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国会質問

156国会 総務委員会会議録 2003年03月18日


○山下栄一君 今日は郵政公社の問題、質問させていただきます。
 つい先日、郵政審議会から中期経営目標、中期経営計画、これは設立会議、第一期については設立会議が内容、計画、目標、決定して総務大臣に提出されているわけですけれども、審議会の方も申請どおり認可すると、すべきという答申が出たように聞いておりますが。
 この特に第一期の目標、計画についての責任なんですけれども、ちょっと第一期については責任をどう取るかというのは難しいなというようなことを思っておりまして、今年から四年間の第一期の目標、四年後に結果が問われるわけですけれども、問われる方々は生田総裁予定者始めとして自分たちで決めた目標、計画ではないと、設立会議が決めたものだと。これもそういう法の仕組みでなっているわけですけれども、現実的にはそういうことになってしまうと思うんですね。
 と同時に、設立会議は民間人が大半だけれども、新体制の下では総裁はもちろん民間の方、副総裁のお一人は官僚出身、理事の方も大半は役所出身の方だと。こういう体制で自分たちで決めたものではない計画について責任を取らないかぬという。
 第一期については、非常に私はこの責任の取り方を問うのがちょっとすっといかない体制になっているなということを感じておるわけですけれども、二期目以降は自分たちで決めてやっていくわけですが、一期はそういう例外扱いになっていることについて、最終的には総裁が責任を取るんだということを大臣も答弁されておりますが、一期について同じ扱いでいくということについては非常にすっきりしないものを私感じております。
 そういう意味で、目標、計画については本来は理事会が決定、審議し決定して総裁の名の下に責任をということなんですけれども、特に私は最初については責任の取り方が非常に難しい面があるというふうに思うんですけれども、この点、大臣、どのようにお考えでしょうか。


○国務大臣(片山虎之助君) 最初にできるわけですからね、そのときの執行機関というのは、意思決定機関、執行機関もないものですから、設立委員さんを決めまして、設立委員さんで議論してもらってそれを総務大臣が認可すると。一番大きいのは中期経営目標と中期経営計画ですけれどもね。
 そこで生田さんも設立委員に入ってもらっているんですよ。それから、設立委員の座長は私がお願いして経団連の奥田さんになってもらって、それからその他何人かおられるんですけれども、その中の奥田さんと北城さんと、池尾さんという慶応の先生は非常勤の理事に入ってもらっているんですよ、同時に。
 生田さんはもう有力な設立委員会議のメンバーでございまして、そういう意味では生田さんが関係のないところで決まったわけじゃないし、同時に、決めた主力の人は公社の非常勤ですけれども理事さんになっていただいておりますし、総務省が全体をチェックすると、こういうこともありますので、これは最初は、山下委員、こういう形でスタートさせていただかぬと私はほかに方法がないんではなかろうかと。しかし、議決機関と執行機関というのは大体そういうものですよね。国会で決められたことを内閣は一生懸命誠実にやると、県議会が決めたことを知事さんはちゃんとやってやると。こういう分担関係ですから、設立委員会議が意思決定機関の代行であるんですね、最初のときは。
 だから、これは最初の四年が済めば今度は理事会で決めていくと、こういうことになるわけでございますから、そこはひとつ是非御理解を賜りたいと思います。


○山下栄一君 やむを得ない面があるんですけれども、私が申し上げたいのは、二期以降と一期とは責任を取る最高責任者である総裁の立場は違うなというふうに思いましたもので、同じ扱いでいいのかなという素朴な疑問を申し上げました。

 次の質問でございます。
 公社の職員は国家公務員であると。ということは、憲法第十五条の全体の奉仕者という立場、中立公正の立場ということは憲法によって規定されているわけです。と同時に、国家公務員法の扱いもそのまま受けるということなんですけれども、最近五年間のデータを見ますと、郵政職員の不正行為が年々増えていると。特に、国家公務員法上の懲戒処分を受ける方々、平成九年、千百九十三名、以降毎年増えまして、平成十三年までしか統計ありませんけれども、二千人近くなっていると。これは法律的な処分ですけれども、内規による処分、訓告におきましては平成九年は四千人台、これが平成十三年度は八千四百名ぐらいになっているという、非常に郵政職員の不正行為というのがどんどん増えているという状況の中で郵政公社がスタートするということなわけです。
 このことについて、非常に増加傾向にあるということについての大臣の、どこに原因があり、そして、このことについてどういう対策を取っているかということをお聞きしたいと思います。


○国務大臣(片山虎之助君) 山下委員言われるとおり、懲戒処分の件数がずっと増えていますね。
 ただ、重いのは余り増えていないというより減っているんですね。戒告という一番懲戒処分では軽いものがかなり増えているんで、犯罪的なものじゃなくて、やっぱり規律違反、業務の処理手続違反あるいはそれに対する監督責任と、こういう関係の懲戒処分が増えているんではなかろうかと思いますし、しかし、そんなことを言ってもやっぱり違反は違反ですから、これは厳正に、国家公務員で、引き続いて国家公務員でやっていただくわけですから厳重にしていかなければならないと、こういうふうに思っておりまして、それなりの指導をやっておるんですけれども、やっぱりこれから、郵政監察局という、今ございますけれども、今度公社になってこの郵政監察の在り方をどうするのかということも議論をいたしておりますから、そういうことで更に綱紀を粛正して、こういう公務員としての違反、事犯を起こさないように最大の努力をするように、公社の皆さんにもお願いいたしたいと、こういうように思っております。誠に私としてもこの増加傾向は遺憾であると、こういうふうに思っております。


○山下栄一君 適切な対策というのはないということだと思うんですけれども、こういう中で公社化が進む。公社化が進むことによって非常に緊張感ができて、出てくる。給与に反映される部分も、能力給、業績給その他勘案することになっておりますので、引き締まる面もあるのかなと思うと同時に、国家そのものからちょっと距離を置くということになってくると自律弾力的運営、これがいい方に行くのか、更に緩む方向に行くのか、何とも言えない状況の中でスタートするというのが現実ではないかなというふうに思っております。そういう意味で、新しいこの役員会の方々の責任というのは非常に重いなというふうに思います。
 それに関連して、人件費にかかわる話なんですけれども、この不正行為の温床になっているのがいわゆる利用貢献手当制度、報奨金制度ではないかという指摘がございます。つい先日、簡保の財形商品の不正契約について事業庁の内部調査でこれが明らかになっておりますけれども、郵便貯金における架空名義や名義貸しなど無理な勧誘による不正行為の報道がこれが後を絶たない、そういう状況であるわけです。これはもう法律に基づくそういう仕組みなんですけれども、公社化とともにこういうことを見直しする必要があるのではないかというふうに感じております。
 本給、要するに本来の給料とは別に、例えば簡保でしたら年間、個人の最高支給額が二千万超えたこともあります。郵便貯金では七百万という、こういう職員がいらっしゃるわけですけれども、それは法律に基づくものなんでしょうけれども、これ、こういう状況が、何でこうなってしまっているのかなという面もあるわけですけれども、公社化に伴ってこの支給基準ですね、支給基準は見直されるんでしょうけれども、どういう観点からこの利用貢献手当制度、報奨金制度を見直されようとしているのかと。現在も支給基準によって、大臣の名の下にこの支給基準が作られてこういう現実があると思うんですけれども、こういう人件費にかかわるものが簡保だけでも約六百億、郵便貯金でも六百億近い、そういうときも、年々減っているようです、最近は。
 これは、公社化に伴ってこれは支給基準を見直す必要があるというふうに思いますけれども、この点いかがでしょうか。


○副大臣(加藤紀文君) 山下委員御指摘のとおり、利用貢献手当制度というのは、職員が発揮した能率を考慮するとの給与特例法に定める給与の根本原則に則して支給しておりまして、職員の意識の向上とか事業の健全経営に貢献しているということでありますが、これから公社化に当たりまして、この手当の見直しについてのお尋ねでありますが、今まででありますと、例えば郵貯に関して言いますと、貯蓄商品等の募集実績に応じて支給する職員の獲得能力を評価するという制度でありましたが、これからは貯蓄相談等にかかわる専門知識の活用状況とかお客様対応能力、また迅速かつ確実な事務処理能力といった項目を総合的に評価することによりまして、郵便貯金が提供するトータルな金融サービスの質の向上、顧客満足の向上を図るための制度に見直すということであります。また、過去の平均的な支給水準を下回る上限額を設けることにより、支給総額の抑制も図っていくということであります。
 また、簡保に、簡易保険の利用貢献手当につきましても、顧客満足の向上の観点から、勧奨実績を大きく反映した制度から勧奨実績のほかに販売にかかわる専門知識の度合い、またニーズに合った適切な商品の提供、お客様に対するアフターフォローといった項目を総合的に評価する制度に見直すこととしております。また、契約実績が一定水準に達しない者には手当を支給しないということ等により、支給総額の抑制を図るということにしております。


○山下栄一君 今、副大臣おっしゃった、だから、職員が一生懸命頑張る、その何を評価するかという基準を今変えたいというお話だと思うんですけれども、今まででしたら頑張れば頑張るほど、例えば金融の世界でしたら、郵便貯金がどんどん契約数を取るために、それで評価されるものだから無理してでも勧誘するという、頑張れば頑張るほど民業圧迫というふうになる面があったと思うんですね。だから、それは、今おっしゃったように見直しは是非やるべきだというふうに思います。何をもって公共の福祉に貢献するのかという、そういう本来の郵政公社化に伴う職員の頑張り度合いを評価する、その評価基準をやはり見直す、是非やっていただきたいというふうに思うんですけれども。
 と同時に、これは所管が総務省じゃないかなと思うんですけれども、現業の職員の方中心に特例が設けられていたと。職員の給与、国家公務員の給与については今も公務員改革で大きなテーマになっておりまして、そういうことが実際できるのかどうか非常に疑問視もされておるわけですけれども、能力給制度ですね、業績評価。ところが実際は、現行の法律の中でも例外的に国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法ということで、例えば郵政の職員等におきましてはこういう報奨金制度というか、認められてきたわけですけれども、対象となる国が経営する企業というのが激減して、今もう郵政ぐらいしかないのでは、林野庁もあるようですけれども、三公社が民営化された段階でこの法律適用する対象となる国営企業というのはなくなりつつある段階で、この法律の見直し、廃止も含めた、これも検討するあれあると思いますし、それはこの国家公務員全体の能力給の導入とも関連してくると思うんですけれども、この法律の見直し、廃止に対するちょっと御見解をお聞きできればと思います。


○国務大臣(片山虎之助君) これ、郵政職員じゃなくて現業職員全体のあるいはお話かと思いますけれども、現業職員の場合には一種の団体協約締結権もありますし、いろんなあれがありますけれども、今言われたように、今度は能力等級制度を作ろうと言っているわけですから、そういうことの絡みの中でやっぱり今までのこういう給与、手当についても検討してまいりたいと思います。
 これは、しかし本当は人事院でございます、所管は。ああ、そうか、現業ですからそれぞれのところであります。


○山下栄一君 あと一つお聞きしたいこと、あと二つかな、済みません。運送費の問題ですね。
 これは私、去年十一月にも質問させていただいて、特に運送費も一生懸命経営努力によって削減、最近は一生懸命努力されているわけですけれども、郵便事業の運送でございます。特に大半を、七割以上を占めるトラック輸送についての民間委託について一般競争入札制度を段階的に導入していくと、取りあえずは長距離からというふうなことを聞いているわけですけれども、事このことにつきましても、全体的なこれからの見通しですね、これをちょっと確認をさせていただきたいというふうに思っております。一般競争入札制度を導入するということを決定されて徐々にスタートしつつあるという現状等、すべての運送委託契約の一般競争入札制度の導入に向けてどのような観点で進めようとされておるのか、見通しについて確認したいと思います。


○国務大臣(片山虎之助君) 今回の公社の中期経営計画におきましてもやっぱりコスト削減というのは大きなテーマでございまして、基本的には競争契約を拡大していくと、こういうことでございまして、例えば物の運送についても鉄道コンテナ運送や航空運送や船舶運送はもう競争契約でやっていると。トラックだけが、業者が多かったり品質保持の必要性から必ずしもそうでなかったんですけれども、今、山下委員も言われましたように、少なくとも長距離線路については競争契約を導入していこうと、こういうことでございまして、その状況を見ながら長距離以外のものについても考えていくと、こういう基本的な考え方で今公社の方も検討しているようでございますので、我々も同じ考え方でそれを推進いたしたいと思っております。


○山下栄一君 この運送委託契約の随意契約からそういう入札制度へというのに伴いまして、ちょっと細かい話ですけれども、この運送事業者が郵便物を運ぶときに車体を赤く塗りなさいという、そういう事業庁の方のルールがあるわけですけれども、これ、郵便専用自動車車体規格基準という、車体は赤色をしなきゃならないという、これは入札制度導入とともにこれも見直しする必要があるのではないかと。赤く塗ってしまったらほかのは、運送する人も郵便物の運送もすればほかのものも運ぶ可能性があるわけですから、これはちょっとこういう規制緩和の一環として、ちょっと細かい話で申し訳ありませんけれども、見直しをすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。


○副大臣(加藤紀文君) 山下委員御指摘のこの赤色に塗装するというのが、郵便事業のシンボルカラーである赤を塗るということで、PR効果とか、また郵便物を運送しているということが明らかに分かりますので、運転手の自覚とか、安全運転の心掛けを促すという効果があることから義務付けておるわけでありますが、これは拠点郵便局とその地域内の他の郵便局を朝早くから夜遅くまで反復運送しておりまして、郵便物以外の貨物運送をする余地がない、いわゆる地域内運送に限っておりまして、拠点郵便局間相互の長距離運送をしている地域間運送については赤色の塗装を義務付けておりません。
 今後、今御指摘にありましたが、その地域内運送に使用するトラックについてもこの赤色の塗装の義務を外すにつきましては、そのトラックを郵便物運送に支障を及ぼすことなく、他の貨物の運送に利用できる余地があるのかどうか、また赤色塗装によるPRの効果はどの程度のものか、また逆に赤色塗装を外すことによって果たして運賃の値下げの可能性はどの程度あるのかと、そういったことを総合的に勘案しつつ、公社において適切に対処することを期待しております。


○山下栄一君 ずっと続いてきた、この慣例上やってきた余り考えなかったことについても、いろいろと見直ししたらどうかなという提案でございます。
 最後に、郵便料金ですけれども、郵便料金は今は法律で、法令で決めている公共料金になっておりますが、今後はこの公社化に伴ってこういうことはなくなっていくと思うんですけれども、どういう形になるのか。また、郵便料金を値上げするという事態に追い込まれるということは経営の失敗責任を問われるということになっていくと思うんですけれども、この郵便料金の制度が郵政公社化になってどのように変わっていくかということについて、最後確認したいと思います。


○副大臣(加藤紀文君) 御承知のように、郵便、従来の郵便料金というのは法律又は省令で定められておりましたが、公社化後におきましては、その公社が事業運営に要する費用やまた利用者のニーズを踏まえて定めることとなっております。この場合、郵便料金のうち、通常郵便物の料金及び通常郵便物に係る特殊取扱い、書留とか速達とか、法定したものに限るわけでありますが、この料金については総務大臣の認可を受ける、そしてそれ以外の小包郵便物の料金等については総務大臣に届出されるということになっております。
 いよいよもう四月一日からスタートするわけでありますが、先般一月三十日に認可対象料金については総務大臣の認可をしたところであります。


○山下栄一君 ちょっと、郵便料金を値上げするということは今まで行われてきたわけですけれども、こういうことは公社化に伴ってもうそういうことはなくなっていくはずだと思うんですけれども、どうでしょうか。


○国務大臣(片山虎之助君) 今、料金の決め方は副大臣が言ったとおりですね。それで、今のこの経営計画等では同じ料金にしていただくと、こういうことにしておりまして、その同じ料金体系の中でやっぱりいろんな経営合理化の努力をしてもらって、中期経営計画では第一期四年の間に約五百億円の積立金を確保する計画だと。しかし、それは料金の値上げじゃありません。努力でやろうと、こういうことでございまして、大変厳しゅうございますけれどもね。どうも赤字でございますが、是非公社移行後は努力をして、黒字にして四年で五百億円を確保すると、こういうことを考えております。


○山下栄一君 終わります。


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