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国会質問

164国会 文教科学委員会会議録 2006年06月06日


○山下栄一君 就学前の教育、就学前の子供たちにかかわることで最初に質問をさせていただきますけれども、少子化対策の関連で、特に五歳児、五歳児で幼稚園、保育所に通っておる子供というのはもう九十数%になっていると。四歳児でも九割を超えているということから、子育て支援、父母、保護者の負担感を、特に財政負担感ですけれども、経済的負担感ですけれども、軽くしようと、こういうことから幼稚園、保育所、保育園の利用料を無償化しようという、そういう提案があるわけです。今は、政府においてもこういうことを、与党でも検討しておるわけですけれども、この無償化ということと幼児期の教育を義務教育化するということが混乱して使われているというふうに感じております。文科省としてどのように整理されているかを最初にお伺いしたいと思います。


○国務大臣(小坂憲次君) 幼児期の教育についての義務教育化と、それから無償化ということが同等のように言われていると、このことについて文科省はどのように考えるかという御質問だと思います。
 幼児期の教育の義務教育化の問題につきましては、普通教育の期間を何歳から始め、何歳までとするかにかかわる問題であるわけでございまして、その場合、幼児期も義務教育期間とするとすれば、憲法二十六条の規定に基づきまして幼児期の教育は無償となるわけでございます。一方、幼児期の教育の無償化の問題は、保護者にその保護する子女に対して幼児期の教育を受けさせるかどうかの選択を残した上で、幼児期の教育を希望する者についてその費用を政策的に無償化するかという問題でありまして、無償化の問題と義務教育化というのはそれぞれに違う観点から述べられているものだと、中身も異なる議論であると、このように認識をいたしております。


○山下栄一君 幼児期の教育、保育についての無償化につきましては、そういう施設に行っておられない、そういう世帯といいますか、おうちも若干あるわけでございまして、この辺をどうするかということもあると思います。そんなことも含めてこの無償化の問題は検討する。ただし、この間の就学前の子供たちに対する経済負担を軽くしていくということは大事なことでございますので取り組む必要があると思うんですけれども、この義務教育を延長する、九年なわけですけれども、九年でいいのかどうかということ、これも大変大事なテーマであると思います。十五歳から十六歳に引き上げていくのかと、また六歳から五歳へ引き下げていくのかということもあると思いますけれども。
 いずれにしましても、すべての国民が共通して国民としての基礎教育を、基礎的な資質を育てるための教育という観点、それが普通教育という言葉で憲法で表現されているとは思うんですけれども、普通教育の中身をどうするかと。普通教育とは一体何かということを、今教育基本法の審議でも問題になって審議されているとは思いますけれども、ここは大変大事なテーマでございますので、それこそ国民的議論をしっかりやっていく必要があるのではないかということを感じておりまして質問させていただきました。
 次の質問ですが、これは先週、私、質問させていただきましたけれども、就学前の教育というのは、胎児の段階まで含めまして、私は、人間にとって最初の教師はお父さん、お母さんだということから、家庭の教育力というのがかぎを握っていると。家庭の教育力をいかに回復していくか、向上させていくかということがまず大事だということを前も私申し上げたわけですけれども、そのために、しかし今は核家族化で、特に大都会においてはサポートする人たちがどんどん減ってきていると、地域においてもそういう教育力そのものが低下していると。家庭の教育力と地域の教育力は相関関係にあると私は思いますけれども、そういう意味でこの幼稚園、保育所の子育て支援事業というのは非常に大事だというふうに思います。
 特に今回、認定こども園ではこの子育て支援事業を法律で定めたと。今までは厚労省、文科省、それぞれが子育て支援事業をそれぞれの予算の範囲内で懸命に取り組んでこられたと、年々拡充してきているということもよく理解しております。しかし、今回は予算措置ではなくて法律上明記したと。そして、三条の今回の法案の三号では、「保護者の要請に応じ適切に提供し得る体制の下で行うこと。」と、このように法律で明記したわけでございます。
 そういう意味で、この子育て支援事業をやりなさいというのはいいんですけれども、認定こども園は当面一千か所とかいう話はようおっしゃっておりましたが、認定した限りは保護者の要請、地域の要請、これは別に入所、通園しているとは関係なしに一時預かりとか未就園の保護者の相談にも乗るわけですから、法定化した以上は体制が極めて大事だというふうに思うわけです。
 施設をどうするんだと。相談するといっても、相談する場所は今までの体制でできるのかということもあると思いますし、担当する人も既存の体制下における保育士さんでいいのか、幼稚園教諭でいいのかという、それだけで足りるのかということもありますし、専門性もちょっと違うのではないかと。保育士、幼稚園の教諭が持っておる、もちろん養成段階における見直しはあるかも分かりませんけれども、様々な多様なニーズにこたえるために、認定こども園は特に法定化されて期待されている以上、配置する人もそこそこの専門性を持っておらないと、保健師さんの専門性とか、場合によっては臨床心理士さんとか、精神科医までは行かないかも分かりませんけれども、ある程度、児童虐待とか、前も申し上げましたけれども、軽度発達障害のことぐらいの素養がある人でないと通らないと、地域のニーズにはとてもじゃないけどこたえられないと。
 こう考えましたときに、施設整備はどうするんだと、認定するに際して。それから、人の配置も今までどおりにはいかないのではないかと。幼稚園型にしろ、保育所型にしろ、やっぱり新たな一歩を踏み出た支援を考えないと、今までの予算レベルの事業では、私は法定化する以上不十分ではないかというふうに考えております。
 この件につきまして、厚労省、文科省、それぞれどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。


○副大臣(馳浩君) 御指摘のとおり、認定こども園における子育て支援事業については、法律案第二条第六項において、子育てに関する様々な問題につき保護者からの相談に応じ必要な情報の提供及び助言を行う事業、親が病気にかかったなどの事情により家庭において養育することが一時的に困難となった子供に対する保育を行う事業、子育てに関する援助を希望する親と子育て支援を行う民間の団体若しくは個人との仲介を行う事業、子育て支援を行う民間の団体若しくは個人に対し必要な情報の提供及び助言を行う事業であって文部科学省と厚生労働省の共同省令で定めるものとしております。
 具体的には、保護者に対する教育・保育相談事業、親子のつどいの広場事業、一時保育事業、地域の子育て支援に関する情報提供・紹介事業、地域の子育てサークル等の育成支援事業といった事業を国が省令で規定することになると考えております。
 また、子育て支援事業をどの程度実施するかについては、総合施設モデル事業評価委員会の最終まとめにおいて、「例えば子育て相談や親子の集う場を週三日以上開設するなど、保護者が利用したいと思ったときに利用可能な体制の確保が必要である。」とされたところであり、指針において週三日程度を目安に保護者の要請に適切にこたえられる体制を確保して実施していただくことを定めた上で、それを参酌して都道府県が認定基準において定めることになるものと考えております。
 また、子育て支援事業にかかわる職員の専門性の御指摘でございましたが、認定こども園の子育て支援事業については、より専門性を重視した取組の強化を図っていくことが重要と考えております。
 具体的には、子育て支援に必要な資質を高めるための研修モデル例の作成など、職員の専門性を高めるための研修の充実、臨床心理士など高度な専門性を有する者や専門機関との連携など、専門性向上に着目した取組について国が定める指針、通知などにより促してまいりたいと考えております。


○政府参考人(白石順一君) ただいま副大臣の方から御答弁申し上げたとおりでございますが、あえて付け加えますならば、今まで幼稚園、保育所のいずれにおきましても、施設の改築と併せて行います子育て支援のためのスペースの確保という点に関しましては施設整備費助成の対象としておりますし、そういう施設整備のこれらの助成の仕組みを活用を今後ともしてまいりたいと思います。
 また、専門性の強化ということに関しますれば、保育関係団体が一般の保育所につきましては、例えば児童虐待の防止とか家庭援助とか、少し細かい内容にわたりますような子育て支援の研修もやってはおりますけれども、今後さらに、今御指摘がありましたように、子育て支援事業が法定化されたということでもございますので、専門性向上のための研修であるとか、あるいは地域のいろいろな専門機関、児童虐待ネットワークであるとか、そういうところとの連携など、認定こども園の子育て支援というものがより専門性に着目した取組をやってまいれますように、指針あるいは通知の形でも私どもはそれを担保してまいりたいと考えております。


○山下栄一君 子育てにかかわるアドバイス、深刻な相談、なかなか相談しにくいという、それを何とか支えていこうということから子育て支援事業というふうにあると思うんですけど、児童相談所もそんなに地域にはないと、保健所はあるわけですけど、それに代わる民間のいろんな子育てサークルとか、そういう取組も今NPOその他で広がりつつあるわけですが、私は、これ、認定こども園というのが法定化されると、子育て支援事業の、特に相談の拠点とか、また親同士の井戸端会議の場所の確保とかいうようないろんなことも含めて、非常にこの認定こども園の使命というのは、また期待というのは、もちろん保育所、幼稚園一般にもあるわけですけど、認定という新しい制度に対する期待が私は高まっていくのではないかと思いますので、今、審議官また副大臣から御答弁ございましたように、この子育て支援事業、今までの既存の予算措置、財政措置、また様々な予算にかかわる基準、こういうのを一歩踏み出た取組を是非やっていただきたいな、そういう御答弁もあったんですけど、国の指針、そして両省の省令の基準でその辺のことを強化する形での取組を是非お願いしたいというふうに思います。
 最後にですけれども、今の質問にもかかわるんですが、スクールカウンセラーの事業であります。
 これはもう文科省が取り組んでこられて非常に、若干批判もあるようですけれども、非常に評価されていると。これは私、平成五年に学校におけるカウンセリング機能というのは極めて大事だということを、今から十何年前ですけど、国会で質問させていただいたことを覚えているわけですけれども、平成七年ぐらいから文科省はモデル事業としてスクールカウンセラー事業というのをやっていただくようになりました。今はもう全中学校で広がっておるわけですけれども、時代の要請から、特に、教員免許を持たないけれども、そういう専門性を持った方が、臨床心理士さんですが、学校にいらっしゃることが教師にとっても、保護者にとっても、お子さんにとっても大きな支えになっているということは間違いないというふうに思います。
 これを、このスクールカウンセラーというのは、今は中学校中心で、一部小学校も広がっているわけですけど、就学前教育版といいますか、これがそろそろやっぱり検討段階に入っているのではないかというふうに思います。
 大阪では、大阪府では、私立幼稚園連盟が大阪府と連携を取って、私立幼稚園ですけれども、一割以上の幼稚園で、園にですよ、教育委員会とか市一本じゃありません、それぞれの各幼稚園に臨床心理士の資格を持った人を配置するという、これは回数そんなにたくさん取れませんけれども、月一回六時間は最低ということで、それが非常に地域で喜ばれておるということがございます。これ、大阪府独自の取組なんですけれども。
 その背景には、国の厚労省、文科省の子育て支援事業があるとは思うんですけれども、一遍に行かないかも分かりませんけれども、私は時代のニーズとしてはそういう、特に認定こども園にはそういう専門性を持った人を配置するということも含めた取組がもう国民の要請になっているのではないかと思っておりまして、この取組につきましてしっかりと御検討をいただきたいというふうに思いますので、御答弁をお願いしたいと思います。


○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生からお話ございましたように、親や教員に対する幼児教育に関するカウンセリングのニーズというものは高まっているわけでございます。
 文部科学省では、平成十七年度から幼児教育センター事業を実施をいたしておりまして、この事業において保育カウンセラー等の専門家から成る幼児教育サポートチームを教育委員会等に設置をして、地域の関係機関と連携を図りながら域内の幼稚園等の教員や保護者に対して必要なアドバイスやカウンセリング等を実施をする、こういう事業を実施をいたしております。
 今後、こういった事業の成果を踏まえつつ、広く保育カウンセラーの普及が図られるように努めてまいりたいと考えております。


○山下栄一君 保育カウンセラーということでやっておられるんですけれども、これはまだまだ私は不十分だと思いますので。
 認定こども園における冒頭申し上げました子育て支援事業の法定化を契機に、様々な民主党さんからも疑問の声がどんどん上がっておるわけですが、認定こども園を契機に、認定こども園に行くと安心していろんな幅広い相談を受けれると、元気が出てくるというふうな、そういう特に相談機能、訪問相談もあるかも分かりませんけれども、ここら辺をしっかりやれば私は認定こども園が前向きに評価されていくのではないかというふうに思っておりまして、是非、人の専門性の配置、また専門機関との連携をきちっとやるということも含めてお取り組みをお願い申し上げたいと思います。
 残された時間、専門家の山本委員にバトンタッチしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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