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国会質問

125国会 決算委員会会議録 1993年01月21日


○山下栄一君 私の方からは、まず郵便事業の赤字財政の問題につきまして質問したいと思います。これは先ほど会田委員からも御質問あったわけでございますが、再度明確なお答えをいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 平成二年度におきましては百二十五億円の黒字であった。ところが、それが平成三年度におきまして百七十三億円の赤字になったわけでございます。そして、十一年ぶりの赤字転落ということでございまして、来年度予算におきましては一千億円程度の赤字を前提とした予算が組まれておるわけでございまして、もうこのまま続きますと郵便料金の値上げは必至であると、非常に心配になってくるわけでございます。
 こういう観点から質問させていただきますが、急激な赤字転落の原因、先ほどもお話があってわかりますけれども、ちょっと不明確でございますので明確にお答え願いたい、このように思います。


○説明員(上野寿隆君) お答えいたします。
 まず、郵便事業財政でございますが、平成三年度におきまして百七十三億円の赤字を計上し、平成四年度予算上四百三十億円の赤字が計上されておりますが、平成五年度におきましても予算案で一千二十億という赤字になった。
 この辺の赤字の要因、原因がどうかという点でございますけれども、まず一般的事情について申し上げます。郵便事業は御承知のように労働集約的な事業でございまして、人件費や非常勤職員の賃金などの経費が総費用の約九割を占めております。したがいまして、この費用の増加といいますのが事業財政に大きな影響を及ぼしております。
 もう少しこの赤字になりました直接的な原因について申し上げますと、十年間料金を据え置いてきたわけでございますが、最近におきまして収益面で景気の後退等の反映によりまして郵便業務収入の伸びが鈍化したという点がございます。
 それから、もう一方の費用の面でございますけれども、効率化施策、こういった点について推進しておりますけれども、最近の人手不足に伴います非常勤職員の賃金、それから郵便物の大型化に伴います諸経費の増加、こういった点がございまして費用の伸びが収入の伸びを上回ったということが、これが事業財政の急激に悪化した原因だというふうに分析をいたしております。


○山下栄一君 そのお答えは先ほどもあったわけでございますけれども、人件費が九割を占めておるということでございます。支出削減の観点からやはり機械化、省力化を思い切ってやっていく必要があるのではないかな、このように思うわけでございますが、現在郵便事業におきましてどれぐらいの機械化が進んでおるのかということ、また今後どのような分野でどのような機械化を進めていくのか、この辺の見通しにつきましてお願いしたいと思います。


○説明員(上野寿隆君) 先ほども申し上げましたように、郵政事業、特に郵便事業につきましては労働集約型の事業でございますので、私どもは絶えずコスト高にならないように機械化、省力化、これを進めてまいっておりますが、具体的に申し上げますと、昭和四十三年に郵便番号制度を導入して以来、郵便番号自動読取区分機の配備を中心といたしまして機械化を積極的に推進してまいりました。
 現在でございますけれども、配備しております主な郵便物の処理機器といたしましては、大きなものとして地域区分局を中心にいたしまして郵便番号自動読取区分機、これが二百一台、それから配達物数の多い局にあて名を読み取って区分を行います郵便物あて名自動読取区分機、これを六十三台、それから取りそろえ消印のための郵便物自動選別取りそろえ押印機、これを百二十一台、それから選別台付自動取りそろえ押印機、これを百二十五台配備しております。それから、窓口関係でございますけれども、事務機械化ということで郵便窓口の端末機を千六百二十台、郵便切手・はがき発売機、これを二千百十九台配備しております。
 こういったところが現在までの機械化でございますが、今後の機械化につきましては、これらの機器類の配備の拡大、これをやりますほか、性能の向上に努めてまいりたい、そういうふうに考えております。
 それから今後でございますけれども、機械化が非常に今まで困難視されておりました局内におきます配達作業の機械化につきまして積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っておりまして、現在機械処理に適した郵便物のあて名情報のコード化等について調査研究を続けているところでございます。


○山下栄一君 今ちょっとコード化について伺ったわけでございますが、バーコード方式の導入、これはいつぐらいから実施される予定になっておるかということ、見通しをちょっとまたお願いしたいと思います。


○説明員(上野寿隆君) 昨年の五月に郵務局長、私の私的諮問機関といたしまして郵便処理システムの情報機械化に関する調査研究会というのを設置いたしまして、現在処理システムについての検討をやっております。
 もう少し具体的に申し上げますと、郵便番号を拡張いたしましたコードのけた数、それから効率的な機械処理システムの技術開発の可能性、こういった点について種々検討をいたしておりまして、これが今春大体四月ごろになろうかと思いますが、報告書としてまとまる、そんな状況でございます。この報告書の内容を受けまして、今後私どもといたしましてはできるだけ早くこの実施ができるように取り組んでまいりたいということでございまして、これがいつごろの見通しになるかという点についてはここではっきりまだ申し上げられる段階ではございませんので、御理解いただきたいと思います。


○山下栄一君 郵便事業の支出削減の観点からも省力化をもうぜひとも進める必要があると思うのでございますが、いずれにしましても、赤字であるから郵便料値上げという、こういう安易な方法だけはぜひとも避けていただきたい、このように考えるわけでございます。
 大臣に御所見を承りたいと思いますけれども、郵便事業の赤字問題、これにつきましてのお考えをよろしくお願いします。


○国務大臣(小泉純一郎君) 鋭意、合理化、省力化、機械化を進めておりますし、私も就任以来、短期間ではございますが幾つか郵便局を視察させていただきまして、この機械化、省力化の進歩ぶりには実は舌を巻いております。郵便番号自動読取区分機も、先日、現場に行って見てまいりましたけれども、普通、人間だとなれた人でも一時間八百通から千通が限度だと、それが今機械化で一時間五万通が可能だというような現実。大きな封書も小さな封書も区分してどんどん手際よくやっている姿を見まして、大変な努力だなと、よくここまでやっているなという感じを受けました。
 しかし、現実の経営状況の厳しさ、これからも健全経営、省力化、合理化に努めまして、できるだけ値上げしないような努力を最後まで続けたいというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。


○山下栄一君 ぜひともよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、ちょっと地球環境問題につきましてお伺いしたいと思うわけでございます。
 この環境問題に関する国民の意識といいますか、非常に高まってきておると思うわけでございます。先日、総理府が行いました「外交に関する世論調査」におきましても、国連を通した日本の国際貢献、また国際社会における日本の役割、その中で環境問題に対する国民の期待度といいますか、非常に高いわけでございますし、ある団体の調査によりましても、二十の若者で総理大臣を知らない人が一割おったとしても、政治に何を期待するか、これは圧倒的に環境問題を政治に期待すると。景気対策とか政治改革よりも、環境問題に対する政治の取り組みということが非常に若者でも意識が高いわけでございます。
 その中で、昨年地球サミットも行われたわけでございますが、特に日本に対する地球環境における国際貢献に対する期待が内外ともに大変高まっておる状況でございまして、日本のリーダーシップに大変期待が高まっておるわけでございます。ただ、世界的な不況の中で、昨年のサミットにおきますリオ宣言とか、またアジェンダ21の行動計画、どれだけ本当に約束したとおり実施できるのかという非常に心配の声も高まっているわけでございます。
 その中で、サミットの場で特に宮澤総理大臣が発表されました環境ODA、一九九二年度から五年間で九千億から一兆円の環境ODAを何とかやりたいという国際公約をされたわけでございますが、この問題につきまして九二年度の実績、それから来年度予算の上にどのように具体化されておるのかという点につきましてお聞きしたい。これは外務省でございますか、よろしくお願いいたします。


○説明員(黒木雅文君) お答えいたします。
 平成五年度のODAの実施に当たりましては、環境対策の抜本的強化を重点事項の一つとして掲げております。したがいまして、予算の枠内で優良な環境案件の発掘、形成、実施に努めていく考えでございます。
 なお、JICAによる技術協力につきましては、環境関連の研修員受け入れ人数の増加、環境関連人材の拡充、環境関連調査の拡充等を予算に計上しているところでございます。
 それから、実績につきましてでございますけれども、我が国の環境分野の援助は八九年度から三年間の実績で四千億円以上でございました。こうした実績を踏まえまして、UNCEDにおきましては九二年度から五年間で環境分野の援助を九千億円から一兆円をめどとして大幅に拡充強化するよう努める旨、総理より発表いたしました。
 この目標額を単純に計算いたしますと、毎年平均一千八百億円から二千億円をめどとすることになります。金額で見ますと、円借款が我が国の環境協力の大宗を占めますけれども、九二年度の実績について言えば、これまで既にメキシコ、ブラジル、タイ、インドネシア等に対し合計約二千四百五十億円の円借款の環境分野への協力対象として意図表明ないし交換公文を締結済みでございます。


○山下栄一君 九一年までの三年間の見事な実績を踏まえての昨年の首相の国際公約だったと思うわけでございますが、不況の中でどれだけ実際環境分野において実行できるのかということが非常に心配されておるわけでございますが、ここ過去三年間の平均の二倍の毎年度予算を確保していかなければならないという実は実態がございますので、ODAを供与する場合に、やはりODAの場合は途上国の側からの要請主義ということが基本だと思うわけでございますけれども、ある程度日本の方からも積極的な環境におけるその辺の交渉、プッシュがやっぱり必要ではないかなと、このように考えるわけでございますが、その点につきまして外務省に。


○説明員(黒木雅文君) 開発途上国におきましては環境保全よりも開発を優先しがちでございまして、環境案件が必ずしも高い優先度を付されない場合が多いということから、委員御指摘のとおり、我が国からも被援助国に対して積極的に働きかけること、すなわち途上国との緊密な政策対話を通じて優良な環境援助案件の発掘、形成、実施を積極的に進めていくことが重要だと考えております。
 そうした努力の一環としまして、環境分野の援助推進に焦点を当てた日本のミッションをこれまで東南アジア、中南米、東アフリカに対して派遣しておりまして、さらには現在インドに派遣している最中でございます。また、援助の年次協議や経済協力総合調査団の訪問の際にも環境分野援助の対話を積極的に行っております。それからさらには、環境分野の協力案件の形成を促進するという観点から、例えば昨年十一月から十二月にかけまして中国に対して大気汚染総合対策計画を作成するための事前準備の調査団を派遣しております。


○山下栄一君 非常に責任が問われる問題であると思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 あと残された時間でございますが、UNEP国際環境技術センターにつきまして環境庁の方にお伺いしたいと思うわけでございますが、UNEP国際環境技術センターという長い名前でございますけれども、UNEPセンターと申したいと思いますが、これは日本政府の積極的な働きかけで一昨年五月にUNEP管理理事会ですか、そこで設置が認められまして日本への誘致が決定いたしまして、昨年の十月末ですか、正式に発足した。
 これは関西の大阪と滋賀に設置されることが決まったわけでございますが、このUNEPセンターにつきましては、ちょうど同時期にPKO活動の御審議もあり、また実際それがスタートしたわけでございますけれども、同じようにスタートしたんですが、なかなかこちらのUNEPセンターの方の認識が非常に日本でも低いというふうに思うわけでございます。私は大変大きな国際貢献の一環という大事な設置であると思いますし、特に環境分野における我が国初の国連機関の誘致ということで、非常にこの成否は、日本にとりましても全力を挙げて支援する必要がある、このように思うわけでございます。
 このUNEPセンターを支援するために大阪に財団法人地球環境センター、通称GECと言われているわけでございますけれども、それと、滋賀県の方に財団法人国際湖沼環境委員会、ILEC、これが既に設置されておるわけでございます。
 UNEPセンターの方は、これは国連機関でございますけれども、具体的に支援する組織として大阪と滋賀に地方自治体を中心にこれがあるということでございますけれども、このUNEPセンターを直接支援する二つの財団、これがやっぱりかぎを握っているのではないかなというふうに思いまして、日本にできました国際機関、UNEPセンターを支援するGEC、ILECの使命は大変重大である、このように考えております。環境庁のGEC、ILECに対する具体的な支援体制、これはもうぜひとも強力にお願いしたいと思うわけでございますが、いかがでございますか。これは局長並びに大臣にぜひともお答え願いたいと思います。


○説明員(加藤三郎君) UNEPのセンターにつきましては、経緯等につきましてはまことに先生が御指摘のとおりでございます。
 先生もおっしゃられましたように、私ども開発途上国への環境保全技術の移転というのは極めて重要な仕事というふうに思っておりまして、昨年六月の地球サミットにおいてもこの問題が大きなウエートの一つを占めたことも、これまた御高承のとおりでございます。
 このセンターを支援することを主な目的といたしまして、大阪府、市が関西の財界等の協力を得まして、先生がおっしゃいましたGEC、財団法人地球環境センターを設立いたしましたことは、UNEPセンター誘致に大変な熱意を示してきました地元府、市の熱意といいますか、そういったものを示すものとしてまことに有意義なものというふうに私ども考えております。
 環境庁といたしましては、このGECへの支援といたしまして、平成四年度より職員一名を派遣しているほか、昨年十月に、先生がお触れになりましたこのセンターの開設を記念しましてのシンポジウムなども地元自治体とともに環境庁が開催をいたしているところでございます。また、このGEC、財団法人地球環境センターとともに平成四年度から三カ年計画でUNEPセンターの環境保全技術の情報整備等への協力に既に着手をいたしているところでございます。
 環境庁といたしましては、このUNEPセンターの円滑な運営のためにはGECがその役割を十分に果たされていくことが重要と考えておりまして、このセンターへの支援につきましては、UNEPセンター誘致の経緯にもかんがみまして、地元府、市などとともに、あるいは地元の経済界などとともに十分に連携をとって必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。


○国務大臣(林大幹君) ただいまの山下先生の御質問でございますけれども、先生の御質問の中にむしろ説明も入っておりまして大変恐縮に存じますが、この問題につきましては、ただいま地球環境部長の説明のとおりでありまして、環境庁としましては力を集めてこれの充実、達成に協力するつもりでおります。


○山下栄一君 ぜひよろしくお願い申し上げます。
 どうもありがとうございました。

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