164国会 文教科学委員会会議録 2006年05月23日
○山下栄一君 今の浮島議員の質問とも関連するんですけれども、子育て支援事業でございますが、元々、自分の子供は自分で育てるという、こういう考え方がちょっと弱くなっているのではないかなということを感じております。そういう意味じゃ家庭の教育力、この家庭の教育力を安定させるといいますか、これがないと支援のことを一生懸命考えてもちょっとこれは考え方が本末転倒ではないかなと。
ただ、じゃ、若い御夫婦が自分の子供を育てることができるような環境整備の面ではどうかと。特に、お近くに御両親とか身内の方がいらっしゃらない場合は特にそうだと思いますし、そういう意味でワークライフバランスという考え方が今盛んに強調されているというふうに思うんです。
後継者を育てる、次世代を育成するということが人間社会のやっぱり最優先課題であるという価値観の共有が、これは別に法律で決めてもなかなかできませんけれども、そういうことがやっぱり非常に大事な、そのためには産業構造とか、いろんな働き方を工夫するとか、特に経営者の方々の意識改革も必要だと思いますし、国民的な議論も必要だというふうに思います。そういう意味で、教育基本法の提案という背景にあるのかなというふうに思うんですけど。
そういうことの前提の上で子育て支援事業の話なんですけれども、今まで、先ほどの御答弁でございましたように、文科省、厚労省、それぞれ予算の事業として取り組んでこられたと思うんですね、予算措置というか。ところが、今回は、認定こども園の場合、それを法律、法定化すると、こういうことになっていくわけですけど、そういうふうになっていった背景をまず教えていただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 認定こども園におきましては、ただいま先生からお話がございましたように、家庭や地域の教育力、子育て力を高める観点から子育て支援を必須の機能としておりまして、子育て支援機能、支援事業はすべての認定こども園で実施をされるということになります。
その背景といたしましては、やはり近年におきます子育てというものを考えました場合に、家庭における保育、それから地域における保育、そして幼稚園や保育所における保育と、この三つの場面で子供たちは子育ての対象として育てられていくわけでございますけれども、その家庭における保育につきまして、地域あるいは幼稚園、保育所の幼児教育・保育の施設が、やはりこれを近年の社会の状況の変化等に対応して十分に支援をしていく、そういう体制が必要ではないかと。
このことは、総合施設のモデル事業の評価委員会の最終まとめ等におきましてもそのような指摘をされているところでございまして、そういった点を踏まえまして、今回の法案におきましては、認定こども園においては子育て支援事業についてこれを必須の機能というふうに位置付けたところでございます。
○山下栄一君 そういう考え方だとは思うんですけど、私は家庭の教育力を回復するというか、これが一番大事だと。その上で、地域の教育力、地域の教育力といいますか、地域がそれを応援すると。先ほどから大臣、副大臣おっしゃっていますように、地域ぐるみの子育てという考え方が非常に大事だなと、子供のためにみんなで応援しようという。
また、特に児童虐待の問題というのがもう本当に深刻な問題だというふうに思います。そこまで追い込まれておるのかということを考えましたときに、みんなで応援するという。また、若い御夫婦が、育児休業もそうですけど、そういうことができるような環境づくりは、これも大事だと思いますけど、また一面、特に都心においては、地域でみんなで応援していくという、そういう家庭の教育力をカバーしていくんだという考え方に地域の方々が立つことによって地域の教育力がまた促進されていくというか、子供のためにはみんな応援しようじゃないかという、この安全の、子供を守っていこうという取組も、自主的な取組が行われておりますけど、そういうことになっていくというふうに思うんですね。
そういう意味で、保育所とか幼稚園のとらえ方も、地域の子育てのセンターなんだと、そういう考え方は大事だというふうに思いますし、ほかに、別に保育所、幼稚園に限らず、様々な民間団体の子育てサークル等の取組も私は共助の観点から大事だというふうに思いますけど、まあ公助、公助という考え方で保育所、幼稚園あるんでしょうけど。
そう考えましたら、別に、何で認定こども園だけですかと。先ほども浮島委員おっしゃいましたように、基本的には保育所、幼稚園が地域の子育てセンターとして、そこに行けば入所の子供もいらっしゃるけれども、入園、一時的に御相談する、一時預かる、そういうことが今回法定化されているわけですけど、そういうことも専門性を持った保育士さん、そして幼稚園の先生方がいろんなこのノウハウを教えてくれると、そこに行けば安心感があるという。そういう、特に専業主婦の方々も、専業主婦の働き方もいろんな働き方があるわけですから、専業主婦というふうにくくられていても一時的に働きに行かれる方もいらっしゃるわけですから、そういうとらえ方はこれからますます大事じゃないかなと。保育所、幼稚園へ行けば、そこに行けば専門性を持った方々に相談してもらえる場所もあると。
そういうふうなことで、単に認定こども園の法定化だけでは、法定化がすべていいとは限らないかも分かりませんけど、保育所も幼稚園も、そういう観点から、そこに行けば相談できる、そしてアドバイスも受けられる、安心できるというふうな、そういう役割を予算措置から一歩進めるというようなこともこれを契機に考えられるのではないかというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
○副大臣(馳浩君) 今回の法律では、一般の幼稚園に対しての子育て支援事業を法定化はしておりませんし、想定しておりません。そもそも、幼稚園の設置をしてきた目的ということは教育機能の充実ということがございましたので、今回の法案に関しても一般の幼稚園での子育て支援事業は想定をしておりませんが、ただいま山下委員御主張いただいたことは非常に重要な観点だと思っております。
現状をちょっと申し上げさせていただきます。今現在でも幼稚園の半分に近い約五一%であります七千八十六園において、この幼稚園において未就園児教室の実施状況という現状がございます。
ひもといてみますと、平成七年からこれは幼稚園地域開放の推進という事業、また平成十一年度からは幼稚園の子育て支援活動の推進という形で、幼稚園における地域の子育て支援機能の充実をしてきております。昨年度の平成十七年度と比べまして、対前年度比で二億六百万円増の五億四千万円の確保をして、幼稚園における子育て支援事業を展開してきているところであります。
今後とも、やっぱり地域によって違うと思うんですね。保育所ばっかりのところ、幼稚園ばっかりのところ、多分都市部においてはうまく混在しているところと、こういった地域事情もありますけれども、幼稚園における地域子育て支援事業の充実は極めて重要であると思っております。
二〇〇三年に改正児童虐待防止法をしたときに一番大きな改正の論点が、これは今までは確たる証拠がなければ児童虐待については通報できなかったんです。ところが、あのときの改正では、虐待を受けたと思われる児童を発見した者は通報しなければならないという通報義務を掛けたんですね。極めてこれは大変な改正であったんですけれども、それだけ地域の見守り体制が必要ではないかと、児童は保護されるべき存在であるんだからみんなで見守りましょうという、こういう理念を立てたのがあの改正児童虐待防止法の論点なんですね。そういうことから考えれば、やはり幼稚園も地域の中においての子育て機能を持っているんだという認識も今後付与していくことが重要であるというふうに考えております。
○政府参考人(白石順一君) 済みません、補足でございます。
子ども・子育て応援プランにおきまして、今の地域子育て支援センター、平成二十一年度までに二万三千か所ある保育所も含めまして全国四千四百整備必要ということで、今大体三千台でございますが、現在におきましてはその九〇%程度は保育所が地域子育て支援センターになっております。
今後も、認定こども園だけではなく、一般の保育所におきましてもこういう形での子育て支援事業の充実というものについて文部科学省同様図ってまいりたいと考えております。
○山下栄一君 地域子育て支援センターという言葉そのものは厚労省の言葉だと思うんです。まあ地域の子育て拠点といいますか、そういうとらえ方で、先ほども申し上げましたように、校区に一つぐらいはそういう、そこに行けば安心できるというような場所としての、保育所も幼稚園もそういう機能は、今後、私は法定化というふうなことも視野に入れた検討、今回の法律を契機に必要ではないかというふうに思います。
それと、児童相談所も、これは厚労省の施設でしょうけれども、児童相談センターみたいなイメージがある言葉なんですけど、実際は様々な機能、非常に仕事がどんどん増えているような状況になっているわけですが、この児童虐待の、例えばですけど、児童虐待のことを好き好んでやるわけではなくて、特に実のお母さん、お父さんの場合がそうだと思うんですけど、そういう状況で相談する場所として児童相談所は県に一か所しかないと。近くの保育所に相談したいなと、また幼稚園に行って相談したいなと。専門性を持った、そこそこ専門の方がいらっしゃるというふうな機能もこれから、特に認定こども園は特にそうかも分かりません。というふうに考えましたときに、認定こども園の職員の方が児童虐待に対応できる、そこまですぐに専門性は無理かも分かりませんけれども、そういうふうなことも地域の人は期待して行くんじゃないのかなというふうに思います。そういう意味で、職員の研修なんかも、そういう観点からも認定こども園というのは期待がこれからできてくるんじゃないかと。
と同時に、もう一つ、障害児対応なんですけれども、これはそれぞれ保育所、幼稚園、予算措置でも若干障害児対応できるような取組があるとは思うんです。
特に、私は、発達障害なんですけれども、これも若い御夫婦にとって、育てる過程の中で、何でうちの子供は言葉が遅いのかなというようなこととかから始まって、また発達障害かどうか分かりませんけれども、そういうことも含めて小さな子供の、相談先の認定こども園としてはそういう発達障害のことも分かっていると、職員の方が。というようなこともこれから、今度特に子育て支援事業ということが法定化されるんだったら、職員の方々が児童虐待についてアドバイスもできる、そして発達障害にかかわることも全く知らないわけではないと。こういう症状のある場合はあそこの専門的な発達障害支援センターに行ったらどうですかとかいうようなことぐらいは言えるような、そういう対応なんかも地域としては期待が、ニーズとして期待があるんじゃないかと、認定こども園に対するですね、というようなことを思うんですけれども、この点のお考えをお聞きしたいと思います。
○副大臣(馳浩君) 改正児童虐待防止法、それから発達障害者支援法の両案立案にかかわりました当事者という立場からも申し上げさせていただきたいと思います。
当然、現場で対応する幼稚園や保育所の職員、教職員は、児童虐待や発達障害者への対応の仕方、また、そういうお子さん方を発見しやすい現場におるわけですから、いち早い通報等についてのやはり責任があると、努力義務があるということをあの法律ではうたっておるわけでありまして、当然この認定こども園についても、同じように虐待の早期発見、早期対応、それから発達障害児の早期発見、早期対応の、やはり研修を通じて理解と対応が早期に求められるものと認識をしております。
こういった観点も、当然厚生労働省と連携を取りながら、認定こども園においても、そこで働く職員さん方が対応できるように、また地域子育て支援事業の中で相談体制に応じることができるように取り組んでまいりたいと考えております。
○副大臣(中野清君) 今、山下委員御質問のとおり、また委員が常日ごろ福祉についての非常に御理解があると、そういう中での御答弁でございますが、認定こども園における相談といいましょうか、その問題につきましては、まず第一に、今問題になりました虐待の防止につきましてまず申し上げたいと思いますが、市町村の虐待防止に対するネットワークといいますか、そういうものがありますし、また先ほど来委員がおっしゃったような地域の教育力とか連帯とかそういうものの中で、虐待の早期発見、早期対応につながる役割の一端を当然これは認定こども園が担うべきであるということは考えております。
ただ、児童相談所のような専門的なものはできませんけれども、しかしながら、そういう意味でできる限り頑張らせていただきたいと思っております。
それと、もう一点は、障害に関する相談でございますが、御承知のように、子供たちの問題につきましては市町村が実施する乳幼児健診の場を活用したいわゆる相談の場がございますが、それと一緒に障害の判定など障害の中の専門的な相談をする、いわゆる、県レベルとか市町村レベルでもございますけれども、児童相談所が対応する体制が今あるということは御承知のとおりでございますが、この認定こども園における相談につきましても、いわゆるそういう専門的なものまではいかないかもしれませんけれども、やはり保育士が障害についても研修を受けることによりまして、また市町村や児童相談所と連携をしながら障害の早期発見、早期対応、これはやっぱり同じような役割だと思いますけれども、これもしっかりとやってまいりたいということを考えております。
おっしゃるとおり、家庭の教育力とか家庭の力と一緒に地域の力というものも非常に大事でございますので、そういう点で、認定こども園が地域の中で生きると、そういうことも大事だと思いますので、頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山下栄一君 両副大臣、ありがとうございます。
次の質問でございますが、教育と保育、この法律でも、教育及び保育とか、また教育保育といって連続で見付かったり、この辺のちょっとやっぱり言葉の整理をしっかりする必要があるのではないかと思っております。
幼稚園は、学校教育法上は保育を行うと、保育所も保育を行うと。あれっという感じになるわけですけれども、この辺がちょっと余り整理されておらないのではないかというふうに思うんですけれども、今、教育基本法もそういう議論になっていくのかも分かりませんし、学校教育法の改正の中でそういう議論をされていくのか分かりませんが、この教育と保育という言葉の整理をどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、今回の認定こども園の法案におきましては、認定こども園については、保育所的機能と幼稚園的機能の双方を有する施設となるように制度設計を行っているところから、教育と保育という言葉を使い分けをしているわけでございます。
すなわち、保育所におきます保育に欠ける子に対して、保護者に代わって適切な環境を用意をし、健全な発達を図るこの保育所的機能と、幼稚園における学級を単位として計画的に構成された環境を通じて心身の発達を助長する機能、いわゆる幼稚園的機能、この二つを認定こども園は併せ持つわけでございますけれども、前者の保育所的機能につきましては保育の用語を、後者の幼稚園的機能については教育の用語を用いるということがこの法案における基本的な考え方でございます。
なお、学校教育法上は、先ほど先生の方からお話がございましたように、学校教育法の第七十七条では「幼稚園は、幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする。」ということで、学校教育法上は幼稚園も保育という表現を使っているわけでございます。ただ、これは、学校教育法上の幼稚園も学校ではございますけれども、幼児期の教育というものが、幼児期の心身の発達に応じた教育の中には一定の養護や世話が必要であること、あるいは幼稚園教育が、小学校以上のように教育内容を体系的に分類した教科を中心にして内容の習得を行わせるのとは異なりまして、幼児の基本的な生活経験に基づいた総合的な指導を行うものでありますことから、幼稚園の教育方法の独自性を表す用語として保育という言葉を学校教育法上は用いているということはございます。
なお、ほかの法律では、私立学校振興助成法などにつきましては、幼稚園についても教育という語を用いている法律もあるところでございます。
○山下栄一君 いずれにしても、分かりやすい状態にするためにも、法改正も視野に入れた検討が必要だと思います。
それで、保育所の保育指針、幼稚園の教育要領なんですけど、これ読んでみましたら、そんなに内容は変わらないんではないかなというふうに思います、教育要領を参考にして保育指針作っているのかも分かりませんが。だから、別に使い分けることも、役所が違うから使い分けなきゃいかぬのかも分かりませんけど。
まず、この保育指針、もう時間がなくなってしまいましたけど、保育指針、教育要領のそれぞれの法的根拠ですね、まずそれから聞きます。
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、幼稚園教育要領について申し上げますと、幼稚園教育要領は、学校教育法の規定に基づき、文部科学大臣が告示として定めたものでございます。
○政府参考人(白石順一君) 保育所保育指針につきましては、児童福祉法に定める児童福祉の理念に沿って定められたものでございますが、これは通知でございます。
○山下栄一君 法令上のそれぞれ根拠は違う。
私は、大事だと思いますのは、法令上の根拠も、これはちょっと、今日時間がありませんので別の機会にお聞きしたいと思っているんですけど、だれが決めるんですかと、教育内容、保育内容をですね。これが大事ではないかなと思っております。
これは、政治主導、官僚、役所主導で決めるべきものではなく、やっぱり第三者的なところでしっかりよく専門性、また配慮しながら検討して、実質的にそれの内容が決まっていくと。法令上は、まあ形式上、文科省告示とかあり得るのかも分かりませんけど、内容を決める際は、やはり第三者機関といいますか、専門性、有識者等がそこで議論して詰めて内容を決めていくということが大事ではないかというふうに思っておるわけですけど、この点確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園教育要領について申し上げますと、例えば現行の平成十年の幼稚園教育要領につきましては、その改訂に当たりましては、まず有識者、学識経験者で構成をされました教育課程審議会で審議をし、その答申で示されました内容に基づきまして、具体の改訂作業は、その答申を踏まえてさらに有識者、学識経験者で構成をされました幼稚園教育要領の改善に関する調査研究協力者会議、ここで検討を行いまして、最終的に文部科学大臣の告示となったというものでございます。
○政府参考人(白石順一君) 保育所保育指針につきましては、昭和四十年八月に策定されたものでございますが、その後の改訂も含めまして、中央児童福祉審議会の保育に関する特別の部会を設けまして、その中で検討し、その意見を踏まえて策定したと、あるいは改訂をしたという経緯でございます。
○山下栄一君 どうもありがとうございました。
済みません、質問を終わります、時間をちょっと超過しましたけど。