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国会質問

159国会 環境委員会会議録 2004年05月25日


○山下栄一君 まず、法案の中身の質問をさせていただきます。
 まず特定事業者ですけれども、特別の法律で設立された法人の中で政令で定めるものと、こういうことですけれども、政令で定めるに当たって、これ各省庁にどの法人を入れるか入れないか、若干の基準は法律にも書いてありますけれども、これを私は完全に省庁に任せていいのかなというようなことを感じるんですけれども、ある一定の、政令に入る法人がどんな法人なのかということをそこそこやっぱりきちっと示す必要があるんじゃないかと、こんなふうに思いますけれども、いかがでしょうか。


○政府参考人(松本省藏君) 特定事業者に指定する具体的な配慮事項、法律に書かれているとおりでございまして、各種の配慮事項を勘案しながら政令で定めると、こういうことでございます。
 それで、具体的な実務を申しますと、この法律を国会で成立をさせていただいた後、当然、法律に基づく法人というのは各省庁が所管をしているわけでございまして、その法人の実態、内容については、正直申しまして環境省はすべてをつぶさに把握しているわけではございません。これは最終的に政令でこの法律に基づく特定事業者として指定するわけでございますから、私どもが中心になりまして、関係省庁と連携を取りながら、当然のことながら一定のメルクマールを共通のルールとして作って、それを基準にしながら、各省庁所管の法人について、その指定の妥当性、そういうようなものを十分に吟味をして具体的な指定の候補をリストアップしていくと、こういう作業になろうかと思っております。


○山下栄一君 特定事業者がモデルとなってこういう事業者の環境配慮を促進していこうというのがねらいの法律ですので、私は、特定事業者に指定されなかった要するに法律法人といいますか、これは何もしないでいいのかと、それはそうじゃないよと。国は、少なくとも環境配慮等の状況を報告せないかぬわけですから、それぐらいは義務付けられていいでしょうと。環境報告書で形では報告されなかったとしても、何らかの形の報告は義務付けるということは当然だと思いますけれども、それでいいんでしょうか。


○国務大臣(小池百合子君) 今、御質問の中でも、今回の法案の意義付けについてもお話があったかと思いますけれども、この法案というのは、環境報告書の普及の促進と信頼性を向上させるということでその制度的な枠組みを整えるものであります。よって、事業者の自主的、積極的に環境配慮に取り組んでもらう、社会や市場からそれが適切に評価されるということで、総合的にこれがうまく回りますとその発展につながるようにするための条件整備ができていくということでございます。
 この法案では、国については、率先して政府活動に環境配慮を織り込むということが必要でありまして、そのための環境配慮の取組の状況を公表することを義務付けたものでございますし、また一方で、国に準ずる、今御質問のところでございますけれども、一定の公的事業を行っている法人である特定事業者についても、事業活動に環境配慮の不足がないように率先した取組が必要であると考えております。また、環境報告書の普及を図るという観点から、言わばモデルとして率先して環境報告書を作成、公表するということとさせていただいた次第でございます。


○山下栄一君 ちょっと分かりにくかったんですけれども。
 要するに、百六十法人の中で政令に入らなかった特定事業者が、法律法人が出てくるわけですよね、当然。特定事業者に入らない法律法人、それもやっぱり環境報告書にのっとった作成、また公表でないにしても、環境配慮状況を報告することは義務付けられるのは当然だと思うけれどもどうかということを申し上げているんですけれども、それでいいですね、それで。当然そうならないかぬと思うんですけれども。


○政府参考人(松本省藏君) 今、環境大臣の方から特定事業者に対して環境報告書の作成、公表を義務付ける理由、ねらいというのを御説明申し上げました。
 国に準ずる一定の公的な事業を行っている法人、これをいろいろなメルクマールの下に、言わばモデルとして率先して環境報告書を作成、公表をしてもらうということでございます。当然、先ほど具体的な例として、独立行政法人、特殊法人あるいは認可法人の数として百六十というのを申しましたけれども、そういう中からいろいろな配慮事項を勘案して具体的に指定をするわけでございますが、そこで当然、指定されない法人も出てくるわけでございますが、そういう法人については、これは、この法律は別に特定事業者だけではなくて、ありとあらゆる事業者について環境報告書の普及あるいは信頼性向上のための努力をお願いする法律でございます。あまたある民間事業者と同様のいろいろな努力義務が掛かっているわけでございます。この法律の趣旨をそんたくして自主的に努力をしていただくと、こういうことになろうかと思います。


○山下栄一君 ちょっとそれはおかしいんじゃないかなと思うんですけれども。質問、次に移りますけれども。
 国は、各省庁ですか、各省各庁と書いてありますけれども、これは要するに環境報告書という形式ではないけれども、環境配慮等の状況を公表を義務付けるわけですよね、そうですね。だから僕は、今言ったように、そういう特定事業者に入らない法律法人は当然国がやることぐらいはやるべきだろうと。努めるものじゃなくて、義務付けて、環境報告書の体裁ではない形でもいいから、国と同じような環境配慮状況の報告、環境配慮状況の公表することは義務付けていいんじゃないかということを言っているわけですけれども。当然のことだと思うんだけれども、ちょっと何かちょっと自主的な努力に任せるみたいな話がありましたけれども、それはおかしいんじゃないかと思います。これは意見ですけれども。
 それから、各省庁の取組ですけれども、これは環境配慮、どの程度やっているかということを数値ですか、環境負荷の程度を示す数値を含む形で国民に分かるように公表するということを第六条に書いてありますね。どんな項目を、数値で表すかについては各省庁に任せると、これはちょっと、そうせざるを得ない状況あるんでしょうけれども、最低これは入れるべきよということぐらいはやはりやらないと、この法律の趣旨がちょっと、モデルケースを作って義務付けて、特に国の関与の強いところの法律法人については環境報告書を作って公表するということをやっていると。国本体そのものは何らかの形で報告せいというだけでいいのかなというふうに思うわけですね。
 だから、少なくとも、例えば省エネルギー、そのエネルギーの少なくする努力、数値とか、それからごみの減量の数値とか最低限の数値はみんな入れなさいとかいうようなぐらいはしないと、国の取組で事業者にこういうことを、自主的な取組をやらせようとしているわけやからね、国についても、各省庁に何を入れるかの公表の項目を任せるという形だけでは、ちょっと国民納得し難いのではないかと。少なくとも、最低限の、これだけ共通のものとして、今申し上げましたように、エネルギーとかごみの減量とか、そういうことぐらいは最低入れるというようなことの取組ぐらいはやっぱりやるべきではないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。


○政府参考人(松本省藏君) 現在、国は、率先して、通常の経済活動の主体として行う活動を含めて、政府活動全般にわたって環境配慮を適切に織り込んでいくということで自らの活動を律する、そして環境への負荷を更に低減する必要があるということを環境基本計画の中でうたっております。それを受けて、関係府省というのがこの環境基本計画を踏まえながら自主的に環境配慮の方針を明らかにしております。
 それで、先ほどの御質問、実はあったわけですが、具体的に、それでは環境配慮の方針を定め、私ども環境省の例で申しますと、どういうような取組状況を定め、そして公表しているかと申しますと、例えばグリーン購入の状況、それから次に、初めて使用する木材パルプの量、バージンパルプをどれだけ使っているか、それから低公害車の導入の状況、それから電気の使用量、この状況、昼間などは全部蛍光灯を切ったりしております。フロン系冷媒の排出抑制の状況、それから公用車の使用、これは燃料の使用の……


○山下栄一君 簡潔にお願いします。


○政府参考人(松本省藏君) るる、そういうようなことで、大変きめ細かく環境配慮の状況について日常の活動を全部データとして把握をし、そしてその状況、結果を取りまとめて報告をしているということでございます。各省庁、若干の差はあるかもしれませんけれども、国の府省はその程度の取組というのは当然のこと、やるであろうというふうに思います。


○山下栄一君 その次ですけれども、これ環境報告書、大企業を中心に努めるものだそうですけれども、環境報告書、今六百五十社ですか、それが徐々に増えていくという形にしていく必要があると思うんですけれども、そのためのまた法律やと思うんですけれども。
   〔委員長退席、理事ツルネンマルテイ君着席〕
 せっかく作ったこの環境報告書がやっぱり評価されて、そして利用されていると、国民の皆さんも関心を持ち、場合によっては環境教育の教材に使うとか、そういうようなことも含めて環境報告書の利用促進を図ることが必要だと思うんですけれども、具体的にどういうことを施策として考えておられるか、簡潔にお願いしたいと思います。


○副大臣(加藤修一君) 環境保全活動、環境教育推進法の関係でございますけれども……


○山下栄一君 違う、違う、質問違います。環境報告書の利用促進。


○政府参考人(松本省藏君) 環境報告書でございますが、今具体的に、例えば環境教育とかいうようなことにも活用できるのではないかと、こういうような御指摘があったかと思います。
 確かに、その環境報告書といいますのは、事業者と様々な関係者との間の重要なコミュニケーション手段であります。御指摘がありましたように、環境教育のツールとしても確かに有効であろうというふうに考えます。例えば、環境省が調べたところによりますと、環境報告書を作成する事業者の過半数、これがその配布先の一つに従業員や家族というのを挙げております。環境報告書が、従業員、家族というのは子供も多分いるわけでございまして、これらの方々への環境教育の材料としても活用されているということがうかがわれます。
 ちなみに、その企業の財務諸表は家族に見せてもだれも読まないだろうと思います。
 このほか、企業において、市民や消費者を招きまして環境報告書を読む会といったセミナーを開催する事例もございます。あるいは、今度は消費者団体の方が、一般の主婦などを対象として環境報告書のワークショップを開催するという事例もあるようなわけでございまして、こういうようないろいろな形で環境報告書の利用がなされているということでございまして、こういう動きが今後ますますこの法律ができることによって広がっていくだろうということでございます。
 環境省としても、こうした観点から環境報告書の利用の促進、教材としての活用というのも含めまして進めていきたいと考えております。


○山下栄一君 いろんな環境報告書、六百五十社、今現在出されている中にも非常にレベルの高いものもあれば、いろいろ差があると思うんですけれどもね。だから、これから分かりやすくて非常に企業としての取組がモデル的だというものについてやはりいろいろ、今申し上げました教材として使うとか、また表彰制度もあるようですけれども、こういうことはどんどん、せっかく作って努力している企業、更に普及させ、そして取組を強化させるというような働き掛けというのは大事だろうというふうに思います。
 法案の最後の質問ですけれども、こういう環境を配慮する企業、当然国民からも評価されていかなくちゃならないと思うわけですけれども、市場で評価されるというところまでなかなかいっていないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、今後こういう企業がやはり市場でも評価されるという、そういう体制作りといいますか、基盤作りといいますか、様々な優遇、優遇といいますか、政策誘導といいますか、こんなことも考えていくべきだと思いますけれども、この点、お考えをお聞きしたいと思います。


○国務大臣(小池百合子君) おっしゃるとおりでございまして、この法案が進めます事業者による環境報告書の公表が、そういった市場に対して、それぞれの企業が環境に対してプラスのことをやっているということが、それによって投資につながるといったような形でお金の流れが変わってくる、こういったことは、文字どおり、今回のこの法案の効果として挙げられるのではないかと思います。
 また、これは事業者そして国民が投資などに当たって相手方事業者の環境情報の勘案するよう努めること、国としてもこうした事業者及び国民の取組を促進するために必要な措置を講ずることというのがこの法案に盛られているのはそういった意味でございまして、実際に我が国でも、欧米では既にかなりのシェア、文字どおりのシェアですね、株で、株式の投資がエコファンドに流れるということで、社会的責任投資、SRI投資というのが非常に盛んでございますけれども、株式の保有状況や社会的な文化的事情の違いというものありますけれども、これまでの財務情報と異なって、事業者の環境情報が社会や市場に提供されることでお金の流れがそっちに向かうというようなことを是非とも進めてまいりたいと考えております。
 機関投資家それから金融機関を含めた事業者、さらには国民に対する情報提供、普及啓発が、そういった環境に配慮する事業者が市場で評価されると、このような基盤の整備につながればと考えております。


○山下栄一君 ありがとうございました。
 法案から離れまして、環境教育について質問させていただきたいと思います。
 一昨年のWSSD、環境サミット、南アフリカで行われたサミットで持続可能な開発のための教育の十年と。これは日本政府が提案したことがこの環境サミットでも採択され、そしてその後、国連総会でも決議されて、いよいよ来年からですか、この十年が始まろうとしておるわけでございます。昨年、それに先駆けてと言ってもいいと思いますけれども、日本が国会でこの環境教育推進法というのを策定したわけでございます。これは行政主導型というよりも、民間の草の根の取組を大事にしながら環境教育を推進していこうという趣旨の法律だったというふうに私は理解しておるわけですけれども、今年十月からいよいよ全面施行と、このようになっているというふうに思いますけれども、基本計画の中心点、この法律の準備に向かってどの程度進んでいるのか。人材育成の登録制度とか、また環境カリキュラムとかも含めましてお願いしたいと思います。


○副大臣(加藤修一君) 御指摘の法律につきましては、今御案内がありましたように昨年の四月に成立したわけで、議員立法ということになりますけれども、パンフレットを作成して広く配布することと同時に、全国各地でこういった面についての意見交換を行いまして、法律の周知徹底を行ってきたと。
 現在、先ほどの話にありましたように、十月の完全施行に向けて基本方針の作成や人材認定等事業の登録制度、それに関する主務省令の作成、これに努めているところでございまして、関係五省から成る連絡会議を設置いたしまして、関係省が緊密に連携しながら作業を進めている段階でございます。
   〔理事ツルネンマルテイ君退席、委員長着席〕
 この基本方針案の作成につきましては、環境教育等の実践者や有識者から意見を聴くために文部科学大臣及び環境大臣が共同して委嘱した委員から成ります懇談会、これを開催いたしまして専門的な見地から意見を伺っているところでございまして、さらにこれに付け加えまして、パブリックコメント等を通しまして広く国民の意見、一般の意見も聴きながら基本方針を作成することというふうに考えてございます。
 この基本方針案につきましては、当然のことでありますけれども、各界各層からの意見を聴いている段階でありまして、これを踏まえまして今後内容を検討し、我が国が推進すべき重点的な事項を基本方針の目玉として盛り込んでいきたいと、このように考えてございますが、いずれにいたしましても、基本方針は実効性のあるものでなければいけないと、効き目がある中身になっていなければならないわけでありますから、この点を肝に銘じて最大限効果的なものができ上がるように考えてまいりたいと、このように進めている最中でございます。


○山下栄一君 副大臣から御説明があったところに含まれると思うので、もう一遍確認させていただきたいと思いますけれども、私は、今各省庁、農水省、それから国土交通省、また環境省、それぞれ個別の環境の専門家といいますか、環境学習のリーダーといいますか、例えば環境カウンセラーもそうだと思うんですけれども、そういう制度はあるわけですが、今回の人材認定制度というのは民間のそういう人材認定事業そのものを登録するという趣旨だと思うんですけれども、これは各省庁ばらばらに私やるべきじゃないと思うんですね。
 今、現存しているこの様々な環境人材は、それぞれの省庁が森林インストラクターとか環境カウンセラーとか、その他いろいろやっていると思うんですけれども、できるだけ連携取ってやるということを先ほどおっしゃったのではないかということのその確認と。
 それから、環境教育カリキュラムですけれども、これもデータベース化して生涯学習、また学校の環境学習で使いやすいように、環境の分野も幅広いですから、ごみもあれば野生動植物の問題、その他化学物質の問題、それぞれ分野、多岐にわたっておりますし、そういう意味で、環境カリキュラムの、何といいますか、共通の大綱的なもの、カリキュラム大綱的なものをやはりこれもきちっと、学者も、それから実践的な、野鳥の会その他実践的な取組の方々も含めて大綱的なものを作れば非常に使い勝手がいいといいますか、学校の教師にも、市民講座なんかでも使い勝手良くなるのではないかと。
 個別にいろんなカリキュラム、環境教材ございますけれども、総合的にちゃんとこの視野から整理されていないように思いますので、こういうカリキュラムの観点からも大綱的な衆知を結集したものを作ることが必要ではないかというふうに、先ほどちょっと触れられたようにも思うんですけれども、この二点、確認させていただきたいと思います。


○副大臣(加藤修一君) 今、山下委員が御提案の環境教育カリキュラム大綱のようなものの作成につきましては、環境教育を体系的に推進していくためには有意義な一つの提案であるというふうに理解しておりますので、積極的に議論を深めながら検討してまいりたいと、このように考えてございます。
 また、環境省としては、そういった法律に基づく基本方針も参考にしながら、文部科学省を始めとする関係省と連携しながら、環境教育の推進の在り方、今の提案も踏まえながら積極的な検討を行っていきたいと、このように考えているわけでございます。
 また、各省のばらばらにならないようにという話がございました。確かにおっしゃるとおりでございまして、関係省庁連絡会議を設置いたしまして、制度作りに向けて検討を進めているところでございます。御指摘のような各省ばらばらとの批判を受けることのないような制度を作り、環境教育のための人材活用を推進していくと、そういう形にしていきたいと、このように考えているところでございますので、この辺についての御理解をよろしくお願いをしたいと思います。


○山下栄一君 次に、地球憲章の問題なんですけれども、これはもう加藤副大臣が随分前から様々な御提案を環境委員会のみならずほかの委員会でもされてきているというふうに思いますし、具体的な日本委員会というんですか、地球憲章の、中心的にお仕事されてきたわけでございますけれども。
 これは、地球憲章の草案は既に二〇〇〇年にでき、そしてそれをできたらおととしの環境サミットでも採択したいという流れだったと思うんですけれども、それはそうでないような状況になっていったようでございますけれども、この地球憲章についての、特に加藤副大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、意義と、それから現在、国際的な地球憲章に対する取組がどうなっているのかということをお聞きしたいと思います。


○副大臣(加藤修一君) 地球憲章は、これは一九七〇年代ぐらいから、そういう地球の憲法に相当するような、しかもそれは国連という国益がぶつかるようなところでやるという話じゃなくて、民衆から芽生えていく、そういうグラスルーツに発想を置いた形成の仕方を考えてきたという経緯がございます。ですから、もう三十数年にわたっているわけでありますけれども、極めて具体的になってきたのは一九九二年の地球サミットの機会に合わせて、いわゆる世界の有識者が個人の資格で知恵を集めて起草してきたと、そういうものがこの地球憲章でございますけれども、内容は極めて理念的な部分もございますけれども、非常に二十一世紀、さらに二十二世紀という、そういった長期的な展望を考えながら、人類のあるべき姿についてしっかりと起草された内容になっているんでないかなと、私はこれについても非常に賛同いたしまして運動としてやってきた経緯がございます。
 内容それ自体は、生命共同体への敬意と配慮とか、あるいは二番目として生態系の保全、あるいは三番目として公正な社会と経済、四番目としては民主主義、非暴力と平和という、そういう大きな柱立ての中で、更に細かく分かれているわけでありますけれども、時間の関係上割愛させていただきますが、そういう基本的な、理念的なアプローチの中で、人類が持続可能な暮らしを行うための価値と原則を明らかにしたものというふうに理解してございます。
 そして、これは当初は国際連合で採択して云々という話も当然ございましたが、ただ、山下委員も恐らく二〇〇二年の南ア連邦でございました地球サミットに参加していられると思いますけれども、その中でウブントという地域がございます。そこでこの地球憲章についての宣言がされています。それはワン・オブ・ゼムです。
 地球憲章がそのうちの一つということでありますけれども、持続可能な開発のための教育と科学技術に関するウブント宣言というのが、これは世界の教育科学関連機関、国連大学、ユネスコも含めまして十一の関係機関が、要するに地球憲章が二十一世紀において公正かつ持続可能で平和的なグローバル社会を築くための勇気付けられる根本的でバランスの取れた原則及び指針であり、教育のすべての段階とすべてのセクターに浸透すべきであることを認めると、そういうウブント宣言をされているわけでありますし、昨年の十月にはユネスコの総会で、この地球憲章に対するユネスコの支援に関する決議が採択されておりまして、憲章を積極的に活用していこうという方向が出てきたということで極めて意義のあることだと、このように考えてございます。
 そういった点を踏まえて、環境省としてどういうふうに考えるかということにもなってくるわけでありますけれども、これは地球環境問題を考える上で、地球憲章についても、いわゆる持続可能な社会を築くための価値や原則に焦点を当てて、世界的な有識者の貴重な活動を集大成したものとして高く評価をしていくということが、環境省の立場としての答弁の内容になるわけでございます。よろしくお願いをしたいと思います。


○山下栄一君 今、副大臣からお話しいただきましたけれども、去年の十月にユネスコでこの地球憲章に関する決議が、活用に関する決議ですか、行われたということ、これはもう画期的なことだというふうに思いますけれども。今までこの地球憲章、非常に高潔な理念がうたわれ、そして今もお話ございましたように、国に働き掛けるというよりも人類そのものに訴え掛けるといいますか、また意識改革、行動に結び付くような、そういう促すような非常にレベルの高い内容だというふうに理解しております。
 それで、この環境教育との関係なんですけれども、これも加藤副大臣、以前から提案されておりますけれども、環境省としての考えをお聞きしたいんですけれども。これ環境教育推進法が昨年できまして、先ほども私質問しましたように、環境教育の教材、多方面で様々な取組が主体的に、自律的に市民の中からできている。もちろん、大学その他でもその試みがありますし、環境省としても、また文部科学省としてもそういう教材化の努力はずっと続けられておるわけですけれども、この地球憲章そのものも環境教育の教材として、例えば学校教育で使う場合、小学校ではちょっと表現が難しいのであれば易しい表現にして活用するとか、特に環境教育の教材として使うことの意義というのは極めて私は高いというふうに思いますし、この倫理観が非常に衰退している中でもう一度高めていくという意味でも非常に優れた教材ではないかなというふうに感じるんですけれども、この点のお考えをお聞きしたいと思います。


○副大臣(加藤修一君) これ、四月に実は皆さんの許可をいただいてOECDの環境大臣会合に行ってまいりました。その後にユネスコ本部をお訪ねいたしまして、事務局長にお会いしまして、環境省としての申入れをしたわけでありますけれども、そのうちの一つが地球憲章の関係でございました。
 以前に、逆に私が、山下委員が副大臣のときに私の方から地球憲章について逆に質問をしておりまして、環境省の立場はどうなったのかという、ちょっと今は攻守場所を変えているわけなんですけれども、そのときの答弁は、文部科学省と連携しながらそういった面について検討してまいりたいという、そういう答弁があったかのように私も記憶しておりますけれども。
 ユネスコ総会の決議の内容というのは、地球憲章を、特に国連持続可能な開発のための教育の十年の枠組みにおいて教育上の手段として利用するという加盟国としての目的を確認するということが規定されているわけでありますから、地球憲章を教育上の手段としてということは、一つは教材ということにも当然つながってくるわけであります。
 環境省としては、地球憲章がこの決議に基づきまして教育の十年、この枠組みにおいて環境教育の教材の一つとして今後様々な現場で活用されることを期待しておりますし、またユネスコの様々な活動においても活用されるように、今後ともユネスコの活動に注目してまいりたいと思ってございます。
 また、ユネスコの中でもこういった面について積極的に展開していこうという、そういう姿勢が強くありますので、非常に私は、十月の決議というのは非常に大きな意義を有するものであると。また、先ほど若干申し上げましたけれども、環境省といたしましても、今後、文部科学省ともこの件につきましても意見をお互い交換しながら積極的にこういった面についての検討及び研究を進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。


○山下栄一君 先ほどからも質問ございましたように、環境税に対する取組につきましても、非常に重要な取組なんですけれども、なかなかすっとはいかない問題でもあると思いますし、またCO2の削減問題につきましてもなかなか思うようにこれも進まないという面があるというふうに思うんですね。
 そんな中で、私はこの環境教育の十年、また環境教育、日本で昨年成立した環境教育法という、推進法ですか、こういう取組は私は確実にこの環境と経済の統合、また国民の意識、一人一人の自律的な意識変革を促していく大事なすそ野における着実な変革の方法ではないかなというふうに思っておりまして、そういう意味でこの完全実施、十月、この環境教育推進法の全面実施に対するこれからも人材育成の面、また環境学習の教材作りの面、様々な御意見を結集しながらやっていくことは極めて大事だと思いますし、環境省の取組が極めて重要な時期を迎えているなということを感じますし、そういう意味でも地球憲章の理念というのは大きく貢献するのではないかとも思いますし、去年のユネスコ決議はそういう意味じゃ非常に環境が変わりつつあるのではないかと思いますので、併せて環境教育推進への環境省の取組の強化をお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

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