Home プロフィール 主な政策提言 国会質問 活動レポート 市民相談コーナー 情報BOX リンク集 事務所案内 ご意見

国会質問

155国会 総務委員会会議録 2002年12月10日


○山下栄一君 何点か、五点ほど質問させていただきます。
 まず最初に、業績評価の観点ですけれども、NHKは特殊法人なわけですけれども、政府の整理合理化計画の中では日本赤十字社等と並んで法人格は変えないということになっておるわけですけれども、私は、この整理合理化計画の中における精神、これはきちっと法人格は変わらなくても改革を目指すべきであるというように思います。

 特に、国民への番組向上へのサービスの努力、また財務が健全であるか、これの見直し、評価、チェックの体制、こういうようなことは独立行政法人化の観点と同様のやはり精神を持つべきであるというふうに思うわけです。
 というふうに考えますと、NHKの業績評価の、特に第三者的な業績評価の仕組みが私はないというふうに考えておるんですね。こういう観点からの制度改革といいますか、見直し、このことについて総務大臣はどのようにお考えでしょうか。


○国務大臣(片山虎之助君) NHKは言論報道機関という性格がありまして、表現の自由というものがありますね、公共放送ですし。したがって、普通の独立行政法人のように評価委員会を作ってそこでチェックしてもらうという仕組みは取っていないんですよ。しかし、御自身でそういう意味でのセルフコントロールのためにいろんなことをやっていただくというのはいいことですし、あとは何よりも国会ですよね。例えば予算や事業計画については国会の承認が要りますし、決算や今の業務報告書についても国会に提出させていただいて今ここで御議論されているんで、そういう意味での独立行政法人評価委員会みたいなもの的な役割は国会でやっていただくと。また、これが一番いいんじゃないかと、こう思いますけれどもね。


○山下栄一君 独立行政法人になっているところ、また、これからしようとしているところについても国会のチェックは必要だと思うんですけれどもね。
 私が申し上げているのは、別に行政がチェックしろと言っているわけじゃなくて、第三者の評価機関、これは独立行政法人それぞれがそういう体制を取っているわけですよね。それを、だから行政の側においてそこで評価するということじゃなくて、第三者的な、国民の側に立った、受信料が適正に使われておるかというような観点からの第三者による業績評価の仕組みは私はあっていいんじゃないのかなと、こういうふうに申し上げているわけです。

 経営者委員会というのがございます。これは国会同意人事でやられているわけですけれども、これはやはりNHK内部の組織であるというふうに思いますので、似ているけれども、第三者的な業績評価の体制を作った方がいいんじゃないのかなと。外部監査の体制も導入しようというようなことをNHK自身が考えておられるのを聞いておりますけれども、私は、業績評価をしながら、場合によっては見直す、廃止する、こういう事業は縮小しようとか、そういうことを定期的に第三者にチェックしていただくというふうなことはあっていいんじゃないのかなというふうに思っております。会長、どうでしょうか。


○参考人(海老沢勝二君) 私ども、この場が、国会が株式会社で例えれば株主総会に当たるものという認識もしております。ですから、私どもの事業計画あるいは予算、決算等はすべて国会で審議され、承認を得なければならないということになっております。そういう面では、私はこれは世界に例のないNHKの在り方だろうと思っております。そういう面で、時の政府から独立し、国民の代表である国会がこれを決するという、これはやはり大事にしなきゃならないだろうと思っています。
 そのほか、私どもには、国会の承認を受けて内閣総理大臣が任命しました経営委員会があります。これは、各有識者の方々にNHKの経営について最終的決定をお願いしている機関でありますし、そのほか情報公開をしておりますし、情報公開を審議する委員もありますし、また会計検査院、今度は監査法人にも検査をお願いする。そういう面でいろんなチェック機関がありますし、番組につきましては、中央番組審議会、地方番組審議会、あるいは各種団体の皆さん方の意見も聞きながら、これだけ開かれた機関はないほどいろんな面の御意見を賜って運営しておりますので、今後とも皆さん方の御意見を聞きながら、きちんとした運営をしていきたいと思っております。


○山下栄一君 国会によるチェックをきちんとやればよいという、大臣もお考えでございますけれども、そういう観点からも今日のこの審議は非常に大事な審議であるというふうに思いますので、気合入れてやりたいと思います。

 二点目ですけれども、個人情報保護法案、これ今衆議院の方で審議が余り進んでおりません。進んでいない理由が表現の自由にかかわる、特にメディア規制につながるのではないかという不安、懸念、これが根底にあるわけですけれども、政府の、中央政府、地方政府の電子化が今着実に整えつつありますし、社会全体がIT化の流れですし、そういう意味じゃ、この個人情報保護法の制度は、これはもう一刻も早く整える必要があるというふうに思うわけです。
 こういう観点から、与党三党が修正案を先日まとめました。基本原則の削除を核とする表現の自由を更に配慮した与党修正案につきまして、会長はどのように評価されているかをお聞きしたいと思います。


○参考人(海老沢勝二君) 私どもNHKといたしましても、個人情報保護法案につきましては、基本原則が取材活動の制限につながりかねないというようなことから、重大な懸念を示してまいりました。
 今回、与党三党から修正要綱が示されました。その中で、我々も問題にしておりました基本原則が削除されたと、削除されるということが明らかになったわけであります。そういう面で、我々の立場からすれば一定の前進といいますか、評価ができるだろうと私は思っているところであります。
 ただ、この修正要綱に基づいてどのように具体化、法案化されるのか、その辺を少しこれからの国会の審議を見守りたいという気持ちもしております。また同時に、私どもこの個人情報保護法案につきましては、新聞協会等とも共同歩調を取ってまいりましたので、これから新聞協会等を中心にまたいろんな議論をしなきゃならないだろうと思っております。
 そういう面で、これから具体的な法案を見ながら、その検討を、どういうふうな対応をするか検討していきたいと思っております。いずれにしても、前進したというふうに受け止めております。


○山下栄一君 番組、特に映像による社会への影響というのは大変強いわけですけれども、特に青少年に与える影響につきまして放送事業者側の取組が非常に弱いのではないかという、そういう批判が以前からずっとあったわけです。

 二年前に、平成十二年四月にNHKと民放が放送と青少年に関する委員会というのを番組向上協議会の下に作りましたですね。私もこれ大変注目しておるわけですけれども、丸二年たちました。特に、今ゴールデンタイムで流されている番組の中で非常にまゆをひそめるような番組も厳然と私自身もあるというふうに思っております。特に、食べることに関する番組が増えておりまして、一時早食い競争の番組も流されまして、愛知県では、その番組の影響だと思いますけれども、まねをして、のどに詰めて、食べ物を、亡くなるというような、中学生でしたか、そんな事件も報道されておりました。激しい、強烈な影響があるわけです。

 それで、こういう放送と青少年に関する委員会というのを設置したと。設置して年間二千件ぐらいですか、様々な御意見、番組への批判もあるというふうに聞いておりますけれども、視聴者からの意見が具体的に番組向上にどのように反映されていったのかと。良い番組はどんどん啓蒙する必要があると思いますけれども、ちょっとこれはどうかなという番組について視聴者からの意見を重く受け止めて、第三者による委員会、七人委員会が場合によっては番組をやめた、また番組の時間を変更したというふうな事例がどれぐらいあるのかと。

 今日はNHKだけですので、民放の方が多いのかも分かりません、よく分かりませんけれども、この放送と青少年に関する委員会につきましてはNHKの方もかかわっておられると思いますので、民放もNHKも含めた、今申し上げたような番組向上への努力、視聴者からの意見を基にしてこのように変えていったというふうな事例を教えていただきたいと思います。


○参考人(板谷駿一君) 委員会に寄せられる視聴者からの意見を我々も十分踏まえるようにしております。それを番組に反映する努力をしているんですが、お問い合わせの、NHKの放送番組について委員会で審議され、問題があると指摘されて、いわゆる見解と申していますが、見解が出されたということはございません。
 ただ、民放の二つのバラエティー番組について見解が出ております。一つは暴力やイメージを肯定しているメッセージを子供たちに伝えるという理由、もう一つはのぞきを肯定するメッセージを伝えているというふうなことで見解が出され、該当の放送機関は自主的な判断で指摘された番組コーナーをやめるというふうなことをやっております。
 NHKとしましては、そういうことがなく、子供の健全な成長に積極的に資するような番組をこれから作っていくという努力をしていきたいと思っております。


○山下栄一君 青少年への有害情報というようなことで、法律によって規制しようというふうなことも話題になり、法案も準備されるような状況も一方ではあるわけでございまして、番組向上への自律的な、主体的な取組というのが私は問われているというふうに思います。

 そういう意味で、私はこの放送と青少年に関する委員会、設立されて二年半ですけれども、ここの第三者的な識者による七人の方々の取組というのが非常に私は大事なことだなというふうに思いますので、こういう委員会があってそういうところに意見が言えるんですよというふうなことを放送でも流されていると聞いております。場合によってはそういう様々な新聞等のラジオ・テレビ番組のところにもそういう案内をするというようなことも大事ですし、視聴者が直接こういうところに様々な意見を言い、それが反映されたというふうなこと、こういうことを積み重ねることによってそういう権力的規制といいますか、こういう流れを弱めていく。そういう、もっと法律で規制したらどうかというような声も国民の側には一方ではあるというふうなこともあるわけでございますので、そういう意味で、事業者側の主体的、自律的な取組が問われているということ、重々自覚されていると思いますけれども、更に取組に努めていただきたいと思います。

 子どもに良い放送プロジェクトというのが去年の十一月に作られたというふうなことを聞きました。幼児に、小さな子供たちに、また青少年に良い番組がどのような影響を与えていくのかということを心理学的、医学的、様々な学問的な観点から検証していこうという、こういう取組は私はすばらしい取組であるというふうに思いますし、こういうことをNHKがされているということ、世界でも非常に珍しい取組と聞いておりますので、こんな取組もしっかりやっていただきたいなというふうに思います。

 時間の都合で最後ですけれども、ABU、これは私もこの前初めてこの行事に参加させていただいて非常に啓発されました。
 アジア・太平洋放送連合という、ABUという組織があると。これもNHKが呼び掛けて一九六四年に設立されたと。それがどんどんこの加盟放送局も増えて五十か国、百一放送局ですか、百一機関ですかというのは聞いております。

 今日お聞きしたいのは、この基本理念が私はもうすばらしいと思うんですけれども、非常にこの多様な文化が、文化の多様性が場合によって戦争に発展したり、衝突、国民感情にまで影響を与えるというようなことがあるわけです。そういう意味で、この基本理念として相互理解を深めて世界平和や文化、福祉の向上に貢献していくという、今回の東京における五回目の、日本における五回目の会合もそういう理念の下に行われたというふうに聞いておりますけれども、今日ちょっと御提案したいのは共同番組なんですけれども、歴史認識がいろいろ違っていて、例えば中国また朝鮮半島、なかなか強い民族的といいますか、お互いの理解が進まないことが非常に様々な形でハレーションを起こしたり、共通の立場に立てないというふうな戦後のこの日本の歴史認識問題というのが厳然とあるわけですね。共通の教科書を作ろうというような動きとか、また外務省を中心となって、こういう学問的に歴史認識を共通するような研究会を発足するというようなことも進んでいるようなんです。

 私は、この視聴覚に訴える共同番組による、もちろん番組作りで意見が違う場合もあるでしょうけれども、共通の理解に至った内容については、ドキュメントにしろ歴史的な事実を映像化する努力、こんなことが非常に大事なんではないかなというふうに思います。そういうことが、アジアの特にこの戦後の歴史認識問題について共通理解の土壌を確立していく非常に有効な手段、武器になっていくのではないかというふうに思うわけです。

 このABUの取組の中にこういう観点、歴史認識の共通なそういう土壌を作っていこうという、そういう取組を是非やっていただければなというふうなことを感じるんですけれども、いろんなこの識者また歴史学者等も含めたそういう番組のチームなんか作ったりしながら是非こういう取組をしていただきたいと思いますけれども、会長の御見解をお伺いしたいと思います。


○参考人(海老沢勝二君) このABU、アジア・太平洋放送連合、今年三十九回目の年次総会を東京で開きました。私ども、この四十年近い歴史の中で、このアジアの多様性、それぞれの異なった文化、価値観を持っておるわけであります。そういう面で、今度の年次総会でも、国境を越えるテレビ時代になりましたのでなおさらお互いの文化、価値観を尊重し合う、理解し合う、相互理解を深めて、その上にお互いの信頼関係を更に強固なものにしていこうということで合意に達しました。そのためには、やはりニュースや番組の相互交換、あるいは番組の共同制作を通じてお互いにそういう文化なり価値観を尊重し合う、そういう中で、また新しいものを作っていこうと、そういう今認識で合意したわけであります。
 私どもも、今後ともいろいろな面でお互いに協力し合いながら、番組の共同制作を通じて、そういう歴史観なりあるいは文化、価値観というものをひとつできるだけ共有する、理解し合う、そういうことを更に強化していきたいと思っております。このアジア太平洋地域、非常に中近東も含めた五十か国、百一の放送機関でありますから、そういう中でいろんな面での相互理解を我々は大事にしていきたいと思っております。

ご意見はこちらまで
(c)2002 Yamashita Eiichi Office All rights reserved.