156国会 総務委員会会議録 2003年07月01日
○山下栄一君 御声援ありがとうございます。
地方独立行政法人制度という新しい制度の創設ですので、ちょっと基本的又は重要な点と私が考えるところを確認させていただきたいというふうに思います。
まず、この新しい制度は、今まで、地方独立行政法人の対象となる組織というのは、今まではもう地方自治体の組織であり、国の介入は一切なかったと。ところが、形の上では国の関与が入ってくるということについて、地方分権の観点から逆行ではないかという非常に重要な意見があるわけでございますけれども、例えば設立の、特に法人認可にかかわることだと思いますけれども、認可そのもの、それから必要に応じて報告徴収、立入検査、是正、そういう命令ですね、行政命令、場合によっては認可の取消し、解散、形式的にはそういうふうなことを法律にも書いてございますし、今まで全く介入しなかった、国の介入がなかったところにそういうものが入ってくるということは地方分権の逆行ではないかと、こういう考え方について総務省の御見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) この地方独立行政法人の制度が地方分権の流れに逆行するのでないかと、そういうお尋ねでございますけれども、まず、国の地方公共団体に関する関与でございますが、今、委員も御指摘のとおり、地方分権の観点からも当然必要最小限にとどまることが望ましいと、そのように認識しております。
その上で、今回の地方独立行政法人制度でございますが、これまで地方公共団体が行ってまいりました公共性が高い業務を別の法的主体であります地方独立行政法人に行わせるという、全く新しい制度でございます。このことによって、設立に関する認可、違法行為の是正命令など、必要最小限度の関与を規定しているものと私どもは考えております。
さらには、地方分権一括法によります改正後の地方自治法におきましても、特別の法律により法人を設立する場合の認可があり得ることを前提といたしまして規定されておりまして、それは地方自治法の関与の基本原則のところに出ておりますけれども、今回設けている関与が地方分権の流れに逆行すると、このようには考えていないところでございます。
○山下栄一君 この地方分権に逆行するのではないかという考え方を、基本的にそうじゃないということを法形式で表すために、私はこういうことも考えられないかなというふうに思うんですけれども。
要するに、地方自治体という組織内にあったところが別の法的主体になると、その角度で法人という、国の関与というのは当然入ってこざるを得ないということだと思うんですけれども、じゃ、法人設立後、例えば知事の権限又は条例事項にするというようなことをこの地方独立行政法人法に書き込むというふうにすれば、もう法人設立という観点から総務大臣等の介入はなくなるというふうに考えられるわけですけれども、こういう考え方についての御見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) まず、国の独立行政法人制度につきましては、これは個々の独立行政法人を設立する場合の個別の法律、これによって定める方式を取っております。
一方、この地方独立行政法人制度でございますが、これは、地方公共団体が個々の地方独立行政法人を設立するごとに法律を定める手法を取ることができないということによりまして、都道府県や指定都市などが設立しようとする場合にありましては総務大臣の認可を、その他の場合にあっては都道府県知事の認可を、このような形で個々の地方独立行政法人の設立が可能となっております。
こうした総務大臣又は都道府県知事の認可につきましては、これまで地方公共団体が行ってまいりましたいわゆる公共性の高い業務を別の法的主体であります地方独立行政法人が行うことによりまして、その適正な運営を確保するために設立団体以外の者による一定のチェックを掛けると、こういった観点から設けたものでございます。
なお、土地開発公社等の地方三公社制度、これにつきましても、設立を主務大臣の認可にかからしめる法制度を採用しております。そして、法人の設立を認可にかかわらせず地方公共団体の条例のみで行う方法、これにつきましては、制度的には全く不可能とは考えておりませんが、実はこれまで立法例がございませんで、ほかの法人制度との整合を図る必要があると私どもは認識しておりまして、今後、これは是非研究課題とさせていただきたいと、そのように考えております。
○山下栄一君 私が申し上げました素朴な疑問といいますか、全く国が介入しなかったところに、場合によっては解散命令から。どういうことだ、これはと、非常に分かりにくいなということがございますので、そういうことを、全くそうじゃないよというふうにするためには、私が申し上げたようなこと、法人設立そのものを知事の権限とか条例事項にするということも一つの考え方ではないかと思いますので、今、研究事項とおっしゃいましたので、また私は、これは国交省の三公社も含めて、地方三公社も含めて、そういうことも考え直したらどうかなというようなことを考えております。
いずれにしましても、国の介入というものについては、それを積極的にやろうということは元々毛頭お考えにないと思いますので、誤解を与えないように。柔らかな監督という形での法人認可にかかわる介入なんですよということだと思うんですけれども、今日午前中にも御質問がございましたけれども、国の独立行政法人そのものも始まったばかりだと、総務省おっしゃいましたように、中期目標の評価もやっとこの十五年度で始まるという、そういう段階で、まだちょっと見えてこないと。本当に地方独立行政法人というのは特殊法人改革にこたえる一つの形だと思いますので、それは行政改革につながっているなというふうな、国民の信頼感が増すような形を見てから地方独立行政法人の導入というのは考えられるのではないかという、そういう質問、午前中ありましたけれども。
繰り返しませんけれども、私はこういう疑問もいうか、そういう考え方もあるので、法律施行後、その実施状況、選択によって自治体が考えて、法人格を与えるかどうか考えるわけですけれども、それをよく観察しながら、実施状況について各自治体の意見もよく、実施してからですけれども、意見を集約して、例えば業務範囲の見直し、それから公務員型法人の定義をどうするかということも含めて、柔軟に制度を見直しをすることを考えるべきではないかと、このように思いますけれども、大臣のお考えを。
○国務大臣(片山虎之助君) なかなか立てなくて心配しておったんですが、やっと立てました。
あれですね、今の認可を法律で書けば、これは一発ですね、法律で書けば。それは、もう地方団体の物すごい多くの地方独立行政法人を一々法律を作ることは、これは事実上不可能ですよね。それじゃ、自分で、自分と同じレベルの法人格を与えるのを自分でやるということは、これは法制上なかなか成り立たないんですよ。条例をかませればどうかと、これは検討の余地があります。しかし、これもやっぱり私は問題があると思う。そこで、しようがないから、総務大臣の認可、都道府県レベルは。市町村レベルは知事の認可と、こうなっているんですよ。ただ、この認可は自由裁量や何かのあれじゃありません。正に覊束裁量という、行政法で言うと、きっちりした基準に基づいてちゃんとやるわけで、説明が付かないようなことをできるわけがない。
そういうことで、大変、山下委員、御心配でございますけれども、地方分権を今一生懸命やっていますので、それを逆行するようなことは、何とか会議じゃありませんが、絶対やりたくないと、こう思っておりますので、是非そういうことで運用させていただきたいと、こういうふうに思っております。
そこで、見直しなんですが、やっぱり制度の趣旨、目的に沿った運用がなされているかどうか、絶えざるチェックが必要だと思います。そこで、この法律の施行後五年を目途にしまして、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることにいたしたいと、こう思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○山下栄一君 第三セクターの件なんです。これは衆議院でも質疑ございましたですけれども、第三セクターである、そういう民間法人と言えると思うんです。その法人がこの地方独立行政法人になるというようなことはもう基本的に相入れないと私は思うんですけれども、衆議院の答弁では、いったんそれを、三セクを地方自治体に吸収して、移管させて、その上で地方独立行政法人にするというようなことは理屈の上では考えられますねというような答弁があるんですけれどもね。確かに理屈ではそうかも分からぬけれども、これはもう全く三セクで例えば失敗したところが本体に戻してそれを今度独立行政法人化するというようなことは、民間法人化されたものを結局また独立行政法人にするというようなことは、これはもう理屈の上でもそうですし、実態上これはもう国民から見て到底納得できないことだと思うんですけれども。
既存の第三セクターが直接地方行政法人に移行することは想定していない、これは分かりますけれども、いったん自治体を経由して法人化、独立法人化するというようなことについても、それは実質上おかしいということについての御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) 御指摘の第三セクターでありますが、御案内のように、第三セクターは民法法人又は商法法人として民間のノウハウを活用しつつ所要の業務を行っているものでありまして、これに対しまして、御議論いただいております地方独立行政法人制度は、地方公共団体の事務の一部を切り出して地方公共団体とは別の法人に行わせると、こういう性格を持つものでありますので、御指摘いただきましたように、第三セクターとは全く異なるものと考えておりますし、既存の第三セクターが直接地方独立行政法人へ移行することは制度上もあり得ないものと考えております。
それからまた、第三セクターが破綻した場合、その後また行政に戻って地方独立行政法人のような形態を取ることについての御懸念があったわけでありますが、私どもは、制度的には、例えば第三セクターが破綻した場合には清算等所要の手続を取ることになりますが、その上で、例えばでありますけれども、行政補完型の第三セクターのような場合に、そのような事務を改めて地方公共団体が実施せざるを得ないという場合があるかもしれません。そのような場合におきましても、私どもとしては、地方独立行政法人制度が活用されるということは、制度としては、制度上は可能であるといたしましても、慎重に対応すべきものではないだろうかと、こういうふうに考えております。
○山下栄一君 公立大学、公立大学の扱いについて確認をさせていただきます。
先ほども質問がございましたけれども、先ほどの質問を聞きながら確かにおかしなことだなというふうにちょっと思ったんですけれどもね、辻委員の質問ですけれども。要するに、国立大学法人の場合は独立行政法人じゃないよということになっていると、ところが、公立大学法人の場合は地方独立行政法人という範疇に入るということは分かりにくいなというふうに私は思うんですね。
それで、そういうことだったら、公立大学法人という法律の形も、別、単独法といいますか、そういうことも、その方が非常に分かりやすいし説得力があるのではないかと。本来、大学というのは教育研究の観点から、大学の自治としてそういう教育研究の特性といいますか、そういう角度で国立大学法人、中央においてはそういうことを考えたわけですね、いろんな議論の末。じゃ、公立大学法人もやっぱりそういうことは丁寧に、慎重に、センシティブな問題であるのでそういう配慮をやっぱりすべきだと思うと、そういう様々な懸念を払拭するためには、公立大学法人という法人法ですか、そういう形の方が分かりやすいなというふうに私は考えるわけです。
これは先ほど総務大臣がお答えになりまして、今度は文部科学省にお聞きしたいと思うんですね。文部科学省はそういう面で一番慎重というか丁寧にやらないかぬ、総務省もそうかも分かりませんけれども。直接教育研究携わる施設ですからね。だから、国立大学法人の議論についてもそれほどの激しい議論があり、別の法律形態にしたわけですから。公立大学法人にもそういう厳しいものが考えられるということは当然のことだと思うんですけれども、そういうことをあえてしなかったことについての文部科学省のお考えを明確にしていただきたいと思います。
○政府参考人(木谷雅人君) 国立大学法人法案につきましては、御指摘のように独立行政法人通則法とは別の単独法として提出をさせていただいているわけでございますが、これにつきましては、一つは、国立大学の法人化に当たりましては、大学における教育研究の特性を踏まえ、国の独立行政法人制度の枠組みを活用しながらも大学の自主的な運営を確保し、教育研究の活性化を図ることができる仕組みとする必要があること。もう一つには、その仕組みについて、国が設置者としての立場から、国立大学の現状や改革の状況を踏まえつつ、八十九の国立大学法人に共通する具体的な組織運営に関する枠組みを規定する法律を制定することが適当と考えたことなどを総合的に勘案したことによるものでございます。
他方、公立大学法人の制度化につきましては、大学の教育研究の特性を踏まえることは国立大学法人と同様に当然必要でございますが、同時に、地方公共団体の自主性の尊重の観点を取り入れた仕組みとする必要があるなど、国立大学法人とは異なる点もあるところでございます。
具体的には、地方独立行政法人制度は試験研究機関、社会福祉事業、公の施設のみならず公営企業までも対象としておりまして、国の独立行政法人制度よりも幅広い対象を想定した枠組みとなっております。また、地方公共団体は、地方行政法人は、個々の法人の設立を法律で定めるという制度設計を取っておらず、地方独立行政法人法案においては対象となる事業に係る制度の基本的な事項を広く定めておりまして、公立大学法人についてもその基本的な枠組みを定めるにとどめることとしているわけでございます。このため、公立大学法人につきましては、地方独立行政法人法案の中で定め、同時に、独立した章立てをいたしまして、大学における教育研究の特性に配慮する所要の規定を置いているところでございます。
このような仕組みによりまして、地方公共団体の自主性が尊重されると同時に、大学の自主性が十分確保され、公立大学としての自律的な教育研究が展開されることを期待しているものでございます。
○山下栄一君 ちょっと今度は全然違う話になりますけれども、法律を離れますけれども、私、先日、決算委員会で、国家公務員の給与そのものじゃございませんけれども、給与の中に含まれている手当の問題をちょっと取り上げました。今日は人事院にちょっと、総裁にお聞きしたいと思うんですけれども、この前も総務大臣がそれは人事院の管轄だという、私もそう思いますので。
平成十四年度の国家公務員の給与につきましては、人事院勧告で初の俸給ダウンということに踏み切ったわけです。そういう現状が確かにあると思いますし、国民の公務員の報酬についてのまなざしはますます厳しくなる一方だというふうに思います。
俸給そのものではございませんが、手当の方についてもやはり見直すべきか、今までのままでいくべきかということを当然検討課題とすべきだというふうに思うんですけれども、この前取り上げました交通手当、通勤手当の件ですけれども、六か月定期方式の価格で通勤手当を支給することに変えたらどうかと。今現在は国家公務員法また人事院規則で一か月ごとにというふうになっているわけですけれども、それを見直すことに踏み切ったらどうかということをこの前申し上げました。
これは既に各自治体ではいろいろ検討の末、実施されているところがございます。都道府県レベルでは大阪、福岡、千葉。千葉は早かったんでしたですかね。東京も検討するということをこの前、石原知事がおっしゃったわけですけれども。大阪府も去年四月からこれに踏み切りまして、九万人の方に対してこの六か月定期に変えることによって十一億円の削減効果があるということでもう去年四月から踏み切っております。
私、今、枚方市というところに住んでおりますけれども、枚方市も同じ時期、去年の四月から、衛星都市では非常に早い方だと思いますけれども、ここは三千二百人対象で一・八億円の削減効果があるということになっております。
このことは、前、国のレベルでも試算を申し上げましたけれども、人事院につきまして、この六か月定期の価格によって通勤手当を支給するということについて非常に面倒なこともいろいろあると聞いておりますし、六か月ないような地域も、バス会社とかそれぞれ地方によってはあるというようなこともお聞きしておりますけれども、いずれにしても、こういう大きな流れの中で、この人事院規則を見直すということも含めまして積極的な検討をお願いしたいと思いますけれども、御見解をお願いします。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 現在の一か月単位の交通費を支給するという制度から、少し六か月とか三か月とか、そういうような単位で交通費を支給することを考えたらどうかということは、いろいろな方面から御指摘受けておりますし、地方自治体においてもそういうことの検討を始めたところもございます。
したがいまして、私たちもそういうような方向で検討しておるところでございますけれども、今、先生がおっしゃいましたように、代償機関として、プロセスとしては、やはり各府省の意見、そして労働団体の意見を聞いて私たちはそちらの方向に向かっていきたいというふうに考えておりますけれども、今、問題点を煮詰めて、何とか実現できないかということで汗をかいているところでございます。
○山下栄一君 大いに汗をかいていただいて、見直しをしていただきたいと思います。
次、調整手当というのもあるわけですけれども、これはもう、要するに物価水準の高い地域に勤務する公務員の方に対して、非支給地域ではない、加算の、支給率を加算しようという、これ、地域によっても違います、東京が一番加算率が一二%と高いわけですけれども。
ところが、この異動保障という制度がありまして、そういう高いところから低い地方に転勤になる場合は、激変緩和措置として、しばらくの間は元の高い地域に合わせて支給するということになっているんですけれども、これがスタートの昭和三十六年では、六か月間は激変緩和で前の高いままで支給しましょうと、それ以降は新しい地域に合わせてということになっていたんです。その三か月が一年になり、今は三年になってきているわけですね。このことにつきましても様々な厳しい御批判が今あるというふうに聞いております。
まずお聞きしたいのは、異動保障という形で支給されている人数、公務員の方の人数とその総額ですね、これをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 今お尋ねの、いわゆる異動保障の対象になっております人数は六万二千人、おおむね六万二千人、そして、月額でそのために資する額が約十三億ということでございます。
○山下栄一君 月額十三億、十二掛けると二百数十億になるというように思うわけです。そういう金額が支給されていると。
ところが、三年もずっと保障し続けるということは、結局、三年で大体転勤になると元のままの高いままにずっと続くということになりかねないわけでございまして、これはちょっとやはりやり過ぎだと、こういう冒頭申し上げました様々な国民の御批判を考えたときに、これはスタートは六か月からスタートしてどんどん、いろんな事情があり現在に至ったとは思いますけれども、これは長過ぎるということにやっぱり私は思うわけです。これにつきましてもきちっとやっぱり見直さないと国民の批判に耐えられないというふうに私は考えるわけでございまして、人事院の、積極的な御検討をしていただきたいと思いますけれども、御答弁をお願いします。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 御指摘のような話は私もよく聞いております。
いずれにしても、国民が納得してくださるというか、国会議員の先生方もなるほどというふうにおっしゃっていただけるような制度にしていかなきゃならないというふうに思います。
ただ、元々のスタートというのは、異動したことに伴いまして調整手当が減額される、給与が減額されると、その経済的な影響というものを緩和するということで異動保障制度というものを設けました。
おっしゃるように、スタートのときは六か月ということでございましたけれども、この制度を作り、そして当初運用した人たちの話を聞いてみますと、やはり最初はそういうことでスタートいたしました。けれども、ほぼそれと時期を合わせまして単身赴任というものが増加してきた。そうすると、世帯が分かれることによって家計負担も重くなるというような事情もございましたし、また短期間、例えて言いますと六か月とか一年ということでは、その期間は確かに東京から地方に異動した人たちは落ち着いて仕事をしてくれるけれども、その期間が過ぎちゃうと東京に帰りたがる、あるいはブロックの中心都市に帰りたがるというようなことがございまして、そういうことがありますと、それぞれの地方の、地方団体の首長さんとかあるいは各種団体の方から、せっかく顔なじみになって当該地域の実情というものを把握していただいた、これから仕事していただかなきゃならないというときに転勤されるというのでは困るというので、もう少しその異動保障も長くしてくれというようなお話もあったように聞いております。
ただ、三年というのはどうかというような話でございますので、また、そういうような御意見も国会の中で出てきておりますので、私たち、各府省の人事の円滑化ということも考えながら、また労働団体の意見も聞きながら、この見直しというものに着手してみたいというふうに思います。
○山下栄一君 それに、この異動保障に関連してですけれども、ちょっと悪質とも言うべきものが散見されておるわけです。そういう報告もされております。
すなわち、地方から地方に転勤、異動になる場合に東京経由で異動すると。いわゆる最も加算率の高いところで例えば一か月間研修を受ける形を取って、そこで、そこを新しい勤務地だというふうに考えてまた別のところに行くというようなこと、経由地に支給率の高いところを経由させるという、そういうことをやっているというようなことがありまして、これについては人事院の方で実態調査をされたというふうに聞いております。ひどい場合には、一日だけそこにおってというようなこともあったというように聞いておりますけれども、いずれも、実態調査のどういう、どれぐらいの件数がそういうふうにあったのか。
それは、一日というのはもうまれやと思いますけれども、そういう東京経由で実質的な異動が地方から地方だということを、東京という最高の支給率のところを使うというふうなことも含めまして、こういうやり方、ワンタッチという言い方をするそうですけれども、ワンタッチ、短期間異動という、そういうことについての実態調査をされたというふうに聞いておりますので、その御報告をお願いしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 異動保障というのは、制度の趣旨に従って運用していただけるとそんなに批判を浴びなかったわけでございますけれども、今、先生が御指摘のように、本当に短期間、支給地あるいはより高い支給率の地域というものに在勤して地方に替わっていく、そのことによって異動保障というものの恩恵を受けると。そういう運用をされますと、制度そのものが誤解を受けるということになるわけでございます。
私たちは、そういう話を把握いたしまして、昨年の十二月でしたか、通知を出しまして、各府省におやめいただくようにということで徹底いたしました。それ以後、そういうようなことはございません。したがいまして、そういうようなことは防止しつつ、調整手当制度というものを適正に運用していきたいというふうに考えております。
ただ、今お尋ねになりました、そういう短期間でということをワンタッチと言うんですか、先生の言葉を使いますと、そういうことで、この制度を趣旨に反して運用しておったというのは、この一年間で、昨年の四月以降ございましたのは百七件でございまして、そして各府省にまたがっております。
○山下栄一君 短期間というのは一か月以内ということで調査していただいたと聞いておりますけれども、こういうものについては、やはり、何といいますか、悪用するといいますか、そういうことについては、これはもうあってはならないことだと思いますし、実際、人事院の方から指導をされた結果、そういうことはなくなったというふうに聞いておりますけれども、しばらくなくなってまた復活するということになったらまずいわけでございますので、きちっとした御指導をお願い申し上げたいというふうに思います。
この異動保障につきましては、人事異動を円滑にするために、なかなか地方に行きたがらないという方が現実にいらっしゃる、それではなかなか全体的な仕事も成就できないということから、そういう人事異動の円滑化のためにこういうのを導入したということから私も問題点が出ているように思います。
理念からいいますと、憲法十五条に全体の奉仕者であるというふうに書いてあるわけだから、そのために公務員になったんでしょう、そうなのに行きたがらないというのはどういうことだというふうな民間の方から厳しい御批判もあるわけでございますので、そういうことを考えましたときに、この人事異動円滑化のための手当支給というやり方はちょっとやっぱり基本的に見直すべきではないかと。地域給である調整手当の激変緩和措置としての異動保障ではない形で別の考え方で制度化するというふうなこともあり得ると思うんですけれども、この辺のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) おっしゃることはよく分かります。ただ、先生も私と余り年代が変わらないわけでございまして、私たちのときには行政法を教えていただくときには、公務員というのは特別権力関係の中にあるというので、命令一下どこへでも行くんだという、そういうことを教えていただいたわけでございますけれども、最近はそういう考え方がだんだん薄れてきているというか、余り特別権力関係議論というのが言われなくなったということで、できるだけ人事権者というのは、労働者の意見をよく聞き、労働者の立場を考えてというような人事異動が行われるような時代になってきたのかというふうに思います。
ただ、この異動というものを円滑に行うためにどういうような制度というものを考えたらいいのかというのは非常に難しい問題だと思いますし、たくさんの方々からいろいろな御意見というものをちょうだいしなきゃならないというふうに思います。ただ、本当に単身赴任ということで地方に異動される方々の家計負担というものを考えて新しい手当を作るということになりますと、恐らく現在の異動保障で必要としておる財源よりもより多くの財源を必要にすることになるんじゃないかという気もいたしますので、総合的にいろいろな立場を考えてこれから十分検討する必要があるだろうというふうに思います。
○山下栄一君 最後に、元々調整手当というのは、物価が高い地域、また民間賃金、その地域の、をも勘案しながら、そういう支給率のかさ上げといいますか、そういうことを考えていったというふうに聞いておるわけですけれども。ところが、勤務しているのは確かに霞が関だと、住んでいるところは物価も非常にそんなに高くない地域に住んでいると。だから生活費とかということを考えると、確かに勤務地はただ東京かも分からないけれども生活地域はそうでないというふうに考えたときに、この支給の考え方が在勤地主義というのはこれはどうかというふうな意見もございますけれども、これについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) それは、確かにそういう議論も成り立つだろうというふうに思います。ただ、この調整手当というのがいろいろ議論されました昭和四十年代の後半、結局日本の経済が高度成長になりまして、高度成長の波に乗りまして、労働者というものの取り合いというか、人材獲得競争というものがだんだん激しくなってきたと。そのときにやはり民間賃金が高い地域に所在する官署というものがきちんとした人材を獲得しなきゃならないというので勤務地主義、在勤地主義というものが正当化されたというか根拠付けられたというようなことで私たちは頭の中を整理させていただいておりますけれども、現在もなおそういう考え方が強いというふうに私は認識いたしております。
○山下栄一君 ちょっと少し早いですけれども、以上で終わります。