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国会質問

126国会 決算委員会会議録 1993年04月12日


○山下栄一君 私の方からは、まず初めに学校におけるプールの事故、特に飛び込みスタートによる事故防止につきまして文部省に御質問したいと思います。
 プールでの飛び込みスタートによりまして首の骨が折れる頸椎骨折、また頸髄損傷などによりまして手足が完全麻痺する、手も足も動かなくなってしまう、そして体感機能障害や場合によっては排便もできないという障害、そして呼吸器障害、こういうのが残りまして御両親が将来の大変な不安の中で事故に遭われた子供さんを介護されている、こういう実態がございまして、こういう事故が学校現場で引き続き起こっておるわけでございます。このような事故が起こっているにもかかわりませず、有効な防止措置がとられないままに引き続いて毎年悲劇が繰り返されておるという、そういう事情があるわけでございます。
 将来ある若者がこのような悲劇的な事故を起こしてほしくないという、そういう強い気持ちから文部省に御質問したいと思うわけでございますが、このような学校プールにおける頸椎骨折、また頸髄損傷という大事故の比率、どれぐらい毎年起こっておるのかという事故件数を文部省で掌握されていると思いますので、できましたらこの二、三年くらいのがございましたら教えていただきたいと思います。


○政府委員(奥田與志清君) お話しの学校プールのスタート飛び込み事故につきましては、頸椎の損傷、骨折についての事故件数でございますが、それぞれに分けた数字はございませんけれども、日本体育・学校健康センターの調べによりますと、学校教育管理下における水泳の飛び込みによります事故件数は昭和六十一年度から平成二年度までの五カ年間で四十六件発生しております。そのうち死亡事故は二件、身体に後遺症として障害の残る事故発生は四十四件となっておりまして、毎年約九件の事故が発生しているという実態にございます。


○山下栄一君 毎年約九件ですか、大変な数であるというふうに思うわけでございますが、こういう大事故に至らないまでも例えばプールの底に頭を打ちつけてたんこぶをつくるとか鼻をすりむくとか、このような直前の事故といいますか、大事故に至らないけれども軽い事故、そういう事故の数を含めますと大変な数に上るのじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 宮崎県の方の教職員組合の調査のデータが出ておるわけでございますけれども、今から五年前のデータでございますが、学校の授業で三人に一人が飛び込みによってプールの底に接触したという経験を持っておるというこんな数もデータとしてあるわけでございます。
 文部省におかれましては、この事故原因をどのように分析されておるか、また対策につきましてどのようなお考えがあるかということをお聞かせ願いたいと思います。


○政府委員(奥田與志清君) ただいま申し上げましたように、水泳は安全で健康なスポーツと一般に言われておりますのにこういう事故がありますことはまことに残念なことだと考えております。
 こういう事故が発生する原因といたしましては、指導内容、指導方法、施設の状況などさまざまな要素が複雑に絡み合っているのではないかというふうに専門家も指摘をいたしております。私ども文部省といたしましては、水泳の飛び込みに際しましての事故を防止するなどの観点から、新学習指導要領におきましては、従来逆飛び込みを行うことといたしておりましたけれども、これを改めまして泳法、例えば小学校ですとクロールと平泳ぎというふうな泳法を重視するという指導をすることといたしまして、スタートを取り上げる場合には安全に十分留意するようにしているところでございます。
 また、この新しい学習指導要領の趣旨を徹底するというふうな観点から、水泳の指導に当たります教員に対する研修を充実させたいということと、さらに、現在着手をいたしておりますけれども教員のための指導の手引の改訂を行っているところでございまして、これらを通じまして適切な水泳指導が行われ、事故の防止が図られますように今後とも努力をしてまいりたいと考えております。


○山下栄一君 今、事故防止につきましてのお考えをお聞きしたわけでございますが、初めは指導者の問題、そして施設の問題というふうにおっしゃったんですが、具体的にお考えになっていることで今おっしゃったのは指導者の問題ですね。
 指導者の研修内容を充実させる、それから手引などをつくるというお話があったわけでございますが、それ以外の分析が施設の問題等抜けておるんじゃないか、また生徒の体格も年々向上しておるというこの辺の観点、これも抜けているんじゃないかなと、このように思うわけでございます。もちろん指導者の研修をしっかりやっていく、また指導方法を万全に整えておく、場合によっては一斉授業ですから教員の人数を強化して、プールのスタートの上とプールの中で先生方が両方でつきましてそういうスタートによる事故が起こらないように配慮するという、そういうふうな工夫も大事だと思うわけでございます。
 特に施設の安全基準の面でございますけれども、浅ければ頭を打ちつけるという、これは当然のことだと思うわけでございます。また、プールには小学校のプールでもスタート台がないところとあるところがあるわけですね。スタート台をつける場合はそれだけその分深く水面の底にいくわけでございまして、スタート台があるところないところによってプールの底の深さも変わってくるという、そういうふうなことも考えなければならない。これもきちっとした分析が必要であるというふうに思うわけでございます。
 特に建築基準の方の問題でございますが、学校プールの規格についてのそういう基準は今どうなっておるのかということを教えていただきたいと思います。


○政府委員(奥田與志清君) 文部省といたしましては、学校施設を整備するに当たりまして目安といたしまして学校施設整備指針を示しておりますけれども、この中でプールの「水深については、適切な深さとし、急激に変化しないよう計画するとともに、見やすい位置に水深を表示すること。」としているわけでございます。実際のプールの建設に際しましては、水深につきましてこの申し上げました指針に留意するとともに、日本水泳連盟が定めておりますプールの公認規則、これを参考にして整備するように指導してまいりたいと考えております。
 ちなみにこのプール公認規則によりますと、先ほどもちょっとお触れになりましたけれども、現在小中学校のプールの水深につきましては八十センチ以上というふうになっておりますけれども、飛び込み時の事故防止などの見地から小中学校のプールにあっても水深を一メートル以上にすることが望ましいというふうにされているところでございます。さらに、プールサイドから五メートルまでの水深が一・二メートル未満であるときにはスタート台から飛び込むというふうなことがないように、逆に言いますと、そういうときには危険でございますのでスタート台を設置してはならないというふうなことも指針として示されておりますので、こういうことを参考にして指導してまいりたいと考えております。


○山下栄一君 各自治体におきまして、実際のところ現在各自治体がそういうプールをつくる場合の基準としておるものは何を基準にしてつくっておられるわけでしょうか。


○政府委員(奥田與志清君) 実際つくられる場合におきましては、先ほどちょっと申し上げましたけれども、学校施設整備指針、これはプールだけではございませんで学校の屋内、屋外の施設を含めた指針でございますけれども、これが基本的に目安になっていると考えております。さらにプールにつきましては、先ほど申し上げましたけれども、日本水泳連盟が定めておりますプール公認規則などを十分勘案してやっていただこうということでございます。


○山下栄一君 学校施設整備指針というのは、これは文部省の指針でございますか。


○政府委員(奥田與志清君) そのとおりでございます。


○山下栄一君 これはいつできたものでしょうか。


○政府委員(奥田與志清君) 小学校の施設整備指針につきましては、昨年の三月に作成をいたしております。


○山下栄一君 中高は。


○政府委員(奥田與志清君) 失礼いたしました。中学校も昨年の三月、小学校と同時に示しております。
 なお、高等学校につきましては昭和四十二年の五月に示したものがございます。


○山下栄一君 小中は昨年三月ということでございますが、この指針につきましては全国に周知徹底されておられるわけでしょうか。


○政府委員(奥田與志清君) 既に各教育委員会を通じまして、学校の方も承知をしていると考えております。


○山下栄一君 私が聞きましたところによりますとそうなっておらないということでございまして、現実は学校の方、特に自治体でプールをつくる場合、国の基準が明確にはない、したがって独自に各教育委員会でつくっている場合もあるし、場合によれば日本建築学会のつくられた資料に基づいてやっておられるという、まだ統一的な基準はないというふうに聞いておるわけでございますが、ちょっと今の御答弁は現実と違うのではないかなと思いますけれども、どうですか。


○政府委員(奥田與志清君) 基準と申しましても、くどいようですけれども、指針として示しているものが先ほど申し上げましたようなものでございます。我々の方はこれでなければならないというふうなものを示すことは、先生も御存じかもしれませんけれども、なかなか難しゅうございまして、したがっていろいろな要素を十分考慮して、一応の目安としてこういうものをぜひ考えていただいてはどうかということでお示しをしているという状況でございます。


○山下栄一君 先ほどの昨年の三月につくられた指針というのは、日本水泳連盟の公認規則ですか、それに基づく指針でしょうか。


○政府委員(奥田與志清君) この二つは直接はリンクをいたしておりません。先ほど申し上げましたように、指針の中ではその辺を一般的に書いております。
 したがいまして、具体的にプールをおつくりになる場合に水深をどの程度にするかというふうな場合には、先ほど申し上げましたように、日本水泳連盟のこの基準のようなものを参考にされるということでございます。


○山下栄一君 この学校施設整備指針ですか、昨年三月の指針ですね、この内容がはっきりわからないんですけれども。
 例えばスタート台の問題ですね。スタート台をつけるときにはどのような高さかとか、またその場合には小学校、中学校、高校別に水深は何センチ以上なきゃならないとか、こんなことが具体的に書かれておるわけですか。具体的にちょっと指針の内容を教えていただけますか。


○政府委員(奥田與志清君) 先ほど申し上げました小学校施設整備指針、昨年の三月につくったものでございますけれども、この中におきましてプールにつきましてはこういうふうに示しております。「水深については、適正な深さとし、急激に変化しないよう計画するとともに、見やすい位置に水深を表示すること。」ということを示しているわけでございます。


○山下栄一君 ということは、そういう抽象的な表現の指針ですか。文部省がつくられた具体的な数値なんかも入った指針というのは、じゃ、ないわけですね。


○政府委員(奥田與志清君) 先生御指摘の、例えば日本水泳連盟がプール公認規則などを定めております。私どもも、最近の御指摘のようなプールにおきます飛び込み事故がございますので、こういう点については、手引書の作成はもとよりでございますけれども、今お話しのような趣旨のものについて、そういうものがつくれるかどうかぜひ検討をしたいと考えております。


○山下栄一君 私ども、大変のんびりされているなというふうに思うわけでございます。
 冒頭申しましたように、毎年、手足が完全麻痺する、また呼吸器障害を実は起こしておる、排便もできないようなそういう障害事故が起きておる、また場合によっては死亡事故もあるというそんな現実の中で、プールの設置基準はこういうものであるべきであるという、それも科学的なデータ、研究に基づくそのような指針が全くないとすると、各自治体でプールはたくさんあるわけでございますしこれからもつくられる場合もあると思うわけでございますが、これはもう事故が起こって当然である、このように感じるわけでございます。
 先ほど申されました財団法人日本水泳連盟は、この飛び込み事故が非常に多発しておるということから有識者による検討委員会をつくりまして、一九七九年、八二年、八五年、八七年、九二年とずっとプールの規格を真剣に検討し改定してきておるわけでございます。
 プールの一番浅い水深の基準はどうあるべきかとかまたスタート台の高さを規制したり、先ほど申されましたように、一九九二年の改正では標準プールまたは公認競泳プールともにスタート台からプール前方五メートルまでの水深が一・二メートル未満の場合はスタート台そのものを設置してはいけないという、このような明確な基準もさまざまな真剣な検討を繰り返して発表しておるわけでございます。
 それに対し、今申されましたけれども、文部省の指針というのは極めて抽象的でございますし、国としてそういう基準をつくっておられないということは大変大きな問題であろうというふうに思うわけでございます。そういう観点から、一番最新の科学的なそういう研究に基づいて国としての明確な基準をやはりつくるべきであろう、このように思うわけでございますが、どうでしょうか。


○政府委員(奥田與志清君) 先生の御提案でございますが、我々も心を痛めております。一方で水深を深くするということはおぼれて死ぬ事故も隣り合わせにあるわけでございますので、この辺につきましても専門家のいろいろな意見を聞いて対応する必要があろうかと思います。
 くどいようですけれども、特に先ほど申し上げましたように、今までは小学校の五年生から逆飛び込みをするということを必ずやるということにしていたわけです。しかし、新しい指導要領では四年生から泳ぐことに力点を置きまして、したがってスタートにつきまして必ずしも逆飛び込みをするというふうなことにはいたしておりません。そういうふうなことや、それからきめ細かい指導をするということは大事でございますので、御指摘がありました水深の問題を含めまして検討していきたいと考えております。


○山下栄一君 一つ抜けておりましたですけれども、一九六六年、昭和四十一年に文部省がつくられた基準というものがあるというふうにお聞きしているわけでございますが、それはないんでしょうか。手引ですね、水深に関する手引、「水泳プールの建設と管理の手引」。これは今も有効なんでしょうか。


○政府委員(奥田與志清君) 今申し上げましたように、新しいものをその後つくりましたので、その限りでは部分的に新しいものに変えるということになっておりますけれども、お話しのように昔つくったものがございます。
 これにつきまして先ほど申し落としましたけれども、ぜひこれについても専門家の意見を聞きながらより適切なものに改めていきたいというふうに考えておるところでございます。


○山下栄一君 今申しました「水泳プールの建設と管理の手引」につきましては、小中高別に水深の数値を挙げた手引があるわけでございますね。これは現在も機能している有効な一つの指針、手引になっておると思うわけでございます。そういう意味で、今お話しございましたように改定はするということでございますね。


○政府委員(奥田與志清君) 現在、そういうことにつきまして関係者の意見もおいおい承っておりまして、ぜひそういうふうなものをできればつくってみたいと考えておるところでございます。


○山下栄一君 できればではなくて、少なくとも専門家または学識経験者等で検討機関をつくっていただいて、プールの規格の問題を水深も含めまして研究していただきまして具体的な基準をやはりつくるべきである、少なくとも検討会議を発足させるべきである、もう緊急な問題である、このように思うわけでございますが、大臣どうでございますでしょうか。


○国務大臣(森山眞弓君) 先ほど来御説明申し上げておりますように、プールにおける重大事故の発生というのはまことに残念なことでございます。
 このような事故が発生いたしますのにはいろいろな要素が複雑に絡み合っていることでございまして、体育局長から申し上げましたような学習指導要領の改定でありますとか、またそのラインに沿いました指導者の研修とか、さらには手引の作成とか、また御指摘のありましたいろいろな問題点につきまして続けて検討させていただきまして、このような事故が発生いたしませんように今後とも努力を続けていきたいと存じます。


○山下栄一君 私はちょっと明確なお答えをお願いしたいわけでございますが、実際クラブ活動でも小中高ともにもうすぐ水泳シーズンでございます。飛び込みスタートによってそのような活動も実際展開されるわけでございますし、小学校段階では必修でなくなったというようなお話を今伺いましたんですが、それでよろしいんですか。小学校は必修じゃないと。


○政府委員(奥田與志清君) 小学校におきまして、今まで逆飛び込みは必ずやるというふうに指導要領で示しておりましたけれども、それを改めましたので。
 そういうスタートにもまたいろんなやり方があるんだそうです。足から飛び込む方法もあるようでございますが、御専門だと思いますけれども、そういうふうな段階に応じて適切なそしてまたそれぞれの力量に応じた指導をするといったようなことなどあわせまして、きめ細かい指導をしてまいりたいと思っております。


○山下栄一君 指導方法の徹底、教師の研修、指導方法の工夫等、当然大事な問題でございますが、何度も申し上げておりますように、施設面の管理安全基準、これはぜひとも研究していただきたい。現場の地方自治体等では基準がないままに建築学会のそういう資料によってつくってみたり、またスタート台の問題もそうでございます。スタート台があるプールもあればないプールもあるわけでございますので、そういう明確な基準をつくらないことには、単にこの指導方法の問題だけでは私は引き続き同じような事故が起こっていく、このように思うわけでございます。このプールの規格の研究、ぜひとも緊急にやるかまたは研究機関に依頼するか、検討機関を文部省が積極的につくっていただくこと、これはぜひともきょうこの場で具体的な御答弁、確約をお願いしたい。
 そうしないと、冒頭申しましたような事故が引き続き起こっていく。これはもちろん指導方法の改善充実、大事であるわけでございますが、施設そのものの水深がどうあるべきかという基準をつくらないことには事故が起こり続ける、このように思いますもので、再度プールの規格に関する基準をつくるということ、これに関するお答えをお願いしたい、このように思います。


○政府委員(奥田與志清君) 先生の御指摘の趣旨に沿いましてできるだけ努力をしたいと考えております。


○山下栄一君 大変何といいますか積極的でない取り組みに失望しておるわけでございますけれども、先ほど申しましたように、日本水泳連盟の場合は何度も何度も研究を重ねてそういう発表をしておるわけでございますから、文部省の対応は極めてなまぬるいしいいかげんであると言わざるを得ないというふうに思うわけでございます。
 この問題につきまして認識が甘過ぎるのではないかな、こういうことを思いますもので、再度森山文部大臣に御決意をお願いしたい、このように思います。


○国務大臣(森山眞弓君) 大変個人的なことを申して恐縮ですが、私も子供を学校のスポーツで亡くした経験がございまして、そのような事故がいかに悲惨なものであるか、重大なことであるかということは身をもって体験しております。
 先生がそのことに大変御心配をいただいていろいろと詳しい御指摘をちょうだいしておりますことは子供たちの安全や健康のために本当にありがたいことだと思っているわけでございますが、先ほどからるる御説明申し上げておりますように、そのような事故が起こりませんようにいろいろな面で最大の努力をこれからも続けていきたいということを申し上げてお答えにさせていただきます。


○山下栄一君 次の質問に移りたいと思います。
 消費者保護行政の問題でございますけれども、昨年十月から十一月にかけまして、我が党の大阪府本部女性局が消費者行政の実態調査を行いました。大阪府下全市町村対象でございます。三十三市、十町、一村のうち、独立した消費者相談窓口を持っておる自治体が全体の四三%、また窓口で相談業務を担当する中で消費生活相談員等消費者アドバイザーなどの資格を持っている人が約二二%、こういう非常に寂しい結果がわかったわけでございます。
 多様な消費者のニーズにこたえるためにも、各自治体にやはりばらつきがあってはならない。細かい消費者の苦しみを吸い上げる、そのような体制がやはり不可欠であると思うわけでございまして、各自治体に最低一つぐらいの相談窓口を開設する、また有資格者の配置をふやしていく、さらには民生委員のような地域在宅相談員制度などきめ細かい消費者保護体制を充実させるべきである、このように考えるわけでございます。もちろん各地方自治体の独自の取り組みが中心になろうかと思うわけでございますが、やはり国としても一定レベルの指導、助成が必要ではないかな、このように考えておるわけでございますが、この問題につきましてまず経済企画庁からお答えをいただきたいと思います。


○説明員(田口義明君) 先生の方から御指摘のございました消費生活相談員及び消費生活センター等相談窓口の設置状況について御説明申し上げます。
 まず、国民生活センターが実施いたしております消費生活専門相談員資格制度でございますが、実施初年度に当たります平成三年度におきましては、受験申込者が千二百七十九名、合格者が六百四十名でございます。平成四年度におきましては、受験申込者が五百八十二名、合格者が三百八名となっております。
 また、消費生活センター等相談窓口の状況でございますが、平成四年四月一日現在で政令指定都市を含む市町村におきます消費生活センターの設置数は百六十九カ所となってございます。また、市町村におきます消費生活相談員の配置状況でございますが、消費生活センターに五百五十二名、その他の相談窓口に九百十四名、合計千四百六十六名となっております。


○山下栄一君 具体的に数を挙げていただいたわけでございますけれども、全国の自治体の約半分に満たないわけでございますね。
 今ちょっと申しましたけれども、通産大臣にちょっとお聞きしたいと思いますけれども、消費者保護行政は経済企画庁の方がどちらかといえば熱心で、通産省の方はちょっと対応が冷たいのではないかなというふうに感じておるわけでございます。縦割りを超えまして消費者保護行政の総合力化といいますかの観点から、そういう消費者相談窓口の強化また体制の充実という観点から、通産大臣の御所見をお伺いしたいというふうに思うわけでございます。


○政府委員(細川恒君) 今の経済企画庁の御答弁に続きまして、私どもといたしましては消費者相談室の充実に努めておりますし、また企業におきまして消費生活アドバイザーをこれは昭和五十五年から認定を行ってきておるわけでございますが、この制度の充実というのを図ってきておるところでございます。加えまして、関係法令の厳格なる施行、運用ということをやってきておることは、先生御存じのとおりでございます。


○山下栄一君 先ほど申しましたように、そういう消費者保護行政のきめ細かい消費者の第一線の市民の皆さん方のお苦しみに対してサービスするという観点から、消費者相談の窓口強化の問題につきまして、通産大臣、消費者保護行政という観点からお考えをちょっといただけたらなと思います。


○国務大臣(森喜朗君) 今ほど事務当局からも申し上げましたように、通産省としましては、産業を振興するということもございますが、同時にまた消費者あっての産業でありますから、また商行為でもあるわけでございますから、消費者のことに対しまして経済企画庁よりも冷たいというようなことは決してございませんし、今後一層そうしたことに対しては対応をしっかりやっていきたい、こう考えております。


○山下栄一君 力強い御答弁、ありがとうございました。
 消費者教育につきまして文部大臣に御質問したいと思いますが、先ほども視聴覚教材の充実という観点がございましたが、特に消費者教育の教材づくりという観点から、各自治体また消費生活センター、弁護士会等で、また経済企画庁もそういう教材づくり、ビデオ等をつくっておられるとお聞きしておるわけでございますが、若者のカード破産、またマルチ商法など悪徳商法の被害に遭っているという、そういうことがあるわけでございますし、また今も高校生でキャッシュカードを持っておったり通信販売を利用したりという、そういう高校生もふえておるというのをお聞きしておるわけでございますし、新指導要領で本格的に消費者教育に取り組むということになっておるわけでございますが、文部省としても独自に中高校生向きの非常に教育効果の大きい教材としての消費者教育用のビデオ等つくられたらどうかな、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。


○国務大臣(森山眞弓君) 消費者としての正しい態度や知識を身につけることは、学校教育における重要な課題でございます。このため、従来から小中高等学校を通じまして社会科、家庭科を中心に児童や生徒の発達段階に応じまして適切な指導を行ってまいったところでございまして、先ほど先生もお触れになりました今回の学習指導要領の改訂におきましては、社会の変化に適切に対応する観点から、消費者教育に関する各教科の内容を見直しまして改善を図ったところでございます。
 例えば、中学校の社会科「公民的分野」で消費者保護を取り扱う際に、近年におけるクレジットカードや訪問販売などを初めとする取引や契約の多様化の実態を踏まえて、「現代社会における取引の多様化や契約の重要性を取り上げ、消費者として主体的に判断し行動することが大切であることを考えさせる」という趣旨を新たに明示いたしたところでございます。
 おっしゃいます消費者教育の支援を図るためにビデオその他の教材をつくってはどうかということでございますが、文部省とか経済企画庁所管の財団法人消費者教育支援センターにおきまして、教師や生徒を対象にしたビデオ教材などを作製しておりますほか、さまざまなビデオ教材が作製されておりまして、学校においてこのようなビデオなどを活用した適切な消費者教育が実施されるように指導の充実に努めてまいりたいと思っております。


○山下栄一君 では、独自のそういう教材づくりというのは今のところは考えておられないということでしょうか。


○国務大臣(森山眞弓君) 文部省所管の財団法人におきまして、そういう教材をつくっておりますことはただいま申し上げたようなところでございまして、それを活用していくということで措置していきたいというふうに思っております。


○山下栄一君 次に、会計検査院と通産省にお聞きしたいと思うわけでございます。
 新聞報道によりますと、社会保険庁発注の特殊シール談合事件をめぐる東京地検の業者側の捜査過程で、社会保険庁だけではなくて六省庁、通産省を含む六省庁が発注した印刷物の入札過程でも談合の疑いがある、そういう不明朗な点が出てきたという報道があったわけでございますが、これにつきまして会計検査院の方でこの地検の捜査を受けまして、不明朗な入札方法により税金のむだ遣いの可能性があるということで、スタッフを増強して検査を行うというふうに聞いておるわけでございますが、この点につきまして捜査のポイント、スケジュール等お願いしたいと思います。


○説明員(天野進君) 会計検査院といたしましては、社会保険庁ほか三省庁については会計実地検査を実施しているところであります。また、通商産業省ほか二省についても今後実地検査を実施する予定にいたしております。
 それから、御指摘の印刷物の契約につきましては、入札事務の実施状況、予定価格の積算などを重点に検査する予定にいたしております。


○山下栄一君 では、通産省にお尋ねいたしますけれども、この談合の疑いにつきまして調査をされたでしょうか。


○政府委員(江崎格君) 社会保険庁における印刷談合に関する社会保険庁の処分につきまして、予決令に基づきまして私ども通知を受けたのが昨年の十二月でございますけれども、この通知を受けまして、通産省としても直ちに関係の五社に対しまして調達実態に関する調査を行いました。この調査によりますと、当省と関係五社との取引の実態でございますけれども、過去五年間でこの五社の合計で九件、したがいまして年平均で二件程度でございます。一件当たり三百万円強ということがわかったわけでございますけれども、ただこの調査で談合の事実を把握することはできなかったわけでございます。


○山下栄一君 通産省の場合は、この五社に占める比率というのが非常に低い、印刷物に関しては発注の面は中小企業向けが大半であるという当院の御報告でございますが、この前衆議院の予算委員会の方で「官公需特定品目の発注実績」、これが資料として提出されたようでございます。これを見ますと、印刷物につきまして平成三年度が一千三十億円ということでございます。そのうち中小企業向けの比率が七三・二%ということでございますけれども、よく見ますと過去五年間の発注実績があるわけでございますが、年々中小企業の比率が減ってきておるという、そのような実態でございます。
 先ほども申されましたように、通産省の場合は極めて高い中小企業の発注になっておるわけでございますが、中小企業対策の責任省庁である通産省として、官公需発注のこの当印刷物につきまして中小企業向け割合が年々減ってきておるという実態に基づいて、中小企業への発注を特に手厚くするという指導をしていくべきではないかなと、こういうふうに思うわけでございますが、どうでしょうか。


○政府委員(桑原茂樹君) 御承知のとおり、通産省におきましては、従来から官公需における中小企業者の受注機会の確保という観点からいろいろ努力してきております。
 印刷につきましては、その中でも特に中小企業性の強い品物である特定品目に指定をいたしまして、中小企業の受注がなるべく多くなるように従来から努力をしてきております。
 御指摘いただいたとおり、通産省自体については、中小企業に対して九〇%以上の中小企業向け比率で印刷の発注をしているという状況もございます。
 なお、官公需全体につきましては、年々その目標値等々を定めまして、政府全体としていろいろ努力をしてきているところでございます。
 過去数年におきましては、非常に好況であって民間の発注が非常に好調であったということ、あるいは官公需の中で非常に大型の工事等がございまして中小企業になかなか行きにくい性格のものが出てきたというようなこともあって、若干その官公需における中小企業向けの比率が下がっておるのが事実でございますけれども、今後とも我々としては精いっぱい努力をいたしまして、中小企業に対する全体としての官公需の比率が高まるように努力をしていきたい、こういうふうに思っております。


○山下栄一君 それと、先ほど申された問題になった大手業者五社につきましては、通産省としては何らかの処分をされたんですか。


○政府委員(江崎格君) 先ほど御説明いたしました調査結果に基づきまして、私どもとしてはこの関係の五社に対しまして一年間一般競争入札及び指名競争入札に参加させない旨の処分をいたしました。


○山下栄一君 特に、印刷業界は中小企業が非常に主要な担い手であると思いますので、今後とも、先ほど申しましたようにこの五年間年々中小企業比率が減ってきておるということから、政府全体の発注における中小企業向けの手厚い保護の御指導をお願いしたいというふうに思います。
 最後に、先ほども中尾委員からお話がございました旧ソ連・ロシアによる放射性廃棄物海洋投棄の問題につきましてお伺いしたいと思います。
 先ほど科学技術庁の方から、特に海洋調査につきましてはできるだけ早くやりたいというお話がございましたが、これは大変日本の国民に対しても大きな不安をもたらしておるのは事実でございますし、正確な実態把握がぜひとも必要である、このように思うわけでございます。特に、核廃棄物が入ったコンテナ、これが極東及び日本海で約七千個、これは向こうの報告によりましての数でございますが、ただこのコンテナの容器といいましても非常に薄い容器で放射能の漏れておるおそれがあるという問題がありますし、また日本近海に沈められました原子炉二基、これについてはもう非常に放射性の濃度が高いという可能性がある。また、海上保安庁による定期的な放射能測量調査につきましても、今回の投棄場所が通常の調査の対象外になっているという心配な点がたくさんあるわけでございまして、そのために今正確な実態把握のための調査が非常に必要になってきておると思うわけでございます。
 報道によりますと、ロシア政府は韓国には共同調査を依頼した、そういうことでこれを韓国も受けまして具体的に調査のスケジュール等も決まったというふうなことがございますが、日ロ共同調査の御予定といいますか、また申し入れ等がございましたら科学技術庁にお伺いしたいと思います。


○政府委員(佐竹宏文君) 私どもといたしましても、正確にロシアが何をどんな形で沈めたかということがわかることは非常に重要かと考えておりまして、今外交ルートを通じましてソ連に対しまして正確な情報をさらに求めるとともに、できれば正確な投棄の場所で調査を行いたいということを外交ルートを通じて申し入れているところでございます。


○山下栄一君 魚介類に放射能が食物連鎖によって濃縮されていくというふうなことが考えられるわけでございますが、非常に国民の食生活に心配があるわけでございます。
 これについて、水産庁は定期的な測量調査を行っておられるということでございますけれども、緊急の特別調査等考えておられるかどうかお聞きしたいと思います。


○説明員(吉崎清君) 水産庁におきましては、従来から科学技術庁を中心とした放射能調査の一環として、水産研究所が日本近海の海産生物及び海底土の放射能調査を実施しております。今回の旧ソ連及びロシアによる放射性廃棄物の海洋投棄問題に関して、必要な海洋調査につきましては水産庁としてもできるだけの協力を行っていく所存でございまして、どのような調査が可能か、関係省庁とともに検討を行っておるところでございます。


○山下栄一君 水産研究所の調査、本来の調査では非常に貧弱であるというふうに考えるわけでございます、予算も科学技術庁の予算とお聞きしておりますので。この点につきましては科学技術庁のお考え、特別緊急体制で調査するという、特に食べ物の問題でございますので、お考えをお聞きしたいと思います。


○政府委員(佐竹宏文君) お答えいたします。
 これまでも水産庁などと協力して行っております海洋調査は年四回、私どもの健康に重要と思われますような魚ですとかあるいは海藻類の海産物につきまして調査を行っております。現在までのところ、日本の近海におきましては、ソ連が投棄したと思われますものによります影響は何ら発見されておりません。


○山下栄一君 特別調査体制のお考えはあるかどうかお聞きしたい。


○政府委員(佐竹宏文君) 今回の事態に対しましては、関係省庁と今鋭意協議を続けているところでございます。


○山下栄一君 もちろん協議していただかなきゃいけませんけれども、食べ物の問題でございますので、非常事態でございますので、緊急の体制をぜひとも組んでいただきたいと思います。
 最後に通産大臣、ちょっとお聞きしたいわけでございますけれども、ロシアの政府は陸上の核処理施設がもう満杯である、新しくつくるそういう資金もないということで、特に液体廃棄物の海洋投棄を引き続き続けていくという、そういうようなことを言っておるわけでございますが、政府の中心の通産大臣といたしまして、海洋投棄の即時中止要求、またロシアの核処理施設への技術的また経済的支援につきましてお考えをお聞きしたいと思います。


○国務大臣(森喜朗君) 先ほど科技庁の事務当局からも申し上げましたように、極めて遺憾なことでございまして、外交ルートを通じて厳重な抗議を申し込む、あるいはまた調査ができる限りしやすい、そういう交渉もしていかなきゃならぬ、こういうお答えがございました。
 実はきょう、政府・与党首脳会議というのがございまして、その際も今週行われますいわゆるG7外相・蔵相会議、その会議にもロシアの外務大臣が恐らく御出席になるというような大体情報を得ているようでございまして、外務大臣からも、この問題につきましては極めて大きな問題であるというそういう認識のもとに、外務省として日本国を代表して正式に申し上げ、いろいろ申し入れをしたい、またいろんな調査方等についても協力をするように申し上げるつもりだと、こういう御意見の開陳もございました。
 当然この問題は、今後東京で開かれますG7あるいは今月の二十四、二十五、通産省、私どもが主宰をいたしまして東西貿易産業経済大臣会議というのを行いまして、それはG7の私どものような立場の者とか、ロシア、カザフあるいはポーランド、ハンガリー等旧の共産主義体制の中にありました国々の支援をこれからどうしていくか、そういうミクロの問題でありますが、協議する会合を開く予定をいたしておるのでございますが、こういう中ででもやはりこうした問題は、正式な議題にするかどうかは別といたしましても率直な私どもはお話をしていかなきゃならぬ問題だと、このように考えておる次第でございます。十分、先生の御心配な点は、これはもう恐らくこの議員の皆さんの、国民全体の共通した重要なテーマだろうと思っております。
 通産省といたしましては、ロシアの支援をどうするかということについては、原子力安全あるいは軍民転換、中小企業の育成、こうしたことを従来とも中心に進めているわけでございますが、今後ともこうしたロシアの原子力関連につきまして、世界の、そして人類の恐怖にならないようにしていくことが極めて大事なことだと、こういうふうに通商産業省としても受けとめ方をして、具体的な支援関係を進めているところでございます。


○山下栄一君 どうもありがとうございました。
 終わります。

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