128国会 産業・資源エネルギーに関する調査会会議録 1993年11月12日
○山下栄一君 きょうは大変お忙しいところ、また非常にわかりやすく簡潔なお話をいただきましてありがとうございました。時間がもう切迫しているんですけれども、簡潔にちょっと質問させていただきたいと思います。
長期のエネルギーの確保をどうしていくかという大きな問題を考えた場合に石油代替エネルギー、それとあと石油の方向、本当に実態を考えれば考えるほど難しい、そういう現実が明確になってきているのではないかと思うわけです。先ほど原発のお話にございましたように新規立地が大変難しい、リードタイムは長くなる一方である。また新エネルギーの普及、実用化もなかなか難しいし、コストも大変高くつくという問題が相変わらず解消されておらない。そういう意味で、石油依存の度合いというのは非常に高まる一方であるということです。
特に原油の価格が非常に低い状態で安定しているということを考えますと、ますます日本の国際公約でございますCO2規制、これの確保が非常に難しくなる。だけれども、エネルギーの問題を考える場合には地球温暖化防止の観点というのはやはり第一の課題であると思うわけです。そういうことを考えますと、やはり省エネの観点はもう常に第一番に考えておかなきゃならないと思います。特に、原油の値段が安定すればするほど石油依存度は高まってくるということを考えましたときに、省エネの観点というのは絶対に忘れてはならない。
そこで、石油業界、また電気業界では省エネ技術の開発の努力、これは現在どのような比重でやっておられるのかということ。それから、特に海外への技術移転の問題でございますが、私は先日モンゴルへ行ってきたんですけれども、モンゴルなんかは共産主義から自由主義社会に入りまして、ソ連との関係が離れてからますます中国とか日本の技術への期待が大変大きいわけです。これから経済成長路線を歩んでいきますと本当に環境問題が大変大きな問題になってくるわけで、そういう意味でも日本の環境技術の移転というのは非常に重要であろう。特に、太陽光発電なんかは地域性を考えますと、これからはああいう国の場合は非常に重要な方向ではないかと思うんです。その辺の海外への技術移転の問題についての取り組みをお願いしたい。
それからもう一点、電力の長期安定供給の観点から分散型電源の規制緩和はやはり避けられない方向であろうと思うわけです。そういう意味で特定供給の緩和の問題、また売電価格の入札制の問題も検討されているようですけれども、この特定供給の緩和、また売電価格の入札制についてのお考えにつきましてちょっと畔柳参考人から、前の問題につきましては簡単にお三方からお願いしたい、このように思っております。
○参考人(宮田満君) お答え申し上げます。
省エネルギーが地球環境問題から考えて最重要であるというのはまさに御指摘のとおりでございます。しかしながら、先ほど御説明しましたように、このところ石油価格が実質的には安くなったということもありまして、省エネの進行がかなり停滞しているということが心配されるところでございます。
先生の御質問で、電力、石油での省エネの技術開発がどんな状況であるかという御質問だったと思いますが、この点についてはそれぞれの方からお答えいただいた方がよろしいのではないかと思います。
○参考人(能登勇君) 省エネルギーの技術開発につきましては、これは基本的にはユーザーである業界の方々に御努力いただくということになると思いますが、もちろん石油業界として今一生懸命取り組んでおりますのは、一つはコージェネレーションの普及ということでございます。要するに、これはタービンを回してその廃熱をまた利用する、そういった発電と廃熱を利用した熱供給とをうまく組み合わせて効率を上げていこう、こういうものでございます。これの普及を図っていきたい。そのためには、まずいいコージェネレーションの機器を開発していく必要があるわけでございまして、そういったことに今業界を挙げて取り組んでいるところでございます。
それと地域熱供給ということにも一生懸命精力的に取り組んでおります。個々の家庭で暖房をなさるよりも、団地なら団地でまとめて熱を発生してそれを熱供給していく、お湯を供給していく、こういう形の地域熱供給。さらには、今市街地再開発が行われておりまして、そういったところで一カ所にやっぱり熱源を集中いたしまして、今ですと大体オフィスのビル単位に冷暖房というのをやっておりますけれども、これをもう一ブロック全体集中的に、集中して冷暖房をやる、こういった地域熱供給を普及していくことによって石油の効率的な利用を実現していこう。具体的なテーマとしては、そういうことに石油業界として取り組んでおります。
また、それぞれのユーザー業界では、それなりにこういった省エネルギー、エネルギー利用の効率化に取り組んでおられるわけでございまして、御要望があれば常に原料の供給者として協力申し上げることにやぶさかではございません。
それから、あと技術移転の関係でございますが、やはりこういった省エネの技術あるいは環境対策に関する技術は世界に一流のものを持っていると自負しておりまして、必要があればいつでもこれの技術移転に協力することにやぶさかでないということでこの問題に取り組んでおります。
以上でございます。
○参考人(畔柳昇君) 私からは規制緩和の問題についてお答えをさせていただきたいと存じます。
規制緩和の問題でございますが、分散型電源という形でこれを積極的に活用するということを決めております。これを大別いたしまして、電力会社への売電と周辺の需要家への直接供給という二つの方法があるわけでございまして、先生のおっしゃいました余剰電力の購入、それから特定供給という問題がここに含まれていると考えております。
私ども電力会社におきましては、エネルギーの有効利用に役立つものでございますれば、先ほども申し上げましたように、積極的に対応していくということを考えております。先ほど表で御説明をいたしましたように、自家発の余剰購入というものも既にメニューを用意いたしまして、お客様から余剰電力を購入するという道を開いているわけでございます。
今後もそういうことで積極的に対応していくわけでございますけれども、そのときに非常に注意をいたさなければならないことは、お客様の間に不公平が生じないということでございます。ある特定のお客様にメリットが生じても、そのほかの多数のお客様にデメリットが生ずるような事態は避けなければならないということでございます。特定供給に関しましても供給に支障が出ないということを前提にいたしまして、こういうような他のお客様へのデメリットの発生ということを十分に配慮して防いでいかなければならないと思っております。
電力会社におきまして、るる御説明をいたしましたように、電源開発に当たりましてはベストミックスということを基本に据えております。原子力、石炭、LNG、石油、水力等の電源を経済性及び運転特性を生かしてバランスよく組み合わせていくということが基本方針でございます。これによって電力の安定供給や経済性を確保していくということでございます。
したがいまして、今後の電力需要の増大に対応しつつベストミックスを達成するためには、分散型電源のみによる対応では不可能だというふうに考えておりまして、あわせて大規模電源の着実な開発を進めていく必要があるということも留意すべきことであると考えております。
しかし、何度も申し上げますように、分散型電源への対応は積極的に取り組んでいくということを申し上げさせていただきたいと存じます。