159国会 予算委員会会議録 2004年03月26日
○山下栄一君 公明党の山下でございます。
私、まず最初に、国家公務員の天下りの問題についてお聞きしたいと思います。
行政改革、特に小泉内閣、特に小泉総理自ら大変な熱意を持って、情熱を持って取り組んでおられること、私も非常に共感しておるわけでございますけれども、その中で特にこの公務員制度改革ですけれども、これはなかなか進みにくいという分野であると感じております。
それで、この天下り問題につきましても、今国会いろいろと議論されましたし、また総理の非常に一歩踏み込んだ発言も非常に注目され、本当にできるのかというふうなことも言われておるわけでございますけれども、この天下り問題につきましては、再就職、非常に今一般の方々が難しい状況の中で国家公務員、特に高級官僚は別扱いされておるという一貫した御批判が国民からあるわけでございます。
したがいまして、この国家公務員の天下り、いわゆる天下り、これは営利企業だけじゃなくて特殊法人、独立行政法人、公益法人も含めたこの天下りについての、再就職についてのルールですね、あいまいではない明確なルールをこれ作る必要があるというふうに感じております。
それで、そのルールをどこで作るかということなんですけれども、私は政令というか内閣で作るべきではないと。国民の皆さんのこの公正であるということを保証するためにも立法府、法律で作るべきであると。承認基準は今人事院規則、営利企業の場合は人事院規則になっておりますけれども、これを法律で明確に作るべきだと。この点の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 今の御指摘、御意見としてあるのは私たちも存じ上げております。
ただ、営利企業とそれ以外の特殊法人あるいは独法、公益法人等々につきまして、これまた営利企業と同一の類型で議論するだけでも済まない。今は委員の御指摘はすべてを法律でという御指摘でございますが、営利企業の部分については基本的な部分、できるだけ詳細に国民の疑惑を招かないような形で法律をするということを明確にしておりますけれども、それ以外の部分についてはどういう規制にしていくのか、どういうルールにしていくのか、今それを含めて検討を公務員制度改革の中で全体としてやってまいる。
ただ、いずれにしても、営利企業だけでなくてそれ以外の公益法人等々につきましても内閣の関与を適切に強化していきたい、この方針でこれから進めてまいりたいと思っております。
○山下栄一君 金子大臣とちょっと考え方が違うわけですけれども、承認基準は別に営利企業その他と同じ基準である必要はないわけで、それぞれルールが、明確なルールが必要だと、そのルールを内閣じゃなくて立法府で、要するに法律という形で定めるべきであると、このように私は申し上げておるんですけれども、総理はどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 天下りの問題については国民から厳しい批判を受けているということをやっぱり真摯に受け止めなきゃならない。公務員の再就職問題についても、どうあるべきかという点については、公務員制度改革の中でも今後考える必要があるということで、今各党、与党でも検討しております。片山委員長はその分野におきましては前から極めて熱心で造詣が深い方でありますが、この点につきましては、今後各党協議を踏まえまして、また公務員としての使命感として、意欲を持って公務員の皆さんが働いてもらう、そういう在り方も同時に考えていかなきゃならない問題でありますので、十分各党間の協議をする中で今の御意見等も参考にさせていただきたいと思っております。
○山下栄一君 今、特に営利企業への承認主体、承認は人事院でやっておられるわけです。それを大臣でというお話もありましたけれども、それを内閣でという今見解だとお聞きしておるわけでございますけれども。営利企業のみならず、先ほども申し上げましたけれども、特殊法人、独立行政法人、公益法人、一括して同じ主体で承認をする必要があると。それは内閣でやるべきだと。それも、だれかがやって、例えば各大臣がやった後の事後チェックじゃなくて、自ら直接内閣が一括して天下り先の再就職の承認を行うべきだと、このように考えるわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 今、総理から御答弁が、答弁がありましたように、各党協議いただいて明確なルールを作っていくと、これがまず先であります。どういうルールを作っていくのか、その結果を見て、またそれを承認する在り方というのにつきましては、その制度設計、ルールを作った上での制度設計の中で対応をさせていただきたいと思っております。
○山下栄一君 ちょっと金子大臣の答弁は大分後退しているように私は思うんですけれども。各党一致して協議してということで、法律で作るという、立法で作るということになっていくと思うんですけれども、私が申し上げたのは、営利企業への承認は今人事院でやっておられる。その、ただ、ほかの特殊法人、独立行政法人、公益法人、ここら辺の天下りが非常にあいまいであるという厳しい御批判があるわけで、それをやはり一括して同一主体で、それは内閣でやるべきではないかということを、そのように方向でも考えておられるというふうにお聞きし、そういう答弁も今国会であったようには感じているんですけれども、この点は総理はどうでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 今、委員の御指摘、内閣で、営利企業のみならずそれ以外についてもすべて内閣で一括管理する、それをどういう体制を作るのかという御質問だというふうに理解したんでありますけれども、先ほど答弁いたしましたように、営利企業のみならず、それ以外の特殊法人、独法あるいは公益法人について内閣の関与を強化していくと、そのためのルールを今検討をしている、先ほど答弁をいたしました。
このルールを明確にした上で、この一括承認する体制についてルールを明確にした上で検討させていただきたいと、それが今の私たちの考え方であります。
○山下栄一君 ということは、金子大臣ね、内閣が承認をしないということであるならば、そういうことじゃないということであるならば各府省大臣がやるということになってしまうわけで、それについての批判があるという背景が私はあると思うんですよ。だから、一括して、営利企業その他の独立行政法人等も同じ主体で、それは大臣じゃ駄目でしょうと、内閣が直接やはり承認すべきではないかということが今大きなテーマになっているんではないかと思うんですけれども、総理はどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その点も含めて今協議の対象になっておりますので、十分この協議の方向を見守りながら検討していかなきゃならないと思っております。
○山下栄一君 冒頭申し上げましたこの行政改革の中身はいろいろ、地方分権も含めて、規制改革もその一つだと思いますし、特殊法人改革も、また公益法人改革も柱だと思うんですけれども、公務員改革というのはなかなかこれ進みにくいと。これが大きな行革の、また行政への不信の大きな背景になっているというふうに私は思うわけです。
そういう意味で、この天下り問題をどういうふうに取り組んでいくのかということは行革への熱意を測る大きな判断基準になっていくと。今までの営利企業に対する承認は人事院でやっていた、それを大臣に持ってこいという意見もあったわけですけれども、それはおかしいでしょうということになりつつあるというふうに私は思うんですね。これは、大臣ではなくて内閣がやはり承認するということについては、それははっきりしているんですよね。それはどうなんでしょうか。総理にお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 御意見の趣旨も、内閣承認の方がいいのではないかということだと思いますので、その点、十分今後検討していきたいと思っております。
○山下栄一君 営利企業のみならず、ほかの、何かしつこく言いますけれども、一括して同じ主体でやるべきだというのが私は国民の健全なお声ではないかと、それを内閣が直接やるべきだということを私は申し上げております。
その上で、内閣が承認するというふうなことを考えた場合に、内閣といってもこれ各省の合議体、大臣の合議体でもあるわけでございますので、この天下りに関する調査それから審査、また、こういうことを各省が出向した内閣の方々でやっておったんでは、また元も子もなくなってしまうというふうに感じるわけです。
したがって、この調査、審査、これは今は営利企業については人事院、第三者機関がやっておりますけれども、内閣が一括管理、また承認するという仕組みにする場合、この調査、審査、場合によっては勧告ができる、そういう第三者的なそういう機関、これは私はしっかり作っておかないと国民は信頼しないというふうに考えるわけですけれども、こういう第三者機関の必要性について人事院総裁のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 先ほどから伺っておりましたら、大体この天下りの審査の在り方についての考え方は私たちの考え方とほぼ一致しているというふうに思います。
そこで、今の御質問にお答えいたしますけれども、審査をするというのは、公正な立場で審査をしなきゃならないということでございますから、公正性が担保される機関で審査をしていただく、しかも、その審査についてのノウハウを持っている機関が審査をするのがいいだろうというふうに思います。
○山下栄一君 検討していかなきゃならない、また、そういう話を先ほど総理おっしゃいました。今の人事院総裁のお話についての小泉総理の感想というか、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 各方面の意見を参考にしながら今後検討すべきだと思っております。
○山下栄一君 再就職というよりも、いわゆる天下り問題についての断固たる毅然とした姿勢を貫くことができるかどうかが私は行革の大きな、行革に対して本気であるかどうか、それが内閣が問われておるというふうに考えておりますので、是非小泉総理の毅然としたリーダーシップをお願い申し上げたいと思います。
次に、若年雇用問題。
ちょっと時間がなくなってまいりましたけれども、私は、フリーターの大変な増加、また学生、生徒が将来の進路に対して非常に不安を持つだけじゃなくて、働くことそのこと、職業観、また勤労観が非常にぼやけてきておるということ、私は深刻な問題であるというふうに思うわけでございますけれども。こういうことについて、私は、義務教育終了段階である程度の職業観、勤労観を持って義務教育を終える、国民共通教育である義務教育段階終了時には、国民、将来、国民といいますか、の一員である生徒、児童生徒が自立したそういう職業観、勤労観を持って義務教育を終えることが非常に大事ではないかということを考えております。このことについての文部大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 委員、山下委員御指摘の点、フリーター現象、二百万とも言われておりますが、こういう現象の中で非常に大事な御指摘だというふうに受け止めております。
特に、学校教育、義務教育段階において働くことの意義とか目的、あるいは職業、職業生活、そういうものについてやっぱりちゃんと指導していく必要がある、こう考えておりまして、いわゆるキャリア教育、勤労観それから職業観を身に付けさせる教育をやる、それによって将来の進路が啓発的に受け止めるような形に持っていく。そのためにやっぱり体験の機会を持たせよう、これが必要であろうと、こう考えております。
平成十四年から総合学習の時間というのが設けられまして、この時間を活用してそうしたことを取り入れる学校が非常に増えてまいりました。全国の公立中学校の中でも約八七%の学校が何らかの形でこういう教育を、実践教育を取り入れるようにいたしております。しかし、これも時間的にすればそんなに大したことはありませんが、もっと本格的にやるべきではないかと。
例えば、最近よく言われるようになりました兵庫県の例がございます、トライやる・ウイークというやつです。これは中学二年生になりまして、五日間ほど腰を据えてこうした体験学習をやる。特に中小企業、商店街に出ていって、自らレジを打ったりなんかしながら店のお手伝いをするとか、いろんな企業に入っていく、そういうことをやっております。
これはもう、例えば不登校の子供たちまでこれに参加するというような効果も現れているようでございますので、そういうものをもっと全国的に広める必要があるということもございまして、実はこの十六年度から全国四十七都道府県、地域を選んで、そしていわゆるキャリア教育推進地域指定事業といいますか、そういうものをモデル地域を作ってやっていこうと、こういうふうにいたしておりまして、今後ともこうしたいわゆるキャリア教育といいますか、働くことの意義、そして汗を流して働くことがどういう意義を持つかということをしっかり学ばせる必要があると思います。思いますし、また、父親、母親が働いている現場にも子供たちが出掛けていってそういうものを見る、そういうことも必要になってきておりますので、そうした組織的な系統的なキャリア教育をしっかり進めてまいりたいと、このように考えております。
○山下栄一君 文科大臣、今おっしゃったこと非常に大事なことやと思います。私は、中学校における就労体験学習、工場見学とか職場見学じゃなく実際働いてみるという、そういう体験、就労体験学習が極めて重要である、それは中学校の段階が大事だということを感じております。今のお話、是非、これ指示する、指令するわけにいきませんので、そういう考え方を自治体と、もっと教育委員会とも連携を取ってやっていただきたい。
もう一点、キャリアアドバイザーを中学に派遣という話がありますけれども、私は、経験豊かな社会人を進路指導、特に中学校の進路指導の担当として学校に配置すべきだというふうに考えております。スクールカウンセラーのキャリア版といいますか、そういう形で学校にいらっしゃるということ、教員免許を持たなくてもいいから、そういう社会経験豊かな方々を学校に配置するということの重要性を是非文科省、認識していただいて、取り組んでいただきたいと思います。御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 学校にキャリアアドバイザーといいますか、そういう進路指導に当たってそういう本当の専門家を入れていくということ、これも今日の状況から見て非常に必要になってきていると思います。そういう意味で、教員自身もそういう研修をしてもらわなきゃなりませんが、同時に産業界の動向とか企業の動き、そういうものが分かっておるといいますか、実際に分かっている地域の方々ですね、企業の人事課の経験があるとか、そういう方々にも入っていただくことが非常に効果的ではないかと、こう思っておりまして、これはキャリアアドバイザーとして学校に招いて、そういう方々に必要なその学習、就職相談に乗っていただくということ、これをこれからもっと進めていかなきゃ、現実にもうそういうこともやっている学校もございますが、これも先ほど御答弁で御答弁申し上げましたが、キャリア教育推進地域指定事業の中でも考えていくということでございます。
まあアメリカ辺りでは、いわゆるスクールカウンセラーの中に更にキャリアカウンセラーというんですか、こういう専門的な勉強をした方々が実際に学校現場におるということも聞いておりまして、まだこういう点では私は日本は後れておると、こう思っております。
そういう意味で、当面まずは若者たちを職業的な自立に導いていくような、厚生労働省側もキャリアコンサルティングを行う人材の養成を進めると、こう言っておられますので、そこともタイアップしながら、学校に専門人材を置くということ、その方向で、特に地域の人材を活用する、そういう方向で更に努力をしていきたい、このように思っております。
○山下栄一君 御答弁ありがとうございました。
終わります。