156国会 総務委員会会議録 2003年05月27日
○山下栄一君 ちょっと確認したいことがたくさんあるんですけれども、時間がありませんので、絞ってお尋ねします。
ちょっと高嶋委員の質問とダブる部分もありますけれども、この国家公務員退職手当、これは本来どういう趣旨、性格で歴史的に設けられたのかということ、案外あいまいな形で今日に至っているなということを感じましたので、その経緯、沿革、ちょっと簡単にお願いします。
○副大臣(若松謙維君) 国家公務員の退職手当の制度でございますが、昭和二十八年に現行法制定となりまして、当初から長期勤続報償をその基本的な性格としております。
そして、その給与水準でございますが、国民の理解を得る観点から官民均衡、これを基本に見直しをしてきたところでございますが、それがいわゆる昭和四十八年に国家公務員の水準を引き上げると、こういったこと、また昭和五十六年には反対に引下げと、昭和六十年には国家公務員の定年制の導入、こういった経緯で現在の制度がございます。
○山下栄一君 先ほど、どうして退職手当を払うのかと、これは勤続報償ですか、これは裁判所でもそういうふうにおっしゃっているんですけれども、私はその考え方そのものももう一回見直したらどうかなというふうに思っております。
今、雇用形態がもうどんどん変わってきておるわけでございますし、この退職金についても、一時退職金についても、民間の方もいろんな、もうやめてしまうとか、また勤務中の実績を評価する、退職時の俸給月額じゃなくて、そういうふうなことも考えていますし、もう年金だけにしようとかいうふうなことも、もういろんなことが考えられております。
一般的に、今のこの時代、民間のサラリーマンその他から、公務員の方の、それは特に指定職が多いのかも分かりませんけれども、天下りも含めまして非常に給与についても保障されているというふうなこと、厳しく見られてきているわけですね。当然のことだと思うわけですけれども。だから、元々、できた制度の経緯から考えましてもはっきり何となくしていない。だから、何のために退職一時金を、退職手当というのを一時金として支払うのかということの在り方を考え直した方がいいんじゃないのかなと。
で、民間と比較せないかぬのかと。元々、これは民間比較なんてやっていなかったんですよね、初めは。民間比較して退職手当を調査し始めたのは昭和四十六年以降ですから、それまでは比較したことがなかったんだと思うんですね。ということは、余り民間のことは考えていなかったと、給与と違って退職手当というのは。だから、これ、退職手当というのはどういう性格の下にこれを公務員の場合はやるのかということを抜本的にその源からさかのぼって考えるべきときじゃないか。支給水準の見直しとかそういうことじゃなくて、なぜ支払うのかということから含めて考えるべきじゃないか。年金との関連。
それから、最終の退職時の俸給月額を基準ということも、それでいいのかということ。というのは、公務員制度改革で今、能力評価とか業績評価とか言われ始めているわけですよね。だから、単に年数だけで基準にして決めるというふうなこともどうなのかというふうなこと、そんなことを感じるんですけれども、どうでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) まず私から、恐らく答えのないまだ世界だと思いますけれども、それなりに私の理解も含めて答えさせていただきます。
御存じのように、戦後、日本は右肩上がりの成長を続けました。その何といっても成功の要因というのは、いわゆる日本型雇用ということで、終身雇用、さらには企業内労組、さらには年功序列と、いわゆる日本の三つの神器と言われるものがありまして、それで非常に民間企業がうまくいった、それにやはり公務員も乗ってきたと、そういった経緯があるのではないかと思っております。しかし、御存じのように、工業化社会から情報化社会になりまして、大変環境の変化が著しいと。そういう中、日本の特に終身雇用等を含むこの退職金制度というのは、やはり諸外国から比べれば例外的になってきたと、こういう事実は私は否定できないと思います。
そういった現状分析を踏まえて、私は委員の御指摘の点はもっともだと思います。じゃ、それをどうするかというのが実は今回の公務員制度の大きな改革の議論でありまして、なかなか結論が出ないということで関係者は大変心配されていると思うんですが、戦後五十年続いた制度を一挙に変えるのか、それとも段階的に変えるのか。これは一つ間違えますと、この日本の、私はまだまだ冠たる日本の公務員制度だと思っておりますので、それが崩れてしまうことにもおそれがあるということで、そのおそれを回避しながら、やはりあるべき二十一世紀の公務員制度を作らなければいけない。その中で、この退職制度をどうしていくか。
先ほどのいわゆる勤続年数に何か月掛けてと、こういったやり方は、はっきり言って民間企業の場合には今もたなくなってきているということでのいわゆる年金移行という現実もありますし、じゃ、公務員制度の場合どうなるのか。いわゆる一時金としての退職制度を持ってくるのか、さらに年金制度を持ってくるのか、やはりこういったことも含めて私は総合的に今議論しなければいけないと、そのように理解しております。
○山下栄一君 確かに、手当法の第一条にも理念的なことは何にも書いていないわけですし、今雇用そのものの、非常に弾力的といいますか柔軟といいますか、多様化している時代でもあると思いますので、そういうことから公務員制度改革も考え直そうということならば、退職手当の在り方も理念を含めて再検討する必要があるということ、副大臣のお考えと同じだと思いますけれども。
もうあっという間に時間がなくなってきているんですけれども、私、改革の三点目のことを確認させていただきたいと思います。独立行政法人の役員出向です。
この一体ねらいは何なのか、何のためにこういう改正をするのかということが何となくよく分からない。二重取り規制ということが一番やりたいことなのか。天下りそのものを、特に独立行政法人への天下り、これはもう特殊法人の時代から厳しい批判にさらされているので、それをもう行きっ放しじゃなくて帰ってこいということを中心にして、いわゆる行きっ放しというのをもうやめてしまうのか、そういうことがねらいなのか、一体このねらいは何なのかということを確認させてください。
○国務大臣(片山虎之助君) 端的に言うと、二重取り防止というところが元々の発想だったんですよ。独立行政法人は元々、特殊法人から移行したのもありますが、これは第二段階ですね、第一段階は国の仕事を研究所がやったり研修機関でやっているものを独立行政法人化したんですね、元々は国そのものだったものを。
そういうこともありまして、やっぱり独立行政法人に行って国家公務員でもらう、独立行政法人に行っても、ただ五十歳代で二回ももらう、これは防止しようというのが一つあるのと、それから、先ほども御議論がありましたが、早期の退職をやらせるというルールを延ばしていこうと。公務員は一生、場合によっては公務員で仕事ができるようにすることも一つの考え方ではないかと。早期退職慣行の是正をやると。それに資するようにやると。それから、職員にいろんな、多様な職務経験をやらして深みのある公務員になってもらおうと。一遍、独立行政法人で仕事をしてもらって、また国家公務員で帰ってもらってと。こういういろんなことの要素でこういう制度を作ったわけでありまして、私はこれはこれでよかったなと思っております。
ただ、これは原則でございまして、独立行政法人に行ってお辞めになることももちろん当然あるわけでございまして、その辺はいろんな状況に応じて対応すべきではないかと。しかし、原則は、行っても帰ってもらって、国家公務員として最後は辞めていただくというのが一番普通のルールというのか、やり方だと、こういうふうに考えております。
○山下栄一君 今年の三月に、独立行政法人等の役員に就いている退職公務員の状況の公表ということをされているんですけれども、これ見ますと、総務省関連の役員、役員として行かれている比率が物すごい高いんですね。
通信総合研究所、五人中四人、役員の数の五人中四人と。公営企業金融公庫、五人中四人。それから、通信・放送機構、五人中四人。特に、民間法人化された特殊法人である日本消防検定協会は四人中三人、同じく郵便貯金振興会、五人中五人。
これは、またこれ官僚OBの方のいわゆる天下りが、また規制が崩れているんやないのかなということを思うんですね。独立行政法人に行くとともに天下りが増えているということじゃ、これは国民の感情と相反するというふうに思うんですね。
昭和五十四年以降、以来の閣議決定されております特殊法人の役員、常勤役員については、要するに二分の一以内にとどめるものとするという閣議決定がございますけれども、二分の一どころか大半がそうなってしまっているという。今回も総数でいきましても、今回、公表された分だけでも常勤役員のうち独立行政法人の場合は百七十九人中百三人、二分の一はるかにオーバーしている。
これはちょっとおかしいんではないかなというふうに思いまして、昭和五十四年の閣議決定の精神は、少なくとも半数以内にとどめるということぐらいは守らないと、これは国民、納得を求めるのは難しいというふうに思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) これはいろいろ事情がありまして、今言いましたように、国の機関であったものが独立行政法人になりましたから、そのまま移行したんで、そこにおる人を役員にしたというのが一つあるんですね。
それからもう一つは、独立行政法人になったもんですから、理事長と理事と監事はどうしてもこれは認めないかぬようになったんですね。そこで、それじゃ、民間から、どうぞ来てくださいと言って、はいはいと来るような人は余り正直言っていないんです。仕事の特殊性もありますし、待遇の話もありますしね。
そこで、今、山下委員が言われるように、大変、官僚、まあ官僚と、OBなのか、また帰ってきますからね、半現役、半OBみたいなもんですけれども、こういう人が非常に多くなったのは事実です。しかし、だんだん減らしていこうということにはしておりますんで、今後、民間からそういうことに来てくれる人を確保しながら次第に減らしていきたいと。
どうも、総務省がそんなに多いとは私も知らなかったですけれども、今聞けば、なるほどそうですね。そういうところへはなかなか来てくれないんですよ。是非ひとつ、いい人がおったらまた御紹介いただければ私どもで考えますんで、よろしくお願いいたします。
○山下栄一君 この昭和五十四年、それから平成九年において、特殊法人への役員受入れは二分の一以下にするという精神、これは独立行政法人になってもやっぱりきちっと厳格にやるべきだというふうに私は思います。
最後は、独立行政法人に役員出向すると、その役員出向されている期間、二年か三年か知りませんが、その間は独立行政法人通則法に書いてあるように、その期間は業績に応じて報酬をいただくことになるわけですね。そういうのがルールになっているわけです。
ところが、戻ってきて公務員になった場合に、在職期間を通算するわけですね。通算すると、仕事の内容に応じて給料を払ってもらうべきはずの期間も業績に関係なしに通算されてしまうわけですよ。そういうことになるわけや、これはね。
ということは、独立行政法人に何のために行くのかと。厳しく仕事内容をチェックされながら仕事するはずなのに、帰ってくると、単なる勤続年数だけでこの退職金を計算するということは、行った期間の間はもう頑張っても頑張らなくても同じだということになってしまうわけですね。
これは、全然整合性がないというふうに思います。これは非常に大事な問題だと思いますので、行きがいのある、そして受入れ側の独立行政法人もこれ評価にさらされるわけですから、一生懸命頑張っていただかないかぬ。
そうであるのに、退職一時金については勤続年数のみで評価してしまうという在り方は根幹がおかしいというように私は感じるんですけれども、この点、明快なお答えをお願いして、終わりたいと思います。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
ただいまの委員のお話でございますが、役員出向につきましては、国への復帰を前提に役員に就任させまして、国への復帰後に国家公務員として退職する際に、法人の役員としての在職期間を国家公務員の在職期間に含めまして退職手当を一回のみ支給するというものでございます。
役員出向は、任命権者の要請に応じまして、公務に密接な関連を有する業務を行うものであることから、国において支給する退職手当の算定期間に役員出向期間を通算することは、長期勤続報償という退職手当の基本的性格に照らしまして、他の職員との均衡上、必要な措置であるというふうに認識しておるところでございます。
なお、独法役員在任期間の業績は国への復帰後の退職手当に必ずしも反映しませんけれども、給与につきましては業績を反映したものとなるところでもございますし、また、一般論として申し上げるとしますれば、役員在職期間の業績が国への復帰後の人事に影響するものとも考えられるところでございます。
○山下栄一君 納得できませんけれども、終わります。時間がない、済みません。