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国会質問

164国会 文教科学委員会会議録 2006年04月20日


○山下栄一君 今日は四人の参考人の先生方、本当に貴重な、短い時間の中でございますけれども、御意見賜りまして、感謝申し上げております。
 正に教育を受けているなという感じがするわけですけれども、幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 条件整備の面で、理念は分かったと。しかし、特に人的な、専門性を持った人の配置、施設整備もあるわけですけど、特にこの人的な配置の面での抜本的な取組がないとなかなか理念はあっても進んでいかないということは審議の中でも、今日の御意見ちょうだいしても実感しておるわけですけれども、今、山岡参考人もおっしゃいましたが、限られた財政の中で、限られているけれども、余りにもこの分野における予算の配分の優先順位が低過ぎたのではないかという、こういうことは指摘できると思いますし、特別枠をつくってでも、一般歳出の全体的な削減の中で、これは違うんだという、そういう取組が国においても自治体においても必要な、そういう時代なんだということを今回の法律の理念転換は示そうとしているというふうにとらえたいわけですけれども。
 私は、これは国民の支持がないとこの特別支援教育というのは進んでいかないと。先ほどからも教えていただいておりますように、世界的な人権の保障の流れからこの部分はエアポケットのように後れておるんではないかということを私も実感しております。
 その国民的な支持を広げるために、この特別支援教育というのは学校を中心にやっておるわけですが、様々な連携が特に大事な分野ではないかと。教員免許の観点も大事なんですけど、地域に様々な、NPOも含めまして人材がいらっしゃると。それをやはり地域ぐるみで特別支援教育を支えていくんだという、そういう流れが必要であろうと。
 そういう意味で、私はこの特別支援教育コーディネーターというのは非常に大事な役割ではないかと。これは特別支援学校だけじゃございません。一般の、一般といいますか、通常の学校でもそうだというふうに思います。
 このコーディネーターが問われる、要求される能力というのは、私は教員免許がなかったらいかぬというものでもないんではないかと。学校においても校内委員会をつくっていく必要あると思いますけれども、そのかぎを握るキーマンとしてのコーディネーターというのは、地域のことがよく分かってなきゃ駄目だと。そして、福祉との連携、医療との連携、場合によっては就労支援の、労働との連携、そういうことをよく分かった上で、そして、なおかつ保護者や生徒の気持ちもよく分かると、それは教員免許が必要なのかと。まああった方がいいかも分かりませんけど。そういう観点からのコーディネーターのとらえ方も必要ではないかというふうに思っておるわけです。様々な経験がだけど大事だと。御自分のお子さん、また身内でそういう方がいらっしゃったというふうなことも含めて、こういうコーディネーターの位置付けをちょっとやはり重視して、どんな人がふさわしいかということはいろんな議論があっていいのではないかと、こういうふうに考えておるわけです。これが一点です。
 もう一つは、地域の連携という意味で、教員OBや福祉施設での御経験ある方、場合によっては看護師、保健師のOBの方も含めまして、こういう特別支援教育における地域の人材、まあ支援員と言ってもいいのかも分かりませんけど、教員サポーターといいますか、そういう方々を登録して、そういう方々に応援していただくと。特に発達障害の対応のためにはこういうことが特に必要ではないかというふうに思うわけですけれども、この二点、それぞれの参考人の皆さんに御意見ちょうだいしたいと思います。


○委員長(中島啓雄君) じゃ、大南参考人から。


○参考人(大南英明君) 今、先生が二点についてお話しになったわけですが、これまで特別支援教育の中で考えてきているコーディネーターというのは、学校、小学校、中学校あるいは盲・聾・養護学校で一体、学校から地域なり関係機関に発信をしていく、そのまとめ役を考えてきたわけですが、今御指摘のように、地域の中で医療、福祉、保健、労働等に非常に造詣の深い方がコーディネーターとしておられれば、その方と学校とがうまく連携を取っていけばまさしく地域ぐるみのことができるんではないだろうか。
 この考え方の一つとしては、東京都の検討委員会が出しました報告の中では、エリアネットワーク構想というのがございます。東京都を十幾つかのエリアに分けて、その中で教育と福祉と医療、保健が連携をしていく。ただ、これ教育委員会が出しているものですので、先生が御指摘のような形のコーディネーターではなくて、やはり学校の中にいるコーディネーターが外へ向かってということでございますが、その逆の立場が当然あっても大変学校としては喜ばしいことだし、特別支援教育の推進には役立つんではないかというふうに思います。


○参考人(嶺井正也君) 国民的な支持を広げるためにということを最初におっしゃいましたが、そのことについては、まず私は、だからこそ子供同士が一緒に学び育つという関係をつくった方が、そこから共生社会が広がっていくというふうに思いますので、是非、早くからそういう育ちの場を設定することは大事だろうと思います。
 もう一つは、やはり高齢化社会と言われる中で、私たち自身が様々な障害を持つようになってまいります。私たち自身の問題としてこれをどう考えるんだということを問題提起していく必要があるんじゃないかと思います。
 御指摘の点ですが、私はやっぱり学校の中のコーディネーターは、障害がある子供の姿と、その子供と周りの子供たちの人間関係、それから学級の様子などを知った上で、なおかつどういう手だてが必要かということを考えるとしますと、やはり私は教員免許が必要だろうというふうに考えております。
 それから、最後におっしゃいました地域支援員、これは従来、これまでも様々な形で開かれた学校づくりという中でやられておりますので、その充実、発展をしていく中に入っていけばいいのではないかと判断しております。


○参考人(三浦和君) ただいまのところと同じなんですが、地域支援人材をつくっていくということは大変大事だと思う。
 二、三日前に、ちょっとあれですが、銀行の方で、要するに、私立学校に助成をする銀行がありまして、そこに委員として出たんですが、その方、定年を迎えたら必ず学校の子供たちのためにやるんだということを楽しみにしているということ、そういうように登録制、そういう方々が一杯いるんだな、最近はいるんだなと、この団塊の世代の方は。だから、登録制か何かでもってどんどんそういう開拓を一方で、学校の先生になるとかなんとかじゃなくてやることが必要だと思うんです。そういう人材をNPOの方々がやっていけば、どんどん増えるんじゃないかと。
 それからもう一つは、やっぱりコーディネーターのところ、私ちょっと迷うのは、確かにいわゆる会社の方でいろいろと営業をなさった方などはこういうところについては非常にうまい方が一杯いると思うんです。ただ、教育の世界というのは、教育のそのほかの担任の先生方との連動で一体どういうことを、うまくいろんなことをやっちゃったからその人がいいというふうにはなりにくい。どうもその学校の一つの特異なる言わば姿があるんですね。ああ、だからそこがちょっと心配ですけれども。でも、そういう開拓もできれば。
 以上でございます。


○参考人(山岡修君) 大変いい御質問をいただきまして。この子供たちの場合、教育だけではないということですね、福祉、就労、医療ということで。
 実は文部科学省は平成十五年から特別支援教育体制推進事業を行っておりまして、十七年度からは厚生労働省が発達障害者支援の事業をやっております。これが多少連携が取れておりまして、いずれも地域での、厚労省の方も発達障害の支援コーディネーターのような相談員のようなものをつくろうということを考えております。
 それから、厚労省の方では、三、四年前から発達障害者支援センターといいまして、各都道府県に一か所ぐらい地区をつくろうとしていまして、こういったような、一つの省庁だけでなくて、文部科学省、厚生労働省、いろんな省庁が重なってこういった支援の体制をつくっていくことが大事だというふうに思っております。


○山下栄一君 教員免許の件ですけども、教員の資質向上が叫ばれておるわけですけど、私は、教育実習なんですが、これは別に特別支援学校の教員免許だけじゃなくて、基本的に教員免許を取る場合に、こういう障害を持っておられる方に対する理解を、教員になる人がやはり基本的に現場で経験があった方がいいのではないかと。限られた単位数の中ではあるんですけど、私は、教育実習というのがますます重要な時代になってきている、現場における臨床的なことを抜きに教員免許というようなことはなかなか難しい、そういう時代じゃないのかなというふうに思っておりまして、この教育実習の在り方ということも教員免許制度そのものの中でちょっととらえ方を大幅に拡充するようなことで考えるべきではないかなというふうに思っております。
 教育実習の場が、もちろん通常の学校でも発達障害の方もいらっしゃるでしょうし、特別支援学級もあるでしょうし、通級指導もやっておられる、また養護学校等のそういう特別支援学校でもいい、場合によっては、先ほど山岡さんがおっしゃったように発達障害支援センターでそういう経験を、教員免許の、教育実習という形がいいかどうか分かりませんけど、経験してみると。場合によったら作業所等に経験をすることも踏まえて教員免許も考えるというふうなことも非常に大事な時代になってきたのではないかというふうに考えておりまして、ちょっともう時間がなくなってしまいましたですけど、大学の先生どちらかと三浦先生にお願いしたいと思います。


○委員長(中島啓雄君) どちらに、大南先生ですか。


○山下栄一君 大南先生で。


○参考人(大南英明君) 教育実習の期間については、現在、教育職員免許法で決まっておりますが、例えば私が今勤めております大学では、二年生の時期から八王子市等の市の教育委員会と学校インターンシップという契約を結んでおります。それで、一週間に一回なり二回、曜日を決めて小学校、中学校へ出掛けていく、あるいはその中にいる障害のある子供の支援をするとか、そういう教育実習プラスアルファの部分でやっておりますが、今の御指摘の点は是非今後の教員養成の審議の中で取り上げられると大変うれしいことだというふうに思います。


○参考人(三浦和君) 教育実習の期間と機会というのは大変大事であるということ、今、同感でございます。この期間と機会というのが、今はっきりとした、明快な形で教育実習やってない。教育実習の期間になったからという、いわゆる機会も期間も本人がどうだというよりも、これをやらないと免許状取れないからというような感じになってしまう。ただ、一方では、大学、私も教えたことは随分あるんですけれども、その教育実習やった後、学生は一生懸命勉強する。気持ちが全然違っちゃうんですね。そこで、やっぱり教育実習はもう少し長いともっと目覚めるだろうと。
 それからもう一つは、昔、私は師範学校出なもんですから、半年以上教育実習なんです。本科三年というのは、もうほとんど行って、来たらあと免状もらって行くという、その代わり、子供と接して自分が今まで勉強したことがそこで、あっ、足りないなということが分かるんです。だから、これは今のはしようがないけど、四年間でよくまあ免許状を渡せるなと思って感心しているんですけどね。
 以上でございます。

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