162国会 文教科学委員会会議録 2005年07月28日
○山下栄一君 初めに、スポーツ行政について御質問したいと思います。
スポーツ振興法という法律が昭和三十年代に成立はしたんですが、なかなか具体化する状況にならなかったわけですが、平成十二年にスポーツ振興基本計画、これ、元々法律に書いてあったものがやっと実現したと。この振興基本計画に書いてあることは、非常に私は、新しい時代のスポーツの役割、意義、こういうことを、また非常に具体的な提案も、的確な提案もされているとは思うんですが、それ、なかなか浸透していない状況にあるのではないかと。様々な、限られた予算の中で文科省も推進されてきていると思うんですけど、更にそれを広げ深めるための取組を確認させていただきたいと思います。
この総合型地域スポーツクラブの育成推進事業、これ、地元も一生懸命、これが非常に大事であるということから訴え、政策の中でも取り入れてまいりました。学校とか会社、企業を中心に日本のスポーツ活動をやってきた。それがどんどん限界に来ている中で、地域に視点を当てたこの総合型、特に総合型地域スポーツクラブの理念、意義というのは非常に私は役割が大きいというふうに思っております。
局長にもう一度、この総合型地域スポーツクラブの理念、大臣の方がよかったら大臣でも結構ですけど、確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
総合型地域スポーツクラブとは、多世代、多種目、多志向というキャッチフレーズがありますけれども、親子、家族、子供から大人まで、自分の好きな種目や活動、またそれぞれの目的に応じてスポーツに親しむことができるというタイプのスポーツクラブでございまして、地域住民が自主的、主体的に運営して、いろんな施設を、身近な施設を拠点として活動するということで、本人のみならずコミュニティー全体としても明るく元気のあるものにしていくということができるのではないかということがその趣旨ではあるというふうに理解しているところでございます。
○山下栄一君 今、十六年からですかね、立ち上げ支援を予算化して取り組んでおられるわけですけど、モデル事業はもう随分前からされてきたんですが、これ、振興計画にも書いてありますが、計画的に整備していく必要があるというふうに私は思うんですが。
ところが、実態は、調べていただきますと非常に偏在しているといいますかね、多いところでは、市町村の、町の中に十五クラブもあるところもあれば、全県で数か所みたいなところもあると思うんです。なかなか、別に国が号令掛けてやるものでも、地域住民が主体の取組だと思いますので思うようにいかないと思うんですけど、私は、今、先ほど局長がおっしゃったこの理念ですね、これがなかなか住民に伝わっていないのが実態ではないかなと思うんです。私、優れたこれは理念の下で事業が進められていると思いますし、ニーズは、住民のニーズ、国民のニーズいうのはもう高まる一方だというふうに思います。
スポーツ、非常にお金掛けないとなかなかできない。また、そのやる場も地域になかなかないと。種目も偏っている。そんな中で、伝統スポーツから、最近の私たちもまだよく分かっていないようなそういう輸入されたスポーツも含めましてどんどん広がっておりますし、高齢者にとっても介護予防にもなるわけですし、お子さんにとっては、子供にとっては、体力低下が言われる中で体力を強化していく、また問題行動に対する対策という観点からも、これはもう国際機関でもスポーツの重要性は訴えられているわけですし、そういうスポーツへの関心、苦手だけれども体を動かしたいというそういうニーズは、私は世代を超えて子供からお年寄りに至るまでどんどん広がっていると、少子高齢社会の中でスポーツの役割は非常に大きくなる一方だと。
それで、この総合型地域スポーツクラブの理念もすばらしいと。ところが、なかなか、ちょっと先ほど偏在の話しましたが、伝わらないということがあるわけですけど、私はこういう考え方をやっぱりもうちょっと広めていく運動を体育協会その他と連携してやっていく必要があるんではないかと。特にこの共助ですね。税金でやるということもあるけれども、会費を払って、それもそんな高い会費ではなくて、みんなで支えながら親しむ、楽しむ。まあ中にはそれは競技スポーツに結び付いていくような、すそ野を広げるという役割もあるかも分かりませんが、そういう私は共助の理念も含めて、地域住民が主体でみんなで支え合う、地域コミュニティーへの再生にもつながる、その辺の理念なり意義なりをもうちょっと広げていくことが大事ではないかと思うんですけど、この点の取組はいかがでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) この平成十二年に作成されましたスポーツ振興基本計画、これは非常に画期的なことだったと思うんですけれども、今お話がありましたように、何といいますか、国民皆スポーツといいますか、みんながスポーツに親しむということはすばらしいことでございますし、これは国が目指す大事な方向であると、こう思うわけでございまして、いつでもどこでもだれでもが自分の好きなスポーツができるような、そういう環境ができるということは、生涯にとりましても、自分の一生にとりましても人生楽しいものになるでしょうし、また、今言われましたように健康ということ、あるいはまた地域の親睦を通じて地域の活性化にもつながっていくんじゃないかと、こう思うわけでございます。
今見てみますと、やはりこの総合型地域スポーツクラブ、確かに偏在が見られるわけでございまして、この辺のところにつきましてはもっともっと地域、地方公共団体の御理解といいますか、取組を進めていかなきゃいけないなと、こう思うわけでございまして、今後とも、今御指摘がありましたように、引き続き日本体育協会との連携、そして地方公共団体の御理解をいただいて、より一層クラブの役割についての国民への周知を図ってこのスポーツクラブの全国展開に向けて取り組んでまいりたいと、このように考えます。
○山下栄一君 スポーツ指導者、今のに関連してですけれども、確保、やっぱり養成も大事だと思いますけど、私は、学校の大会とか国体もそうですし、実業団もそうかも分かりません、様々な、学校のクラブ活動もそうかも分かりませんけれども、大活躍した方々が、まあなかなか選手寿命が短い、競技によってはそれもあると思いますので、優れた技術を持ちながら、また何か貢献したいという思いも持ちながら、なかなか生かされる場が保障されていないと。そういう意味でこのスポーツクラブの浸透というのは非常に重要だというふうに思いますし、財政基盤も会費を、会費の考え方自身が、余り今は会費払って参加するということ自身、日本国民なかなかまだ慣れてない関係もあると思いますので、スポーツ指導者を確保し、我が地域に様々な経験を持った人が、元国体選手とか元クラブ、全国大会へ出たとか、たくさんいらっしゃるけれども、なかなかそれが掌握されていない、これが実情ではないかなと。そういう方々も生活費のために必死で、もう鍛えた技術が衰えていく一方だというふうな方たくさんいらっしゃるというふうに思うんですね。
そういう意味で、スポーツ指導者の確保、データバンク化というか。で、スポーツリーダーバンクというものが振興計画にも書いてありますし、県の取組としてそういう取組もあったというふうにお聞きしていますが、これもきちっと実態を調べていただいて、このスポーツリーダーバンクの考え方というのは、国でやる必要はないと思いますけど、自治体レベルでやることは極めて重要だと思いますので、きちっとこれは掌握していただいて、そしてそれを支援する取組を是非やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
先生今御指摘いただきましたスポーツリーダーバンク、まあ登録指導者名簿ということでございますけれども、これは文部科学省の補助事業によりまして都道府県段階で整備していただいてきているところでございます。
私どもといたしましては、そのスポーツリーダーバンク、どのように活用していくのか、また現在のそういうデータがよりもっと活用すべきものとするためには、されるべきものとするためにはどのように進めればいいのかと、そういった点について引き続き都道府県とともに検討、研究していく必要があると思っているところでございます。
そういう意味におきまして、本年度におきましても、生涯スポーツ指導者の養成研究協議会の事業の中でスポーツリーダーバンクの有効活用につきまして調査研究を進めていきたいというふうに考えているところでございます。その成果を踏まえまして更に一層の有効活用を図ってまいりたいと思っています。
〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕
○山下栄一君 日本体育協会の財団法人のこの仕組みというのは県、市町村まであると思うんですけど、このいろんなスポーツ団体の指導者の養成がなかなかニーズにこたえておらないのではないかということが振興計画にも書いてあります。
もう一つは、市町村における非常勤職員である体育指導委員ですが、これも全国六万人近くいらっしゃるわけですけど、これも若干偏在の部分もありますけれども、この体育指導委員、言葉ももうちょっと古いんではないかなというふうに私は思いますけれども、リニューアルすることも大事ではないかなと。
スポーツ団体自身の養成の取組も余りニーズに合っていない問題、それからこの体育指導委員もそれに適任者がなかなか委嘱されてない、任命されてないという実態もあるということを指摘されておるわけですが、この様々なスポーツ団体におけるスポーツ指導者の養成なり確保なり、また体育指導委員の見直し、これをやっぱりもう一回、二十一世紀に入って古いままの考え方がずっとそのままで来ているんではないかなということを思いまして、住民のニーズはどんどん高まっているけれども、それがマッチしていないと、こういうことがあるんではないかと思うんですけど、この辺の考え方について確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(素川富司君) 現在、地方公共団体のレベルにおきましては、いろんな形で生涯スポーツに、また学校での教科としての体育、また部活動の指導にいろんな方が携わっていただいているわけでございます。その指導者の確保、養成、活用というものが十分マッチしているのかどうかというようなことにつきましての御指摘でございます。
この点につきましては、先ほどスポーツデータバンクの有効活用ということに限ってお話を申し上げたわけでございますけれども、更に広い観点から、地域のニーズに合ったスポーツ指導者の養成、確保、活用はどうあるべきかということにつきまして更に一層広い観点から検討、研究を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○山下栄一君 次の話題ですが、学校薬剤師の制度をちょっと御質問させていただきたいと思います。
学校医さん、歯医者さん、それから薬剤師さん、これは学校保健法で、学校保健法だったと思いますが、置くものとすると、こうなっておるんですけど、私は学校薬剤師の活用が、これも新しい時代に合った活用方法を考えるべきではないかというふうに思います。特に、学校環境衛生の観点からのこの法律に基づくお仕事は、確かに給食施設とかプールとか飲料水、学校における水の衛生状態とか指導、助言することも確かに法律に基づいて大事だと思うんですけど、私は今日お話ししたいのは、直接生徒に接する、こういう観点から学校薬剤師の活用を是非ともこれはきちっと位置付けていただきたいというふうに思います。
特に薬物乱用防止教室というのは、これは厚労省、そして文科省も挙げてこれ、警察もそうですけど取り組んでおられる。この薬物汚染の低年齢化というのは、「ダメ。ゼッタイ。」運動も十分に浸透しておると思いますけれども、昨年も小学生が薬物で補導されたという実態もありますし、なかなか中学生、高校生、MDMAの問題もあるわけですが、この辺のこの指導する側の中に、今まで警察の方々に来ていただいて講話していただくとか、麻薬Gメン、取締官の経験者OB、こういう方に来ていただくということを私はよく存じ上げておりますが、学校薬剤師を活用するということが、部分的にはやっておりますが、これがちゃんと機能してない。機能してないというよりも活用されてないと、これは非常にもったいないことだと思います。もちろん、生徒に直接接するわけですから、これは学校の理解も必要だと思いますけど、これは専門家として、薬教育、薬物の特に恐ろしさについての啓発、これにふさわしいのが薬剤師さんではないかなと。せっかく学校薬剤師がいらっしゃるのに、生徒の接点が極めて少ないと、学校環境を整えるアドバイスはやっていますけどね。
そういうふうに考えましたときに、ちょっと時間の関係で提案だけさせていただきます。学校保健法上、この学校環境にかかわる衛生検査その他のお仕事だけではなくて、生徒に直接接する薬教育とかまた薬物乱用防止教育の中で、学校薬剤師さんの活躍する場を与えることができるとか、そんな規定を設けてきちっと位置付けたらどうかなと。それは非常に今大きな課題になっている薬物問題を、時代に合った活用方法として学校薬剤師の役割を施行規則なんかで明記したらどうかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 近年の青少年の薬物乱用の問題につきましては、これは依然として予断を許さない状況にあるというふうに認識しておりまして、文部科学省におきましても薬物乱用の根絶のための施策を推進しているところでございます。
その大きな柱の一つが薬物乱用防止教室の実施でございまして、文部科学省におきましては、各都道府県教育委員会等に対しまして平成十五年の九月に通知を発出いたしまして、すべての中学校及び高等学校において年一回は薬物乱用防止教室を実施するように求めているところでございます。その際、警察職員や麻薬取締官OBとともに、学校における環境衛生検査あるいは医薬品等の管理に関し必要な指導、助言を行う専門的な職であります学校薬剤師につきましても、薬物乱用教室の開催に当たり協力を得るように通知で求めているところでございます。
今御指摘ありましたように、今後とも、この学校薬剤師の協力をいただきながら薬物乱用教室の充実に一層努めてまいりたいと、このように考えております。
○山下栄一君 薬剤師会からのこれは強い要請もある問題でございますので、なかなか通知が徹底されてない面もあるんだと思うんで、まだまだ例外的にしか活用されてないと思いますので、施行規則で位置付けることも含めまして、是非積極的な御検討をお願いしまして、質問を終わります。