156国会 総務委員会会議録 2003年04月01日
○山下栄一君 最初に、消防法の改正にかかわることで質問をさせていただきます。
消防機器等の検定制度を今回変えるということなんですけれども、昭和六十二年にこの検定機関の業務独占を排除した、指定検定機関制度を導入したと。今回はその指定機関から登録機関へという、そういうことになるわけですけれども、この登録機関制度導入の背景、理由、これを教えてください。
○政府参考人(東尾正君) 指定法人制度につきましては、省庁から一方的に指定をするということから、その指定の在り方をめぐりまして不透明さがあるのではないかという指摘が一部からございます。このため、今回の登録制度におきましては、一定の登録要件などを満たしております法人であればどの法人でも自由に参加できるということから、ただいま指定制度を取っております類似の法人においてすべからくこの登録制度に移行するということで、政府全体として取り組んでおります。
○山下栄一君 私、日本消防検定協会、この法人についてちょっと今から大臣も含めてお考えをお聞きしたいと思うんですけれども、私、登録制度を導入するように、そういう背景になった、それは行政委託型公益法人の改革という公益法人改革の一環ということが背景にあると思うんですけれども、今まで国のみがやっていたのを、民間の法人であれば、条件さえ満たせばどなたでも認めるという、そういう制度に変わるわけですから、今回の法律の改正なんですけれども、指定機関から登録制機関に変えるんだったら、私は日本消防検定協会という組織を特別に法律として設置、置く理由がなくなったのではないかというふうに思うんですね。そう考えるべきだ、その方が分かりやすいというふうに思います。
だから、例えば二十一条の十七、新しい今度の改正案ですよ、第二十一条十七に日本消防検定協会の規定があるわけですね。その後に登録検定機関というのが二十一条の四十五からあるわけですよ。そうですね。二十一条関連です。そうであるならば、この日本消防検定協会という組織は登録検定機関の一つであると、こういう位置付けにすべきだと思うんですよ。わざわざ別の規定を置く必要はない、登録機関の一つとして位置付ければいいと。これが非常に分かりやすい話だと思うんですね。いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 日本消防検定協会につきましては、かつて臨時行政調査会で相当議論をいただいた、ほかの特殊法人と一緒に議論いただいたわけでありまして、消防検定協会については、検査制度の適正な運営を維持しつつ、自立化の原則に従い、民間法人化するという答申をいただいたところでございまして、これを受けまして、他の法人と併せて民間法人化されたものでございます。その後、この協会の運営は臨調の答申に即して適正に行われてきたものだというふうに考えておりまして、消防行政の円滑な推進に寄与しているんじゃないかと思います。
今、この登録制度を作ったんだから、この際、日本消防検定協会もいっそ初めから登録機関でどうかというようなお話でございますけれども、こういった臨調の議論の経過でも分かりますように、日本消防検定協会というのは、国民の生命、身体、財産といったものを火災から守るという観点から、消防用機器、機械器具等についての検定業務、こういった非常に重要な役割を果たしているわけでありまして、こういった仕事というのは、民間法人化はされていますけれども、言わば総務大臣に代わって検定対象機械器具の形状ですとか機能を試験するといったような政府代行性を有すると、したがって、民間法人化された特殊法人というような位置付けになっている次第でございまして、御理解をいただきたいと思っております。
○山下栄一君 私、御理解しにくいんですけれどもね。登録機関を作るという理由があるわけですか、先ほどもお聞きしましたけれども。じゃ、私は、この民間法人化された特殊法人というのが非常にこの特殊法人改革の中から抜け落ちているんではないかなというふうに思うんです。これは後から管理局長に聞きますけれどもね。
消防検定協会、国の関与、要するに総務大臣の認可ですわ、分かりやすく言うたら。総務大臣の認可をするのが幾つかあるわけですね。それは何のために総務大臣の認可が必要なのかなと僕は思うんですよ。登録機関を作ってそれも認めましょうという、大事な命にかかわる機器についても登録民間機関でやってよろしいという制度にするわけですからね。これだけ別に作って、それを登録機関じゃない別の規定を設けて、なおかつ予算その他で総務大臣の認可が必要であるというふうにする。
要するに、国の関与は必要最小限にする。国の関与を必要最小限にする中身を、私は、法律できちっと登録要件を書く、登録基準をきちっとする、そういう法律できちっと設けることが国の関与であると思うんですよ。わざわざそんな、大臣が認可する理由がどこにあるのかなというふうに思うんです。いかがですか。
○政府参考人(東尾正君) この問題につきましては、臨調においてもいろいろ議論をなされたわけでございますけれども、まず検査・検定機関というものがほかにも政府内にはございますけれども、これらの機関は、今、先生御指摘のとおり、政府代行性を持っている。つまり、検定協会でいいますと、大臣に代わって消防用機械器具の型式承認を行うというような重要な業務を持っておりまして、その法人の業務は検定のみにとどまりませず、広く消防業界あるいは、の育成、そのほかの広い業務についてそのノウハウを生かして行うというようなことから、極めて公共性の強いものであるということから、引き続き特殊法人、つまり民間法人化はされますが、特殊法人として残すべきであろうと。
ただ、その中の中核業務である検定につきましては、これは一定の要件を備える事業者が、法人が出てきた場合に、決してその検査・検定法人だけに独占させておくべきものではないだろうということから、指定法人制度が当時、道が開かれたというふうに理解しております。
したがいまして、検定協会が検定のみを行っている非常に狭い事業体であれば、そのような登録機関と全くパラレルではございますが、検定協会はそれ以外にもいろいろ業務を行っております関係上、検定が主ではございますけれども、ほかの業務も行っておりますので、直ちにこれを登録機関と同等にするということは困難かと、このように考えております。
○山下栄一君 管理局長に聞きますけれども、去年四月に、特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準、この法人というのはこの日本消防検定協会を始めとする幾つかの法人を意識して指導監督基準というのを作ったと。基準そのものは、何か総務省、僕は行革事務局と思ったんですけれども、総務省の管理局で作られたというふうにお聞きしました。それで、閣議決定が去年四月されていると。
その中に、幾つかあるんですけれども、ここに書いてあること、ほとんどまだ検定協会は実施されていないわけですけれどもね、それはすぐにやれとは書いていないけれども。このところに、法人の事務事業の必要性、途中飛ばしますけれども、当該法人の設立の基礎となる特別の法律の必要性等について、おおむね三年―五年をめどに定期的に全般的な見直しを行い、その結果に基づき、特別の法律の改廃を含め所要の措置を講ずると、こういうふうに書いてあります。これは私は非常に大事な中身になっているなと思うんですね、ここは非常に大事なところだと。
この見直しについては、第一回は平成十七年度末までに実施すると書いてあるわけです。別に今回やってもいいのではないかと思うぐらいなんですけれどもね。特別の法律というのは、この消防法のことだと思うんです、これは検定協会にとってはですけれども。その改廃を含め必要性自身を問うているわけですよ、この閣議決定は。
こういうふうな観点からいいますと、検定協会とは限りませんけれども、この閣議決定の対象になった、指導監督基準の対象となる認可法人、基本的には民間法人化された特殊法人というふうに思うんですけれども、こういうことを書かれた、法律の改廃、必要性も含めて見直すという、僕は非常に思い切ったことを書いていると思うんですけれども、その背景をちょっと局長に教えてほしいんですけれども。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
民間法人化された特殊法人あるいは認可法人というものでございますが、これは昭和五十八年の臨時行政調査会の第五次答申に基づきまして、特殊法人につきまして、その経営の活性化を図るということで、例えば完全な商法会社とかあるいは完全な公益法人とかいうことにできないまでも、できるだけ自立的な運営が図れるものにつきましては、その自立化を図りまして、言わば民間法人的に運営をしていただくというような方針に基づいて行われているものでございます。
そのために、自立的に運営していただくということで、国の出資を引き上げるとか、あるいは役員任命について等の政府の関与を排除していくとか、できるだけ自立的な運営をしていただくということにしているわけでございます。今お尋ねの消防検定協会等も、その方針に基づいて民間法人化されたわけでございます。
今般、平成十三年十二月の特殊法人の閣議決定におきましても、同じように、そういうことで完全な商法会社あるいは完全な公益法人にならないまでも、民間法人的な運営が期待できるものがございますので、そういうものにつきまして特殊法人等整理合理化計画の一環としまして民間法人化を進めているわけでございますが、これらの民間法人化された特殊法人についての指導監督の在り方につきまして、これまで特段のルール等がございませんで、言わばばらばらであったわけでございまして、その閣議決定に基づきまして、統一的なルールを決めるべきであるということで、昨年四月に、特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準を閣議決定させていただいたところでございます。
その内容は、今申し上げた、政府の出資に依存しないとか、あるいは役員任命等についての政府の関与を排除するという基本を踏まえまして、経常的な補助金への依存の排除ですとか、あるいは役員の任命の適正化、所管官庁出身者の就任制限等を含めまして、その適正化ですとか、あるいは業務、財務あるいは退職公務員等の状況の公表ですとか定められておるわけでございますが、同時に、あわせて、今、先生お尋ねの定期的な見直し、事業あるいは組織等の定期的な見直しということも含まれておりまして、初回の見直しは十七年度までに実施するということにしているわけでございます。
これらの基準、指導監督基準に沿いまして、今後、各所管大臣におかれまして指導監督が行われていくことになるわけでございますが、これによりまして、法人運営の適正化あるいは透明化等が図られていくものと考えております。
○山下栄一君 松田局長は特殊法人の整理合理化計画に指揮を取られたわけでございますけれども、私はこの民間法人化された特殊法人というのはエアポケットになっているん違うかなと思っていまして、これはやはり積極的な改革に着手せないかぬと。そういう一つの改革の具体化としてこの指導監督基準を作られたんだと思うんですね。
こういう観点からいうと、ほとんどまだ日本消防検定協会見直しされていない。これからされるんでしょうけれども、天下りの方が大半だし、また第三者的な性格を有する機関における実績評価もこれから考えられるんでしょうけれども、いずれにしても、大臣に確認させていただきたいんですけれども、この指導監督基準を踏んまえて、私は総務省というのは行政改革の一つのモデルの役所でもあると思いますので、こういうことについては積極的に、年限一杯でゆっくり改革するんじゃなくて、最も早く改革することに着手すべきだというふうに思いますと同時に、特別の法律に基づいてこの日本消防検定協会を作られているわけですけれども、もうこの必要性も私は、さっき冒頭申しましたように余りないというふうに私には思うんですけれども、それも含めて積極的な見直しの、大臣の方から取っていただきたいなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 日本消防検定協会は民間法人化したんですよ。それで、ほかの登録機関が手を挙げるんならどうぞということなんですが、なかなか手を挙げないんですね。
それから、これは元々特殊法人でやってきましたから、それはいわゆる検定以外のこともやっているということで国の関与を残しているんですね、民間法人でありながら。ほかにもたくさんあるんですよ。
しかし、これはいずれにせよ、今、山下委員言われるように、十七年度末までには見直さにゃいけませんので、私どもの方も是非、指導監督基準に沿うような形での見直しを図ってまいりたいと思いますが、一つも出てこないとまた困るんですね。これは、やっぱり消防器具というのは国民の生命、身体、財産に正に関係あるので、野放し、どこも出てこないじゃ困るので、その辺の見合いがありますが、やっぱり中途半端はいけませんので、よくその辺は検討して、この考え方の徹底を図るようにしてまいりたいと思います。
○山下栄一君 実際、昭和六十年以降、指定機関にどこも手を挙げないわけですから、登録機関制度にしてもどこも手を挙げないかも分かりません。僕はそれでもいいと思うんです。それで、登録、この法律に書いてある登録検定機関の位置付けでいいと。特殊法人である必要はないし、公益法人化しても私はいいと思うんですね、具体的に同じレベルの特殊法人で既に経産省の所管でもう公益法人化されたものも既にありますし。そういう考え方で、思い切った改革の手本を示していただけたらなというふうに御要望しておきます。
あと、この組織法の方です。消防組織法の方で自主防災組織の方なんですけれども、私は、この自主防災組織というのを物すごく大事だなと思っております。しかし、時代はどんどんこういう最末端のボランティア的な防災組織は非常に作りにくくなっています。地域コミュニティーがもう非常に薄くなってきている。
最末端は私は、別に総務省だけじゃなくて、例えば厚生労働省の福祉関係もそうですし、警察の防犯もそうですけれども、そういう民間によって支えられているという面があるんですね。だから、治安が悪くなったら警察官増やせというそれだけじゃなくて、私は市民一人一人が、防犯協会も現在ありますし、そういう自主的に自分の町を守るんだという、治安の面でも。防災の観点も同じだと思うんです。そういう意味じゃ、この自主防災組織を育てていくということは、時代としては物すごく大事なテーマだというふうには思います。
そういう観点から、十万組織あるそうなんですけれども、私どこまで機能しているのかなと。いろいろ書いてありますけれども、私の経験では地域で防火訓練、防災訓練、町内会が指揮を取ってやっているという経験したことがなくて、やっているところもあることは知っておりますけれども、そういうことがますますしにくくなっている状況の中で、この予算なんですけれども、予算、今後大幅に増やすと。もちろん機器も大事であるということは分かりますけれども、ソフトの方が物すごく大事だというふうに思うんですよ。
だから、例えば、そういう防災意識を、e―ラーニング、書いてあります、それからビデオ作成と書いてあります。そういう意識を向上するような取組、そうやっている町内会を支援する。例えば、講師を招いてやる、どこか場所を借りて、借り上げ料も要る。そういうところには支援することは手厚くやったらいいと思いますし、実際そういう予算もあるんですけれども。だから、機器さえ、機器を置くという倉庫を作る、そういう考え方もそれは一つの誘い水になるかも分かりませんけれども、ソフト支援という観点の方がもっと大事、位置付けとしては。
これは、一々国がやるべきことかなとも思いますけれども、やっぱり非常に地域コミュニティーがどんどん薄くなる中で、こういう面でも自主防災組織を育てるという観点からも、予算の使い方ももうちょっと、機器中心にはなっていないんでしょうけれども、今回の予算を二億円増やすというのは、二億円に増やすというのは何か機器の方に非常に重点化、置き過ぎじゃないかなというふうなことを思っていまして、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 今、委員がおっしゃいますように、この自主防災組織、全国で十万組織あるんですけれども、団体によっては確かに活動状況、かなりまちまちな面がございまして、組織によってはリーダーが不足しているとか、あるいは高齢化が進んでいるとか、ややマンネリ化しているんじゃないかといったような問題もあろうかと思います。
そこで、本年度、十五年度に従来のこの自主防災組織の補助金につきましても、おっしゃいますようにややハード主体だったんですけれども、今回は、講師を招いていろいろ教えていただくとかいったようなソフト経費も支援させていただくことにしております。それから、御存じかどうか、平成八年度以降、阪神大震災ということもございましたが、消防庁としては毎年、防災まちづくり大賞なんというのを制度を設けておりまして、各地でやっぱり自主的にやっていただくのが大事ですので、自主的にいろんなユニークな工夫をした活動事例がございます。こうしたもので、大変これは全国に知ってほしいといったようなものを毎年十件ほど表彰して、いろんな機会にPRもしております。
最近、かなりそういう意味でひところよりも少し熱心になってきたかなと思うんですけれども、今、先生おっしゃいました、もっとソフトを重視しろというような点も十分踏まえまして、これからも全国の地方団体あるいは消防機関と連携を取りながら、せっかく今回の法改正もお願いしている次第でありますので、是非そうした教育訓練機会の充実も図ってまいりたいというふうに考えております。
○山下栄一君 確かに、自主防災組織を消防組織法の中に位置付けたのは今回初めてですから、そういう意味じゃ非常に大事な観点だというふうに思っております。
一つ提案なんですけれども、実際やっているのかどうか分かりませんけれども、この自主防災組織は町内会、校区という、も一つのこの中心に組織化するということなんですけれども、その他という項目もありまして、現況をこの実態調査もされているようですけれども、このその他の中にあるのかも分かりませんが、集合住宅ですね、高層の集合住宅。町内会でそういう防災組織を作るということももちろん大事なんですけれども、この高層の集合住宅、例えばマンションなんかそうなんですけれども、そういうところでは、火災とか地震がある場合には、もう消防活動というよりもとにかく逃げる、避難するということとかすごく大事になってくるので、集合住宅として一つの防災組織として、そういう様々な訓練、誘導訓練とかそういうことを一つの防災組織の一つの単位として集合住宅もきちっととらえてやっていくということ。そういうことについての取組をちょっと積極的にやるべきじゃないのかなというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) おっしゃいますように、これまで自主防災組織、九割ぐらいは町内会単位となっておりますけれども、中にはおっしゃいますように共同住宅なんかの管理組合ですね、こういったものを単位に自主防災組織を作っていらっしゃるところもございまして、こういったところも私ども、支援対象にしていきたいと思っております。