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国会質問

169国会 議院運営委員会会議録 2008年03月11日


○山下栄一君 今日は御苦労さまでございます。
 私も一問一答形式でお願いしたいと思います。
 まず、武藤さんは、旧大蔵省、財務省、それから日本銀行、両方御経験なわけですけれども、先ほど日銀の独立性の確保ということ、また日銀法の理念を大事にというお話がございましたんですけれども、この日銀の金融政策の独立性、自主性、これは非常に重たいなということを感じられた御経験、言い換えれば、あのときはいろいろあったけれども日銀の独立性を貫いたなというふうな御体験といいますか、ございましたらお願いしたいと思います。


○参考人(武藤敏郎君 日本銀行総裁候補者・日本銀行副総裁) 日本銀行の独立性、自主性というのは、これは大変重いものがございます。一言で言えば、金融政策の判断をするときには何者にも介入されずに自らの意思で決定していくということであります。
 外からいろんな圧力なり介入があるのではないかと。余り具体的に申し上げる、私の五年間の経験では、具体的にこれが介入だったとか、これが圧力だったとかというようなものは、正直なところ私自身は感じたことがございません。
 しかし、外部からいろんな意見が、これは独り財政とかそういうことと関係なくいろんな意見があるのは事実でございます。そういうものに対してきちっと説明をし、もちろん謙虚に耳を傾けた上で、しかし判断は自分で行うと、これが私どもの立場でございます。これは、審議委員九人全員そういう気持ちで政策委員会で決定を行っているということでございます。


○山下栄一君 その次は、政策委員会と総裁との関係なんですけど、金融政策の決定機関が政策委員会、執行機関として、日銀を代表する、また業務を総理する総裁がいらっしゃるという執行機関というふうな位置付けをしましたときに、平成九年の新日銀法におきましては、金融政策の決定機関である委員会の長は委員の互選で決めると、こう書いてございます。また、別のところでは、政策委員会は総裁も含めて役員の職務執行を監督すると、こういう規定もあるわけですけど。
 ところが、政策委員会の長は大体総裁という何となく慣例になっているというふうに思うんですけど、そう考えたときに、この日銀法の精神、理念を大事にということを先ほどおっしゃったんですけど、ちょっとこれ、この慣例は見直すべきというか、たまたまそうなってしまうのかも分かりませんけど、見直すべきというふうなことも考えるんですけど、いかがでしょうか。


○参考人(武藤敏郎君) 政策委員会の議長は互選ということでございます。これは政策委員会の民主的な決定というものを尊重するというのが法の趣旨かと思います。
 確かに今、総裁が議長に選ばれているということではありますけれども、あくまでもそういう慣例があるわけではございません。慣例というのはちょっと言い過ぎではないかなというふうに思います。ただ、実際選ばれているのは総裁が選ばれている。
 その委員会が、総裁を含めた役員を監督するというのはどういうことかというお尋ねかと思います。これは、委員会制度を取る体系が持っています一つの割り切りだと私は理解しております。委員会というものがガバナンスを行うということでありますから、委員会という独立した組織というふうに考えられるわけでございまして、その中にたまたま総裁、副総裁がメンバーとしているということと法体系としては両立し得ると。それが望ましいかどうかとかって、そういうことの立法論になると私もいろいろあるかと思いますけれども、そういうことかと思っております。


○山下栄一君 次は、日銀総裁が空位になった場合、選ばれないような状況になった場合の国内及び国際的な市場への影響、どのようにお考えかお聞きしたいと思います。


○参考人(武藤敏郎君) なかなかそういうことを想定して考えるということをしていないものですから、どのようにお答えしたらいいのか。
 通常はそういうことは前提となっていないと、考えられないということを申し上げるのが今の私の立場からは精いっぱいかなということで御理解を賜りたいと思います。


○山下栄一君 答えにくい質問をしまして済みませんけど、こんな影響あるということを答えていただけたらなと思ったので質問しました。
 最後に、BIS等の国際会議、総裁会議等における日本独自の役割、これ、あるとすればどういうふうにお考えになっておられるか。日銀、日本独自の使命、役割、特に世界同時不況が懸念される状況もございますので、そういう世界市場に対して日本中央銀行がどのような役割を果たせるかということにつきましてお考えをお聞きしたいと思います。


○参考人(武藤敏郎君) BISの総裁会議と申しますのは、各国の総裁が自国の金融情勢、経済情勢について報告し合うのが第一。それから、グローバル化した金融市場についての意見を交換するのがもう一つの役割だと思います。
 その中で日本がどのような役割を演ずるかということでありますれば、特に日本ということで申し上げれば、この過去十数年にわたって日本が経験いたしましたバブル崩壊後の金融市場の混乱及びそれを解決していった状況というものに対する我々のノウハウ、これを一つは折に触れて提供するというのが一つあろうかと思います。現に、サブプライムローン問題というのは一種のバブルの崩壊でございますので、全く日本のバブル崩壊と同列に論ずることはできないと思いますけれども、そういう貢献ができるかなと思います。
 それから、BISに正式メンバーとして参加できるアジアの中央銀行総裁は日本だけでございます。したがいまして、そういう意味で、アジアの状況というものも世界経済の中に、世界の金融市場の中にインプットしていくと、それが重要な役割ではないかなというふうに思っております。


○山下栄一君 ありがとうございました。


○山下栄一君 伊藤先生に一問だけ質問をさせていただきます。
 先ほどの所信の中で、日銀の現状について様々な改善の取組が行われてきた、しかしまだ完成はしていないと、こうおっしゃっておりましたけれども、今後、改革、改善すべき点をお考えの一端をお話し願えればと思います。よろしくお願いします。


○参考人(伊藤隆敏君 日本銀行副総裁候補者・東京大学大学院経済学研究科教授) 透明性の確保についていまだ完成していないと私は所信の中で述べました。その意味は、やはりマーケット、それから海外の投資家等との間で、日銀が何を目指しているのかということについて必ずしもすべて明快になっているというふうには、私、外から見ている研究者として感じておりません。まだ改善の余地があるのではないかということを考えております。
 したがいまして、端的に言って、インフレ目標を押し付ける気は全くありませんで、インフレ目標も一つの選択肢であると思いますが、それ以外で改善の方法があるんであろう。例えば、アメリカは最近透明性を向上するためにということで幾つかの施策を導入したわけですが、いろいろな方法で、中央銀行が何を考えているのか、何をやろうとしているのか、どういう判断を持っているのかということについて、改善していく余地というのは私はまだあるというふうに思っております。

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