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国会質問

128国会 産業・資源エネルギーに関する調査会会議録 1993年10月20日


○山下栄一君 公明党の山下でございます。きょうは本当にお忙しい中ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。時間は余りございませんけれども、何点がお聞きしたいと思います。
 物流部門、全く素人でございまして、よくわからない面がありますので教えていただきたいと思うわけでございますが、沼越先生、大森先生のお話をお聞きいたしておりまして、日本の物流のあり方、なかなか将来の展望が見えてこないという非常に厳しい現実があるわけでございます。
 ただ、岡田先生からのお話を聞いておりますと、非常に物流そのものの合理化、システム化といいますか、機械化が非常に進んでいるけれども、人間が抜け落ちてしまっているという、事業者、またそこで働いておられる労働者も含めてだそうでございますが。大体この物流部門そのものが相変わらず荷主、消費者主役で展開されておる。これは極めて日本的な問題点なのか、外国の状況はどうなっておるのかということです。
 物流の中に占める位置といいますか、その経済的な重要性とかは認識されてずっと来ておるということだと思うんです。ただ、環境への問題とか労働者の方々の実態とかを見ますとますます厳しくなってきておる現状の中から、特に岡田先生にこの物流業界といいますか、物流部門の将来の方向性としてなかなか日本の中では将来性が見えてこないわけですけれども、外国の方ではどのような改善がされておるのか、また日本とどのような点が違うのかということ、もし教えていただければと思います。


○参考人(岡田清君) 物流の問題は各国ともやはりいろいろ問題を抱えておりまして、機械化あるいは労働問題を除きますと、恐らく日本は世界でも冠たる発展を遂げてきたと思います。
 ただ、経済発展が急でございますから、それにうまくフィットして問題がなくすっといったかといいますと、いろいろ問題が出てきた。しかも先ほど申し上げましたように、労働問題の制約は出てくる、環境の問題が出てくる、こういうふうなことで、この点ではやはり、これは外国に比べまして日本の方がちょっと悪いかなというふうな感じがいたします。
 特に大都市物流のような場合には、今まで道路側とそれから流通施設あるいは小売業側とのつなぎの問題であるとか、あるいは都市政策のようなものとそれと交通政策がうまくリンクしてこなかったとかいろんな問題がございまして、むしろその辺は外国の方が非常にお考えになっております。
 例えば、テキサスの方ではビルをつくったらその地下へトラックを必ず入れるようにしているとか、地下物流という言葉はよく言われますけれども、全面的な地下物流というのは非常に困難でございますので、部分的な地下物流というようなことが外国では徐々に出かかってきておるようです。そういう点では、まだまだ日本の場合は改良すべき点が非常に多いというふうに理解しております。


○山下栄一君 それに関連してですけれども、輸送業務そのもののあり方といいますか考え方、思想といいますか、日本の場合は受ける側にやっぱり生産とか販売のついでに附属物として、本来ただでやるものだというふうな考え方はまだ残っておるというふうに感じるわけです。その辺の転換がなかなかなされなくて、それがこういういろんな問題点となって大きく浮かび上がってきているのではないか。
 特に、欧米の方では物の考え方、輸送業務そのものの位置といいますか、この辺がやはりちょっと違うのではないか。それがあらゆるところに、費用負担の面も含めまして、この業界はなかなか運賃の改定もままならないというふうなことにまで影響しているのではないかなと思うんです。輸送業務そのものの考え方に違いはないのかどうか、その辺をちょっと先生にお願いしたいと思います。


○参考人(岡田清君) 大変難しい問題でございますが、日本は昔からサービスについては支払いが非常に悪いといいますか、どちらかというと物に対しては目に見えますから金額が定まりますけれども、サービスに対する評価が非常に低かったという歴史がございます。例えば大正年間のトラック輸送というのは、もうそれだけでほとんど運賃はもらえなかったという苦労の歴史がございます。
 ところが、最近はそれが幾らかよくなってはきておりますけれども、しかしながら、例えば細かいちょっと運ぶとか荷役をやるとその料金はもらえないとか、細かく仕事を区切って見ますとなかなか料金につながらない。それは何とかしておいてくれやと、こういうふうに言われて、やむを得ずやっているというようなケースがたくさんございます。その辺がじゃヨーロッパではどうかということでありますが、この辺はやっぱり必ずしもヨーロッパもそうしっかりとなっているということではなさそうに聞いております。
 しかしながら、一般的には非常に競争の激しい業界でございますから、荷主の方は荷主の方で、トラック運賃の支払いを今不景気でうちも困っているからちょっとまけてくれやと、こういうふうなことを言われる。それは当然労働賃金の方にまたはね返る。最後の受け手は労働側だと。こういうふうなのが今までの歴史でございますので、労働の評価あるいは作業、サービスの評価というものをもうちょっとやっぱり適正に理解してもらうといいますか、支払いにつなげていくような方向が必要ではないかなというふうには思っております。


○山下栄一君 先ほど藁科先生の方からも共同配送のお話ちょっとございましたけれども、沼越先生の方からこの共同配送、なかなか荷主の皆さん方の理解も得られなくて進まないという状況のお話があったわけですけれども、将来の方向としましてはいかにして輸送事業の共同化を図っていくか。この業界そのものが九九・何%中小企業ということを考えましたら、私は、事業の共同化ということはもう必然的な歩みとして実体化しなくちゃならないというふうに思うんです。特に、労働力不足の解消の問題とか環境負荷、道路混雑の問題から考えましても、これがもう非常に重要な方向であろうなと思うんです。これ荷主の皆さん方の理解はやっぱり大事だろうと思うわけですけれども、これは進めていくために、特に環境整備を図っていく上でどういうことが必要なのかということを岡田先生の方からお聞きしたいなと思うんです。


○参考人(岡田清君) 共同配送問題を考えます場合に、二つの方向があろうかと思います。
 第一の方向は、自然発生的に共同配送あるいは納品代行とか、いろんな形で共同化が進みやすいような商慣習が徐々に育成されていく、したがって無理をしなくてもある程度いくという見方が一つございます。それからもう一つの見方は、かなり思い切って計画配送まで持っていかないと、あるいは計画的誘導政策を導入しないと共同化は進まない、こういう見方があり得るわけです。
 じゃ、なぜ共同化をするのかということでございます。一つは、道路混雑のような環境問題がやはり恐らく大きなきっかけになって共同化をせざるを得ないという場面がこれから出てくるのではないかというふうに思います。この十二月一日から施行されますNOx法につきましても、ある地域を特定して車の乗り入れを制限するということになりますと、どうしてもやはりある程度共同化ということをやらざるを得ないというふうに言えます。
 今までの共同化が行われました最大の理由は、例えば堀留の問屋街のように、もうひっきりなしにトラックが出入りして、それがもうばらばらに出入りする。つまり、自由放任にしておくことはもはや許されないということで荷主側のみんなの合意ででき上がって共同化が進んできた。つまり、自然発生的な共同化であったわけです。
 では、いつどういう場面で計画的な誘導をすべきかということの判断というのは非常に難しゅうございまして、これは取引の内容にもずっと入っていくようなこともございますので、そのためには、例えば施設を整備して別の効率化を推進し得るような方向を探るとか、いろんなかわりの手段を十分に精査して、その上で共同化の推進にいくべきだというふうに理解しております。


○山下栄一君 NOx法の話が出ましたのですけれども、規制緩和の一環としてトラック重量規制の緩和ということが十二月から実施されるとお聞きしておるわけです。これはまあガソリン代、燃料負担の問題とか、いろいろ背景はあるとは思うんですけれども、先ほどの労働災害との関係で、過積載との関連で非常に心配になってくるんじゃないかというようなことを考えるんです。大森先生、ちょっとこの重量規制の緩和についてのメリット、問題点、お聞きできればと思います。


○参考人(大森均君) 私どもは、今回の重量規制緩和につきましては一定の条件をつけて認めています。と申しますのは、これまたこういうことを申し上げると大変まずいんですけれども、実態は既に二十五トン前後いっているんでありまして、これを追認するというのはいいか悪いかはあるんですけれども、そういう実績から勘案していきますと、現在の車をもう少し改造して、ブレーキとかタイヤとかという安全を損なうような部分については一定の補強措置をとれば現在の車でもまあ使えないことはないという判断です。
 それから、その次の段階としては、近い将来そういう新しい重量に適合した車が開発されるだろうということを思っておりまして、そういった意味ではそれほど大きな問題ないんじゃないかなと思っているんですが、一つ問題なのは、現在の車両構造が大型車の場合二十五トンまでもてるということは大体経験上感ずるんですが、それ以上、二十五トンになったから今度はさらに三十トンだというような過積載が容認されるということは、これは許されてはならないと思っています。
 したがいまして、この辺はこれからまた、適正化事業というのが運輸省にあるんですけれども、適正化事業の中でその過積に対する監視をどう強めるのか、あるいは道路交通上の問題として警察その他の関係で過積載の取り締まりをどうされるのかというのが、次の段階問題になってくるだろう、課題になってくるだろうというふうに思っています。


○山下栄一君 もう時間がありませんが、最後一点だけちょっと。
 沼越先生にお聞きしたいんですけれども、さまざまな問題を解決するためには、荷主との連携といいますか、それが大変重要になってくると思うんです。トラック協会として荷主さんにいろいろアンケートをとられたりしているわけですけれども、具体的に協議の場ですね、そういうふうなものは持っておられるのかどうか最後にお聞きしたいと思います。


○会長(櫻井規順君) 沼越先生、山下さんの持ち時間が少々になりましたので……。


○参考人(沼越達也君) それではもう簡単に答えます。
 持っております。荷主懇談会というのを地方トラック協会単位、それから業種別の部会というのがございますが、その部会単位で持っております。


○山下栄一君 地方別、部会別。


○参考人(沼越達也君) 業種別の部会です。


○山下栄一君 業種別。ありがとうございました。

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