164国会 文教科学委員会会議録 2006年04月25日
○山下栄一君 公明党の山下でございます。
今日は、財務省から赤羽副大臣、総務省から山崎副大臣、また厚労省からも局長、部長来ていただいておりまして、たくさん来ていただきまして、お忙しい中、申し訳ありません。
まず、特殊教育から特別支援教育へと大きな理念の転換、先ほど来お話ございますように、特別の場で障害のあるお子さんに対する教育から、一人一人の、一人一人のニーズに合った適切な指導、必要な支援を行うと、こういう理念の転換を行う法律なわけですけど、そのためには、まず専門性を持った教職員の配置ということが極めて大事だというふうに思います。これはもう抜本的に考え方を変える必要があるというふうに考えております。ところが、実態は、なかなかそれがやりにくい現実があるというふうに先ほど来主張されているとおりでございます。
学校がある限りそこには生徒がおり、生徒がおる限り教員は配置せないかぬ。それは、公務員の定数削減という考え方が一方にあるわけですけど、そういうこととは全く考え方を別にしてこの問題考えないと、この理念は実現しないというふうに考えております。
定数配置改善計画は予算措置でやってまいりました。昭和三十年代から標準法ができ、五年ごとに行われ、また五年が継続しないで途切れたり、十八年度も途切れるわけですけれども、私は、従来のこの定数改善計画とはちょっと違う考え方をもう一遍検討してみる必要があるのではないかというふうに思っております。
それは、冒頭申し上げましたように、学校がある限り必ず最低の教員は生徒数に応じて配置する。生徒数といいますか、クラスといいますかに応じて、基礎定数という言い方があるんでしょう。もう一つは、特別な教育目的に応じた教員の配置と、これは普通、加配と言われておりますけれども、この必要最低の学校教育を行うための基礎定数、これが一つ。
もう一つは、不登校とか外国籍の子弟に対する指導とか、様々な加配の考え方があるわけですけど、時代が変わっても常に配慮しなくちゃならない、そういう加配の観点といいますか、それが私は特別支援教育にかかわる人の配置ではないかというふうに思っております。
そういう意味で、根幹的な基礎定数と生徒数に応じた先生方の配置です。もう一つは、もう一つは、時代とともに変わるニーズじゃなくて、時代が変わっても変わらない教育ニーズ、これが今回の特別支援教育という理念転換における教員の加配定数ではないかというふうに考えております。
どの学校にもそういう特別配慮をする必要のあるお子さんがいらっしゃる。それに合わせて教育しようとするわけですから、人権にかかわることで特別の配慮をする、そのための教員の配置が加配定数として必要ではないかと。この基礎定数と加配の観点、私申し上げていますのは、時代が変わっても変わらない。人間の権利にかかわる、生きる権利にかかわる特別の配慮をする障害を持ったお子さんへの、すべての学校で対応すべきこのプラスアルファの加配の観点というのは、法律事項として、予算措置ではなくて法律事項としてきちっと計画を立てて、国そして自治体ともに計画を立て対応すべきではないかと。
どうお金を出すかということは、これは三位一体の改革その他の考え方あるでしょうけど、全力を挙げて次代の子供を育成するためのこの教員、教職員の配置は、今までの定数配置改善計画とは考え方を新しく見直しをして、法律に伴う計画として位置付けるべきではないかと、このことを強く訴えたいと思いますけど、初めに文科省、それから後に財務省からお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 教職員の定数につきましては、ただいま山下先生からお話がございましたように、いわゆる標準法によりまして配置基準を定めているわけでございます。
この配置基準は、今先生お話しございましたように、学級数に応じて定まってまいります基礎定数と、それから時々の教育課題に応じた教職員の配置という観点からの加配定数の二つから成っているわけでございまして、ただいま先生の方から、時代が変わっても変わらない本当に必要な加配という考え方をむしろ法律において明記してはどうかという御提案をいただいたわけでございますが、今後、教職員の定数につきましては、大変全体として厳しい状況の中で考えていかなければいけないという事情の中で、今後とも計画的に措置をしていきたいと私どもとしては思っているわけでございます。ただ、その具体的な方法につきましては、今後十分に検討をしていく必要があると思っております。
ただ、本年度につきましても、第八次の教職員の定数改善計画は見送りということになったわけでございますが、特別支援教育につきましては二百八十二人の定数改善を図るなど、その充実については私どもとしても努力をし、また今後とも十分検討していかなければならない課題だと思っております。
○山下栄一君 財務省。
○副大臣(赤羽一嘉君) 財務省として文部科学省を越えて踏み込んだ答弁をするのはいかがなものかと思いますが、山下委員の御質問というかお訴えは、恐らく加配については、私も神戸選出の議員といたしまして、十一年前の阪神・淡路大震災以後、教育復興担当教員の加配ということで十年間、私も努力をさせていただきました。そういうテンタティブというか、ある一定の特殊状況下の中での加配制度と、山下さんが言われるのは、この特殊教育が特別支援教育への理念の大きな転換に伴う抜本的な改革のとらえ方が違うのではないかという、こういった御指摘だったのではないかと思います。
もちろん、財務省が文部科学省に先んじてどうこう言うのはこれは大変間違った話かと思いますが、私どもといたしましては、もちろん行政改革の中でこの公務員の総定数の削減という問題は、これは今御審議もいただいているところでございますし、粛々と前に進めさせていただきますが、この特別支援教育関係の予算につきましては、この主管である文部科学省とともによく連携をしながら、山下さんの御指摘をいただいてしっかりと前向きに取り組んでいきたいというふうに考えております。
○国務大臣(小坂憲次君) ただいまの局長、また財務副大臣の方からも答弁ございましたが、やはり特別支援教育というものはこれからの社会の中で避けて通れない問題でございます。根幹的な問題でございます。山下委員が御指摘なさいましたように、本来的にこの問題については学校側、教育側としてどのような形でこれを受け止めるかということを今回の転換とともに私ども真剣に考えなきゃいけない問題だと考えておりまして、今日の課題であります総定員、総人件費削減という大きな流れはあるわけでございますけれども、計画的に特別支援教育の充実を図っていくということにおいてはこれを譲ることはできないわけでございますので、そういった観点から、ただいまの財務副大臣の答弁もございます。私どももこの充実に向けて計画的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○山下栄一君 標準法の中にこの計画を位置付けるという考え方もあるのではないかということを是非御検討いただきたいと思いますし、この特別支援教育の教員配置というのは加配の考え方よりも基礎定数の中に位置付けるというのはいいのかも分かりません。時々の時代の変化とともに、先ほど赤羽副大臣もおっしゃいましたような、そういう教員の配置の仕方と考え方の違う定数的な、基礎定数的な配置の仕方が特別支援教育には問われておるのではないかということを含めて、是非、非常に前に進める観点からの財務副大臣、また文科大臣のお話ございましたので、御検討をお願いを申し上げたいと思います。
次に、特別支援教育コーディネーターの件ですけれども、これは参考人質疑のときにも私申し上げたんですけど、最近、これは学校教育全般的に学校と地域の連携ということが問われておるわけですね。地域の教育力を高めるためにも、地域の教育力を高めるためにも学校を応援するという、子供のためにみんなで、市民ぐるみでということが地域の結束を促す面もあるというふうに、これは両方お互いに関係し合うのかも分かりません。もう、そうしないとこれからの教育というのはなかなかやりにくいなと。保育所、幼稚園も含めて、地域の住民の応援を得るということが非常に大事な時代になってきているなと感じておりますが。
この特別支援教育というのは、特に今そういうことが必要な分野だなと。先ほど来おっしゃっていますように、医療との連携、保健との連携、福祉との連携、また就業、就労の観点から、雇用、労働との関係、様々な連携の中で、だけど、軸はやっぱり学校教育ですから学校の教員だというふうに思うんですけど。
この特別支援教育コーディネーターというのは、やはり教員免許を持っている人が望ましいんでしょうけど、場合によったら、特別支援学校におきましても、また通常の小中学校におきましても、地域のことをよく分かっている、経済界も商店街のこともよく分かっていると、また、保健所との連携、警察との連携もあるかも分かりませんけれども、福祉との連携、ハローワークとの連携、そういうことがよく分かって、なおかつ子供の観点からも対応できるという、ソーシャルワーカー的な、そういう能力が問われるんじゃないかなと思いまして、場合によれば教員免許を持たなくても、そういう考え方の特別支援教育コーディネーターの配置もあり得るということも含めて、これはすべての学校にこういう役割を持った人がやっぱり配置される必要があると。
特別支援学校ではこれが今のところ着々と進んでいるようですけど、一般の小中学校でほとんどこういうことはまだ根付いていないというふうにも思いますので、この特別支援教育コーディネーターが期待される役割、そしてその教員免許が要るか要らぬかも含めて、考え方を文科省からお聞きしたいと思います。
○副大臣(馳浩君) 特別支援教育コーディネーターは、LD、ADHD等を含む障害のある児童生徒への支援体制の構築に際して、校内の教職員や医療、福祉等の関係機関との連絡調整や保護者からの相談窓口などの役割を担うことが期待されております。
平成十六年一月に文部科学省において公表した小中学校における支援体制整備のためのガイドラインにおいては、コーディネーターの役割として三点申し上げております。一つ、校内の支援体制整備のかなめとして、障害のある児童生徒の支援を検討するための校内委員会の推進役、一つ、学級担任への指導法に関する助言等の支援や校内研修の企画運営、一つ、外部の関係機関との連絡調整役や保護者に対する相談窓口として示しております。また、平成十七年一月の国立特殊教育総合研究所の研究ではコーディネーターとして特殊学級の担任が小中学校ともに約四割近く指名されていることから、コーディネーターには、外部の関係機関等との連絡調整のほかに障害のある児童生徒に対する教育の専門性も求められているものと考えております。
コーディネーターに期待される役割に照らすと、ふさわしい者としては、障害のある児童生徒の発達や障害全般に関する知識及びカウンセリングマインドを有し、学校内外の関係者の力を結集できる力量を有する者であると考えておりまして、先生御指摘のように、地域においてそういう方がいらっしゃれば、あるいは退職教員などでそういう方がいらっしゃれば、極めて教育と福祉、医療等に連携できる、そしてそういう方々の英知を結集できる、また教育現場と連携できる、それをリードできる方がいらっしゃれば、それは資格があるなしを問わずに必要であるというふうに考えておりますし、そういう人材を発掘し、またお願いしていくことが適当と考えております。
その上で、現状、委員はすべての学校に配置すべきじゃないかということを指摘されましたので、現状をまず申し上げたいと思います。
平成十五年度から各都道府県に委嘱して実施している特別支援教育体制推進事業を通じて各学校における特別支援教育コーディネーターの指名を促進しているところでありますが、平成十七年九月一日現在で約八割の小中学校において指名されているところであります。また、平成十七年四月の発達障害者支援法の施行に合わせて各都道府県等に発出した関係局長連名通知においても、特別支援教育コーディネーターを校務分掌に位置付け、指名することを促しているところであります。
すべての学校においてコーディネーターがその職務に専念できるよう、必要な配慮が行われることが望ましいと考えております。現状の各学校における運用状況を踏まえつつ、その在り方について引き続き検討してまいりたいと考えております。
○山下栄一君 ありがとうございました。
スクールカウンセラー的な配置、これは予算の観点ですけれども、そういう考え方もあるなということも含めて御検討願えればと思います。
次に、地域の方々の応援を得て、これ特別支援学校においてもそうでしょうし、小中学校における特別支援教育にかかわる人として、教員免許を持つ持たないにかかわらず支援員として、特別支援教育の支援員として、また介助員、介助職員として配置するということは、特別支援学校の方ではそういう考え方があるようですし、また、地方単独予算で支援員として小中学校に配置されている、これ通級指導とか、また特別支援学級ですね、そういう観点もあるとは思うんですけど。特に総務省にお聞きしたいんですけれども、現在、交付税措置で介助員の地方財政措置が行われているというふうに思うんですけど、これはあくまでも今までの、今までの特殊教育という考え方に立った配置だったと思うんですけど、すべての学校において特別支援教育が行われるという理念の転換に合わせたこの支援員、また介助員の配置を交付税の中に入れて考えていただきたいと、こういうふうに思っております。
そういう意味で、その支援員、介助員の特別支援教育に果たす役割は文科省から、そして財政的な、地方財政措置については総務省からそれぞれお聞きしたいと思います。文科省から。
○国務大臣(小坂憲次君) 委員御指摘の介護を必要とするような障害の程度の重い児童生徒につきましては、現状においては、基本的には盲・聾・養護学校において適切な教育を受けることが適当であると考えられておるわけでございます。
これらの学校へ介助員など教員や児童生徒の支援を行う職員を配置するための経費が地方財政措置をされているところでございまして、ただ、この介助等の支援を必要とするような障害の程度の重い児童生徒等についても、各市町村教育委員会において認定就学制度の活用を含めた総合的な判断を行った結果として、普通の小中学校に就学している場合もあるところでございます。
こうしたその児童生徒に対する教育は、関係機関等と連携をしつつ、学校外の様々な人的資源、今御指摘がありましたような人的資源を活用して推進していくことが適当な場合もあると考えております。
なお、小中学校における介助員などの教員や児童生徒の支援を行う職員の配置につきましては、各市町村の教育委員会において適切に判断されるべきものと考えているわけでございます。これに対して、国としてどのような支援が可能かにつきましては今後の検討課題として取り組んでまいりたいと存じます。
○副大臣(山崎力君) 今の文科大臣のところと重なるところがかなりあると思いますが、今、山下委員御指摘の点でございますが、御指摘のとおり、今現在、いわゆる盲・聾・養護学校における介助職員については交付税措置がとられているところでございます。
そういった中で、ちょっと言葉の問題でいえば、いわゆる職員として正規の場合の人が今現在どれだけ市町村の一般の学校にいるであろうかという部分、いわゆる正規の職員でない、先ほどの言葉でいえば支援員又は介助員という言葉になろうかと思いますが、そういったものを残念ながら当方としては実態を把握しておりません。
それから、今後どのような形で小中学校等のいわゆる支援学校等に、特別支援学校等にどのような形でなるのかということも残念ながら承知しておりませんもんですから、今後、特別支援教育がどのような形で、具体的な形で充実していくかというところを見据えながら、本法案の改正の趣旨等を踏まえまして、文部科学省のお考えを伺いながら、財政措置、交付税算定の基礎に、項目にするということについては考えていきたいというふうに思っております。
○山下栄一君 家族の御負担が大変重いわけでございますので、こういう意味でも、支援員、介助員の配置というのは私はこれからますます必要になってくる。特に、特別支援教育という理念の転換に伴って地域の皆さんの支えといいますか、もかりる必要があるのではないかという観点から、ちょっとこういう面の文科省と総務省との連携がこれからまだまだ必要になるなというふうに感じましたので、今副大臣のお話を通してですね。どのような方がいらっしゃるのか、人数はどうなっているのかということも文科省に調査していただきまして、総務省と連携しながら取り組みをお願いを申し上げたいというふうに思います。
それで、総務省に重ねてお伺いいたします。
発達障害者支援法、一昨年成立したわけでございます。また、見直しの時期が三年後に、来年ですか、来るわけですけれども、これはこの対応は、実情はもう極めて現実厳しい、これはもう厚労省もよく掌握されておるわけですけれども。私がおります大阪においてもそうでございます。この発達障害の専門性を持った人というのはもうニーズは山ほどあるわけですけれども、実情は発達障害者支援センターが何とか四人の職員の方が都道府県、政令市にやっとできつつあるというふうな実態でございます。ここに専門性の高い人が本当に配置されておるのかというふうに考えましたときに、まだまだだなということを実感しておるわけでございます。
発達障害者支援法が施行されて一年、これは国の責務が明記されておるわけでございまして、総務省として、この発達障害者支援法の観点からの取組の状況、そして今回の特別支援教育の理念の大転換にかかわる、また発達障害の対応の一般小中学校における人の配置ということも今大きく取り組まれようとしている中で、発達障害者支援法の国の責務の観点からの総務省の取組、今後の取組の計画等、お話し願えたらと思います。
○副大臣(山崎力君) 発達障害者支援法の観点からいきますと、当総務省といたしましては、今御指摘の発達障害者支援センターの運営に係る経費について、その地方負担分については地方交付税措置を講じてきております。
それに伴って、それ以上、今の委員の御指摘ですと、今回の法律等の趣旨も踏まえて、より総務省の方で地方財政措置を拡充すべきではないかという御指摘かと思います。
ただ、その点に関しまして、それでは具体的に発達障害者支援についてどのような施策をするのかというのは、やはりこれは地方団体等が主体的でまずやられるものでございますので、具体的にこれからどういうふうにしていくかという地方団体の意見を伺って、それに伴って関係省庁、文科省あるいは厚労省その他出てくると思いますけれども、よく相談しながら、そういったものに対応した形での総務省としての必要な取組方をしていきたいというふうに思っております。
○山下栄一君 この分野におきましても、この発達障害者支援法という枠組みを使った他省庁との連携ということが、文科省軸になってこの学校教育の観点からの取組を是非お願いしたいと思います。
それから、今度、施設の観点なんですけど、これも午前中からお話がありましたが、私は、エレベーターとかスロープ、自動ドアも大事なんですけど、最も深刻に取り組むべきは障害者用のトイレだというふうに思っております。
施設の整備につきましては、地震対応、アスベスト対応、これは緊急に取り組んでまいりました。特に小中学校においては、これは単に教育の場だけではなくて、もう地域のシンボルといいますか、地域のコミュニティーを高めていく拠点としての小中学校という位置付けがあるというふうに思いますし、防災拠点にしろ、また様々な地域の取組の、空き教室の活用もそうでしょうけど、小中学校というのはそういう位置付けがあるというふうに思います。そういう意味で、この障害者用トイレというのは、障害をお持ちのお子さんもそうですけど、これ毎日のことですし、切実なものであるわけですね。
以前、入学試験をそこを目指そうとしたけども、障害者用トイレがないから入試を断念したという、そういう、これ私学の大学を目指す生徒さんからお手紙をいただいたことがあって、私、訴えたことあるわけですけど、この障害者用トイレの設置というのは、今は特に小中学校の場合は、先ほどもお話がございましたけど、四八%と。耐震対応の学校よりもまだ低いという状況でございます。
これは極めて切実な、人権にかかわる、これも施設の整備をする必要があるというふうに思いまして、これはちょっと通常の施設の、国庫負担にしろ交付金にしろ、そういう対応ではちょっとこれもやりにくいなと。先ほどの大臣のお話じゃありませんけど、きちっと計画を立てて、特にバリアフリーの中でも障害者用トイレの設置については、緊急にこれは計画を立てて特別予算で取り組む必要があるのではないかということを考えておりまして、文科省そして財務省からそれぞれ御答弁をお願いしたいと思います。
○副大臣(馳浩君) まず、障害者用トイレについてですが、障害児、児童生徒が学校で学ぶに当たってやはり必要な条件であるというふうに考えておりますし、山下委員御指摘のように、地域の皆さんが集っていろんな活動をされるときの場としても学校の施設は活用されておりますし、災害のときにもいざというときにはそこで生活するわけですから、必須の条件であるというふうに考えるのが自然だと私も思っております。
現状は、障害者用トイレに限って申し上げても、国立学校で六二%、公立学校で四八%、私立学校で三三%と、理想からこういう現実を見てみますと、まだまだ整備が遅れていると言わざるを得ないというふうに認識をしております。
当然、文部科学省におきましても、従来から障害者用トイレを始めとして学校施設のバリアフリー化のための国庫補助を行ってきております。今後とも、合理的な整備計画を策定して計画的な整備を行うように指導をしていきたいと思っておりますし、当然、計画的な整備を行うよう指導するに当たって、そのフォローアップもしっかりしなければいけないと考えております。
障害者用トイレということに着目していただきましたが、平成十四年にハートビル法ができまして、そういった観点から考えても、例えばスロープもそうですし、エレベーターもそうですし、手すりなどもそうでしょうし、段差の解消もありますし、自動ドアの設置と、やはり障害のある方がいざというときにお使いになる、また障害児、児童生徒にとってみれば、日常の生活において必要な対応を考えて計画的に整備を進めていくことは極めて重要な問題であるというふうに考えております。
○副大臣(赤羽一嘉君) 学校のバリアフリー化を推進するということは、私は、障害を持たれたお子さんたちが支障なく学校生活を送ることができる、こういった観点、また、今、馳副大臣の御答弁にもありました、学校施設が地域住民にとっていざというとき公共の施設として役割を果たす、大きな役割を果たすということ、それに加えて、私は、バリアフリーというのはやっぱり啓蒙、何というかな、考え方の啓蒙の問題だと。ですから、小中学校のときからバリアフリー化が設置されている、障害者用のトイレがある、そういったところの学校で育った生徒さんたちというのは、バリアフリーというのは当たり前のものとして、何というか、備わっていくと。そういった意味での大変教育的な効果も大きいというふうに考えておりますので、学校のバリアフリー化を推進していくことは大変重要だというふうに認識をしております。
そうした観点から、今年度の予算案では公立学校施設整備費千百三十七億円を計上し、所要の財源を措置しているところでありますし、これは一義的には新築、増築、新増築についてはバリアフリー化というのはほぼ義務的に設置をされているというふうに思いますし、その中でも、これは耐震化を中心としたものでございますけれども、安全・安心な学校づくりの交付金化ということで五百四十九億円の計上もさせていただいております。これは耐震化にかかわらず、ある意味では自由な事業選択を可能としておりますので、そのそれぞれの地域の実情や事業の優先度に応じて、今、山下委員御指摘のこの障害者用のトイレを計画的な整備を進めていくということは私は可能であるというふうに認識をしておりますし、今後も文部科学省と連携を取りながら積極的に推進をしていきたいと考えております。
○山下栄一君 非常に御理解のある答弁を本当にありがとうございます。
耐震、アスベストでもう精一杯で、もうなかなか交付金も限られている予算の中で、現状はなかなか難しいということはよう分かっておりまして、そういう意味で、こういう理念の転換に伴う、人の配置もそうですけど、施設におきましても、圧倒的に全国で多い公共建築物は学校ですので、そういう意味で文科省予算だけでやるというふうなことは本当にもう限界に来ているなということをしみじみ感じておるわけでございますけど、他省庁等の御理解も得ながら、特に文科大臣が訴え続けていただいて、この一番地域コミュニティーの拠点、大拠点が学校であるという、そういうことは皆さんお分かりなんでしょうけど、私はこのバリアフリー、なかんずくこの障害者用のトイレというのは整備はもう緊急を要する、それすらできない国は文化国家と言えないという観点からお訴えしたわけでございますので、全力の取組をお願いを申し上げたいと思います。
財務副大臣、総務副大臣におかれましては、私の質問これで終わりでございますので、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
○委員長(中島啓雄君) 両副大臣、御退席いただいて結構です。
○山下栄一君 児童相談所の件なんですけども、この児童相談所は、私は今物すごく使命が高まってきているというふうに思っております。児童福祉法において位置付けられているわけですけど、この児童相談所が高まっている割には専門性の配置が付いてきていないというふうに感じております。特に児童虐待、児童虐待の原因が、例えば発達障害を、小さいお子さんの、それが発達障害なのかどうかも分からない形でお母さんが対応していたということが悲劇につながるというふうなこともある程度考えられますし、少年非行等の観点からも児童相談所は極めて重要な役割を果たすわけで、非行のたんびに所長さんが出てきてインタビューを受けているというようなよく光景を見るわけですけど、この観点からも発達障害にかかわる専門性を持った人が児童相談所にいらっしゃるということは極めて重要だと。
ところが、現実は、お医者さんが所長さんということは多いのかも分かりませんけど、児童福祉司さんが中心でございます。児童福祉司というのは、専門性は持っておられるんでしょうけど、これは公務員になられてからそういうお仕事をされてきたかということが前提の専門職、専門職なのかなとも思いますけど、そういう意味では日本の国は子供にかかわる専門職というのは極めて貧弱だなということを感じております。もちろん、保母さん、幼稚園の教諭、学校の先生はそうなんでしょうけど、福祉、医療もそうでしょうけど、子供の観点からの専門性を持った人というのは本当に貧弱で、まあ小児科のお医者さんもそうかも分かりません。少ないですし、胎児医療の観点からも専門性を持った人は少ないと。
私はこの児童相談所が果たす役割の中で、この発達障害の専門家が配置されるということは時代が求めておるというふうに思います。発達障害支援センターですら専門性を持った人の配置がままならぬ状況の中ではあるわけですけど、児童相談所に発達障害にかかわる専門性を持った人を配置するということを、これは厚生労働省挙げて取り組んでいただきたいと。そして、そういうところと連携取って特別支援教育を行うということが大事なんではないかというふうに考えておるわけでございます。
厚労省のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
児童相談所につきましては、今委員から御指摘ございましたように、近年、相談件数も増加しており、また虐待問題、児童虐待問題の相当の部分が委員御指摘のとおり発達障害の関連があるのではないかと、そういう御指摘もあり、非常に重要だと考えております。発達障害につきましては、早期発見を行って保護者への支援を含め適切な支援をしていくことが大事でございますし、保護者の方から考えましても、相談を受け持つ児童相談所に頼ることが大きいと、こういうことであり、正に委員御指摘のとおりだと思います。
しかしながら、発達障害の問題で今識者から不足していることの筆頭に挙げられておりますのが専門家、あるいは専門的な支援機関の不足でございまして、残念ながら、発達障害支援センターも含め、専門的支援のノウハウについて十分に蓄積されていない現状にあるわけでございまして、我々この点について努力を重ねてまいりたいと思います。
現在、国の唯一の知的障害の専門機関でございます国立秩父学園におきまして、児童相談所の職員を含む都道府県の職員の皆様に対しまして専門的な知識の付与等を目的とした研修を実施しているところでございますが、それも充実するほか、児童相談所や発達障害者支援センター等における専門家の獲得、確保に努めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○副大臣(馳浩君) 改正児童虐待防止法の取りまとめをした一人として、また副大臣として、是非これは厚生労働省の担当者がいる場で答弁をさせていただきたいんですけれども、必ずやはりこの連携は、教育と福祉関係者の連携は必要なんですよ。そして、児童福祉法の改正で今年の四月からは中核市でも児童相談所も設置できるようになって、より現場においては教育と福祉、時には医療、あるいは警察関係とも、司法関係者と連携協力体制を取って対応していかなければいけないということになってまいりました。やはりそこで問題になってくるのは、やはりセンターにおいても人材がなかなかいないんですよ。
そこで、実は今現場で少しずつ取り組まれているのが保護者会の活用なんですよ。保護者会というのは、自分の子供がこういう状態であると、相談するところがない、保護者同士で情報を共有し合って、どういう対応したらよいのかという研修等もしながら取り組んでおるわけでありますから、その専門家をよこせ、配置をしろということもこれは大事なことですし、要求は続けるべきだと思っておりますが、その保護者会の皆さんとも連携しながら、こういう場合にはこういう対応ができますねと。
と同時に、これ児童虐待の場合には、これも先般の児童福祉法の改正によって、いかにいわゆる家族を再統合させるかと、これは法律用語でありますけれども、保護者に対して虐待した子供といかにまた一緒に生活していけるように導いていくかと。この指導も児童福祉法によって必要な機能として求められることになったわけでありますが、そういったときの相談相手としてもこういった保護者会等を活用しながら、是非教育と福祉関係者の連携をより一層強めていかなければならない、文部科学省としてもそういったことについて厚生労働省と連携していく必要があると、こういう認識を申し上げさせていただきたいと思います。
○山下栄一君 局長、また副大臣、ありがとうございました。
いろいろお話を聞くにつけ、ただやっぱりこの学校の教員が、私も教師の経験があるわけですけど、やっぱり社会に開かれた、様々な地域のことをよく知り、そして保護者と地域の諸機関とも連携する、打って出ていくということがなかなか、また教員そのものがそこに住んでいたらいいんですけど、遠いところから出勤している場合もありますし。だから、軸になるのはやっぱり教員かなとも思いまして、そういう意味でも、教員免許の在り方も含めて、また教員の先生方の研修の中身もそうですけど、たくさん求められることがあるわけですが、だけど、そういう意欲のある、情熱のある、そして前向きの先生方いらっしゃったら、もう子供、保護者は一変するわけでございますし、それに様々な方々の御支援を得ながら、軸は、コーディネーターといいますか、それはやっぱり教師かなと思うんですけど、本当にこの特別支援教育の様々な議論を聞けば聞くほど家庭、地域、学校の連携はもう本当に大事な時代が来ているなということを感じております。
最後に、先ほど神本委員がおっしゃった、就学指導委員会の保護者からの意見聴取と専門家からの意見聴取が扱いが違うというのは、これはもう根本的なおかしいところだと思います。これは、要するに、保護者からの意見聴取が局長通知で、専門家の意見聴取は政令事項だと。完全にこれは差を付けているわけでございまして、これは今回の法律の理念転換を考えるときに、もう真っ先にやらないけない、そういう御意見だというように思います。
これは直ちに大臣のリーダーシップで政令改正をやっていただきたいと、いかがでしょうか。
○国務大臣(小坂憲次君) 障害のある児童生徒の就学する学校につきましては、度々答弁をさしていただいておりますが、当該児童生徒の自立と社会参加のための適切な教育が行われるように総合的に判断をすべきと考えておるわけでございまして、御指摘の趣旨をしっかり踏まえながらも、保護者の意見を十分に聞くようにしていく方向で今後とも十分な検討を進めていく、すなわち保護者の意見を聞く方向でということで対処をしてまいりたいと存じます。
○山下栄一君 終わります。