Home プロフィール 主な政策提言 国会質問 活動レポート 市民相談コーナー 情報BOX リンク集 事務所案内 ご意見

国会質問

162国会 憲法調査会会議録 2005年04月06日


○山下栄一君 私は何度か憲法と教育基本法との関係の私自身の考え方を申してまいりました。今、憲法論議が非常に、調査会も大詰めでございますが、各党も大きなまとめの段階に入ってきているという、もうそういう政党もあるわけです。並行して、教育基本法の改正の議論も盛んでございます。
 そこで、もう一度確認の意味で今日は所感を述べたいと思います。
 昭和二十二年の三月に教育基本法ができるわけですけれども、その前年の十一月三日に憲法が公布されているわけでございます。したがって、それを受けて、昭和二十二年、日本国憲法の公布を受けて、昭和二十二年の三月に衆議院と貴族院でそれぞれ教育基本法の制定の審議をやったわけですけれども、当時言われておりました基本的な、当時の高橋文部大臣や、また当時の文部省の起草に当たった方々がおっしゃっていることは、この教育基本法というのは既に失効した教育勅語に代わる教育宣言という役割、それは新たに公布された日本国憲法との関連して教育上の基本原則を明示する。いわゆるそういう基本原則を明らかにするという役割、教育勅語に代わる教育宣言的なものと、それと教育にかかわる憲法的な基本原則、これを示すということが大きな目的だったと、こういうことが言われておるわけです。
 実際、教育基本法は十一条しかございませんけれども、見ましても、一条、二条は日本国憲法の精神にのっとった理念、目的を明らかにすると。三条以下はそれぞれ憲法にのっとって、二十六条、教育を受ける権利、二十三条の学問の自由、また十九条の思想信条の自由、二十条の信教の自由、そういう関連で条文が作られておりまして、したがいまして、日本国憲法と教育基本法というのは本当に不可分一体のものとしてでき上がっているわけです。
 今回、今教育基本法改正をどうするかということで、今もニートの話もございましたけれども、教育が非常に根幹が崩れつつあると。学校教育もそうだし、家庭教育も地域の教育力もどんどん衰弱しているという中で、もう一度教育の基本に立ち返った議論が必要であるということが言われているわけですけれども、その中で、この教育基本法を改正するとしたらどんな姿にするかという場合に、そういう現行の教育基本法のそういう憲法条項にのっとったものにするのか、それとも生涯学習やまた学校教育基本法みたいなものというふうな性格を変えてしまうのかという、そういうことが非常に大きな論点ではないかなというふうに理解しております。
 そういう意味で、私は、各、それぞれの、教育というのは学校教育だけじゃございませんけれども、日本は非常に学校教育に偏した、教育といえば学校教育みたいなとらえ方があるわけですけれども、社会教育の在り方なんかも非常に議論が弱いですし、社会教育とは一体何なのかと。
 また、生涯学習という理念を、これは昭和二十年代当時はなかったものですので、そういう考え方、また人権にかかわる考え方、世界の趨勢から見て教育先進国としてどのような姿がいいのかという、そういう大きな視点に立った議論が必要だとは思いますけれども、そういう基本的な考え方をよくわきまえた上で議論する必要があるのではないかと。本来の現行の教育基本法の性格をよく分かった上で、それを根本的に変えるのかどうするのかということを問われているなということを非常に感じております。
 特に、日本国憲法の精神というのは何なんですかと。先ほどから議論されておりますように、やはり私は、三大原則といいますか、国民主権、そして基本的人権の尊重、恒久平和主義、これがやっぱり基本原則でなきゃならない。そういうふうな基本原則以外のものを付け加えるのかどうかという、これがまた憲法改正の中で憲法の前文をどうするかということと同時に議論されなきゃならないというふうに思うわけです。
 基本的には、三大原則はこれはもう不変のものですねということは大体理解されているというふうに思いますけれども、それプラス何か付け加えるのかということ、その関連で教育基本法も議論されなきゃならないというふうに思います。
 特に義務と権利の関係、私は、いろいろ議論ございますけれども、基本的人権はあっても基本的義務なんというようなことは余り言われないわけで、教育、人権のカタログと同時に義務のカタログを作るみたいなことは、ちょっと本来の近代憲法、立憲主義の精神と反するのではないかと。やはり憲法の人権と、立法、行政、司法の国家権力というか、三権との関係で基本的人権があるという位置付けで憲法というのは本来考えるべきものであると思いますので、余り義務を羅列するみたいなことは本来の憲法の姿ではないと。これが憲法の、基本的な憲法観でなきゃならないというふうに思っております。
 そういうことを確認させていただきまして、意見表明を終わりたいと思います。

ご意見はこちらまで
(c)2002 Yamashita Eiichi Office All rights reserved.