156国会 決算委員会会議録 2003年05月12日
○山下栄一君 公明党の山下でございます。
私、二月にこの十三年度会計検査院の決算検査報告に基づく本会議質疑で質問させていただいたわけですけれども、そのときに個別のやり取りが当然できませんでしたので、総理、また財務大臣等、質問させていただいたんですけれども、一方通行になっております。
その中で、特に会計検査院が指摘した、例えば各省庁の不当事項ですね、特に職員の不正行為また法令違反の支出、不適正な措置等があった場合に各省庁で懲戒処分を行う場合があるわけです。この会計検査院の指摘に基づいて懲戒処分を行う場合、現実が非常に不明瞭、不徹底になっているということを本会議でも申し上げました。
例えば、予算執行職員等の責任に関する法律というのが、財務省所管の法律でございます。昭和たしか二十年代の法律だと思いますけれども、予算執行職員等の責任に関する法律では、会計検査院が、検査、調査の中で不正な行為、法令違反等があった場合、検査院の方から懲戒要求ができるという規定があるということですけれども、最近これが実行された例、会計検査院にお聞きしたいと思います。
○説明員(白石博之君) 今、委員御指摘のございました予責法第六条の規定におきまして、予算執行職員が故意又は過失により法令違反の支出等を行い国に損害を与えたというような場合には、会計検査院は当該職員の任命権者に対し懲戒処分を要求することができるということとなっているのは御指摘のとおりでございます。
この規定に基づき懲戒処分の要求を行った者につきましては、昭和二十年代に五件ございますが、近年では懲戒処分を要求した実績はございません。この点について付言して申し上げますと、懲戒処分につきましては、基本的には人事権、人事管理を行う当局が判断し、行うものということでございます。
なお、私ども会計検査院といたしましても、会計上の非違事項があれば予責法第六条の規定に基づき懲戒処分の要求の適否を検討を行っているというところでございますが、結果的に要求を行っていない、近年は行っていないということにつきましては、既に関連当局におきまして、私ども会計検査院からの要求をまつまでもなく既に相応の処分を行っているものということでございます。
○山下栄一君 特に国家公務員を所管の総務大臣にちょっとこれは、この会計検査院の指摘に基づく懲戒の在り方というのを是非、場合によっては国家公務員法の改正も含めて検討いただきたいと思っておりますが、会計検査院が懲戒要求できるけれども、現実は今おっしゃったように昭和二十年代に五件があっただけで、もう最近そんなのやったことないと。どうなっているかというと、指摘を受けたところで主体的に、自主的にもう処分しているということになるわけです。
なるんですけれども、それは各省ばらばらでやっているわけで、だから基本的には、その前に、会計検査院の要求に基づかないで、だけれども発端が会計検査院の指摘によって懲戒処分を行った場合、これは財務省が掌握しているはずなんですけれども、会計検査院はそれ掌握していませんよね。掌握する仕組みになっていないですね、自主的にやった場合。検査院に聞きます、まず。
○説明員(白石博之君) 委員の今御質問にございました、各関係省庁等におきまして自主的に懲戒処分を行われたというような場合、その他処分を行われたような場合につきまして、現在の法的な制度の枠組みとして、特に私どもの方に御報告をいただくという制度はございません。
ただ、私どもが会計上の非違事項を各省の長から通知をいただく、非違事項がありました場合には通知をいただくという仕組みがございますが、その仕組みの中で、処分が行われていればその旨の記述があるというのが通例でございます。
○山下栄一君 法的には、だからそういう仕組みになっていないわけです。会計検査院が指摘したことによって各省庁が処分した場合、自主的に処分した場合は別に報告せいとも何も書いていないから。ただ、それは財務省は掌握しているはずなんですけれども、それはどうでしょうか、掌握しているんでしょうか。
○副大臣(小林興起君) 懲戒処分はすべて人事でございますので、むしろ人事院はすべて承知しているわけでございます。
○山下栄一君 財務大臣ね、これ財務省は掌握しているんですよ。でたらめ言ったら駄目だよ、あんな。副大臣も御存じないかも分からぬ、後ろの人よ。それで、財務省は掌握しているんですね、現実はね。
人事院は掌握される、掌握する仕組みになっているんですか。総裁にちょっとお聞きします。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 事前に掌握する仕組みにはなっておりません。事後に私たちの方が問い合わせて把握するように努めておるということでございます。
○山下栄一君 財務大臣、あります、何か。塩川財務大臣、よろしいか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 個々の省庁ではそれは掌握しておらないと思っています。
○山下栄一君 いやいや、指摘を受けた各省庁は処分するわけですから掌握しているんですけれどもね。それを人事院に報告、一応されていますねん。されていますねんけど、なぜそういう処置になったのか、妥当性等は、とにかく処分しましたという報告は来ていると思います、人事院には。
私、これ、こういうことをかかわっていて思ったのは、やっぱり身内やから、指摘を受けたところは不正事項ですから処分するんですよ。外務省のプール金問題もそうだし、郵便局の、総務省所管の郵便局の職員の公金横領も全部処分しているんですよ。処分しているし、懲戒免職もしているし、刑事告発もしていますねん、総務省は。
ところが、ばらばらなんですわ。同じような公金横領があった場合でも、例えば外務省のプール金問題でも、これは本会議でも指摘しましたように、懲戒免職はしたと、五百万以上の方は。それは、だけれども、総務省の郵政職員については懲戒免職もしているけれども刑事告発もしているんです。ところが、外務省の職員の場合は、同じような金額、公金横領していても刑事告発していない、懲戒免職はしたと。さらに、あのときも塩川大臣にも聞いていただいたと思いますけれども、本会議で申し上げたことは、同じ公金横領なのに、金額少ない場合は減給にしたり、そういうことをやっていると。
だから、身内の方の処分やから、任命権者がやるんですけれども、任命権者が、大臣が責任を持って処分するんやけれども、それは外務省に典型的に表れているように、指摘を受けて、主体的にやる場合はそれぞれやっているんだと。やっているけれども、省庁によってばらばらになっているわけです。そういうことなんですよ。そういう事態は私はもうこれはおかしいなというふうに思うんですね。
報告だけは人事院にやっていると、こうしましたよ、処分はと。その処分の妥当性なんてだれもチェックしようがないと。だから、僕は、身内にどうしても甘くなるから、それは、私が思うのは、会計検査院が指摘したことについては受けたところが主体的にやるというのは聞こえがいいけれども、内々でやってしまって、非常に国民から見たらよく分からない。なぜこういうふうな処分になったのか。ある役所では懲戒免職になり、ある役所で同じ公金横領でも金額が少ないから減給になっていると。省庁に任せたらそうなってしまう。それは、そのために僕は人事院があるように思うんですね、本来。
中立公正であるべき人事院というのは、憲法上保障された、第十五条に基づく処置なんだけれども、公務員というのは全体の奉仕者で、国民から見たらもう客観性、そして公正にやってもらいたい、処分も公正にやれと、こう、国家公務員法十七条でしたか、書いてあるわけですよ。現実はどこで担保されているのか。担保されていないと。
僕は、これちょっと提案ですけれども、平成十二年に国家公務員倫理法ができました。倫理に基づく処分については非常に厳格になっていまして、それぞれ勝手に省庁はできないわけです。人事院の下にある公務員倫理審査会に一々御報告し、承認を得ないと処分もできない、こういう仕組みになっているけれども、倫理以外のことについては、今申し上げたようなことが典型的ですけれども、それぞれがやっていると。
だから、僕は、この国家公務員法を改正して、懲戒権者が懲戒処分を行うんですけれども、そのときには、平成十二年、国家公務員倫理法ができたときに人事院は懲戒の指針を出しているわけですね。指針出しているけれども、それは単なる指針だからばらばらに相変わらずなっているわけで、その指針を法律に明記し、指針に基づいてやるようにしなさいとか、そういうふうな法改正をやったらどうだと、このように思うんです。
国家公務員倫理法と同じような感じで倫理以外のことについても、特に会計検査院が指摘して、受けたようなことについては税金の無駄遣いその他にかかわることですから、国民の政治不信につながることですから、会計検査院が指摘したようなことについては勝手に処分しないで、人事院と相談してやるとか会計検査院に連携取ってやるとか、そういうふうな規定を例えば予責法の中に書くとか国家公務員法に書くとかいう形にしないと、それぞれの役所に任していたんでは内輪の処分で非常にばらばらになり、あいまいになり、国民から見たら分からないと。せっかく会計検査院が指摘して不正行為なのに処分がばらばらな状態になってしまうと、これはどう考えてもおかしいというふうに思います。
そういう公正中立の懲戒手続に関して責任を持っておられる人事院総裁にまずお聞きします。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 質問の通告をいただきまして、二月二十一日でしたか、本会議で質問なさった内容、それに対する総理大臣の答弁というのを読まさせていただきました。
総理大臣の答弁からいたしますと、ああいう答弁がございましたので、ごく普通の感覚からいいますと、それをフォローする何らかの措置というのを我々下々の者は取ることになるんでしょう、そこでそういうような御質問になるんだというふうに思いますが、どういう措置を取るかということにつきましては、一つは、今、先生がおっしゃるように、国家公務員法を改正して倫理法と同じような仕組みを導入しろという議論になると。もう一つは、先生が指摘されました予算執行上の問題だから、予算執行職員等の責任に関する法律というのがありますから、それを改正して疑念が持たれないような仕組みにしていくということだと思います。
したがいまして、そのいずれの方法を取って総理大臣の答弁をフォローするかということにつきましては、財務大臣、総務大臣とよく相談してまいりたいというふうに思います。
○山下栄一君 総務大臣にお聞きする前に、私の質問に対して総理大臣、こうお答えになっているんですわ。会計検査院が指摘した不正行為、法令違反等によって、懲戒処分がばらばらになっているという私の指摘に対しまして、総理は、懲戒処分については、第一義的には任命権者である各府省において行われるものでありますけれども、国民の批判を招かぬよう、人事院や会計検査院とも十分連携を取りながら対処すべきものと考えますと、このように総理はおっしゃったわけです。
現実は、人事院とか会計検査院、連携取っていないわけです、事後報告じゃ連携じゃ私はないと思いますので。人事院には確かに事後報告やっているんでしょうけれども、会計検査院に一切報告されていないという現実があるわけですね。
処分の妥当性も含めて、例えば公務員倫理法の場合は倫理審査会の承認を得ないと処分できない、勝手に処分しちゃ駄目ですよ、甘い処分したら駄目ですよということだと思うんで、調査権まで倫理審査会に与えているわけですから。
こういう総理の御答弁もございますので、私は、この八十四条でしたか、国家公務員法八十四条に懲戒権者は任命権者と書いてあるんですけれども、第二項には人事院が調査してそういう処分もできるというふうなこと書いてあるけれども、これ発動されたことないらしいんですけれども、私は、せっかく平成十二年に公務員倫理法ができたときに人事院が懲戒に関する指針を作っているから、指針に基づいて懲戒するとか、少なくとも会計検査院が指摘した不正、不当事項に、法令違反にかかわるようなことについての処分については、人事院と連携取って、その処分の妥当性も含めて、処分するとか、そういう意味のことを書き込むような、そんな法改正を是非検討すべきだと、このように国家公務員を所管の総務大臣に強く要請するものですけれども、ちょっと、お願いします。
○国務大臣(片山虎之助君) 今のあれは任命権者が懲戒権者なんですよ。これはこれで筋が通っているんです。それで、懲戒をやる場合には公正にやれと書いてある、法律に。それは懲戒権者が一番事情が分かっているんですよ。それから、任命もしたし権限と責任があるので、その懲戒権者がやるのは当たり前なんですよ。しかも、それは懲戒処分というのは行政処分なんですから、特別権力関係の中の。国の秩序に関することは刑事処分があるんですから、別に刑事関係法があって。だから、それは任命権者である懲戒権者がやるのは私は当たり前の話だと思う。
ただ、人事院は、これは専門的なそういう組織ですから、意見を聴くのはいいですよ。国家公務員倫理法の方が私は少しおかしいんじゃないかと思っている、審査会の意見聴かないかぬというのは。これはこれで評判が悪いんですよ、今正直言いまして。(発言する者あり)いやいやいや、それは公務員からもあろうし、国民の側からもいろんな議論があるんで、これは国会でお決めになったんだから、私はいいと思いますよ。だから、これはこれで尊重してまいるんですけれども、懲戒権の発動というのは私はそういうことだと思っているんですよ。それが不服なら、山下委員、審査請求できるんですよ、職員は審査請求、人事院に。さらに、訴訟が起こせるんですよ。そういう担保もありますし、行政処分をやるのは、権限がある懲戒権者がやるのは私は当たり前だと。
ただ、人事院が指針を出していますからね。指針は尊重せないかぬ、指針は。しかし、あらゆるケースが指針どおりいきませんよ。郵政、郵便局の職員と税務署の職員と、幾らの金をどう取ったか、事情が全部違うんだから。それは事情をよく調べて、その事情と取った金と、それにバランスのある懲戒処分をやると。懲戒処分は四種類ですけれどもね。それ以外に、例えば刑法に引っ掛かるようなことがあったら、全部そっちへいくんですから、横領だとか何かは。
そういうことでございますので、是非、お気持ちはよく分かりますし、人事院や会計検査院との連携は十分取ってまいりますけれども、法律の基本はひとつ御理解賜りたいと思います。
○山下栄一君 審査請求の要求できるんですけれども、甘い処分を受けた公務員がもっと厳しくしてくれなんて絶対言うはずないわけでね。そういうこと、いずれにしても、ちょっと今の総務大臣の答弁は全然納得、私、いつも大体納得するんだけれども、全然すっきりしない、これは。
いずれにしても、すべての懲戒処分を全部人事院の承認がなきゃできないと言っているわけじゃなくて、会計検査院が指摘したことについては会計検査院が懲戒要求できるけれども、現実は要求する前に全部処分してしまうわけですからね。そういうことになってしまっているわけだから、そういう第三者的な機関である会計検査院が指摘したということについて、大臣がやる場合は、懲戒権者がやることについて厳正に私はできないと思います、内輪だから。それが外務省の問題になって起きているわけですからね。
だから、僕は、特に会計検査院が指摘したことについて懲戒やる場合は、その妥当性も含めて会計検査院そして人事院、連携を取ることをやりますけれどもとおっしゃいましたけれども、連携を取るときに、妥当性も含めて、処分の結果こうやりましたという連携じゃなくて妥当性も含めてきちっとやらないと、それは内輪の甘い処分になりがちだと。片山大臣のような大臣だったらそれは厳正にやるかも分からぬけれども。確かに総務省の郵政局員の不正については、単に懲戒処分、免職だけじゃなくて、金額がどうであろうと処分もしているし、刑事告発もやっているんですよ。勝手に警察来ませんからね。告発やっているんですよ、総務省は。だけれども、外務省はやっていないんですからね、処分は免職にしたけれども。
そういうことで、ばらばらになっているわけですよ。だから、うなずいておられますけれども、重く受け止めていただいて、総理大臣の言葉を、連携を取るということの中身を。事後報告だけじゃなくて、妥当性も含めて第三者機関に妥当性を仰ぐということを是非。
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほど申し上げましたが、山下委員の言われるお気持ちは十分分かるんですよ。だから、連携の仕方を、会計検査院や人事院との連携の仕方を、これは現状を見た上で、改善の余地があれば改善していく必要があるのかなと思います。現在、人事院は直接懲戒処分もできる、現行法で。会計検査院が指摘したときは人事院に通知することになっている、今の仕組みでも、それがしっかりと行われているかどうか。
それから、今の連携を、総理の答弁が連携と言われたんですが、どこまでどういう連携をするか、これは十分、総理が言われたんですから、我々としても研究してまいります。
○山下栄一君 人事院総裁、八十四条二項に、任命権者が懲戒やることになっているけれども、第二項では自らも調査して、書いてあるね。それをもうちょっと積極的にやったらどうですか、遠慮せぬと。
○政府特別補佐人(中島忠能君) その規定の運用につきましては、実は最高裁判所の判断がございまして、やはり懲戒権者というものが第一次的にはそれぞれの大臣、いわゆる任命権者であると。それは、先ほど来御説明が総務大臣からありましたけれども、やはり直接の職務上の指揮監督であり、したがって服務についても責任者であると。その大臣が懲戒処分をするというのが筋だろうと。そして、大臣がやらないとき、そういうようなときには二項の規定によって人事院が乗り出すべきだという判断がございますので、今は結果的に国民から批判されるような懲戒処分はございますけれども、今は各大臣がおやりになっていると。
したがいまして、二項を発動して人事院が乗り出すというような状態ではないということがこのところずっと続いておるというふうに私たちは認識しております。
○山下栄一君 国家公務員法改正問題、公務員改革の人事院の在り方が問われておるわけですけれども、そのときにまた議論やりたいと思いますけれども。
財務大臣、──ああ、総務大臣、もう結構ですよ。何かお仕事、違いましたか。(「これがお仕事」と呼ぶ者あり)ああ、これがお仕事か。
済みません、質問、総務大臣は終わりましたので財務大臣に、これも本会議で申し上げたことなんですけれども、これも十三年度検査報告にあるんです。普通財産の貸付けに当たり、貸付料の改定等に伴う債権管理事務が適切に行われていないという指摘がありまして、財務省所管のいろいろ地方部局も含めて、物納財産が多いそうですけれども、普通財産、国有財産、普通財産で債務者への通知等が非常に不十分だったために、結局、国が要求すべき国の債権ですね、これが放置されると、もう時効期限を過ぎていると、債権が消滅してしまうという事態になる金額が一億円を超えるという指摘がございました。ちょっともう時間がございませんので、これは僕は、非常に責任大きいと。財務大臣も、この前本会議でも少し御答弁いただいたんですけれども、消滅時効の期間を経過して取立てが不能と見込まれる事態を招いているわけです。
その背景は、ちょっと説明いただいたら時間なくなってしまいますので、その責任についてどう考えるかと。今後しっかりしますだけじゃなくて、僕はそういう、結果的に国民に、本来国家に入ってくるべき一億円以上のお金がそういう事務手続のきちっとした手続が行われなかったために、債務者への通知等です、結局、債権消滅してしまうという事態になっているということを、その責任をどうするんだと、どう考えているかということをちょっと大臣にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(寺澤辰麿君) 大臣が御答弁されます前に事実関係を簡単に申し上げますと、検査院の指摘を受けました事案と申しますのは、おっしゃるように物納財産で、借地権者ないしは借家権者がいる財産でございますが、これを国が物納で引き受けますと、国が従来からの使用者と賃貸借契約を締結することになります。この場合に、借受人が死亡して相続人が未確定であって借受人が特定できない場合、また借受人が生活困窮者等である場合、また境界が未確定であっていろいろ新たな借料を、貸付料を改定することが困難な場合という場合がございまして、この場合に国が借受人の合意を得ないまま一方的に貸付料を通知いたしますと信頼関係を損なうというような問題もございまして、請求を留保せざるを得ないケースがございます。検査院は、こういったケースについて、その中に長期にわたって借受人に消滅事項を援用されるおそれがある事案もあるという御指摘があったわけでございます。
これにつきましては……
○山下栄一君 質問したことに答えてよ。時間がないんです。
○政府参考人(寺澤辰麿君) はい。長期の貸付料の改定未済ということについて、契約担当者が契約期間終了までに借受人との間で新たな貸付料を確定いたしまして、これを徴収担当に対して債権発生通知を行うと、徴収担当がこれに基づいて納入告知を行うということを内容といたしました通達を出しました。また、借受人との間で新たな貸付料について合意が得られない場合には、調停や貸付契約の解除等、法的措置を講ずるということにいたしまして、これもそういった通達を出しました。これによりまして、既に法的措置を講ずることとしたもの以外はすべて納入告知を行ったところでございます。
御指摘の責任の問題でございますけれども、こういう形で新たにやりましたので……
○委員長(中原爽君) 答弁は簡潔にお願いをいたします。
○政府参考人(寺澤辰麿君) はい。十五年度の財務省におきます政策評価実施計画におきまして、今後、改定未済事案等の解消及び発生防止を目標といたしまして明記しているところでございまして、事後評価も適切に行っていくということとしたところでございます。
○山下栄一君 だから、この会計検査院の指摘を受けてからいろいろ対応したことは分かっているんですよ。対応したことをできなかったわけだから、できなかった結果、一億円を超える、そういう時効消滅になってしまうような事態になってしまったということの責任をやはりあいまいにしてはいけないというふうに僕は申し上げているわけですよ。今後、事案、きちんとやりますということでは済まされないと。
要するに、きちっと債務を持っている方々に仕事を、本来の役割を法的手続も含めてやっておれば時効に至らなかったわけです。片一方では、役所の対応というよりも、債務者の方が非常に苦しんで、いまだに国から追い掛けられて払う行為を追及されているようなカネミ油症の問題もございましてね。国民が債務を受けていることについてとことん追及するけれども、自分たちの私は過ちだと思いますけれどもね、これは。きちっと、職務怠慢行為でなくてきちっとやっておれば、一億円を超える時効消滅に追い込まれなかった。そのことについては今後しっかりやりますじゃ、これはおかしいと。
この八十二条の、懲戒の場合の中にあります。私は、今回、この一億円を超える国民に損害を与えるような事態になってしまった。債務者が主張すれば、もう時効ですよと主張すれば取り立てられないわけだから、そのお金が一億円を超えている。八十二条一項二号、職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合は懲戒対象となっているんですよ。懲戒の中身まで言いませんけれども、少なくともこれはきちっと、何でこんなことになってしまったのかということを検証して、今後しっかりしますだけじゃ済まされないと私は思います。
第八十二条の一項二号も含めて、この責任のことについてきちっと対応してもらいたい。財務大臣、どうですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 御趣旨はよく分かりましたので、今後とも、そういう債権管理につきましてはコンピューターの導入もいたしておりますしいたしますので、十分に注意をして万全を期していきたいと思っております。
時効の中断等も、しょっちゅうやっぱり注意してやっていかなければそういうようなものも起こってくると思っておりまして、十分に注意させます。
○山下栄一君 カネミ油症の問題は、ちょっと財務大臣もお聞き、御存じだとは思うんですけれども、これ、同じく債権管理法の問題なんですね。
それで、ちょっと時間がございませんけれども、簡潔にお話しさせていただきます。農水省、来られていますね。
一九六八年、PCBに汚染されたライスオイルを食した患者が大量に発生し、その第一陣訴訟において、一九八四年、福岡地裁において判決で国の責任が認定されたと。国、農水省から被害者に対し一人平均約三百万円の仮払金が支給されたが、その後の裁判の経過によって原告の国に対する敗訴が確定的となり、原告が訴えを取り下げたことによって裁判が終結したと。だけれども、第一審で国が敗北、敗訴したので、仮払金を約二十七億円、患者総数八百二十九名払っていたと。だけれども、合意に基づいて取り下げたので患者側に仮払金の返還義務が生じ、国の債権となっていたと。
ところが、いろんな経過があるんですけれども、いまだにそれでもう追い掛けられているわけですね。これは対応した弁護団も私は非常にいい加減だったと思いますけれども、弁護士に任せてやっているものだから、ちょっと農水省、この債権管理法の第十五条、時効が迫る、これ時効十年、九年間この強制履行の手続をやっておらなかったと。それは弁護士と相談していたからだというお答えなんでしょうけれども、十五条に基づいて九年間、御本人たちには、八百人を超える患者には一切接触しないで、代表の患者、弁護士と対応していたそうなんですけれども、九年たってから強制履行に入ったと。
僕はこの九年間の国の対応はおかしいなと思うんですね。なぜ個別の患者の資金力とかまた健康状態とかいうことをほとんど不問に付して、弁護士と相談しながら九年間、そして時効直前になって各患者に突然強制履行を迫ったのかということを非常に理解できません。御答弁お願いします。
○政府参考人(松原謙一君) お答え申し上げます。
カネミ油症のこの仮払金の返還につきましての債権管理についての御質問でございますが、昭和六十二年の六月二十五日にこの取下げがございまして、債権管理法に基づき仮払金の返還を求めていくということを畜産局長談話ということで発表するとともに、納入告知書を送付をいたしまして、またその後毎年、この旧原告に対しましては督促状を送付させていただいてきておるわけでございますが、これと併せまして、原告側を束ねておられました弁護団と国の間でこの返還に係る協議をおよそ平成八年まで約八十回程度ずっと続けてきておりまして、継続してこの仮払金の返還をお願いを求めてきたところでございます。
こうした対応を継続してきました結果、この平成七年からは、具体的なこの返還方法といたしまして、債権、債務者双方の合意に基づきます民事調停手続を進めまして、八年から十一年にかけまして調停対象者全員につきましてのこの調停による返還方法の合意、繰延べでございますとか延べ払いでございますとか、そういったような合意が成立したところでございまして、国としてもできる限りの対応を行ってきたというふうなことで御理解を賜りたいと考えてございます。
○山下栄一君 国に返還金を返さなきゃならないということなんですけれども、今おっしゃったように代表交渉しかやってこなかったと。私はこの交渉の在り方が非常に患者さんにとっては、もちろん督促状は送っていたんでしょうけれども、弁護士は十年たったら国もやいやい言わないと、十年たったらなくなるんですよというふうに言っているというふうな、言っていた文書も残っておるんですけれども、このカネミ油症弁護団の新聞なんかに書いてあるわけですけれども、そういうふうにして、余りこういう事情をよく分からない、福岡県、長崎、長崎の特に五島列島の島々に住んでおられる方々ですからよく分からないわけですよ。
そんな中で突然その強制履行をやるということについては、非常に不親切だと思いますし、途中において個別、個々の患者さんに対して、健康状態とかそれから資力などをじゃ把握しておったのかと。もちろん委任状を取り付けて弁護士は交渉していたかも分からないけれども、国の方は、本来、債務者は個々の患者さんなわけですから、その辺を一切接触しないでやっていたところについては国の方にも責任があるのではないかと。
資力や健康状態は把握されておったのかということを確認したいと思います。
○政府参考人(松原謙一君) カネミ油症の患者の方々におかれましては、現在もなお筆舌に尽くし難い苦しみを受けておられるということと思っておりまして大変お気の毒に思っておるわけでございますが、御承知のように、この仮払金の返済につきましては、既に一度、民事調停ということをいたしておるわけでございますが、その調停の後における所得でございますとか健康状態などの生活諸条件の変化、そういったことで、やむを得ない理由によりまして調停の合意どおり、内容どおりに履行できないという、そういう特別な債務者につきましては債務者のその状況に応じて再調停を行うというふうにいたしておるわけでございまして、そのために今それぞれの患者の方々の再調停についての理解を深めていただくための現地説明会、そういったことを開催をさせていただいてございますし、また農林水産省の担当官が直接あるいは電話相談窓口というようなところを通じまして債務者の方々の個別の相談に応じるというふうなこともいたしてございまして、きめ細かい対応に今後とも努力をしてまいりたいというふうに思ってございます。
○山下栄一君 時間が来ているんですが。
御本人だけじゃなくて、相続放棄していないものだから、子供も孫も親戚まで分散して追及されてきているわけですね。説明ないままに亡くなった御本人、突然お金払いなさいと来るというふうなこともいまだに続いておるわけです。
それで、私は財務大臣にも知っていただきたいので、これPCBというふうになっていたんですけれども、最近、最近いうても平成十三年十二月ですけれども、ダイオキシンの健康被害だということが新たに分かりまして、そういう事態にもなって、新しく診断基準の見直しも今始まっておるわけです。
私は、債権管理法、先ほど財務省の職員の皆さんの責任、申し上げましたけれども、今度は反対の方で、国民の側でそういう悲惨な実態になってしまっている。免除の規定もあります。これ柔軟に解釈できないのかと。少なくとも御本人、御本人から、そのまた亡くなった場合、それ以降も続いていくというようなことについては、柔軟な解釈も含めて是非検討していただきたいと思います。
厚生労働省、農水省、そして環境省、三省の連絡会議も始まりましたけれども、ここに財務省もかんでいただいて、仮払金の返還問題、極めて深刻な問題で、日本のダイオキシン類健康被害の、人的被害であったということも分かってきているわけですから、そういう新しい事態も含めまして、この債権管理法の運用の、情けのあるというか対応をお願いしたい、是非御検討していただきたいというふうに財務大臣に求めます。
○国務大臣(塩川正十郎君) 御趣旨はお聞きしましたので、相談いたします。