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国会質問

132国会 文教委員会会議録 1995年03月17日


○山下栄一君 平成会の山下でございます。
 私も、午前中問題になっておりましたいじめ問題に絞りまして何点か御質問したいと思います。
 まず、今回の文部省に置かれましたいじめ対策緊急会議の最終報告につきまして御質問したいと思います。
 いろいろ厳しい評価も出ておりました。私は木宮先生みたいに厳しい評価は、そこまではいきませんけれども、私も余り評価できない、こういう認識でございます。特に基本認識、これは大変大事だと思うわけでございまして、基本認識がどれだけ深いかによって具体的な提言の中身もどれだけ効果があるかということになってくると思うわけでございます。先ほど上山先生の方からも突っ込みが足らぬというお話がございました。
 なぜ子供がいじめに走るのかということで先ほど初中局長もお話しございましたけれども、私は、例えば家庭のしつけの力が弱くなっているとか、また学校教育における先生方の指導のあり方が問題なんだというとらえ方ももちろんなんですけれども、基本認識としては、子供の側に立った子供の生活の実情を鋭く認識するといいますか、この観点が基本認識の中に欠けておるのではないかと。子供の側に立った子供の生活環境、また学校生活の現状、これをきちっと大人がどうとらえておるかということがここには書いてないということが問題なんではないかと思います。これが一点です。
 もう一点は、子供はかけがえのない存在であるという児童観といいますか、そういうとらえ方が教師は大事なんだという御指摘があったわけでございますけれども、大人として、親として、特に親かもわかりませんが、どんな子供に育てたいのかという子育ての哲学といいますか、これは一人一人違うのかもわかりませんけれども、どんな子供に育てたいのかということが議論されないとか余り問題にない状況では、やはり学校依存体質といいますか、とにかく預ければよいとかということになってしまうのではないかと思うわけです。
 親としてどんな子供に育ってほしいのかという、そういうことを国民的な議論というようなことでしっかりやっていくことがこれから大変大事である。こういった日本の現状ではなかなかそういうことが不明確といいますか、余り議論されておらないのではないのかということもございまして、そんな認識を持っておりますが、この点、大臣にちょっとお聞きしたいと思います。


○国務大臣(与謝野馨君) 一言で子供の側に立って物を考えるという話をしますと、必ずこういう問題の結論というのは、大人が悪い、社会が悪い、学校が悪いという結論になって、責任の所在があいまいになり、議論が拡散をしていく傾向が実はあるわけでございます。
 子供の側に立つという議論が一体どういうことを指しているか私ははっきり承りたいわけでございますが、子供の側に立つということが子供を甘やかすという意味でお使いになっているとすれば、私は余り賛成できる話ではない。やはり、子供にはその年齢に応じた社会的責任が発生している。また、学校においてもそれぞれ自分の身につけた社会的ルールに従って行動をするという、どんな年齢の児童生徒にも私はその責任があると。子供は子供なりにそういう責任を自覚していただくことが私は大変大事なことだと思っております。
 もちろん、子供の側に立って物を考えるということを私は一概に否定しているわけではありませんが、やはりそういう子供の年齢に応じた社会的責任ということがあるんだということを子供に教えるということもまた一つの教育であろうと思っております。
 それから、どういう家庭をつくるか、どういう子供を育てるかということについては、これはマニュアルはないわけでございまして、やはり結婚する方々一人一人の人生観、世界観、そういうものに基づいて子を産み、子を育てるわけでございまして、そこまでマニュアル化した社会というのはむしろおぞましいのではないかと私は思っております。


○山下栄一君 後の方のどんな子供に育てるかという問題は、こういう子供に育てるべきであるということは一人一人違いますでしょうし、哲学も異なるかもわからない。ただ、地域とか家の中とか、また学校における先生方の議論の中で、大人がそういうことを国民的な議論として展開していくことが必要なのではないかという、そういうことを指摘したわけでございまして、この緊急会議報告の中に盛り込めとか、そういうことを申し上げたわけではございません。
 子供の側に立った基本認識が抜け落ちているという意味は、子供の生活の現状がどうなっておるのかということを、子供の現場ですね、その辺を大人はどういうふうに認識しているのかという指摘もこの緊急会議の基本認識に欲しかったということを申し上げておるわけでございます。私は、子供同士の、子供同士と申しますか、子供の人格的触れ合いが今はもう非常に減少してきておると。家の中も、兄弟も少ない、御両親もなかなか家にいらっしゃらない。家庭の中における人格的触れ合いも非常に少なくなってきておる。これはライフスタイルの問題もあるかもわかりません。それから地域においても、地域の中で子供たちが触れ合うチャンスも場も非常に少なくなっておる、特に都会におきましては。そういういろんな子供の生活そのものがひとりで生活可能な、そんな環境も非常に広がってきておることもあると思うわけです。
 特に学校におきましても、教師と子供、授業の中におけるやりとり、触れ合いが、今一方的な授業形態で、進度を早めなきゃならないとか五日制の関係でそういうことも少なくなってきております。また、特別教育活動とか学校行事も少なくせざるを得ないというような状況もありまして、子供同士の触れ合いの場が学校の中においても、学校は学ぶ場であると同時に生活の場であるというふうなことがもう一度問い直されなければならないのではないか、こんな認識がございましたもので、その観点から大人が今子供の現状をどうとらえておるのかと。そういう意味で追い詰められた子供の生活、現場の実態があるということ、これがいじめられ、またいじめる側における非常に閉塞した状況にあるのではないかという、そういう指摘も基本認識の中に一つほしかったなということがございましたもので申し上げた次第でございます。
 あと時間が余りございませんけれども、この問題はどのような形で取り組んでいったらいいのかということを自分なりにちょっと考えましたもので、それも踏まえましていろいろお聞きしたいと思うわけでございます。
 今回の報告の中でも、教育相談体制、学校ではない地域における教育相談体制の充実強化ということが言われておるわけでございます。十二月十三日の内閣におけるいじめ対策関係閣僚会議ですか、そこにおける村山総理のお話の中にも、教育相談所が機能していないのではないかという御指摘があったわけでございますけれども、私どもそういう認識がございまして、教育相談体制の充実強化、これが今回の特に地方財政措置の中に市町村レベルで教育相談負の配置を促進するという、そういう項目があるわけでございますが、私はどんな人に相談員になっていただくかということが非常に大事であると思うわけです。
 学校と地域の教育相談機関との連携も非常に大事だということも御指摘あるわけでございますが、学校の先生が、また親が地域の教育相談所に行って、教育センターに行って相談したくなるような、そういう相談員の充実というのが非常に大事であると思うわけでございます。そういう教育相談の相談員の充実という観点から、どのようなお考えがあるかということをお聞きしたいと思います。


○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 先生がおっしゃるように、いじめ問題の解決に当たりましては、児童生徒の心の悩みにこたえる適切な相談活動を行うことが重要でございます。都道府県、市町村の所管いたします教育相談機関の相談員につきましては、教員経験者、指導主事、医師、臨床心理士など幅広い分野から各相談機関の実情に応じて配置されているものと承知をしているところでございます。
 平成七年度におきましては、教育委員会における教育相談員の配置についての地方財政措置も講じられることになっておりまして、文部省といたしましては、今後とも教育界のみならず、臨床心理士や精神科医など心理学や医学などの幅広い分野から適切な人材が得られるように指導してまいりたいと考えております。


○山下栄一君 これは先日の予算委員会でも大臣から御答弁いただいたわけでございますけれども、相談員として教育経験者、これは当然考えられる。これが今まで非常に中心でなかったのではないかなと思うわけです。それプラス臨床心理士、心理学の専門家といいますか、それから精神科医の方、これはよく出てくるんですけれども、市町村レベルでそういう方々を配置できるのかなと。都道府県でも私は教員OBがまだまだ中心であると思うわけでございます。
 私の地元におきましても、やっとこの二、三年においてお医者さんとか、あと精神科医、小児科医、それから心理学の専門家の方がやっと配置されたばかりであると、非常勤で。だから、都道府県をずっと広げますと、非常に充実しているところもあれば、まだまだそういうところまで至っていないと、都道府県レベルにおいてもそういう状況にあると思うのでございます。市町村になりますと、臨床心理士を探したり精神科医を持ってくるというようなこと自身が非常に困難であるのではないかなというように思っております。
 そこで、御提案ですけれども、都道府県に精神保健センター、これは厚生省の管轄かもわかりませんけれども、そういうようなものがございます。特に思春期の相談、心のケアということで、これは文部省の方も入られての懇話会の中でのいろいろな御提言があるわけでございますけれども、その中で、そこにおける相談員というのは精神科医、その次に精神科ソーシャルワーカーというのが出てくるわけですね。具体的にはそのソーシャルワーカーの方が実は中心となって心のケアの仕事をされておるということがございまして、この精神科ソーシャルワーカーというのは相談員として、特に教育センター、市町村における教育相談所におけるメンバーとしても取り入れていくべきではないかなというようなことを思っておるんですけれども、この辺いかがでしょうか。


○政府委員(井上孝美君) 児童生徒の相談体制の整備につきましては、先生がおっしゃるようにいろいろな観点から、その地域の実情に即し、また学校の実情等を踏まえまして、相談機関と学校との連携協力関係というものも十分念頭に置きながら、そこに適切な人材が確保できるように各市町村等で十分配慮をしていただくように私どもとしても指導していきたいと思っているわけでございます。
 特に、平成七年度から、私どもとしては新たに学校におけるカウンセリング等の機能の充実を図るために、高度に専門的な知識、経験を有するスクールカウンセラーの活用、効果等に関する実践的な調査研究も行うこととしているところでございますので、そういうスクールカウンセラーの今後の充実策等についてはそれらの調査研究の成果を見て適切に対応したいと思っておりますので、そういうほかの省庁の所管する相談体制等とも十分連携をとりながら相談体制の整備を図っていきたい、このように考えております。


○山下栄一君 十二月十三日の総理の御指摘も、やっぱり教育相談所が本当に機能しておるのかと。実際、教師が、また親が相談したくなるようなメンバーになっておるのかみたいなことの御指摘があったと思うんですけれども、特に教育経験者というのは、もちろんたくさんいらっしゃるわけですけれども、中には、特に学校の方では、先生方が、教育センターの方が元校長先生とかというとなかなか相談する気が起こってこないというふうなことも現状としてはあるという、そんなこともあるわけでございます。
 そういう意味では、教育現場以外の、またそれ以外の面での心理関係のプロも考えていかなきゃならないと思うんです。ただ、市町村となりますと、先ほど申しましたように全国三千三百の中で、臨床心理士とか精神科と言ってみても、どうしてもそういう人が見当たらなくて結局は教員OBが中心になってしまうというようなことが考えられますので、もう少し分野を広げて、やはり具体的な形で市町村にも指導していかないとなかなかそういう相談員の確保ということ、また充実ということが図られないのではないのかということがございましたもので、この点、今申し上げたような観点から、精神科ソーシャルワーカーも含めまして御検討いただきたいと思います。
 それから、今局長おっしゃったスクールカウンセラーなんですけれども、これは来年度、新規事業と言っていいのでしょうか、調査研究委託ですか、こういうことが、特にいじめ問題が非常に大きく、いわゆる西尾市の問題がございまして、十二月の段階でしたか、一挙に三倍にふえるような、政府全体としてもこのスクールカウンセラーの文部省の措置が非常に高く評価されたと思うわけでございます。タイムリーな研究委託事業になったと思うわけでございますが、スクールカウンセラーなんてそんな制度はもともとないわけですよね。これは、臨床心理士ということが主要なメンバーと考えられているようでございますが、このスクールカウンセラーの制度化につきまして、今後の方向としてどのようなお考えなのかということをお聞きしたいと思います。


○政府委員(井上孝美君) 先生がおっしゃるように、スクールカウンセラーの活用、効果等に関する実践的な調査研究は来年度予算で三億七百万円の予算措置が初めて講じられたところでございますので、来年度そのスクールカウンセラーの調査研究事業を行うことによりまして、さらに児童生徒の心の悩みにこたえる適切な相談体制というものを整備していきたいというように考えているところでございます。
 スクールカウンセラーの選考に当たりましては、財団法人の日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士あるいは児童生徒の臨床心理に関しまして高度に専門的な知識、経験を有する者などを起用したいというように考えているわけでございまして、先生おっしゃるように各市町村になりますとなかなかそういう人が得られないという場合には、生徒指導等のベテランの退職校長、教員等につきましてもそういうスクールカウンセラーとして起用し、その人たちの実際の相談のあり方等を見ながら今後におけるスクールカウンセラーの充実について対応していきたい、このように考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、スクールカウンセラーの職務である児童生徒へのカウンセリング、あるいは教職員及び保護者に対する助言、援助とか、あるいは児童生徒のカウンセリング等に関する情報収集、提供、そういうものを総合的に、カウンセリングに必要な条件等を見ながら適切に今後対応していきたい、このように考えております。


○山下栄一君 学校の中にそういう教員免許を持っておられないお医者さんとか精神科医の方、また臨床心理士の方が入ってこられるということも非常に大きな開かれた学校という意味でも評価できる部分があるんではないかなと思うわけでございます。私は、この方向を、学校の実情、登校拒否の増加とか、またさまざまな心のケアを必要とするような今の社会の事情から考えますと、スクールカウンセラーの制度というのはこれから広げていくべき課題ではないかなと思っております。
 二年間研究委託された状況を見られるわけでございますが、特に臨床心理士なんですけれども、これは非常に高度な知識を有するということで、大学院が基本的な受験資格といいますか、資格要件になっているわけですね、これを卒業されているということが。ただ、今全国に五千名ほどいらっしゃるそうでございますが、この震災におきましてもそういう臨床心理士が活躍されておるというようなことも考えますと、学校だけじゃなくて社会全体がそういうカウンセラーを必要とするような時代になってきておるということを考えましたときに、カウンセラーの専門家の養成ということが社会の課題にもなってくると思うわけでございます。そういう意味で、大学における心理学の、大学院におけると申しますか、定員の拡大ということも考えていかなくちゃならぬのじゃないかなと、このように思っておりますが、この点いかがでしょうか。


○政府委員(吉田茂君) カウンセリング機能の充実を図るための臨床心理士、非常に高度の専門的知識を有する人材養成が非常に増大してくるということは御指摘のように予想されております。
 大学院における心理学及び心理学隣接諸科学に関する専攻について調べてみますと、昭和六十年度、入学定員で修士千百五十人、博士二百六十人、合わせて千四百十人となっておりますが、平成六年度の入学定員は、修士が千七百十二人、博士三百三十六人、合わせて二千四十八人、千四百十人が二千四十八人と四五%程度ふえております。特に、中心的な臨床心理学を専門とする専攻がその後できまして、京都大学など三大学で設置されておりまして、その入学定員は、修士五十人、博士十人、合わせて六十人、これは二千四十八人の内数でございます。以上のような状況でございます。


○山下栄一君 大学院における心理学の講座の拡充、これも大きなこれからの課題ではないかなと思いますので、前向きの御検討をお願いしたいと思います。
 スクールカウンセラーという制度を公的な制度として整えていく、そういうお考えはどうでしょうか。


○政府委員(井上孝美君) スクールカウンセラーにつきましては、特にいじめ問題等児童生徒の心の悩みにこたえる適切な相談体制の整備ということになるわけでございますので、今回の調査研究の成果等を踏まえて検討していきたいと思っているわけでございます。そして、スクールカウンセラーにつきまして、例えば臨床心理士、精神科医等の専門家を活用して調査研究を行うわけでございますが、そのスクールカウンセラーの資格等につきましてはこの調査研究の成果を踏まえて今後の研究課題として考えていきたいと思っております。


○山下栄一君 どうぞ研究委託のこの事業を踏まえて取り組みをお願いしたいと思います。
 もう時間がなくなってまいりましたので、あとポイントだけお聞きしたいと思います。
 養護教諭の問題につきましては上山委員からもお話がございました。私は、未配置のところじゃなくて大規模の方なんですけれども、三十学級ということは最大千二百人以上については複数、二人置くと。ただ、今回の報告でも養護教諭の役割というのは非常に評価されておりまして、これからも、非常に時間を要する心のケアに取り組む、そういう役割が今までの仕事にプラスしてくるわけでございます。ましてや保健主事ですか、になってもよろしいということになってきますと、保健主事になることについては養護教諭の立場が非常に高まるということで私は評価するわけでございますけれども、そういう役割がどんどん広がる中で、千二百人の学校でないと二人置けないというのでは、これは非常に要求されていることと現実に乖離があるというふうに思えるわけでございまして、複数配置の大規模のレベルを下げる必要があるのではないか。例えば、三十学級じゃなくて二十学級以上とか、そういうふうなことを踏まえた配置改善計画の見直しを検討していただきたい、こういうふうに思います。この点どうでしょうか。


○政府委員(遠山耕平君) 現在、平成五年度から六年計画で進めております第六次の公立義務教育諸学校の教職員の配置改善計画におきまして、大規模校において一名の養護教諭の配置では児童生徒の健康指導等に十分な対応ができにくいんではないかという実情にかんがみまして、新たに三十学級以上の学校に養護教諭の複数配置を行うこととして、それを進めているところでございます。文部省としましては、この改善計画の着実な推進に努めてまいりたいと思います。


○山下栄一君 もちろん三十学級以上がすっかり配置されること自身が前進なんでしょうけれども、社会はそれのさらにスピードアップを求めておるという現状がございますので、特にこういう大きな問題になってまいりました状況の中で、報告でも養護教諭の役割が非常に大きくなっておるわけでございますので、これもやっぱりしっかり検討し、見直す必要があるのではないかということを指摘するにとどめたいと思います。
 学校医なんですけれども、これも私は見直しをする必要があると思います。子供の健康チェック、健康診断、健康相談、これは学校の役割であるわけでございます。学校保健法の中で位置づけられておるわけでございますが、これが昭和四十年代に一項、内科だけではなくて眼科とか耳鼻咽喉科という、拡大されて以来、この二十何年間ずっとそのままになっておるわけでございますが、子供の健康は心の健康が非常に重要になってきておるわけでございまして、そういう意味でこの学校医も見直さなくてはならない実情にあるのではないかなと思うわけです。特に精神衛生面の校医さん、実際健康診断という形で何百人を一遍に診るというようなことは無理かもわかりませんけれども、別の工夫をしながら、学校医の中にそういう精神衛生面の専門家、お医者さん、これを配置することも検討すべきである、このように思いますけれども、いかがでしょうか。


○政府委員(小林敬治君) 今、先生から御指摘いただきましたように、現状を申し上げますとやはり内科、眼科、耳鼻科の先生に学校医をやっていただいているわけでございますけれども、ただいまお話がありましたように、疾病構造がだんだん変わってまいりまして、精神衛生面での学校医の役割というものも大きくなっておりますので、今後学校の設置者や学校関係者に対しましてその点について留意をしてもらうように指導してまいりたいと思っております。


○山下栄一君 最後に、大臣にちょっとお聞きしたいと思うんです。
 先ほど冒頭、子供の生活現場を大人がどういう形で厳しく認識しておるかということがこの中に盛り込まれていないということを払お話し申し上げましたけれども、子供の人間的触れ合いのチャンスが非常に減ってきておると同時に、生活体験が乏しいということが大きな課題になっているわけですね。このことについては大臣も何度も御指摘されておるわけでございまして、学校生活における生活体験を豊かにしていくような、そのような教育内容をしっかり確保する必要があるということなわけです。
 大臣の御指摘、私もそのとおりなんですけれども、ただ七年度から五日制が実施されるわけでございますが、この五日制の実施を決断するに当たってのいろんなアンケート調査によりますと、少なくなった授業をいかに確保するかという中に、生活体験がますます乏しくなるような対応を学校がしておるという実情があるわけです。学校行事を減らして授業に充てる、それからゆとりの時間を減らして授業に充てるという、これが七年度から大々的に始まるわけでございまして、それは生活体験が乏しくなるわけですよね。
 ところが一方では、生活体験が乏しいから豊かにしなさいというふうにいじめ対策で言ってみても、これは現状とは全然反対の状況になっておるというわけでございまして、この点は週二回の実施に伴いましてますますいじめがふえていくというふうなことが非常に懸念されるわけです。この点について大臣のお考えをきちっとお聞きしておきたいと思います。


○国務大臣(与謝野馨君) 子供たちの豊かな成長にとりまして、体験的な学習を取り入れることは大切なことだと認識をしております。今回のいじめ対策緊急会議報告においても、いじめの問題の解決のためには学校や家庭において体験的な学習や活動を行うことが重要である旨の指摘がなされているところでございます。
 また、来月から月二回実施する学校週五日制の趣旨からも、学校で子供たちがみずから学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを育てる観点から体験的な学習を一層充実するとともに、家庭や地域社会における子供たちの体験を豊かにする工夫が必要であります。このことは、学校週五日制の実施通知においてもお示しをしております。
 文部省といたしましても、このような学校、家庭、地域社会における子供たちの学習や生活全体を通して体験的な学習や活動が一層充実するよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。


○山下栄一君 今大臣、紙を見ながら御答弁されましたけれども、五日制の対応ですよ。指導内容を工夫する中に体験的な学習を重視すると書いてあるんですけれども、ところが授業時数を確保しなきゃいかぬわけですよ、この五日の中で、授業が減るわけですから。そのために学校現場がどんな対応をしているかという文部省のこれは集計なんですよ、アンケートの。学校行事を削減する、ゆとりの年間授業時数を減らすということを大半の学校でやっているわけですね。これが実情なんです。触れ合いの時間を減らす、生活体験を減らすというふうなことに追い込んでいくわけです。それがこの四月から始まるわけですよ。だから、今おっしゃったこと、全然現実と違うわけです。それに対するやっぱり大臣としての正確な認識を持っていただかないといじめはますますふえていくと思いますけれども。


○国務大臣(与謝野馨君) 学校週五日制が二回導入されますと、当然授業時間も工夫をしなければなりませんし、学校行事もいろいろ工夫を要するようになるわけでございます。
 一方、児童生徒あるいは両親、保護者にとりましては、土曜日がもう一日休みになるわけでございますので、その一日の土曜日をどう有効に使うかということはやはり家庭でも考えていただかなければなりませんし、また地域社会の中でも、どう子供たちの一日を有効に過ごしていただくかということも実は考えていただかなければなりません。ただ一日休みがふえただけというふうに御認識をされるのか、あるいはどうその一日を有効に使っていただくかというふうに認識するかで随分結論は違ってくるんだろうと思います。
 私どもは、確かに先生おっしゃったように、授業時間も現在の学習指導要領を消化するということであれば多少窮屈になりますし、学校行事の方ももちろん窮屈になりますけれども、その結果出た余裕の一日というものを有効に使えば、先生が御指摘になりました体験学習の重要性を含めまして有効に私は活用できると、そのように確信をしております。


○山下栄一君 全然納得できませんけれども、次の機会にします。

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