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国会質問

128国会 商工委員会会議録 1993年10月28日


○山下栄一君 公明党の山下でございます。
 午前中からもさまざまな重要な課題の議論が行われたわけでございますけれども、内外ともにさまざまな大きな課題を抱えながら、また前政権からの負の遺産もしっかり受け継いで新しい政権が誕生したわけでございます。大変かじ取りが大変だと思いますけれども、国民の皆さんの期待が大変大きい中での政権でございますので、どうか二大臣頑張っていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 まず私の方から、第一点、規制緩和の問題につきましてお伺いしたいと思います。
 昨日、第三次行革審の最終答申が提出されました。その答申の最大のテーマの一つが公的規制の緩和である、このように位置づけられておるわけでございますし、また九月の政府の緊急経済対策の中でも規制緩和が重要な施策の中に位置づけられておるわけでございます。緊急経済対策の中の規制緩和九十四項目、このうち通産省の分が十六、七たしかあったと思います。
 それに関連しての質問でございますけれども、その一つが分散型電源からの買電メニューの一層の整備促進、こういうことが掲げられておるわけでございますが、この項目の具体的な内容と実現の見通し、時期につきましてお伺いしたいと思います。


○政府委員(堤富男君) お答えを申し上げます。
 分散型電源からの買電をする場合には、具体的に電力会社にどういう電力を幾らぐらいの価格で買ってもらえるか、そうすれば自分たちのそういう予測が可能でございますので、それで分散型電源の設置あるいはそういう買電に努力をするということができるわけでございます。そういう意味から、この九月に決められました緊急経済対策の中で買電メニューを決めたわけでございます。
 現在、実は太陽光発電ではどういう値段で、風力発電ではどういう値段で、あるいはそれが昼間である場合、夜である場合というようなことを分けてメニューをつくっておるわけでございます。ただ、自家発電につきましてまだ一部の電力会社で全部のメニューができておりませんので、これを本年度以内を目途にいたしまして完全に整備をさせていただくという方向で努力をしている次第であります。


○山下栄一君 ということは、残された三電力の買電の体制を今年度中にとるという、これが今回の規制緩和の内容であるということですね。
 この分散型電源の規制緩和、これは省エネ、環境保全の観点のみならず、我が国の今後の長期的な電気供給の確保という観点からもさらに一層進めていくべきである、このようにも考えておるわけでございます。特に、電事連が昨年発表いたしました買電メニュー、特にごみ発電とかコジェネ型自家発電の買い取り価格の見直しの問題なんですけれども、通産省として特に今後見直しを検討課題として取り上げる可能性があるかどうかにつきましてお尋ねしたいと思います。


○政府委員(堤富男君) 現在、先ほど申し上げましたように幾つかの電源種類ごとにやっておるわけでございますが、例えば太陽光発電を幾らで買っているかというようなことを比較しますと、日本の場合には売っている値段そのもので買っていただける、いわば電力会社の売っている値段と同じ購入価格でやっている。世界的に見ますと、ドイツでも大変太陽光発電なんかは熱心にやっておりますが、実際に買うときにやはり九〇%の価格で買うというようなことをしておりますし、アメリカの場合には回避コスト、アボイデッドコストと言っておりますが、その値段でございますので、これも一〇〇%ではございません。
 そういう意味では、日本の買電メニューで出しておりますのは、優遇という言葉を使うかどうかは別としまして、世界的な比較では割合高い値段で買っておるということでございます。そういう意味では、まず我々の努力は、買電メニューを完全にするということを眼目にしたいと思っている次第であります。


○山下栄一君 例えば、夏のピーク時につきましてはエネルギーの確保が大変だと思います。その場合に買電価格を季節価格という形で変動性にして引き上げるとか、そのような可能性はどうなんでしょうか。


○政府委員(堤富男君) 現在でもこの余剰電力の購入、例えばコジェネレーションの場合の余剰電力につきましては、そういうピーク時で使います火力発電、例えば石油とかLNGが多いと思いますが、そういうもののコンビネーションの価格を前提として設定されておりますので、これ以上高い価格というのはやや自分で発電するよりも高いコストで買うということになるのではないかと思う次第であります。


○山下栄一君 特定供給の問題でございますけれども、自家発電業者が電力十社以外に売電、いわゆる特定供給ですけれども、これも緩和する方向で検討すべきではないかと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。


○政府委員(堤富男君) 特定供給を含めまして、まず申し上げたい点の一つは、現在も日本で使っております電力の一一・八%は既に外部からの自家発等の電力を実は使っておるわけでございます。今後、長期的な確保という意味では大変重要なことでございます。
 一方、特定供給といいますのを現在購入する場合ある限定を置いております。ただ、この限定をどこまで外すかというのは大変難しい議論がございまして、どういうことかといいますと、特定供給をする人は電気事業法上の供給義務を課されておりませんので、もし例えば石油の値段が急騰したというような場合には、一斉に発電をみずからはやめて電力会社の電力を使うというようなことで、あるときに突然戻ってくるということがあるわけでございます。そういう場合には、電力会社は供給義務というのが課されておりますから、電力会社といたしましてはそういう人たちのためのバックアップ電源、いつ戻ってきていただけるかわからないけれども、供給義務を課されているという観点からそういう予備電力を用意しておくということがございます。
 これはだれが負担しているかというと、ある程度は特定供給の人が戻ってくることも想定はして、その人たちに値段を高くしているというふうなことはございますが、そういうものが一斉に戻ってきたというような場合のことを考えますと、そういう自家発電をできない人たちの負担でいわばバックアップ電源をつくっていなきゃいかぬということになるわけでございまして、公平性という観点から本当によろしいのであろうかという議論が一つございます。
 それから、ちょっと長くなって申しわけございませんが、もう一つは、電力会社といいますのは、どんな山間僻地における電力の値段も、東京都で非常に需要が密集している地区の値段も実は均一にしておるわけでございます。そういう場合に、非常に需要が密集している地区のところでは、もし特定供給あるいは自家発電を行って他人に供給しますと非常に安く供給できることがあり得るわけでございますが、そういう非常にいわば収益の上がりやすい場所のところを集中してやりますと、電力の採算というのがだんだん悪くなる。
 そうなると、山間僻地の人たちに対して都会の人たちと同じ電力料金でというところが非常にやりにくくなるというようなこともございまして、特定供給の方向といたしましては、いろんな意味での余剰電力の買電促進ということは考えてまいりたいと思いますし、全体的な検討の一環として今検討させていただいていることは事実でございますが、一定の制約もあるということは御理解を賜りたいと思う次第であります。


○山下栄一君 いろいろ難しい問題があると思うんですけれども、方向性としましては、やはり分散型電源の促進というのは冒頭申しました観点からもさらに拡大普及させていくべきであるということが基本でなきゃならないと思うわけでございます。この問題につきまして、分散型電源の規制緩和につきまして大臣の御所見を簡単にお聞きしたいと思います。


○国務大臣(熊谷弘君) 委員が幾つかの御質問の中で既に示唆されておりますように、この分散型電源の導入促進というものは非常に重要なことだと私どもも思っております。このような観点から、現在総合エネルギー調査会におきましてエネルギー供給体制の全般的な検討を行う中で、効率的な電力供給システムを構築する上で分散型電源をいかに組み入れていくかということにつきまして検討がなされているところでございます。今後、この委員会の検討結果を踏まえまして、分散型電源活用のための具体的な方策につきまして、もちろん規制緩和もそうでございますけれども、システムということになりますから、さまざまな方策につきまして積極的に検討してまいりたいと考えております。


○山下栄一君 どうもありがとうございました。
 続きまして化学兵器禁止条約の問題、特に国内の適切な対応という観点からお聞きしたいと思うわけでございますが、軍縮平和の観点から重大な歴史的意義があるかということはもう申すまでもないと思うわけでございます。もうこの条約の発効も迫っておるということです。ただ、この条約の与える影響、これは化学工業全般にわたりまして、医薬品とか化粧品その他染料、印刷、さまざまな化学工業の分野に影響を与えると。もともと化学工業の分野には非常に中小企業が多いということ、また査察の問題、申告の問題、さまざまな問題を抱えておるわけでございます。
 この条約の国内実施体制につきまして通産省の方で御検討をいただいていると思うわけでございますが、検討状況につきまして簡潔にお願いしたいと思います。


○政府委員(細川恒君) 化学兵器禁止条約上の義務を的確に履行いたしますために、条約実施法の制定を中心といたします国内の条約実施体制を整備、確立することが必要だというふうに認識をいたしておりますが、今お話ございましたように、この実施体制の確立に当たりましては、関係者の理解と適切な対応を得つつ、企業秘密の保護と過剰な企業負担の回避などに配慮する必要があるというふうに考えております。このような観点から、化学品審議会に新たに部会を設置いたしまして、条約実施法の制定を中心といたします国内施策のあり方につきまして目下鋭意検討をお願いいたしておるところでございます。
 また、当省といたしましては、既に企業関係者などにさまざまな場を通じまして条約内容や国内の対応の方向につきまして周知徹底を図ってまいっておるわけでございますが、条約実施に向けての体制整備を図るために平成六年度に所要の予算、税制などの措置を現在要求中でございます。今後、審議会におきます検討などを踏まえまして国会での条約の批准手続が進められることを前提といたしまして、次期通常国会に新法を中心とします総合的施策の御検討をお願いいたしたいというふうに思っている次第でございます。


○山下栄一君 今も局長が触れられたんでございますけれども、いずれにしましても条約の規制対象となる企業、工場、これが三千とか四千とか言われておりますが、非常に広範囲にわたる影響を与えるということ。それと企業秘密の保護の問題、製造目的とか製造量とか、どこに販売したかということ等も報告しなければならないというデータ申告の問題。また、国際機関による査察が日本の小さい工場にも入ってくるというふうなことで、査察の体制についても非常に不安感がいろいろあると思うんです。
 そういう観点から考えますと、今も少し触れられたわけでございますけれども、中小企業の方々の不安感をなくしていくための具体的な体制が非常に重要ではないかなと思いますので、特に申告の問題、査察の問題につきましてどのような配慮をされておるのかということを具体的にお願いします。


○政府委員(細川恒君) 御指摘のように、条約上の義務を履行するに当たりまして、中小企業などに過度な負担がかかったりすることのないような配慮をする必要があろうかというふうに考えておるわけでございます。この観点から、御質問がございましたように、査察や申告の際に関連企業が適切な対応が行えますように平成六年度の要求におきまして、一つには各都道府県別に中小企業を対象といたしました査察対応などのセミナーの開催、あるいは査察対応指導員の各中小企業への派遣を通じた査察対応のきめ細かな指導の実施、こういったことにつきまして中小企業対策費として総額約二億円を要求中でございまして、遺漏なきよう進めたいと思っております。


○山下栄一君 しっかりよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、APECへの対応の問題でございますが、来月十七日から二十日までですか、APECの閣僚会議、また非公式の首脳会議が行われると。国際社会からも、アジア・太平洋というGNP五割を超える国が参加する、米、中、日本も入っておるということで、大変大きな関心が集まっておるわけでございますけれども、これには熊谷通産大臣も大変厳しい政治日程の中参加されるとお聞きしておるわけでございます。一週間前の当委員会における所信表明の中でも大臣おっしゃっているわけですけれども、「APECの枠組みを活用してアジア・太平洋地域の貿易、投資の自由化等に向けて貢献してまいります。」、このように述べておられるわけでございます。
 今回のAPEC最大のテーマはアジア・大平洋域内の貿易の自由化と投資の促進ということを伺っておるわけでございますが、APECに臨む我が国の方針につきまして大臣にお尋ねしたい、御決意も含めてひとつお願いしたいと思います。


○国務大臣(熊谷弘君) まず、話の前提といたしましてアジア・太平洋地域というのが、特にアジア地域は世界の成長センターで、現にそうでありますし、今後とも成長センターであり続けるだろうというふうに思うわけであります。そういう意味で、アジア・太平洋経済協力、つまりAPECが開かれた地域協力の一つのモデルを目指して着実に進行していくということが望ましいわけでございます。これは日本だけではなくて、アジア地域の人たちにとっても、アメリカ、カナダ、オーストラリア、それらメンバーそれぞれに全部共通のことでございます。
 とりわけ、アメリカがAPECという枠組みを今後の新しいポスト冷戦の新秩序といいますか、経済面における新秩序として重要な位置づけをしていることは、既にクリントン大統領初めアメリカ政府の各般の発言から明らかでございます。そういう意味で、今後このAPECが非常に重要な役割を果たしていくだろうと私ども思っておるわけであります。
 委員御指摘になりましたように、本年十一月にシアトルで開かれますAPECの閣僚会議におきましては、地域貿易自由化問題が最大のテーマになっておりまして、アジア・太平洋地域の貿易投資の自由化についての議論が行われる予定でございます。我が国としても、この地域を長期的には障壁のない貿易投資市場とすることにより域内の貿易投資の拡大を図っていくため、参加国・地域と協調しつつ積極的に取り組んでまいりたいと考えております。


○山下栄一君 十一月中旬は国会も大きな山場を迎える中で、また別の意味で重要な国際会議ということでAPECですが、どうか大臣、体調を整えられて、日本国民の大きな負託がかかっておりますので、責務を果たされますよう祈っております。
 以上で質問を終わります。

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