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国会質問

124国会 決算委員会会議録 1992年09月18日


○山下栄一君 まず初めに、佐川問題につきまして二点、お伺いしたいと思います。
 東京佐川から金丸氏への五億円献金問題についてでございますが、金丸さんは記者会見で、五億円は同志への陣中見舞いとして受け取ったんだ、このようにおっしゃっておられるわけでございますが、このことにつきまして、この関連で奥田運輸大臣にお聞きしたいと思います。
 大臣は、当時自民党の国対委員長をされていたというふうに認識しておるわけでございますが、また、金丸さんと同じ派閥であったわけでございます。一部マスコミの報道によりますと、平成二年の総選挙前にこの五億円が、派閥からの資金とは別に、金丸氏からの分として派閥の代議士約六十数人に分配された、このような報道がされておるわけでございます。大臣は派閥の幹部として、この献金分配がたくさんの方にされたということにつきまして、事実であったかどうか、どう認識しておられるか、お聞きしたいと思います。


○国務大臣(奥田敬和君) 今御指摘ございましたように、当時は国会対策委員長であったかと思っております。
 党の役員とか閣僚在任中は派閥には、会合にも顔を出さないというのが大体の慣例になっておるわけであります。したがって、率直にお答えさせていただきますけれども、派閥は御存じのとおり、党が手の届かないところを相互扶助の形態でみんな助け合いしていくという形で運営されます。私も幹部の端くれですから、もちろん物心両面にわたってやっぱり派閥に何らかの貢献をしなきゃいかぬという立場でもございます。したがって、今御指摘のような五億円分配にあずかったかどうかということでございますけれども、そのような形であずかったことはございません。と同時に、御質問の点は……


○山下栄一君 個人として受け取られたかどうかという前に、派閥の幹部といたしまして大臣が、当時は国対委員長をされたわけでございますが、金丸さんから六十数名の方に、代議士に渡されているという、派閥の大がかりと申しますか、分配金の配付につきまして、そういうことがなされておるというところは知っておられて当然ではないかなと思うわけでございますが、それにつきまして認識されておったかどうか、御存じであったかどうかということをお聞きしたいと思います。


○国務大臣(奥田敬和君) 配付された経緯については、私は当時、先ほども御指摘のように国対委員長であったという関係で、派閥運営には直接タッチしておりません。
 と同時に、ほかの派閥は知りませんよ、言及するわけにまいりませんけれども、大体閣僚経験者はこういった選挙とか、そういったときの活動資金という形をできるだけ遠慮するのが、ほかの派閥でもそうじゃないかと思うんですけれども、そういう形が経世会の一つの慣例でございます。したがって、そのような形で選挙時に資金を受け取ったということは私はございません。


○山下栄一君 大臣自身は当時受け取っておらないということでございますけれども、ただ選挙の直前でもございますし、自民党の当時幹部としてはそういう派閥の具体的な会合とかに出ておらないということでございますが、同僚の議員の方々に配付されているというふうなことはいろんな形で知っておられて当然ではないかなと思うんですけれども、そういう形跡すらなかったということでございますか。


○国務大臣(奥田敬和君) それはやっぱり我が同志のそれぞれの選挙区事情というのは複雑でございますし、所要の人的な面の支援はもとより、資金面においても支援されることは十分あり得ますし、また事実そのような形でいわゆる派閥は党の手の届かないところで物心両面にわたって、何としても同志のそういった選挙活動も含めまして応援する形は当然行われております。


○山下栄一君 わかりました。
 昨日の当委員会における質疑の中で、きょうもお忙しいところ御出席だと思いますが、自治省の吉田選挙部長の方から、平成元年、二年、三年の三カ年にわたって金丸氏の指定政治団体から竹下派所属議員並びに同議員の政治団体への分配の記載はなかった、このような報告があったわけでございますが、もう一度確認でございますけれども、大臣は派閥の同志の一人として分配を受け取ったという事実はあったかどうか、もう一度。


○国務大臣(奥田敬和君) お金を受け取ったということはございません。むしろお手伝いしなきゃいかぬ立場であるということを前段に申し上げました。


○山下栄一君 次に、自治省の方にお伺いしたいと思います。
 政治資金規正法の中に量的制限違反に対する罰則があるわけでございますが、今回それが一つの大きな問題になっておるわけでございます。量的制限違反に対する罰則は二十万円以下である、そういう罰則しかないという規定になっておるわけでございますが、十万円とか百万円じゃなくて、今回のように例えば五億円という大変な金額でも同じ罰則であるという、非常に納得できないといいますか、非常に刑が軽過ぎる、そういう内容であると思うわけでございますけれども、この刑の重さにつきまして自治省の御見解をお伺いしたいと思います。


○説明員(吉田弘正君) 寄附の量的制限についての御質問でございますが、寄附の量的制限の規定は、政治資金の集め方を節度あるものにするために昭和五十年に創設されたものでございます。
 制度創設の際に、寄附の量的制限は寄附の質的な制限とは異なりまして、制限額の枠内において寄附をするときは何らの違法性もないものでございまして、制限額を超えて寄附をしたからといって直ちに禁錮刑をも科することはどうかということもありまして、二十万円以下の罰金刑のみを科すということになったものと承知をしているわけでございます。


○山下栄一君 今回のような大変大がかりな、億を超える金額の場合は、罰金が二十万円以下であれば少々違反してももらい得になってしまう、そのようなことになるわけでございますが、それについてどうお考えでしょうか。


○説明員(吉田弘正君) 制定当時の考え方は今申し上げたようなことでございますが、この政治資金制度の改革の問題につきましては、先生の御案内のように、政治改革協議会において各党間で熱心に御協議をいただいてきているところでございまして、既に実務者会議におきまして、規制の実効性を期するというために違法な寄附の没収について合意がなされたということを承知しているわけでございます。
 さらに、御質問の罰則の強化については、いろいろ御意見もあろうかと存じますが、各党間で十分御協議をいただければと存じます。


○山下栄一君 次の質問に移らせていただきます。
 平成二年度の決算内容につきまして御質問いたします。
 会計検査院の平成二年度の決算検査報告書の中に、航空機騒音対策事業資金の問題がもう既に処置済み事項として報告されておるわけでございますが、この大阪空港の騒音対策事業につきまして、私の地元でもございますので、会計検査院の方から概要の御説明をお願いしたいと思います。


○説明員(佐藤恒正君) お答え申し上げます。
 運輸省では、空港周辺整備機構に対しまして、同機構が空港周辺整備計画に基づき行っております共同住宅建設事業に対し、その事業に要する経費に充てる資金を無利子で貸し付けておりますが、貸付金を財源の一部といたしまして大阪空港周辺に建設した共同住宅が既に譲渡されておりますのに、これに係る貸付金が貸し付けられたままとなっておりまして、貸付金の管理が適切でないと認められましたので、運輸省御当局の御見解をお伺いいたしましたところ、運輸省におかれましては、空港周辺整備機構に対し通達を発しまして、共同住宅建設事業により建設した住宅を移転補償事業の対象となる民間会社等に譲渡した場合におきましては貸付金の繰り上げ償還を行わせることとする措置を講じられましたので、処置済み事項として検査報告に掲記したものでございます。


○山下栄一君 空港周辺の騒音対策の機関としまして空港周辺整備機構ですか、そういう組織があるわけでございますが、特に事業の中で、再開発整備事業とか、また代替地の造成事業とかと並んでこのような賃貸共同住宅の建設事業というのがあるわけでございますが、特に住宅建設事業につきましてはほかの事業と違って国の貸付金の割合が高いわけです。国の貸し付けの割合がたしか四〇%になっていると思うわけでございますが、なぜほかの事業と比べて共同建設事業の貸付金の割合が高くなっておるのかという御説明をお願いしたいと思います。


○説明員(平野直樹君) お答えいたします。
 賃貸用共同住宅のための資金といたしまして、確かに国から無利子貸し付けということで四〇%の貸し付けをしておるのでございます。これは、いわゆる空港周辺の騒音の激しい指定区域から移転をする人たちの中で、借家人等の移転先を確保するためにこういう住宅を建設するわけでございますので、入居者の家賃を軽減するという意味合いもありましてこのような措置をとっておるわけでございます。


○山下栄一君 特に、検査の対象となりました豊中市の利倉西第四住宅ですが、この住宅については、賃貸の共同住宅から、昨年でしたか、譲渡に変更になったわけでございますが、そういう目的変更、当初の目的は賃貸のための共同住宅であった。それが民間に売却されたわけでございますけれども、その時点で運輸省は承諾を与えておられたかどうか、お聞きしたいと思います。


○説明員(平野直樹君) お尋ねの利倉西第四住宅でございますが、これにつきましては当初賃貸目的ということで建設したわけでございまして、五十九年の春にこれが完成いたしました。その後入居者がございませんで、一方、この第四住宅につきまして譲渡してほしいという要望がございましたので、地元であります豊中市と調整をしてまいったわけでございます。その結果、平成二年五月に同意が得られましたので、運輸省といたしましても譲渡することに方針を転換したところでございます。


○山下栄一君 目的が変わったために一括してたくさんのお金が入ってきたわけでございますけれども、それについて繰り上げ償還をしないままになっておったわけでございますが、これは新しい事態になっておるわけでございますので、貸付金残高の繰り上げ償還については当然やっぱりその場ですべきである、このように考えるわけでございますが、これについて運輸省は機構に対してその時点で繰り上げ償還についての指示をされなかったのかどうか。


○説明員(平野直樹君) この共同住宅を売却した際に売却益が生じたのでございますけれども、この売却益をどういうふうに処理するかという点につきましては、私どもは私どもなりの考え方で内部の調整をしておったところでございますけれども、会計検査院から先ほど御指摘のような御意見がございましたので、最終的には御指摘どおり繰り上げ償還を行わせた、こういう経緯でございます。


○山下栄一君 次に進めさせていただきますけれども、完成したのが昭和五十九年三月でございますが、当然入居募集が行われるべきであると思うわけでございます。入居募集の実績についてちょっとお伺いしたいんですが、具体的な募集のやり方ですね、第四住宅についての募集の方法、それはどういう形でやられたのか、お伺いしたいと思います。


○説明員(平野直樹君) お尋ねの利倉西第四住宅完成は、申し上げましたように昭和五十九年三月でございます。この時点におきましては、この住宅のほかに六棟、三百十戸の共同住宅がございました。このうち、入居者が二百五十八戸、あいておる戸数が五十二戸でございました。
 空港周辺整備機構といたしましては、移転補償の対象となる借家人等に対しまして、移転補償をする際には共同住宅入居希望の有無を確認してございまして、この利倉西第四住宅についても当然その存在については話をしておりますけれども、管理運営の合理化というような観点から、従来から入居しております他の共同住宅の入居を進めてまいったところでございます。特にこの利倉西には、すぐ隣接いたしまして第一住宅から第三住宅までの共同住宅が百七十九戸分ございました。そのうち四十五戸があいておるという状態でございましたので入居の御希望には十分こたえられるという状況であったわけでございます。
 このために、新設された第四住宅については特段のパンフレット等は作成しておりませんけれども、昭和六十一年六月のアンケート調査という中ではこの点について明記をいたしまして、住民の皆様にはこの存在を周知をしているところでございます。


○山下栄一君 ということは、入居募集はそれまでの、この第四住宅ができる前に六つあったわけですね、六棟あった。その六棟についてはきちっと、こういうパンフレットを私地元でいただいてきたんですが、こういうパンフレットをつくっているわけでございますけれども、第四住宅に限ってはこういう正規の募集案内をつくられておらないということですね。確認いたします。


○説明員(平野直樹君) ただいま申し上げましたように、その段階ですぐ隣に空き家があったというようなこともございましたので、特別のパンフレットはつくっておりませんけれども、移転補償の際には希望の有無というのを確認しておりますので、その際にはこの住宅の存在についてはお話をしておるということでございます。


○山下栄一君 せっかく新しい第四住宅ができたわけですから、もちろん空き家もあったでしょうけれども、やはり対象となる借家人の方々に知らせるべきであろう。当然のことだと思うんですね。
 特に、第三住宅の場合は、つくられてからどんどんふえて、前の古いところから新しいところにかわられた方もいらっしゃるわけでございますので、そういう意味で第四住宅についても全然知らせないという、全然といいますか、正規の形では知らせないで不平等に扱うといいますか、それまでの住宅と違う扱いをするということ自身が非常におかしい、このように考えるわけでございます。つくった以上はきちっとやはり住民に知らせて、同じような形で募集すべきである、それは当然のことである、義務である、このように思うわけでございます。
 まして、つくってからずっと七年間も放置しておったというようなことは大変なことだと思いますし、そういう意味で、たとえ空き家があろうと同じような条件で、第四住宅もできましたよと知らせて、同じような募集をすべきであったと考えるわけでございますが、いかがでしょうか。


○説明員(平野直樹君) ただいま申し上げましたように、すぐ隣に空き家があったということで御希望には十分こたえられるという状況が一つでございますが、そのほか、昭和六十一年には、アンケート調査という形ではございますけれども、この存在を周知しておるということでございます。


○山下栄一君 納得できないお答えでございます。
 ちょっと観点を変えますけれども、今度第四住宅の着工段階で空き家が幾つかある、たくさんあるという場合は、当初は建設計画があったとしても、着工段階でまだまだ空き家があるからもう少し延ばそうとかそういうような判断があって当然であるのに工事を強行されてつくってしまうという、非常にこの建設計画に甘さがあるといいますか、いいかげんであるというふうな感じを受けるわけでございます。
 着工は五十八年でしたでしょうか、その時点での建設計画の見通しといいますか、どういう状況だったのか、お伺いしたいと思います。


○説明員(平野直樹君) この利倉西第四住宅の建設に着手いたしましたのは五十八年の七月でございますけれども、この当時空き家が十分あったということは事実でございますが、片やこの当時、都市計画手法によりまして緑地整備事業という事業を提案されておりまして、都市計画決定を行う準備段階におきまして関係住民の同意を得るためには緑地整備区域内の移転者のための共同住宅を十分整備しておく必要があるというふうに判断をいたしまして、計画どおり建設したものでございます。


○山下栄一君 ある程度見通しがあってつくられたと思うわけでございますが、完成すると今度は正規の募集もしないで放置する、こういうことに結果的になっているわけでございます。当初この建設については借家人の方々に入っていただくということで、先ほど冒頭申しましたように、大変な高率の国庫負担で国からの援助をいただいてつくった。つくったら募集しない、そして七年間放置して、おまけに民間に売却する、そういう結果になってしまっているわけでございまして、これは当初の目的がそういう借家人の住居を補償するための建物であるにもかかわらず、最終的にそういう形で民間に売却するという結果になってしまった。それもやっと昨年売却した、七年間は募集しないままにほっておいた、非常なこれは責任が問われるのではないかなと、こういうふうに考えるわけでございますが、運輸大臣、この点につきましてどうでございましょうか。


○説明員(平野直樹君) 先生御指摘のとおり、結果におきまして六年程度入居者がいない状況で放置されたということにつきましては大変遺憾なことだというふうに思っておりますけれども、ただいままで申し上げましたように、計画の当初は相当入居者があるという見込みでつくったものでございますし、またできた後は、近接するところにまた空き部屋があるという状況の中で、結果的にそういう状況が続いたものでございます。この点どうか御理解をいただきたいと思います。


○山下栄一君 全然御理解いただけないわけでございます。
 今、七年間入居実績がなかったとおっしゃったわけですけれども、きちっと募集しないから入居されないのは当然だと思うんですね。だから、希望者が出てくるとあいているところに入れていく、新しいところに入れない、これが全然納得できないんです。少々空き家があろうと、新しくできたところについては、新しいということで家賃は少し高いかもわかりませんけれども、希望者はちゃんとおると思うんですよ。であるのに正規の募集をしない、そのままにずっと毎年毎年ほっておくということは、これは非常に住民を裏切ることになると思うんですけれども、どうでしょうか。


○説明員(平野直樹君) 新しい住居ができまして、そこに例えば一世帯、二世帯入るというような状況を考えますと、必ずしも管理上効率的とは言えないという面もございますし、すぐ隣にあいておる住居があるというようなことでございますので、その点を御案内すると希望者はそちらの方にお入りになる、こういうようなことでございますので、結果においてこの第四住宅が空き家のまましばらく続いたと、こういうことでございます。


○山下栄一君 質問の観点を変えさせていただきます。
 先ほども、民間に譲渡されたということでございますけれども、建設総費用はどれぐらいで、譲渡されたのはどういう金額で譲渡されたか、差益はどれぐらいあるかということをお伺いしたいと思います。


○説明員(平野直樹君) この住宅は平成三年一月に株式会社日東紡というところに譲渡いたしたところでございますが、その譲渡価格は約十六億四百万円でございます。また、この住宅の建設費用は約四億九千万円でございます。したがいまして、この譲渡価格と建設費用の額の差は約十一億一千万円ということに相なります。ただし、この建設期間中あるいは資産処分までの間の費用あるいは支払い利息等が約三億円ございます。
 さらに、先ほど申し上げました無利子の資金の貸し付けを繰り上げ償還いたしたわけでございますので、これが政府の分と地方の分と合わせて約二億円ございますけれども、これらを差し引きますとその差額は約六億三千万円ということになります。


○山下栄一君 国のお金で建てた建物、国のお金ということは国民の税金で建てた建物なわけでございますが、それを民間に売却して、今のお話によりますと空港整備機構の方が六億三千万円いわばもうけているわけでございますので、それについてはやはり機構としまして国に返すべきである。少なくとも六億三千万円の国庫負担分四割につきましては、二億五千万円ぐらいですかね、国に返すべきである、このように思いますけれども、どうでしょうか。


○説明員(平野直樹君) ただいま申し上げましたように、売却益は六億三千万円余でございますが、片やこの共同住宅建設事業につきましては昭和四十九年度以降累積の赤字がございまして、これが約三億七千万円ほどございました。これを整理いたしますと、実質的な利益というものは約二億六千万円ということになっております。これにつきましては、今後の共同住宅全体の管理運営に要する費用に充てさせていただきたい、このように考えておるところでございます。


○山下栄一君 機構にもそれぞれ事情があると思います。ただそれは、先ほど申しましたように、目的外に使って、譲渡することによって利益を六億三千万円得ている。そのことについてはやはりそれとしてきちっと国庫に返すべきである。それを機構の事情で、別の債務があるからそこに流用する――流用になるんじゃないかなと、このように思うわけでございますが、どうですか。


○説明員(平野直樹君) 確かに、この住宅の当初の目的と異なった形で処分をされたところでございますけれども、ただいま申し上げましたように、この実質利益というものは約二億円程度でございますし、今後とも共同住宅の管理運営ということが必要でございますので、そういう費用に充てさせていただきたいと考えておるところでございます。


○山下栄一君 最後に、運輸大臣の方にお伺いいたしたいと思います。
 冒頭申しましたように、この建物は借家人のために、空港周辺に住んでおられる騒音で悩んでおられる方々のためにつくられた住宅であるわけでございます。そういう弱い立場の方のためにつくられた住宅であるわけでございます。そのためにまた大変な高率の国の貸付率で、それも無利子で貸したわけでございます。それをまた目的外に、借家人のためだけじゃなくて民間に譲渡してしまった、七年間放置の末に譲渡したという非常に大きな問題であると思うわけでございます。特に、空港周辺整備機構は運輸大臣の監督のもとの組織でございますので、運輸省としても、また運輸大臣としても非常に厳しく責任が問われることではないかなと、このように考えるわけでございますので、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。


○国務大臣(奥田敬和君) お答えにならぬかもしれませんけれども、この利倉西第四住宅の問題については会計検査院から厳しい御指摘を受けて、結果的には適切に処理したと聞いております。
 しかし、今御質問の経緯を伺っておりますと、利益を目的としない機構が何かほかの不動産屋と一緒で、バブルに乗ってもうけちゃったと、そしてそのもうけは今までの損失補てんに回しますということのようでございますけれども、本来あるべき姿は、やはり騒音地区に住居を求められる方々のためにできるだけ安く利用していただくということがこの機構の住宅建設の目的であったと思います。
 したがいまして、民間に丸ごとそっくり譲渡したということについての厳しい御指弾だと思います。しかし、これは正確でないかもしれませんけれども、この日東紡の社宅ですね、これもやっぱり騒音地区からの移転を対象としたものであるということは間違いありません。結果としては影響を受ける空港周辺住民のためになった。それが結果、社宅に丸ごと譲渡したということについての御指弾は御指弾として、結局移らなきゃいかぬ形の対象であったことは間違いないと私は聞いております。でも、もうけが本意の機構ではございません。そういった点において会計検査院からの厳しい御指摘を受けたことに、そのとおりで、恐れ入りましたという形で処理をしたということでございます。


○山下栄一君 この機構の共同建設事業の計画自身が非常にいいかげんというか、ずさんであるというか、これはどうしても責任を問われるべきであると私は思います。そういう意味で、今後、機構に対する監督強化といいますか、これをぜひともお願いしたいと思うのでございますが、いかがでしょうか。


○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘のとおり、空港を核とした新しい地域づくりというのがこの空港周辺整備機構に求められている事業でございますので、これに対する地域の皆さんの期待はますます高まってくるであろう、それにこたえるためにも、そういった今御指摘の点のような誤解がないように適切な運営にこれから努める、反省の上に立って努めるように厳正に指導してまいります。


○山下栄一君 大事な事業でございますので、ぜひともよろしくお願い申し上げます。
 次の質問に移らさせていただきますが、経済企画庁にお尋ねいたします。
 日本銀行が今月十一日に短観を発表されたわけでございますが、今回の発表でもわかりますように、在庫調整が思うように進んでおらない、全体としての景気回復は年内以降にずれ込むのではないか、このような内容になっておるわけでございますが、経済企画庁の方としまして、今回の日銀の短観調査結果についてどのように評価されておるか、お伺いしたいと思います。


○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、先般の日銀短観では、総合経済対策が策定される前の聞き取りということもありまして、業況感は非常に厳しい、全体的に厳しい調整局面にあるということを反映した姿になっておると思っております。
 ただ、一部には先行き、今年度の下期にかけて収益が回復していくとか、幾つかの明るい材料も散見されるわけでありますが、総じて言えば大体予想どおりの厳しい姿が反映されておるというふうに考えております。


○山下栄一君 今回の調査結果の発表の中には、八月末の政府の総合経済対策の効果、それはまだ入っておらない段階の結果だと思うわけでございますけれども、景気の底、これが今回の総合景気対策の効果を考えましてこれから底をついて上がってくる、このようなことを経済企画庁はお考えでしょうか、どうでしょうか。


○国務大臣(野田毅君) 率直に申し上げて、景気の山と谷をどういう形で判定するかというのは、もう少しいろんな角度から、大分後から振り返ってみて、いろんな統計をもとにして厳密な分析をした上でいつが山でありいつが底であるか、これを決めるわけであります。そういう点で、ただ経済の指標的な姿だけではなくて、いわば経営者のマインドといいますか、通常そういう明るさがいつから出てくるんだとかいうような側面でも景気の山、底という話がよく使われます。そういう点で言えば、私どもいつが谷でいつが山であったかということを今ここで確定的なことを申し上げるのはまだ時期尚早だとは思います。
 ただ、今回の総合経済対策を決定し、それの効果があらわれてきておるわけでありますから、そういった点などを考慮し、さらにこれからの先行きなどを考えますと、もちろん経済の担い手は基本的には民間部門が主役でありますから、そういった方々がどういう動きをされるかということをも含めますとかなりの幅はあると思います。ただ、ざっくばらんに言えば、半年ぐらい先から振り返ってみると、ほぼ今は谷を越えてきておるという状況にあるんではないかなという感じはいたします。
 在庫調整だけで景気の動向を言うわけにはいきません。しかし、在庫調整も極めて緩やかではありますが、徐々に徐々に進展してきておるわけです。もちろん業種によってかなりばらつきがあります。しかし、それらもいつ完了するかということは別として、やはりいつ先が見えるかということが一方では大事なポイントであるわけで、そういった点からすると、年末ぐらいにはそういった展望が開けてくるということは言えるんではないか。
 そういういろいろのことを考えますと、今申し上げたとおり、後から振り返って指標的に見るとほぼ今ごろという感じじゃないでしょうかと、そう思っております。


○山下栄一君 谷を越えつつある、このような長官の評価でございました。ありがとうございました。
 公明党は、今回の景気対策の柱としまして以前から大幅な所得税の減税を強く要望してきたわけでございます。大阪におきましてもことしの五月に大変な大署名運動を行いまして、二百万を超える方々の御署名をいただいたわけでございますし、またその結果を衆参両院議長にもお届けしたわけでございます。ただ、残念なことに今回の政府の総合景気対策の中には所得税減税が入っておらないわけでございますが、経企庁としましては所得税減税の景気対策効果をどのようにお考えなのかお聞きしたいと思います。


○国務大臣(野田毅君) 幾つかの角度からこの問題を考える必要があろうかと思います。基本的に、所得税減税をすることによって可処分所得がその分だけふえて、したがってそれが消費に対してのプラス効果があるということは当然のことだと思います。しかし一方で、その可処分所得の増加の中でどの程度消費に回っていくんだろうかということも局面によって効果は異なるわけです。御案内のとおりですね。
 そういった点で眺めてみますと、このところの消費そのものの動向がかなり質的な変化をも伴っておるんではないか。単に残業手当が減ったから消費が落ち込んでおるということだけではなくて、もちろん耐久消費財などを中心に消費の世界でもストック調整的なものもあるでしょうし、あるいは消費の内容がどちらかというと、とりあえず買っておきますかというような形から、さしあたり必要ないものは買わないよという、かなり堅実な動きに変わってきておるということはいろんな分野で明らかになってきておるわけです。
 さらに、例えば最近、これはまだはっきりと学問的にどういうことなのかわからないのですけれども、生活態度そのものも多少変わりつつあるんではないかなという感じもしないではない。あるいは環境とか自然とか。最近は曲がったキュウリも実際よく売れるそうです。あるいは巣ごもり現象ということも言われております。そういうふうに消費者自身の消費動向というものが必ずしも可処分所得の動向だけではない、さまざまな要因があるということも頭に置くと、減税効果というものが景気に対してどの程度消費を拡大するプラス効果があるのかという問題が一つあります。
 一方で、減税を賄う財源をどうするか、ポイントはそこであります。非常に潤沢な財政的な余裕があれば、そういう状況であってもそれなりの効果があると思いますけれども、もう御案内のとおりの今日の我が国の財政事情にある。そうすると、別途財源措置を何に求めるかということが明確でなければ、やり方いかんによって、例えば赤字国債などを財源としてそういうような話になるということになりますと、そちらのデメリットの方が極めて大きいということを率直に申し上げなければならぬと思います。
 中には、減税をすれば消費がふえて景気がよくなって税収もふえるから、ちゃんと減税分は賄えるよという論議がなされます。しかし、これは過去外国においても同じ論法でやって、今日なお財政赤字が拡大して本当に大変な状況にあるわけですし、我が国においてもそういった実際に経験を積んできておるわけで、そういう意味で、減税が景気を拡大し税収をふやす、そのことによって減収をカバーするということは現実にない。したがって、財源措置というものが明確な形で出ない限り、短期的にもその効果がどの程度の大きさを持つかということは疑問である上に、中長期的に見て基本的にそういう発想というものは誤るもとであると私は思っております。
 以上です。


○山下栄一君 平成元年からずっと所得税の減税につきましては行われてきていないわけですね。そういう意味で、特にサラリーマンの方については税負担が、負担感といいますか非常に高くなってきておる。それがまた個人消費支出に影響して財布のひもがかたくなっているというふうに思うわけでございます。
 そういう意味で、やはり国民、生活者の暮らしを守っていく観点から、いずれといいますか、近々やはり所得税の減税は考えざるを得ないという状況になってくるんではないかな、特に景気対策が思うように進まない場合は最後の切り札として必要とせざるを得ないという状況になってくるんではないかな、このようにも考えているわけでございますが、その見通しをお伺いしたいと思います。


○国務大臣(野田毅君) 政治家として非常に言いにくいんで、所得減税是か非かという論議をすると、やっぱり国民の皆さんは減税してくれた方を喜ぶわけですから、この話だけがひとり歩きすると必ず間違った結果が返ってくると私は思います。
 今いろいろ申し上げましたように、基本的には財源措置をどう整えるかということとワンセットで論じられるべきであると思います。それが単に政府だけではなくて、率直に申し上げて、これから社会保障関係の給付の水準、あるいは社会保険料負担を含めた税外負担あるいは受益者負担、そして直間比率の問題あるいは所得税負担の重さなどを総合的に、与野党を超えてしんから、国民におもねるという形ではなくて、正面から本音で与野党が論議をして道を開いていくという中で初めておのずから結論の出る問題である、私はそう思っております。


○山下栄一君 時間も迫ってまいりましたので、次の質問に移らせていただきます。
 生活保護の問題につきまして厚生省の方にお聞きしたいと思います。
 生活保護の受給者が百万人を割った、また、国民全体の人口の中における保護率も〇・八%台から七%台に下がった、こういう結果が出ております。また、生活保護の申請件数自身も非常に減ってきている、このような報告があるわけでございます。この減少傾向は、昭和六十年の臨調行革路線による国庫負担率の変更、国庫負担分が減るような措置になったわけでございますが、それ以来この減少傾向は続いておる、このように認識しておるわけでございますが、窓口の市町村などにおきましても、適正運用が行き過ぎというような声がございます。
 こういう傾向につきまして、厚生省の方ではどのように分析されておるかということをお願いしたいと思います。


○説明員(土井豊君) お話がありましたように、生活保護の受給者の人数あるいは保護率等というのは近年減少して今日に至っております。現在のレベルは戦後一番低い水準に被保護人員、保護率とも相なっているという状況でございます。
 その背景といたしましては、御案内のとおり景気が近年非常に好況で推移してきている。そういったことで就労機会の増大等々が背景にあると考えておりますし、それからまた、昭和六十一年四月の年金制度の改正により障害基礎年金等の創設が行われましたけれども、このような他方の施策が充実しつつあるといったようなことが背景にあるのではないかというふうに考えております。
 なお、生活保護の実施につきましては、常に必要なところには必要な保護を行うということを基本に適正な実施をするということは大原則でございまして、私どもこれまでも適正化に努めてきたつもりでございますけれども、今後ともその点については十分留意してまいりたいと考えているところでございます。


○山下栄一君 適正運用の行き過ぎということが少し問題になってきている面があると思うんです。
 特に、先月報道されたわけでございますが、ことしの三月に札幌市におきまして、生活保護の受給者の預金額を調べるために市の職員が本人の同意書を偽造したという事件がございまして、大変なショックを与えたわけでございます。公務員としてあるまじき行為であるということで非常に厳しい市民の指摘もあったわけでございます。
 これは、行政側の適正運用ということで、非常に保護を抑えていくというこの辺の方針がそういう形になってあらわれてきたのではないか、こういう面もあると思うわけでございますが、この事件についての御感想をお願いしたいと思います。


○説明員(土井豊君) 札幌市における事件については、私どもとしては遺憾であるというふうに思っているところでございます。市に対しても厳重に注意をいたしました。それからまた、全国の生活保護の担当者会議、これは十六日に行われましたけれども、そこにおきましても十分注意を喚起しているところでございます。また、札幌市におきましては停職を含めて関係職員の処分を行ったという報告も受けております。
 私どもは、生活保護の適正化ということは、これは必要な行政の手法であると考えておりますけれども、それが行き過ぎて今回のような事件が起きることがないように今後十分留意をしてまいりたいと考えております。


○山下栄一君 もう時間がございません。最後に一点だけお聞きしたいと思いますけれども、被保護者の自動車の保有の問題でございます。
 従来からの保有は認めるけれども、新しく自動車を購入するとか買いかえるとか、こういうことは認めないという方針になっているわけでございますが、特に身体に障害のある方につきまして車というのは、地域にもよりますけれども、やはりみずからの足になっているという状況があるわけでございます。
 生活保護を受けておられる身障者の方は全国に約八万五千人いらっしゃる、このようにお聞きしておるわけでございますが、この身障者の方の社会復帰の道をさらに広げていくためにも、社会で活躍する道を広げていくためにも、この身障者の方につきましては車の新たな取得も含めまして認めるべきである、このように考えるわけでございますが、御所見をお願いしたいと思います。


○説明員(土井豊君) 生活保護を受けている障害のある方々につきましては、御案内のとおり障害者加算というような形で上乗せをいたしておりますし、それからまた通院等に本当に必要な場合につきましては、交通費の実費支給というような仕組みで必要な生活保護上の手当てはしているつもりでございます。
 お話がありました自動車の新規購入まで認めるかどうかという点でございますけれども、率直に言いまして、購入費用、燃料費あるいは駐車場の利用料、そういったものは付随的に必要な経費になるわけでございまして、現在の最低生活を維持していくという生活保護の仕組みとしてはなかなか難しいのではないだろうか。先ほど言いましたとおり、本当に必要なものについては交通費の実費支給等々で手当てをしている。そういうような形で運営していくのが生活保護の姿としては正しいのではないかというふうに考えているところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。


○山下栄一君 車の普及率も大変上がってきているわけでございます。そういう意味で、最低限度の生活の保障という最低限度というのは社会の水準、経済水準の変化によってやはり変わってくるべきものであると思うわけでございまして、いつまでも身障者についても車の保有を認めないということにつきましては、新規購入も含めましてですけれども、やはりこれは時代の状況からしてそぐわなくなってきているのではないか。みずからの足のかわりになるものであるという考え方から必需品である、このように考えるわけでございますが、最後に大臣、これについてのお考えをお願いしたいと思います。


○国務大臣(山下徳夫君) 局長からお答え申し上げましたとおり、制度自体は最低生活を保障するということでございますが、やはりその中でも思いやりというのが私は必要だと思います。したがいまして、カラーテレビとかあるいは冷蔵庫につきましても、まだない世帯も若干あるかもしれませんが、とにかくこれらのものは保有を認めるべきだということで、これはかなり前から認めておるわけでございます。
 ですから、最低生活の保障の中でも思いやりをどこまで見ていくかという問題で、私どもこれはなるたけひとつよく見ていかなきゃならぬなという気持ちは持っております。


○山下栄一君 車についてはどうでございますか。


○国務大臣(山下徳夫君) 車につきましては、さっきこれも局長から答弁しましたとおり、身体障害者については、これはもう生活上やむを得ない必需品であるという解釈に立っておりますが、一般の車についてはやはり最低生活にはそぐわないものであるというふうに私は思っております。


○委員長(大渕絹子君) 時間が来ていますから、端的にお願いします。


○説明員(土井豊君) ちょっと恐縮でございますが、補足させていただきます。
 身体障害者の車について、今大臣申し上げました気持ちでございますけれども、先ほど私が申し上げましたとおり、他の普及水準等から見て現実はなかなか難しいという状況でございます。


○山下栄一君 大臣の前向きの答弁ありがとうございました。
 以上で終わります。

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