなきゃならないと思っております。
○山下栄一君 どうもありがとうございました。
以上でございます。